2016/10/26 - 2016/10/26
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motogenさん
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フランスを破り独立を勝ち取った最後の激戦地ディエンビエンフー。
この名誉ある町の名は、ベトナム各地の道路や施設の名前となっているという。
さぞ多くの史跡や遺物が残っているだろうと思うのに、ガイドブックに見所として取り上げられているのは6~7箇所だけだ。
それらは町の中心部にあって、歩き回れる範囲の中にある。
その数少ない史跡を回ってみる。
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- 交通手段
- 徒歩
-
町を南北に走る国道は、分離帯のある立派な道路だ。
南に向かって歩き出す。 -
蜂の巣を売る路上のおばさんを目にした。
蜜や幼虫をせっせと取り出している。
成虫まで瓶詰めになっている。
昔、幼虫を食べたことがある。
見た目は悪いが口の中でトロンととろけ、チーズのような味がして、臭みはなかった。
だが先入観が勝って、食欲が湧くものではない。 -
小さな町なのに、立派な建物が目立つ。
役所関係の施設で、無表情の守衛がついている。 -
2~3日前から靴の底がはがれ始め、見るともう少しで穴が開きそうだ。
ホームセンターで1000円の靴だから、こうなのは仕方ない。
運よく見つけたのが文房具屋。
靴の状態を見せながら接着剤があるかと聞くと、すぐに瞬間接着剤を出してくれた。 -
店の前で修理する。
35円で靴は完璧に修復され、しばらくは大丈夫だ。
接着剤が余ったので、壊れそうなところにジュワジュワと染み込ませておいた。 -
靴の不安がなくなり、歩きにも気合が入る。
10分ほど歩くと、広場が見えてきた。
駐車場となっている広場の奥に、石積みの門がそびえている。 -
門の中に入ると、記帳所と線香の束が置いてあった。
寄付金ボックスも置かれている。
人の姿はない。 -
門の上に登ると、整列した墓石が見えた。
ディエンビエンフーの激戦で戦士した、人民軍兵の墓石だ。
10万人の兵のうち戦死したのは8000人というが、ここにある墓石はそんなにはない。 -
墓石を見て回る。
どの墓にも花や線香が供えられていて、頻繁に供養していることが分かる。
管理人がいるのか、それとも親類縁者がお参りにくるのだろうか・・・ -
墓石の裏側に戦死者の名前や生まれた年、亡くなった年月日が刻印されているものがある。
しかしそのような墓石は少なく、半数以上は何の刻印もなく、誰の墓なのか分からない。 -
墓地の一番奥に、立派な墓碑が祀られていた。
そのデザインは新鮮で美しく神秘的で、心を引き込むものがある。
墓碑ではなく、戦死者を尊ぶための記念碑なのかも知れない。
この町の大切な任務は、戦死者を祀ることだ。 -
その記念碑の脇にある金色の像もみごとなものだ。
見る目のない私でも、この素晴らしさはわかる。 -
門を出て振り返ると、門の両側の壁に刻まれているレリーフに目がとまった。
ディエンビエンフーの戦いを絵巻物風にして、生き生きと描写されている。 -
重火器を運ぶ人、砲撃する人、逃げ惑うフランス兵、捕虜になるフランス兵、壊される戦車や大砲・・・・
500年後のこのレリーフは、アンコールワットの回廊のように、歴史をひもとく遺跡となっているのだろうか。 -
外側の広場は駐車場だ。
何十台も駐車できる広さがあるが、停まっている車はない。
見学者は数人いたが、出てくる時には私一人きりとなっていた。 -
駐車場のすみでトランプ賭博をしている人たちがいた。
殺伐とした殺気や真剣さは感じられず、仲良し仲間が暇つぶしなんだろう。 -
墓地は見たけど、これって史跡なのか・・
知りたいのは、戦いの様子が感じられる現場やその跡だ。
墓地のすぐ前に戦争博物館があった。
ここなら戦いのことが分かるだろう。ディエンビエンフー博物館 博物館・美術館・ギャラリー
-
チケットを購入する。
日本人だと分かると、きれいなお姉さんが笑顔で売ってくれた。
