2017/08/16 - 2017/08/17
11位(同エリア242件中)
琉球熱さん
会津駒ヶ岳の麓、福島県檜枝岐村
会津駒に登ろうと思わなければ、きっと訪れることもなかっただろうこの小さな村。
会津駒のアクセスが決して良くないことから、近くで前泊が必要になる。
登山の前泊、それだけの理由で訪れた村だったが、想像以上に魅力的な場所だった。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 高速・路線バス 私鉄
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
8/16 東武浅草駅。
今回はこの特急で会津高原尾瀬口駅まで。
見るからに新しい車両。それもそのはず、この4月から新たに導入されたものらしい。
8/15を過ぎているからか、予想以上にガラガラ。浅草駅 (東武鉄道 地下鉄) 駅
-
特急の名前は『Revaty』
会津高原尾瀬口駅まで乗り換えなしで行ける。これは便利。
尾瀬集客のための、東武肝いりの編成。
冒頭で「会津駒登山には前泊必須」と書いたが、実は夜行を使って車中泊日帰りという弾丸山行が可能ではある。
私はやろうと思わないが。 -
浅草から3時間。会津高原尾瀬口駅。
天気はどんより。
バスを待つ間、駅舎に併設された「憩の家」をのぞく。
食堂兼売店。
サンショウウオの燻製が売られていた。
買っておけばよかった、後から悔やむ・・・ -
バスに揺られること1時間。
檜枝岐中央という、村役場の近くで下車。
何はともあれまずは腹ごしらえ。
絶対食べようと思っていた檜枝岐の名物「裁ちそば」。
数店あるなかで、老舗らしい『まる家』に行く。
店内広くてキレイ。愛想の良いオジサン(笑)
そば定食を頼むと、これまた檜枝岐の名物「はっとう」が付いてくる。
古くから伝わるお菓子。鄙びた味わいでタイムスリップしたよう。檜枝岐村に数あるそば屋の中でも老舗 by 琉球熱さん裁ちそば本家六代目 まる家 グルメ・レストラン
-
遅い昼食を終え、まずは檜枝岐歌舞伎の舞台を見ようと、バス通りから小路に入る。鎮守神社への参道だ。
両脇にそれっぽい幟。 -
突き当り手前、左手に「?」と思わせる幟。
「橋場のばんば」子供を見守るおばあちゃんは縁切り・縁結びの神でもあった by 琉球熱さん橋場のばんば 名所・史跡
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これが「橋場のばんば」
頭にお椀を乗せられた姿が面白い。
これが「縁切り」の神様と言うのだから、話は物騒だ。 -
左側の絵馬を見てみると、病気と縁を切りたい・・・というものが目立つ。
俗っぽい私は男女のドロドロを想像してしまうのだが、なるほど、「縁を切る」と言っても「対人」だけではないんだな、と納得。
ま、もちろん「○○(個人名)と別れたい」なんてものもあるんだが・・・ -
ばんばが鎮座する東屋の両脇には巨大なハサミが置かれていて、右側は錆びていて左側がピカピカ。
つまり「縁を切りたい」場合は左側のよく切れるハサミの方へ、「切りたくない」場合は右側の錆びた(切れない)ハサミの方へ、と言うわけだ。
もちろん、左側の絵馬の方が格段に面白いわけだが・・・(笑)
もともとは子供たちを水難から守る水上様だったそうだが、いつから「縁切り」になったのだろう? -
そんな下衆な空想を巡らせていると、ひらひらとアサギマダラ。
その美しい姿に心洗われる想い(ほんとか?) -
さて、賑やかな幟が並ぶ小路(参道)だが、ばんば像の前には
-
きれいなトイレが・・・
表示も洒落ている。 -
そして「歌舞伎伝承館 千葉之家」
檜枝岐歌舞伎の資料館である。 -
その歴史の解説をはじめ、台本、小道具などなどが展示されている。
とてもきれいな施設で、気の香りがしてきそうなほど新しい。
入場無料、無人。 -
参道を突き当りまで行くと、鎮守神社の境内。
そこに舞台はある。
意外に小さい。迂闊にも by 琉球熱さん檜枝岐の舞台 名所・史跡
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ここでどんな舞台が演じられるのか
-
半円形に広がる階段が「観客席」。
今は誰一人いないが、この週末の夜は多くの人で賑わうのだろう。 -
300年近くの歴史を持つ郷土芸能が、年に3回上演されており、そのうちの1回が明々後日、檜枝岐を発つ日だった。
迂闊にも事前に調べておらず、せっかくここまで来たのに・・・。
舞台もさることながら、この境内が人で溢れる様を見てみたいと痛切に思った。 -
疱瘡神
疱瘡が全国的に流行した元禄9年にこの地へやってきたという言い伝え。
この神のおかげで、以降、疱瘡が流行っても軽く済んだという。
社がかなり新しい。人の手がきちんと入っている証拠だ。 -
舞台を後にし国道に出る。
道の傍らに水芭蕉。
本当に水がチョロチョロ出ているのだが、それが湧水か否かは不明。 -
道路脇の、妙にキレイな池。
川魚がうじゃうじゃ。山女魚か?岩魚か?
