2017/08/03 - 2017/08/03
27位(同エリア876件中)
キートンさん
2泊するエアーズロック・リゾート滞在の中日となる、オーストラリア観光3日目。
今日はウルル・カタジュタ国立公園観光のメインの日となります。
今日の午前中でウルル周辺の観光を終え、午後からはカタジュタ
のロングトレイルを歩きます。
ウルルが一枚岩なのに対して、大小36の岩からなるカタジュタのトレイルは岩と岩の間の谷を歩くというもの。
カタジュタにある2つのメジャーなコースのうち、今日は「風の谷」と呼ばれる約7.4kmのロングコースを歩き、巨岩群の深部まで踏み入れます。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 2.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 観光バス
- 航空会社
- ジェットスター航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
ウルルエクスプレスのカタジュタ行きシャトルバスは朝と午後の1日2往復ある。
午後の便は12:30頃エアーズロック・リゾートを出発する。 -
「アウトバック・パイオニア・ロッジ」のキッチン前にカタジュタの模型があった。
この模型でウォーキングトラックの予習をしておこう。
白の破線がウォーキングトラックで、一般的なコースは2つである。
左の破線は「風の谷」というコースで、一周して戻ってくると約7.4km、3時間程度のロングコースである。
(奥の方にも破線が延びているが、ガイドが必要なコースと思われる)
右の薄く写る破線は「ワルパ渓谷」というコースで、片道約1.3km、往復1時間程度のショートコースである。 -
「アウトバック・パイオニア・ロッジ」でよく見かけるレンジャクバト(Crested Pigeon)。
カンムリのような鶏冠があるハトで、オーストラリアでは都会でも見られるようである。 -
カタジュタ行きシャトルバスは10数人のハイカーを乗せて、国立公園のゲートを越えると右へ分岐して西へ西へと走る。
-
13:10頃、「カタジュタ砂丘ビューイングエリア」に到着。
緩やかな丘の展望台へと続く遊歩道を上る。 -
この展望台から見たカタジュタは左右に長く岩群が広がっている。
「カタジュタ砂丘ビューイングエリア」はカタジュタの南側に位置し、この時間帯は逆光気味である。 -
カタジュタの最高峰は「マウント・オルガ」で海抜1069m。
周辺は海抜約520mで、比高差は546mあるといわれる。
ウルルが海抜863m、比高差は346mなので、マウント・オルガの方が高さでは約200m高いといえる。 -
「カタジュタ」が意味するのは「たくさんの頭」。
頭の形もいろいろある。 -
東にはウルル。
4億年前の地殻変動で砂岩の地層が大きく褶曲して向斜構造となった。
硬い砂岩層の両端が地表に突出して表れ、片方がウルル、もう片方がカタジュタとなったという。
驚くべきことに、45kmも離れたウルルとカタジュタは地中でつながっているというのだ。
しかもその砂岩の塊が地上に出ているのはわずか5%にすぎない。 -
再びシャトルバスに乗って、「サンセット・ビューイング」でトイレ休憩をはさみ、ワルパ渓谷駐車場へと向かう。
同部屋のFさんもこのシャトルバスに乗っていたが、ワルパ渓谷のショートコースを歩いてみるということで、そこで別れることになった。 -
13:45頃、風の谷駐車場に到着。
「風の谷」のトレイルは、駐車場から約1kmの「カル展望地」を経由し、その先の分岐を右に進むと約2.5km地点に「カリンガナ展望地」に至る。
「カリンガナ展望地」で折り返して駐車場に戻ると往復約5kmとなるが、体力と時間に余裕があればさらに先に進んで反時計回りに周回して戻る約7.4kmのコースを歩きたいところ。
ドライバーからは3時間後の16:45を目途に駐車場に戻って来るよう告げられた。 -
早速、トレッキング開始。
空はますます晴れ渡っている。 -
一個一個の岩の大きさはウルルに遠く及ばないとはいえ、迫力ある景観はウルルに引けを取らない。
-
巨大なだけでなく形状も個性があるね。
岩の上でも緩やかなところには樹木や草が茂っていて、いい感じのアクセントになっている。 -
緩やかに上って行くトレイルを進むと、駐車場をスタートして15分を過ぎる頃「カル展望地」に到着。
谷の向こうに別の岩が見え始めた。
気温が36℃を越えるとここから先は閉鎖になって立ち入れないらしい。
砂漠気候なので夏季はかなりの頻度で閉鎖になるという。
「風の谷」を歩くなら、11月~3月の期間は避けるべきだ。
8月は気温も低くトレッキングのベストシーズンだろう。 -
「カル展望地」を過ぎると下りにさしかかる。
-
「カル展望地」から下って来ると、緑がどんどん豊かになってくる。
