山岳地方サパに挑戦　その１５　ディエンビエンフー・２つのゲストハウス

2016/10/25 - 2016/10/26

　ディエンビエンフーに到着した。
　標高４７０ｍの盆地。
　サパに慣れた身体には、夕方に近いというのに汗ばんでくる。
　明るいうちに、ゲストハウスを探そう。
　ねらいは、通りすがりの旅人さんが泊まった『HUYEN ANH GH』だ。
　

エリア ディエンビエンフー(ベトナム)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 徒歩

　教えられたとおりに歩く。
　ちょっと迷って　『HUYEN ANH GH』　を発見。
　ターミナルのすぐ近くだった。
　でも何か色が違うような・・・

　緑の建物だった気がするが・・・　
　でも、周りのひとはここだと言うし・・・
　看板もそうなっているし・・・

　フロントは２階と聞いていたが、フロントらしきものはなく、１階の食堂に声をかける。
　なんと簡単、身元確認もなく、キーを渡された。
　１５００００ドン（７５０円）らしいが、支払いはチェックアウトの時と言われる。

　部屋は殺風景だ。
　ベッドと扇風機、それにテレビ。
　エアコンはあったが、スイッチがなく、使用不能。
　ここはサパと違って、夜は涼しいが昼間は暑いそう。

　固いベッドに、シンプルな部屋は良い。
　問題なのは照明が暗過ぎること。
　高すぎる天井に暗い蛍光塔が一つだけ。
　細かな作業をするには、懐中電灯が必要となる。

　水周りは問題なし。
　ベトナム北部の電気湯沸しは、タイのものとは違って、お湯を蓄えておく方式で、湯の出が良い。
　湯沸しの大きさは、タイのものに比べて２倍はある。
　照明は明るい。
　このドアを始終開けておいて、部屋の灯りとする。

　町の探索だ。
　主目的は明るいホテルを探すこと。
　気温は３０度もある。
　道路の真正面に小高い丘があり、長い階段があって、巨大な像が立っていた。

　橋を渡ると大きな建物があった。
　デパートのような、市場のような・・・
　調べるのは明日だ。

　道路の突き当たりはロータリー。
　中央に青のタワー。
　この町の道路は立派だ。
　丘に登るのは後にして、まずはホテルを探す。

　ロータリーをとり巻く路地に、店がずらりと並んでいる。
　ここがこの町の中心となるらしい。

　この北側に、ロンプラに載っている『Binh Long GH』があるはずだ。
　このゲストハウスが良かったら、明日にでも引越ししよう。

　ベトナムの宿探しはやっかいだ。
　ハノイやサパでもそうだったが、看板が見つけにくい。
　何度も人に尋ね、やっと見つけた看板は、こんな上の方にちょこんと出ているだけだった。
　歩道を歩いているだけでは、真上の看板は見えない。

　さらに分かりにくいのは、入り口が商店だということ。
　看板のあるビルの１階は美容関係の店で、ゲストハウスとは無関係の人が経営していた。
　２階への階段はない。
　隣の陶器屋に行ってくれと言われる。

　隣は大きな壷や皿が並べてある陶器屋だ。
　こんなところにゲストハウスの入り口があると、誰が思うだろう。

　陶器屋のおじさんが部屋を見せてくれた。
　綺麗で明るく、エアコンもあり、２０００００ドン（１０００円）だと言う。
　どの部屋も空いていた。
　ディエンビエンフーには、この時期観光客はいないようだ。
　明日からの宿泊を予約した。

　公園に戻り、奥に進もうとすると警備員に呼び止められた。
　チケット売り場を指さされる。

　１５０００ドン（７５円）だった。

　階段を上っていく途中で、雨の気配がしてきた。
　先ほどまで日が射して暑かったのに、天候は急変する。
　ポツン・・ポツン・・
　細かな雨粒が、手や顔に感じられてくる。

　像の立っている頂上は、もうそこだ。

　息を切らして登りきった。
　ディエンビエンフーの町が眼下に見える。
　なんと小さな町だこと。
　正面の道路の最奥がバスターミナルで、町はそこで途切れている。
　平原の中に小さなな町が、まるで孤島のように浮かんでいるようだ。
　その平原も、山々に囲まれて、孤立している。

　この像は何か・・・
　説明がない。
　戦勝記念のシンボルなんだろうか。
　この丘公園は何という名前なんだろう。
　Ｇマップにも書いてない。

勝利の記念像 モニュメント・記念碑

　裏側に回ってみる。
　やはり何も書いてない。
　雨粒の数が増えてきて、腕や顔が濡れてきた。

　町の南部が見えた。
　樹木に隠れて全体は見渡せないが、縦方向にもそれほどの町ではない。

　雨に濡れながら、早々にゲストハウスに戻って来た。
　ゲストハウス内は静まり、何の音もしない。
　今夜の宿泊者は私一人のようだ。
　他の部屋のドアは開きっぱなし。
　こっそり他の部屋を訪問してみる。
　ベランダのある部屋があった。
　ベランダからは表通りが見える。
　あれっ、この部屋は通りすがりの旅人さんが泊まった部屋かな。

　下に降り、夕食をここで食べることにした。
　メニューを見せてもらうが、言葉がうまく通じない。
　するとお母さんは、小学生の子どもを呼んだ。
　片言の英語が分かるのは、この子だけのようだ。
　焼きそばを注文する。

　明るくて楽しい子だった。
　フエンアイちゃん、１０歳。
　私が冷蔵庫から取り出してきたペットボトルの水を見て、冷蔵庫の前で手招きする。
　「これは１０だよ。こっちにすれば５だよ。」
　安い水を薦めてくれた。
　商売っ気のない、持ちの良い子だ。

　この子も私も片言英語であるが、それでも何とか会話になる。
　焼きそばを運んでくれ、箸やスプーンの面倒をみてくれ、話相手になってくれた。
　この子のおかげで焼きそばは美味かった。
　量もたっぷりあって、２５０円だった。

　小雨の舞う涼しい夜となった。
　時々ベランダのある部屋にこっそり忍び込み、外の様子を観察した。
　ひっそりした通りを、時々大型バスがゆっくりと走っていった。

　翌日、チェックアウトをしに下に降りると、アイちゃんが朝食を食べていた。
　この子がいるなら、ここに泊まり続けても良いかなと思ってしまった。

　その誘惑を振り切って、明るい『Binh Long GH』に向かう。
　朝から日差しが暑い。

　途中で竹皮に包んだ餅と、甘い揚げパンを買い込んだ。
　４０円。
　観光客をぼる町ではないことが分かる。
　気分が良い。

　予約しておいた部屋は、大きな照明器具があって、明るくて綺麗だ。
　ガラス板のテーブルに、ガラス張りの物入れケース。
　鏡張りのクローゼットに薄型テレビ。
　エアコン、ファン・・・

　シャワー室も明るくて清潔。
　文句ない。
　さあ、外に出てディエンビエンフーの遺跡を見に行こう。

　今回登場の場所。
　赤い星印・・・左から、バスターミナル、Huyen Anh GH、Binh Long GH
　黄色星印・・・左から、ロータリー、像の立つ丘の頂上