まさか天然モノじゃないよなー -
井籠造り(せいろうづくり)板倉
釘を一切使わないで造られた倉。そう、あの正倉院と同じ工法なのだそうだ。
ぽつねんと建っているのにも訳がある。
火事の際、住居からの延焼を防ぐために、離れた場所に建てたのだそうだ。
他の地域(特に町)が火事に強い土蔵へと推移して行く中で、「土」に恵まれなかった地域の先人の知恵。
山間部に多いと聞くが、八ヶ岳山麓などでも昔はよく見られたそうだが、現存している物は極めて少ないという。
昔も今も、時代から少しばかり置き去りにされたような檜枝岐村。
ちょっと切ないが、今となっては「置き去り」が必ずしも悪いことでも不幸なことでもないような気がする。正倉院と同じ by 琉球熱さんセイロウ造り板倉 名所・史跡
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ここにいると
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子供の頃を思い出す
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墓と石仏
そうだ、昔はこんな風に、生活のすぐそばに墓があった。
死者というものが、もう少し身近に存在していた。 -
六地蔵
豪雪の山村、ここもご他聞に漏れず何度か飢饉に襲われ、そのたびに「間引き」「口減らし」が行われたという。
この地蔵尊は、幼子たちの霊を鎮めるため、母親の悲しみを鎮めるために建てられたものだという。悲しい歴史の供養 by 琉球熱さん六地蔵 名所・史跡
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村の人々の、今でも変わらない信心深さが伝わってくる。
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道端の何気ない石仏たち
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中には欠けてしまったものもあるけれど
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どれも表情は穏やか
子供の頃にタイムスリップしたような不思議な感覚に包まれる -
檜枝岐村歴史民俗資料館の前に立つ『万里姫』
これもよくある話。
万里姫という美女がいた・・・
曰く、尾瀬沼のほとりに住んでいたという。
悲恋の果てに入水自殺でもしたか!?・・・と思いきや、この地の温泉のおかげで「雪のように白く餅のように柔らかな素肌美人であった」と。
え、それだけ???
これじゃ単なる呼び込みだよ(笑)檜枝岐を知る by 琉球熱さん檜枝岐村歴史民俗資料館 美術館・博物館
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さて今宵の宿、「せせらぎの宿 尾瀬野」
カテゴリー的には「民宿」ということになるらしい。料金は民宿、もてなしは旅館 by 琉球熱さん檜枝岐温泉 せせらぎの宿 尾瀬野 宿・ホテル
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畳が尾瀬だよ(笑)
-
部屋の窓からはこんな景色。
-
洗面所 掃除が行き届いており、とてもキレイ。
そうか、部屋に洗面所や風呂・トイレがない。
だから「民宿」なのか。 -
部屋数はわずか6。
造りもこんなに凝っている。
でも「民宿」。
設備ももてなしも食事も、どれをとっても下手な旅館やホテルより間違いなく「上」だ。 -
ロビー脇にある囲炉裏 兼 喫煙所。
雑誌などが置かれ、自由に使える。 -
大浴場。
源泉の湯温が低いため加温しているが、加水は一切なし。 -
部屋数が少ないので、時間によっては独り占めできるのもイイ。
浴室の広さは充分。心地よい風呂。
さて、明日はいよいよ会津駒ヶ岳。 -
檜枝岐村
数百年来の伝統芸能がいまだに息づいている
厳しい環境ゆえの悲しい過去もあり
かつての日本の原風景ともいうべき、里山の風情を今もなお残している村
もう一度、この村を目的地として訪れたい。
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この旅行記へのコメント (6)
-
- みちるさん 2017/09/12 07:49:22
- 琉球熱さん、おはようございます
- 以前、尾瀬野さんの口コミが投稿されていたので、もしやと思いましたら、やはり会津駒に登られていたのですね。
もう2年前の事ながら、あの日々はしっかり記憶に残っていて、懐かしい思い出に胸がキュンですね^^
私は、帰る日の朝、桧枝岐村を散策しましたが、鄙びた村に郷愁を感じたものです。
尾瀬野さんに2泊しましたが、お風呂もお食事も、女将さんの心遣いもどれをとっても素晴らしかったです。
お部屋も前に川が流れていて、もしや同じお部屋じゃなかったかしら。
角部屋でしたが。
2015年8月25日でした。
玄関に絵手紙が飾ってあったので、私も帰ってから、お礼状にと絵手紙を差し上げたものでした。
会津駒にまた登って、尾瀬野さんに泊まってみたいの夢はあるのですが、アクセスの遠さを思うと、?ですね^^
琉球熱さんの会津駒、いかがでしたでしょう。
次回も楽しみにお待ちしておりますね。
- 琉球熱さん からの返信 2017/09/14 01:18:56
- RE: 琉球熱さん、おはようございます
- みちるさん、こんにちは
みつかっちゃいましたか(笑)
実は今回の山行では、みちるさんの旅行記を参考にさせていただきました。
前泊で檜枝岐に入り、麓で2泊・・・
会津駒ヶ岳日帰り、3日目は尾瀬野から御池にバスで行き、尾瀬ヶ原に抜けました。
宿が最高でした。風呂も食事も大満足。館内全て清掃が行き届いている点も嬉しい。
残念ながら私たちが泊まった部屋はみちるさんが止まった部屋のお隣だったようです。
私の家からも決してアクセス良好とは言えないながら、みちるさんと比べたら贅沢言えないです(笑)
元来、高層湿原に目がない私ですが、会津駒はカミさんがとても気に入って、私としても一安心でした。
膨大な写真の整理がなかなか進まず、旅行記アップがいつになるかわかりませんが、またご笑覧いただければと思います。
---------琉球熱--------
-
- らびたんさん 2017/09/11 19:43:12
- TOPの写真
- 琉球熱さん、こんばんは^^
待ってました〜会駒!