岩群に囲まれたオアシスのようだ。 -
涸れた川を渡るとトレイルの分岐点となる。
-
「風の谷」のトレイルの分岐点。
ここで休憩しても良いが、今のコンディションは最高だ。
懸念していた足腰の調子も悪くない。
ここは先を急ぐことにする。 -
イチオシ
分岐を右に進む。
緑豊かな気持ちの良いトレイルを歩く。 -
水辺で2~3人のハイカーが何かにカメラを向けていた。
体長10cmくらいの小鳥だった。
オーストラリアやインドネシアに分布するキンカチョウのメスのようだ。
後で気付いたことだが、「風の谷」のトレイルでここが唯一の水辺だった。 -
トレイルをさらに進むと、徐々に谷が狭くなってくる。
分岐後のこの一帯が本来の「風の谷」なのだという。
ただし、今のところ風らしい風は吹いていない。 -
トレイルは突然現れた急な岩肌に阻まれた。
上からハイカーが苦労しながら下りてくる。
これは「風の谷」のコースで最大の難所かも・・・
と思いきや、もっと左の端の方を登って行くと歩きやすかった。 -
風の吹かない「風の谷」をさかのぼって行く。
変化のあるダイナミックな景観が次々と現れる。 -
前面に大岩壁が迫る頃、トレイルは左にカーブして行く。
-
左にカーブした後も上りは続き、谷はより狭くなっていく。
-
狭い谷の向こうに峠が見えてきた。
あそこがおそらく「カリンガナ展望台」。 -
振り返ると、もう凄い光景となっている。
三方を巨岩に囲まれ、他の惑星に迷い込んだのかと錯覚しそうな雰囲気である。 -
イチオシ
14:35頃、「風の谷」のトレイルで最大の見どころとなる「カリンガナ展望地」に到着した。
「風の谷」の絶景が飛び込んでくる。
今までいろんな風景を見てきたが、どこにも似ていない風景だ。 -
見下ろすと、緑の中に今まで歩いて来た「風の谷」のトレイルが確認できる。
-
「カリンガナ展望地」に到達した証にバックパックを競演させておこう。
そんなことよりこの反対側がまた絶景なのだ。
「カリンガナ展望地」からその先には、左右の巨岩の間から広々と開けた風景が広がり、赤茶けた岩が点々としている。
神々が舞い降りてきそうな神聖な庭ともいうべきその絶景は、残念ながら公共的に閲覧できるものに掲載することは禁止されているようなのである。
ウルルのように「センシティブ・サイト」の標識はここでは見当たらなかった。
しかし、「地球の歩き方」やネットで「カリンガナ展望地」で検索した記事には「公共物への掲載は原則禁止」の記載が見られる。
なのでこの先の風景は、実際にここを訪れて自分の目で確かめてくださいと、言うほかないのである。 -
「カリンガナ展望地」まで来た後、どう進むかは2つの選択肢がある。
ひとつは来た道を引き返す。
もうひとつは先に進んで周回コースを歩く。
ここは当然周回コースを行きたいところだ。
しかしその風景は掲載できない。
さて、どうしようか・・・
しょうがない、写真は「風の谷」のトレイルで撮った草花で我慢してもらうしかないのである。 -
「カリンガナ展望地」で10分弱そこからの絶景を堪能した後、さらにカタジュタの奥深くへと進む。
「カリンガナ展望地」からは最初急な下りとなっている。 -
下りの途中でトレイルが二股に分かれるが、先で再び合流するようだ。
ただ左へ進んだ結果、ブッシュのやや歩きにくいルートをとってしまったようだ。 -
狭い谷を下りきると、トレイルは左にカーブし広々とした草原を歩くことになる。
「カリンガナ展望地」から先はハイカーも少ない。
左手の岩山は近く、右手の岩山はやや遠くに眺めながらのトレッキングとなる。 -
周回コースの中盤はアップダウンは緩やかで、草原の輝きを感じながら快適に歩いて行ける。
コース近くに高木が少ないため日影は少ない。
今の季節は良いが、気温が高い時期は過酷なトレッキングとなりそうなので注意が必要だ。 -
右手にはいくつもの岩が連なる。
トレイルからは距離が離れているため迫力こそないが、岩山に囲まれた広大な庭を歩いている感じで、「カリンガナ展望地」までの風景とは違った趣がある。
これらの岩の多くがアナング族の聖域となっているのだろう。 -
15:30頃、周回コースの途中にある水場に到着した。
ここまで来ると最初の分岐点まで後1kmを切る距離となる。
「カリンガナ展望地」直前の急な上り以外はほとんど汗もかかなかったので、給水の必要はなかった。
この時期はハエは少ないかなと思っていたが、少ないどころか3日間の滞在で3匹くらい見かけたかな?というほど、皆無に近かった。
年により多少差はあるだろうが、8月はまさにウルル・カタジュタ観光のベストシーズンだろう。 -
この水場から駐車場までは2.4km。
まだ帰りのシャトルバスまで1時間以上あるので、順調なペースだ。 -
水場から分岐点までは、涸れているとはいえ川に沿ってトレイルが続いている。
一見涸れている川でも伏流水があるのか、緑が多く高木も育っている。 -