15000ドン(75円)と良心的な料金だ。 -
塹壕(ざんごう)のような通路を下って、中に入る。
変わった入り口だ。
-
入り口近くに、ガイドの話を聞いているフランス人たちがいた。
英語だったので、そっと盗み聞きをする。
(ほとんど意味不明、理解不能なのだが・・) -
展示物の大半は写真だ。
当時の写真は痛みがひどく、不鮮明でぼやけたりしているのだが、妙に迫力がある。
実際に使われた銃や刀剣や野外用品も、数え切れないほど展示されている。 -
実寸のジオラマ模型で再現したブースもある。
-
山の中を人力や家畜を使って重火器を運ぶ山岳民族たち。
戦いは兵士ばかりではなく、住民の協力が勝敗を分けたと、ガイドが説明しているようだ。 -
戦いの場となった丘の模型が、イメージをふくらませてくれる。
-
破壊された戦車と飛び立つ戦闘機。
写真はフランス側から写されたものもあれば、ベトナム側からのものもあった。
説明文が付けられているが、ほとんどがベトナム語ばかりで、英語はわずか。
戦線用語が多くてさっぱり分からない。 -
平原を負傷者を背負って走る兵士。
これはフランス側から撮ったものだろうと、類推するしかない。 -
援軍がパラシュートで降下。
フランス軍は外人部隊が多く、士気も低かったようだ。 -
戦いの勝敗は武器弾薬にかかっていることを、人民軍はしっかり理解できていた。
労力を惜しまず輸送する山岳地帯の住民たち。 -
未知なき険しい山の中を、人力で武器弾薬を運んだ。
フランス指揮官はベトナム人民の力を軽視し、想像すらしていなかったようだ。 -
ディエンビエンフーの周囲の山に運び込んだ武器は、105mm砲20門、75mm砲80門、12.7mm対空機銃100丁、迫撃砲は数えきれないほどだったという。
補給物資も多量に集積され、105mm砲弾だけでも15000発に達していたようだ。 -
砲弾1発だけでも相当な重量がある。
そんな重いものを、何万個と運ぶとは・・・信じられない労力だ。
武器弾薬以外にも、食料、医薬品、生活物資が必要となる。 -
険しい崖は切り崩し・・・
-
強大な砲門は分解し・・・
-
隠れるように運び込み、密かに盆地の周辺に設置したのだ。
-
砲撃開始。
陣地は巧みに隠されていて、フランス軍がその射撃位置を発見することは極めて困難であったらしい。
天候も人民軍に味方した。 -
終盤の決め手は人海戦となった。
人民軍が突撃する。
日露戦争の203高地攻めで、莫大な犠牲を払った日本軍の姿が頭をよぎる。 -
塹壕やトンネルを掘りながら、フランス軍の待ち構える陣地に突撃を繰り返した。
56日間の壮絶な戦いの中で、戦死したのはフランス軍は2万人中2200人、人民軍は10万人中8000人を越えたという。
負傷者はこの数倍となった。 -
ついにフランス軍のM24戦車は破壊された。
-
空爆をする航空機も撃ち落とされた。
-
フランス軍指揮官の置かれていた砦「A1の丘」が、熾烈を極めた戦いの場となった。
その戦いをまとめた図があった。
占拠に39日間かかり、多大な犠牲が出たという。 -
戦死者や負傷者が積み重なっている。
こんな戦場でカメラを構えていた人がいたことに驚く。 -
捕虜となるフランス軍兵士。
その数1万人以上。
捕虜の扱い方に双方の文化風習の違いが出て、この後、他の国を巻き込んだ混乱が続いたようだ。 -
戦後の写真もたくさんあり、負傷者の救護活動や荒れ果てた町の復興、各国代表との親善交渉の様子などが飾られていた。
たくさんの写真に満足し、博物館を出た。 -
最大の激戦地となった『A1の丘』は、博物館のすぐ近くにある。
入り口が分からずに、周囲をうろついてしまったが、入り口はメイン道路に面していた。
チケットが必要で、これも15000ドンだった。 -
それほどの丘とは見えない。
高さもそこそこで、簡単に登っていける。
60年あまりの時が過ぎ、荒廃した丘には樹木が茂っている。A1の丘 史跡・遺跡
-
最近になって、フランス軍の設置した迷路のような塹壕(ざんごう)や、指令所のトンネル施設が、当時の図面を調べて復元されたとのことだ。
これが復元された塹壕だが、コンクリで固められている。
土のうもコンクリで模造されている。 -