TOPの写真、白黒かと思いましたよ・・・コスモスがピンクなので驚きです。
タイトルにぴったりの1枚ですね。
ゾクゾクしました。
浅草からの特急はいつも気の毒なくらい空いてますよー。
通勤のとき地元駅を通過していくのですが、ガラガラでw
私もこれで会津高原尾瀬口まで行ったことあります。
そのときは燧に上りました。
前後泊は檜枝岐村のキャンプ場でテントです。
村の観光はぜんぜんせず、登山以外の時間を酒飲んで過ごしましたよ。
今回の旅行記、テンポがなんとなくよーべんさんぽいところありますね^^
次は山ですね!楽しみにしています!!
らびたん
- 琉球熱さん からの返信 2017/09/11 23:55:29
- RE: TOPの写真
- らびたんさん、いつもありがとねー
> TOPの写真、白黒かと思いましたよ・・・コスモスがピンクなので驚きです。
コスモスのピンクだけ残して、あとは色を「抜き」ました〜(笑)
あんまりうまくいかなかったけど。
> 浅草からの特急はいつも気の毒なくらい空いてますよー。
なに、そうなの?
確かに去年日光(雲竜渓谷)に行った時も空いてたな。
そういう意味じゃ、狙い目だよね〜。JRより格段に安いし。
> 今回の旅行記、テンポがなんとなくよーべんさんぽいところありますね^^
(^^ゞ
よーべんさんが聞いたら何と言うかな?(笑)
> 待ってました〜会駒!
> 次は山ですね!楽しみにしています!!
その会津駒ヶ岳が大問題なのよ。
写真が多すぎて収集つかず。
気長に待っててね〜〜
--------琉球熱---------
-
- j-ryuさん 2017/09/11 09:51:24
- ありがとなし!
- おはようございます。
あれま、今度は桧枝岐ですか。
福島県民代表(?)として厚く御礼申し上げます。
桧枝岐は尾瀬の玄関口として有名ですが
尾瀬が観光のメインだと宿泊せず通過する観光客が多いので
村に滞在してくれるのはとてもありがたいことでしょう。
魅力ある村だけに素通りはもったいないですよね。
桧枝岐のお隣り南会津町(旧・舘岩村)には重要伝統的建造物群保存地区の
前沢曲屋集落や無指定ながら前沢集落以上に素朴な水引集落など
奥会津の原風景がいまだに残っているので
日本の農山村の文化風習に興味がある人にはたまらない地域だと思います。
我が家からは同じ福島県でも車で3時間くらいかかるので
めったに訪れることがないので
とても懐かしい風景を見せていただきました。
会津駒ケ岳編も楽しみにしています。
PS,ありがとなしは代表的な会津弁ですが、桧枝岐だけはなぜか標準語に近い村なんです。
j-ryu
- 琉球熱さん からの返信 2017/09/11 23:50:13
- RE: ありがとなし!
- j-ryuさん、またまたありがとうございます。
おっしゃる通り、素通りはあまりにもったいない村でした。
会津地方は独特の風情がありますね。歴史・伝統と言うものをとても大切にする風土なのでしょうか?
そこにある風景や風情を「いいなぁ」と思うのは、観光客の身勝手な郷愁だとは思うのですが、(実際そこで生活する人々には、当然様々な苦労があるでしょうから)檜枝岐の雰囲気はやはり人を惹きつけます。
j-ryuさんにご紹介いただいた南会津エリアもいつか行ってみたいものです。
> 会津駒ケ岳編も楽しみにしています。
いや、実はこれが大変な難題でして、花の写真が多すぎて整理がつかず(笑)
気長に待っていてください。
------------琉球熱-------------
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