2016/10/20 - 2016/10/20
55位(同エリア344件中)
motogenさん
- motogenさんTOP
- 旅行記391冊
- クチコミ1件
- Q&A回答3件
- 384,825アクセス
- フォロワー45人
サパでの一夜が開け、念願の山歩きが始まる。
サパは山頂近くに作られた町で、歴史のあるものではなく、別の言い方をすればできたてのコンクリートの観光町だ。
ベト族に追われるように、この地域に住みついたモン族やザイ族などの少数民族の集落は、この山頂ではなく、川の流れる谷間とか盆地に作られている。
サパからその少数民族の村を訪れるには、急坂を下り、丘を越え、谷間を越えて行かなくてはならない。
その山歩きがこのサパのメイン観光なのだ。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 徒歩
PR
-
朝は暗いうちに起きてしまう。
体内時計が日本のままだ。
明るくなるのを待って、食べるものを買いに外に出る。 -
坂道を登って行くと、ご飯を売っているお婆さんたちが座っていた。
お釜やジャーの蓋を開けて中を見せてくれる。
三食のおこわご飯やら、黄色の混ぜご飯やら、白いご飯やらとお婆さんによって中身は違う。
どのお釜からも白い湯気が上がり、臭いだけで腹がすく。 -
どのご飯にしようかと迷ったが、オレンジ色、黄色、紫色の三食おこわが美味そうで、それを指差すとビニール袋に入れ、その上から木の実の混ざったふりかけ塩をたっぷりとかけてくれた。
私にとっては大盛りも大盛り、一日分ある。
これで5000ドン(25円)だった。
外国人が買いに来るのは珍しいようで、素敵なしわくちゃの笑顔を見せてくれた。 -
昨日は満室だった『Family GH』に、今日は大丈夫か・・と確認に行くと
「予約で一杯になってしまって、ごめんなさい・・」
と言われてしまった。
がっくり。
ロビー兼レストランにはたくさんの欧米人が集まって食事をしている。
バイキング朝食だ。
レストランで食べたら、これだけでも5ドルはするだろう。
朝食付きで10ドルのこのホテル、人気があるのは当然なのだ。 -
仕方なし。
泊まっている『Queen Hotel』の叔母さんに、宿泊延長を申し込むと、これまた今夜は満室だと断られてしまう。
なんたることだ。
この時期、サパには客が押し寄せて来ているのだ。
どうしようと落ち込んでいると、別のホテルに電話し、空き部屋のあるホテルを探してくれた。 -
紹介されたホテルは隣の隣のホテルだった。
その名はなんと『Loutus Hotel』、昨日探し回って見つけられなかった『Loutus Hotel』だ。
こんな所にあったとは! -
なぜ見落としていたのか?
看板が小さく、それも非常に見にくい場所にあるからだ。
玄関は商店と商店の間にはさまれた、石段を上っていった先にある。
こんな石段を登った先にホテルがあるなんて、誰が気がつくだろうか。 -
石段を登ると立派なホテルが現れた。
1泊10ドルだ。
困惑したのは、ざっと案内されただけで、「部屋は自分で選んでよ・・」とばかりに、チェックインの手続きがなかったことだ。
キーはそれぞれの部屋のドアに付きっぱなしで、勝手に選ぶことになる。
支払いチェックアウト時にまとめて払うらしい。 -
3階のはずれの部屋を選んだ。
大きなベッドが2つ。
それが余裕で入るだけの、広い部屋だ。
壁や天井も塗り替えたばかりように綺麗だ。
(実際に、3階の部屋は塗り替えたばかりで、どの部屋も空いていた) -
窓も大きく、明るい部屋だ。
ドアの外は椅子とテーブル付きのベランダとなっている。 -
ベランダから下を眺めれば、通りの様子が人目で分かる。
嬉しいのは、ここにDangdutさんや、アリヤンさん御夫婦が宿泊したということだ。
もしかしたらアリヤンさんは、この部屋ではなかったのか・・・ -
もちろん温水シャワーだ。
シャワー室も広々している。
10ドルは安すぎる。 -
ところが問題が発生した。
コンセントに電気が来ていないのだ。
照明灯はしっかり灯るのに、コンセントは全く反応なし。
従業員にそう言うと、直すのには時間がかかると言う。
部屋をチェンジすることにした。
薦められた部屋は、日当たりの良い部屋ではなく、中央奥にあるベッドが1つの部屋だった。
仕方なし、この部屋に移る。 -
ホテルが決まった。
今日は良いことがありそうだ。
さっそくトレッキングに出かけることにする。
最初はDangdutさんが詳しく書いている、タフィン村にしよう。
(赤印がタフィン村で、下のごちゃごちゃした所がサパの町です。) -
もちろんガイドなんて雇わない。
ツアーにも参加しない。
己の力だけで挑戦だ。
サパ湖を通り過ぎ、バスから降ろされた場所を通り過ぎ、東方面に歩いていく。 -
十字路に差し掛かった。
左に曲がればライチャウ・ディエンビエン方面に続き、右に曲がればラオカイで、この左右に伸びる道路が主要国道4D線だ。
ではまっすぐに進めば?
