2016/10/22 - 2016/10/22
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motogenさん
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シンチャイ村に行く途中にあった分岐点、そこを左に進めば数百mでカットカット村らしい。
サパから一番近くて、観光客が集まる人気の村だ。
アリヤンさんはその村に、関所のある正面から入るのではなく、こっそり裏道から訪問したようだ。
私もアリヤンさんにあやかって・・・・
というわけで、今日も三色おりぎりとミカンを持って出発する。
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-
今日もファンシーパンには雲がかかり、その姿を見せてくれない。
-
ロータスホテルの下から、南に下りていく石段の路地がある。
途中で途切れてしまうような気もするが、ここを下りていってみよう。 -
150mも進むと、やはり行き止まりになってしまった。
しかし、この下20mに、車が通れる道路が見える。
足を滑らせながら、その道路に降りる。 -
降りた。
町を西に下る坂道の途中から、別れてきた道路に違いない。 -
すぐ上に、サパのホテル群が見える。
南に向かって歩くと -
山の下には赤い屋根の集落が見える。
多分あれがカットカット村だ。
目の前に大きなホテルが建っていて、その手前に山を下っていく脇道がある。
このあぜ道のような通路は公道てはなく、この先に見えている民家の私道かも知れない。 -
侵入してみる。
叱られたら、引き返せばよい。
民家の庭先を通過すると、路地はさらに伸びていた。 -
鼻水たらした子どもが遊んでいる。
「シンチャオ」
「・・・・」
言葉をかけるとモジモジ・・・ -
なべを抱えたお婆さん。
道の先を指さして、「カットカット?」と聞く。
お婆さんは、「うん・・うん・・」とうなずいてくれた。 -
藪の中に入っていく。
毒蛇が出てきそうだ。 -
藪を抜けると、そこには目を見はる光景が拡がっていた。
近くの山、遠くの山、その奥の山々が三次元の立体となって組み合わり、さらに上方に目を転ずると、雲の上に雄大な山脈の一部が霞んでいるのだ。 -
この美しさは、写真などには納まるものではない。
一日中、ずっとこの景色見続けていても飽きないだろう。
この感動をどうしたものか・・・・
自分一人ではかかえきれないような、そんな気持ちになってくるのだった。 -
つづら折りの道を降りて行く。
土は新鮮で、作られたばかりの道のようだ。
森の中に入っていく。
暗い森の中を右へ左へと折れ曲がり・・・ -
やっと明るい場所に出てきたが、そこは岩がゴロゴロ転がり、道とは言えない場所だった。
-
あぜ道があった。
とにもかくにも人里付近まで下りてこれたのだ。 -
下りてきた山を見上げてみる。
けっこう高い場所を下ってきたものだ。 -
周囲の様子を観察していると、南の方から女の子2人と男の子1人がやってきた。
にこっと微笑み、恥ずかしそうに追い抜いていく。
「カットカット・ビリッジ?」
そう聞くと、進んでいる方向を指差して、ついておいでといった仕草をする。
この子たちも、カットカット村にいくようだ。 -
女の子は籠をしょっているが、男の子はシャツをかぶって遊び人風だ。
籠には布きれやペットボトルが入っている。
おしゃべりしたり、寄り道しながら歩いていく様子は、日本の子どもが学校に通う姿と同じだ。 -
子どもの足は早い。
立ち止まって写真などを撮っていると、子どもたちに置いていかれそうになる。
しかし子どもたちは待っていてくれる。 -
小川があった。
太い竹が置いてあるだけの、滑りそうな橋だ。
大丈夫?
私を心配し、そんな顔をして見ていてくれる。
言葉は通じないが、気持ちは通じ合ってくる。 -
子どもたちは時々休み、1本のペットボトルの水を分け合って飲んでいる。
持って来たみかんをあげて、一緒に食べた。
「サンキュー・ベリーマッチ」
可愛くて綺麗な英語が聞けた。
この子たちは、ラオチャイ村付近から歩いてきたようだ。 -
再び歩きだす。
短い足でテクテクと歩く姿が可愛い。
口ずさむ鼻歌も子どもらしい。
そんな姿を見ているだけで、幸せに包まれてくる。
いつまでもこうして歩いていたくなる。 -
巨大な竹をかつぐおじさんがいた。
その先に集落が見える。
カットカット村だ。 -
私の好きなつり橋が架かっていた。
アリヤンさんもこのつり場に到着したのだ・・・
そう思いながら、つり橋とその下を流れを眺めていた。
気がつくと、子どもたちの姿か消えていた。 -
これまで経路を赤の点で表してみた。
アリヤンさんは、もっと近道を見つけたはずだ。
-
村の中に入っていくと、観光用の門が立ててあった。
お洒落な身なりをした観光客が、ぞろぞろと歩いている。
タフィン村で出会った観光客とはずいぶん違っている。
ここは正真正銘の観光村だ。 -
見渡す通路はどこもかも土産物屋だらけだ。
民家を改造した店もあるし、路上のシートに民芸品を並べただけの店もある。
あれっ?