イチオシ
駐車場から最初に見えていた岩がだんだん近くなってきた。
分岐点はもうすぐだ。 -
分岐点近くの橋を渡ると「カル展望地」までは最後の上りとなる。
-
無機質な赤茶色の岩肌の一部に緑が茂る風景が何気に良かったりする。
-
最後の急坂を上る。
今さらの情報だが、青の三角がトレイルを示している。 -
イチオシ
16:00過ぎ、「カル展望地」に到着。
行きはペースがつかめなかったのでここはスルーしてしまった感じだが、再びここまで戻って来て時間に余裕があるので、ゆっくりしていこう。
空は深く青く、月まで出ている。
改めてじっくりとこの場に身を置いてみると、世俗とは別世界にいる気になる。 -
「カル展望地」にて、髪の長い女性が口ずさんでいた歌は、歌詞は日本語ではないが、間違いなく知っているメロディーだった。
そのメロディーから思い出した詞は「地球はまわる 君をのせて・・・」。
「天空の城ラピュタ」のエンディング曲だ。
「風の谷」なんだから歌うなら「風の谷のナウシカ」だろ!、とツッコミたくなるところだが、「君をのせて」のメロディーは意外にもこの場の雰囲気に違和感なく、自然に受け入れている自分がいた。。
そもそも「風の谷のナウシカ」のイメージは中央アジアの砂漠地帯で、この「風の谷」ではないといわれている。
それに「風の谷のナウシカ」という曲は、映画「風の谷のナウシカ」の内容との乖離などを理由に映画の中に挿入されてはいない。
外国人が映画「風の谷のナウシカ」を見ていたとしても「風の谷のナウシカ」という曲を知っている可能性は低いし、この「風の谷」と「風の谷のナウシカ」を関連づけようとしているのは日本人だけなのかもしれない。
とはいえこの景色と「天空の城ラピュタ」とが重なるかというとそれも違うように思う。
世俗とは別世界のようなこの景色と、壮大で切ない独特の世界観を感じさせる「君をのせて」のメロディーが意外なほどなじんでいたというほかないのである。
女性ハイカーがたまたま口ずさんだがために、不覚にも「君をのせて」は私の中に「風の谷」のイメージソングとして刷り込まれてしまった。
「Carreying You - Castle in the Sky」
https://www.youtube.com/watch?v=5DXbeJaYVJs -
16:40頃駐車場に帰って来ると、まだほとんどの乗客が帰って来てなかった。
さすがに17:00前になるとドライバーがトレイルに迎えに行き、しばらくして最後の乗客を引き連れて戻って来た。
そんなわけで、シャトルバスが駐車場を出発したのは17:00を大きく過ぎていた。 -
実は旅行計画時からウルルよりもカタジュタの「風の谷」のトレッキングの方を楽しみにしていた。
「風の谷」はそんな期待に大いに応えてくれた。 -
カタジュタはどうしてもウルル(エアーズロック)に知名度で劣ってしまうが、「風の谷」の約7.4km一周コースは個人的に是非お勧めしたいトレイルである。
ただし、暑い時期を避けるという条件付きではあるが。 -
カタジュタからの帰り道、シャトルバスはウルルに向かって走る。
-
18:00前、エアーズロック・リゾートに戻って来た時はまだ日没前だった。
エアーズロック・リゾートの中央部にある「イマルング展望地」に行ってみた。
夕暮れ時、20~30人ほどの観光客が来ていて、日本人比率が高く、結構にぎわっていた。 -
「サンセット・ビューイングエリア」から見るウルルに比べると、遠いうえに麓の部分が十分見えないのでやや平べったく見えてしまう。
宿から徒歩で来れる展望地なのだから、見えるだけでありがたいのだが。
ウルルエクスプレスで往復49ドルかけて行く「サンセット・ビューイングエリア」とここから見るウルルに大差がなければ、49ドルも払って見に行く価値がなくなってしまう。 -
今日のウルルは昨夕と違い、西側を赤く染めていた。
カタジュタの「ワルパ渓谷」のショートコースを選択したFさんは15:00台に帰って来ていたので、この時「サンセット・ビューイングエリア」に行ってウルルのサンセットを見ていた。
今朝のサンライズとは比較にならないほど良かったそうだ。 -
朝立ち込めていた雲は一掃され、夕日をさえぎるものは何もなかった。
エアーズロック・リゾート滞在の中日となった今日は、午前中はウルル、午後はカタジュタのどちらも主要なウォーキングトラックを歩くというハードな1日だった。
おそらく15km以上歩いただろう。
手術後1ヶ月経たないのによく問題なく歩けたものだ。
さすがに疲れたが、心地良い疲れだった。
ウルルの「マラウォーク」も良かったが、やはりカタジュタの「風の谷」が最高だった。
天候と体調、共に良いコンディションでこの日を迎えられた幸運に感謝だ。
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