2016/10/28 - 2016/10/28
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motogenさん
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ディエンビエンフーの美しさは、町からの眺めではなく、到着する途中または町から離れる途中の景色だと聞く。
その景色を眺めながら、バスで帰ることにする。
ハノイ行きのバスは、夕方から深夜にかけて、ほぼ1時間間隔で出ている。
乗車時間は10時間だと、チケット売り場の娘は言う。
美しい景色に出会うには、夜行バスではなく、朝発のバスに乗らなくてはならない。
朝バスを探すと、4時半、6時半、7時半のものがあった。
迷ったあげく、到着時刻を考えて4時半のチケットを買っておく。
朝発はミニバスらしい。
-
3時半に起き、寝ている管理人を起こして玄関を開けてもらい、4時にチェックアウトした。
まだ真夜中だ。 -
ロータリーの塔がさみしく瞬いている。
-
ターミナルに到着すると、バスは乗降口を開けて停まっていた。
ヒュンダイの小型バスだ。 -
まだ誰も乗っていない。
後方には大きな荷物が積まれている。
-
出発まぎわに2人の客が乗り込んできて、定刻通りにバスは動き出す。
ロータリーから北に向かう国道279号線を、ゆっくりゆっくり走っていく。
町はずれで客が1人乗り込んできた。
道路は北東の山岳地帯に分け入っていく。 -
4時半出発は早すぎた。
真っ暗で期待の景色は見えない。
かわりに星が良く見えた。
何の星だろうと空を見つめると、オリオン座だった。
オリオンの季節になっていたのだ。
6時を過ぎてやっと周囲が見えてきた。 -
山の裾野に真っ白なもやが漂っている。
まるで雲海のようだ。
-
道路にも霧が立ちこめ、ひどい場所では50メートル先が見えない。
バスはスピードを落として走っている。 -
すれ違う車の大半はバスだ。
それも長距離用の大型バスが多く、既に10台以上とすれ違っている。
ディエンビエンの町には観光客はほとんどいなく、ホテルもがら空きだったというのに、このバスは誰を乗せているんだ?
不思議で仕方ない。 -
子どもたちが集団となって自転車で走っていた。
一つの集団を追い越すと、別の集団が次々と現れる。
時計を見ると6時20分。
学校に通う子どもたちだ。
山の中なのにたくさんの子どもがいる。 -
最初の子どもが見てから走ること10km。
小さな町が現れた。
学校もあった。 -
続々と子どもたちが集まってくる。
「学校は、7時に始るんだよ。」
同乗のおばさんが教えてくれる。
この子たちはお昼で終了で、午後の部の子どもと入れ替わるようだ。 -
山には朝もやがまだ残っている。
ぽっこりと丸みをおびていて、断崖のような斜面を持つ山だ。 -
そんな山が水田や湿地の中から、ぽこぽこと顔を出している。
石灰質の奇岩の群れ。
ニンビンのタムコックを思い出す。 -
一山越えて二つ目の町に入り、トイレ休憩となった。
町の名はトゥアンジャオだと同乗のおばさんが教えてくれる。
おばさんはトウモロコシを買ってきて、私に一つくれた。
3名の客が乗り込んできた。
北東に走ってきたバスは、ここから南へと方向を変える。 -
再び山越えが始った。
色とりどりの山が立ち並ぶ、壮観な景色が続く。
ハノイに続くこの道は、以前は細くて滑りやすく、泥沼にタイヤがはまり込んだり、土砂崩れが多発したりして、夜間に走ることは避けろと言われていたのだそうだ。
今は舗装された対面2車線の道路となっている。
スカイラインとまでは行かないが、おばさんにもらったトウモロコシと、持参したバナナを食べながら、山の景色を楽しんでいた。 -
しかし1時間も続くと、山の景色にもまんねり感が出てきて、眠くなってくる。
ふと気づくと、下り坂に入っていた。 -
町に出た。
小さな町なのに、山ばかりを見て走ってくると、これが大都会に見える。 -
町の中でバスは止まり、車掌が降りて行き、そのまま帰ってこない。
-
運転手もエンジンを切って、ゆくえ不明。
20分、30分・・・
乗客たちは黙って座っていたが、そのうち買物や食事に出かけてしまい、バス内は空っぽになってしまった。 -
乗客のこのお兄さんは英語が達者だった。
私が片言しか話せないとわかると、それなりの英語を使ってくれる。
バスが動かないのは、車掌がポリスに書類を提出しに行ったからだと説明してくれる。
罰金も払うようだ。
何か不始末をしたらしい。 -
今日中にハノイに着けるのか・・・
いらいらしながら待つこと1時間。
やっと車掌が帰ってきた。
私が写真を取りまくっていることを見ている車掌は、自分を映せとこんなポーズ。
迷惑をかけた車掌だけど、にくめない笑顔だ。 -
これまで安全運転をこころがけていた運転者は、遅れを取り戻そうとして、無謀運転に切り替えた。
危険を承知で他の車を追い越していく。 -
私のいらいらも解消されていく。
もっと走れ!
もっと走れ!