さっきの子どもが足早にすれ違っていく。
籠はしょっていない。
親がここで働いていて、弁当でも届けにきたのかな・・と思った。 -
長い石段があって、その下に滝が見えた。
人の数も普通ではない。
降りていく人、登ってくる人、すれ違うのにも気をつかう。
石段の途中にも物売りたくさんいて、しきりに声をかけてくる。
ここはまるで縁日だ。 -
滝だ。
大はしゃぎしながら記念写真を撮っているグループがいる。
ポーズをつけている男女もいる。
水遊びに興じている子どもや家族・・・
キャンプ場のような光景が、あちこちに散らばっている。 -
その下流には、本格的な滝があって、その正面に小さな休憩所が作られていた。
そのベンチに座っていると、こまかなしぶきが、風に乗って飛んでくる。
汗がすっと引いていく。 -
滝の前には様々な人が次々現れて、記念撮影して去っていく。
自撮り棒にスマホをつけて、派手なポーズをする人が目立つ。
その姿を見ているのも面白い。
欧米人が多いのか思っていたら、圧倒的にアジア系の人が多い。
ベトナム人なのか、中国人なのか・・・
この日は土曜日で、休日を利用して、ベトナム人や中国人がサパに押し寄せているのだと、夜になってわかった。 -
滝の周囲には観光用の水車まで作られていて・・・
-
至る所に民芸品やら特産物を売る店がぎっしり並ぶ。
鳥の丸焼き、干し肉や乾物、木片(香木?)、トウモロコシ・・ -
独得の形をした弓矢、ナタのようなごつい刀・・・・
-
薬草、薬酒・・・・
-
そして、黙って紐を差し出して、買ってとねだる幼い子ども。
心優しい外人さんは困っています。 -
目を引いたのが、モロコシと一緒に並べられている焼き芋だった。
こげている皮の隙間から、香ばしくて甘そうな蜜がにじみ出ている。
日本では、焼き芋は今や庶民の食べ物ではなく、高級デザートの部類に入り、1つ500円も600円もしている。
食べてみたいとは思うものの、スーパーの弁当が500円以下で買えると考えると、躊躇してしまうのだ。
ああ、美味そう! -
しかし三色弁当を持参している。
それほど腹はすいていない。
ここは我慢して、サパの町で探してみよう。
サパの町でも焼き芋くらい売っているはずだ。
別の場所に移動することにした。 -
滝の坂道を戻ってくると、店番をしている少女たちの姿に目が止まった。
あっ!
右の二人は一緒に歩いてきた少女だ。
二人も私に気がついて、小さくを振ってくれる。
いつ商品を用意したんだろう・・・?
籠の中にはなかったのに・・・ -
上の路地にも土産物屋がずらりと並んでいる。
路地に沿った家屋は改造されて、店舗になってしまったのだ。 -
店と店の隙間から、実際に住んでいる家屋が見える。
看板が出ている。
有料で家の中を見せるという看板? -
その奥を覗き見て、そっと路地に押し入って行くと・・・
-
村らしい家屋が点在している。
昔はこんな家屋ばかりだったんだろうな・・・ -
観光客を意識しての花畑もあった。
-
楽しげに歩いているのは民族衣装をまとったお嬢さん方だ。
地元のお嬢さんではない。
観光客が民族衣装を着ているのだ。
貸衣装なのかな? -
いやいや、民族衣装を売っている店も多く、きっと一式買ったんだろう。
この村を潤す、ありがたい観光客だ。 -
庭には反物が干してある。
商品を作り、それを販売して生計を立てる生活になって、村人も貨幣社会の一員だ。 -
見上げると、サパの町に登る道路はすぐ近くだった。
その道をたどって観光客が下りてくる。
帰りはこの表街道を、正々堂々と登って行こう。 -
ふと足もとを見ると、例の二人の女の子が小物を並べている。
滝の近くで商売をしていたのに、今度はここに移っている。
学校のない土日の子どもたちは、アルバイトとして売り子になっているのではないのか・・・?
子どもは大人よりもよく売れそうだ。
自分の店ではなく、きっと頼まれているのだ・・・
この子たち、仲良くなった私には買ってとはねだらずに、小さく手を振って見送ってくれた。
君たちと一緒に歩いたあのあぜ道が、一番楽しかったよ・・・
言葉がもう少し通じれば、そう言ってあげたかったが、私も小さく手を振るだけだった。 -
坂道を登って幹線道路に出る。
-
出た場所は、車の往来する坂の途中だった。
昨日は、見過ごしてしまったが、こんな観光用の門があったのだ。
でも、どこにも入場料を徴収する関所はなかった。
もうそんな関所はなくなったのか? -
カットカッ村に続く道は3通りある。
赤線が行きがけの裏道、黄色が帰りに使った道、そして水色がシンチャイ村との分岐点から来る道となる。
この後、どこにも焼き芋を売っている店はなかった。
帰国日まで、カットカット斑で焼き芋を買わなかったことを、ずっと後悔していた。
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この旅行記へのコメント (1)
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- trat baldさん 2016/11/20 19:00:38
- こんな素朴な観光化なら歓迎でしょう。
- おにぎり+ミカンのお弁当が経験則の成果でしょう、でもサパの町外れの工事現場には現代型のユンボが見えたから意外と都市化してるのかな。
それにしても苦労を重ねた価値は充分に有る景色ですね、特に棚田は村人たちの歴史を見る様だ!
川に架かる釣り橋は何箇所か有るようですね、山から谷川までの急傾斜の地形の中で彼らは何世紀も生きてきたのね、写真で見る限りは丈夫そうでバイクでも通行可能なのかしら。
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