丘の上に出た。
高さにしても広さにしても、たいした丘ではない。
こんな小さな丘に、兵がどのように配置されていたんだろうか・・・
そんなに多数の兵が駐屯できる場所とは思えないし、こんな丘、砲撃すればイチコロだと思えるのだが・・・・ -
東方に人民軍の主力が潜んだ山岳地帯が見える。
この山岳地帯から砲撃を加え、突入してきたのだ。
大砲はこんな遠くまで砲弾を飛ばせる能力があるのか・・
TVアニメや映画の戦争しか知らない私は、現実に驚嘆する。 -
丘に中にはたくさんの壕が掘られ、司令室や貯蔵庫が作られていた。
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しかし入り口には鉄格子がはめられていて、侵入禁止となっている。
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人民軍はこの小さな丘を占拠するために、39日間を要し、2千人の兵士の命が奪われたという。
とんな銃撃戦になったのだろうか。
実際に写真を見てきたばかりなのに、今この地に立つと、そのイメージが持てないでいる。 -
人民軍も塹壕を掘りつつ前進したのだそうだ。
丘の下に向かってトンネルを掘り、この真下に1トン爆弾を仕掛けて爆発させた。
上に陣を張っていたフランス軍中隊は殲滅し、これが決め手とっなってフランス軍は降伏したという。
その爆破跡がこのクレーターなのだろうか・・・? -
丘は綺麗に整備され、記念碑もある。
しかし説明がない。 -
花畑の向こう側に、破壊されたフランス軍の戦車が展示されている。
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これが分解されて空輸された戦車なのか・・・
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丘の下にも、数々の戦車や砲台が集められていた。
破壊された穴から内部が見える。
戦車の中は暗くて狭く、この中で操縦したり、砲弾をつめたり、砲をあやつったのか・・・
戦車はアニメのようにカッコイイものではなく、快適な乗り物でもないのだ・・・と知った。 -
フランス人民の貴重な税が・・・・
-
こんな山奥で、ガラクタになって放置されている。
戦争は確実にGNPを押し上げるが、これほど税の無駄遣いはあるまい。 -
A1の丘を見たが、ディエンビエンフーの戦いのイメージが湧いてこない。
疑問が増えてくるだけだ。
今日はこれまでと戻りかけると、美味そうに麺料理を食べている人がいたので、その店に入る。
「フォー、ブン、どららにする?」 と気かれ、思わず「フォー」。
フォーとブンの違いが分からず、いつも「フォー」と言ってしまう。
しかしこのフォーは、格別に美味かった。(150円) -
今回の場所は、星印の右から、A1の丘、墓地、博物館。
ロータリーから1.2kmの場所に、固まっていました。
戦場となった丘はA1だけでなく、画像右方向にたくさんあります。
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この旅行記へのコメント (1)
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- trat baldさん 2016/12/04 20:07:30
- しっかり勉強をさせて貰った。
- 引き込まれてディエンビエンフーの戦いの歴史を調べてしまった!
この地を訪れたmotogenさんのタフさも然る事ながら神様級の先輩の情報も有ったのね。
写真の片隅に見える2000m級の滑走路は旧日本軍が整備したものだと思うけど今でも現役なのね。
1軒目のG.Hの娘さんがカワイイね、片言でも英語が出来るのは流石に現代っ子だね。
丘の上の巨大像は戦勝記念でしょうがボー・グエン・ザップ将軍の像でないのがとても印象的です、ベトナム人って精神的な強さを持っているから近い将来にタイを追い越す日が来そうだね。
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