いいぞ、追い抜け! -
11時。
トイレ休憩もそこそこに、バスは発車する。
運転は車掌に交代した。 -
ところがこの車掌、見るからに運転に自信がないようで、ノタノタ、ギクシャクと走っている。
先ほど追い抜いてきた車に追い抜かれ、遅いバイクにも抜かれていく。 -
必要のない場所でブレーキを踏んだり、余分な動作が多い。
正規の運転手は、早朝よりの連続運転がたたって、眠り込んでしまっている。 -
12時。
道路沿いの休憩所に止まった。
出発してから7時間半がたつ。
しかし距離にすれば半分来たけだ。
天気も良く、清々しい空気は心地良いが、このままではハノイ到着は夜になってしまうと気が重い。 -
運転手と車掌、そして一部の客は、食事のために奥の部屋に入って行った。
しかしほとんどの客は菓子や飲み物を買って、外で食べている。
食欲のない私も、パンを買って昼食とした。 -
30分後に出発。
運転は正規の運転手に戻り、走りも安定した。
西に連なる山脈と、東に連なる山脈の間の平原をひたすら走る。 -
道路沿いには商店もあって、時々止まっては客を降ろしたり乗せたりする。
-
乗ってくる客はさまざまだ。
まだ首のすわらない赤ちゃんを抱いて、乗ってくる夫婦もいれば・・・ -
おしゃべりなおばさんも乗ってきた。
最前列に分け入り、運転手や車掌と大声で笑いあっている。 -
席も埋まってきて、前方の写真が撮れなくなってしまった。
-
方角から言えば、あの山の向こう側にハノイの町がありそうだが、バスは山をぐるりと迂回する。
時刻は2時。
ここからハノイまでは、最低でも160kmはある。
「ハノイ到着は、5時かな・・・」
そう言うと、英語の達者な兄さんが、「6時半だろう・・」と言う。 -
3時。
三たび山道に差し掛かった。
これが最後の山越えとなるのか・・・と思うと、大型トラックの事故で渋滞する。
何が起こるかわからないバスの旅だ。 -
3時半。
峠を登りきり、下り坂が続く。
峠をのぼればハノイが見えるのかと期待したが、そんな甘いものではなかった。
進行方向に別の山が見える。
ここからはニンビンにも行ける。
その距離はハノイとたいして変わらない。 -
客が次々に乗ってきて、もう座る場所はないというのに、まだ乗ってくる。
押し合いへし合い、足は変な方向に曲がったままだ。
それでもみんな平気な顔をしている。
5時を過ぎた。 -
通行料金の徴収所があった。
ここからはハイウェイなのか・・・
よし、ハノイに向けて高速走行か・・・
と思ったらその逆で、今走ってきた道路が有料だった。 -
5時半。
道路は急に賑やかになった。
ハノイは間近だ・・・
と喜ぶが、ぬか喜びだった。
途中の町中が渋滞していただけだった。 -
それから1時間。
ハノイの扇状地は広く、大小の町が点在していた。
(今日の経路は赤) -
そうした町に入るたびに、渋滞に巻き込まれ、信号で止められた。
乗客も次々に降りていき、車内が寂しくなってくる。
薄暗くなったと思ったら、あっという間に夜になってしまった。 -
気がつくと建設中の高速道路の下を走っている。
ハノイだ。
乗客は私の他に2人いるだけだ。
「ここが終点だよ・・」と車掌から告げられた。
ここはどこだ?
西方面からのバスは、ミーディン・ターミナルに到着するのではなかったのか?
突然の宣告にうろたえるしかない。 -
ぐずるも降ろされてしまった。
Gマップで調べると、中心部よりかなり西だ。
歩ける場所ではない。
近くにいたバイクタクシーのおじさんに、ホアンキエム湖までと言うが、発音が通じない。
困っていると、通りかかった女学生が助けてくれた。
ハノイ到着の日に、バイタク兄ちゃんに10ドルとふっかけられたことを思い出して、「100000ドン(500円)でどうだ・・」と言うと、喜んで乗せてくれた。 -
町中はひどい渋滞で、その中を車やバイクのわずかな隙間を縫っていく。
足が車に接触しそうになる。
しかし、いくら走ってもホアンキエム湖は現れない。
遠い!
夢の中を走っているような気分だ。
30分以上もかかっただろうか。
やっと見慣れた場所が見えてきて、ホアンキエム湖のほとりに到着した。
こんなに走るなら、500円は高くないと思った。
7時半になろうとしていた。
ディエンビエンフーからの、15時間におよぶ旅が終わった。
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この旅行記へのコメント (2)
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- trat baldさん 2016/12/12 08:25:53
- サイコー!表現が出来ない。
- これを冒険と言わずして何を冒険と云うのか!
とうもろこしを呉れたオバサンにバナナをプレゼントしましたか(^o^)
推定16時間に及ぶバス旅をアジアでした事が無い、余程タフでないと生き残れないネ!
- motogenさん からの返信 2016/12/12 12:34:03
- RE: サイコー!表現が出来ない。
- ありがとうございます。
ハノイ・・・サパ・・・ディエンビエンフー・・・ハノイと陸路で一周してくると、たいしたものを見たわけではないのに、ベトナムに行った気がしました。
これを自転車やバイクで一周すれば、もっとベトナムを感じることができるでしょうね。
でも○○ごっこを楽しむ素人には難しい。
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