いやその前に、この正面の広場は何だ? -
広場には大型バスが並んでいる。
サパのバスターミナルだ。 -
こんな所にあったとは・・・
ハノイ行きのバスが停まっている。
ラオカイ行きのバスもいる。
ハノイ行きのバスは、全て3列2段ベッド型の寝台バスだ。 -
地図で見れば、サパの町の中では巨大な施設だ。
(赤い星印) -
広場で目立つのは大きな建物。
一見鉄道駅のようだ。 -
チケット売り場は北側のすみにあった。
ディエンビエンフー行きのバスチケットは、ここで買えるとバイタクの兄さんが教えてくれた。 -
やはり今日はついている。
昨日さんざん探し回って見つけることのできなかったディエンビエンフー行きのチケットが、思わぬところであっさり買えたのだ。
5日後の朝バスを予約した。
値段は300000ドン(1500円)
「7時半までにここに来てね・・」と説明された。 -
バスチケットが手に入るという幸運に出会い、意気揚々とタフィン村に向かう。
バスに乗ってラオカイから登って来た幹線道路を、今日は反対に下っていく。
すぐ脇を、トラックやバスが頻繁に通り過ぎていく。
そして土ぼこりをかぶる。 -
途中、見晴らしの良い場所でデジカメを取り出す。
スマホでも写真を撮って、ラインで女房に送る。
サパにやって来たんだ。
この景色を見て、初めてそう思えた。 -
女房には写真を送ったが、ちっぽけな写真には、この雄大な景色はとてもとても納まるものではない。
一度はここに連れてきて、この感動を味わわせてあげなくては・・・ -
バイクや車は通るけど、歩いている人の姿はない。
トレッキングツアーのグループや、その後についていく土産物売りなどを想像していたが、そんな姿はない。
そして地図で見るより、ずいぶん距離がある。
ずいぶん歩いた感じがするのに、まだこんな国道にいる。 -
籠を背負ったお婆さんの後をついていくことにする。
このお婆さんはタフィン村に帰るのに違いない。
だってこの方面には、地図で見ればタフィン村しかないのだから。
(自分勝手な判断で、ふと気がつくと、いつの間にか消えていました。)
かなりの急勾配だ。
帰りのことを思うと、恐ろしくなってくる。 -
やっとタフィン村に入るトレッキング道が現れた。
バスターミナルを出てから2.5kmを歩いたことになる。
ホテルからは4km。
そしてこれからが本番なのだ。 -
トレッキング道(地元の人が使う生活道路)の入り口には、バイクが止まっている。
「歩くのは嫌だ!」という観光客を捕まえようとしているのかな?
下の方には点々と小さな家々が見える。
籠を背負った女性陣に出会った。
土産物のバッグ類や装飾品を詰め込んだ籠だ。
一人が脚に怪我をしているようで、大きな傷があり、薄っすらと血がにじんでいる。
どうしたのかな?
立ち止まったばかりに、つきまとわれることになった。 -
次々に籠の中のものを取り出しては、セールスが始まった。
「どこから来たの?」
「今日はどこに行くの? タフィン村?」
なまりのある英語で聞き取りにくいが、久しぶりの人との会話は嬉しいものだ。
セールスには上手に断りながら歩いていくと、あきらめてくれたようだ。
しだいに山あいの盆地に散らばる家々に近づいていく。 -
ふと振り返ると、先ほどの女性陣が追いついて来ていた。
私に差し出したのは草で作った馬だ。
くれると言う。
かなり複雑な造りで、ありがたく頂いた。
しきりに売りつけようとうるさいが、根は良い人たちなんだね・・・
警戒感が少しずつ薄れていく。 -
だが油断はできない。
まともにデジカメなどを構えれば、「マネー、マネー」と言うのではないかと恐れて、こっそりとシャッターを押す。
小川のせせらぎを聞きながら、一緒に一休み。
ここでお別れとなったが、お別れすると急にさみしくなった。 -
この盆地の中にはそれほど民家はないのに学校がある。
しかしまだタフィン村ではなさそうだ。
遊んでいる子ども達に、タフィン村はどこだと聞いてみる。
言葉は通じないが、言わんとしていることは通じているようだ。
「ヒハインド」「ヒル」と言う言葉が聞き取れた。
タフィン村はあの丘を越えて行った先にある、と言っているらしい。 -
ここは集落とも呼べないような、家屋が数軒散らばっているだけの所なのに、店はあった。
衛星電波をキャッチするパラポラアンテナまである。
ベトナム経済の発展ぶりは、こんな山奥にまで浸透してきている。
ここの人たちはどんな生活をしてるんだろう。
その疑問が猛烈に浮かんできた。 -
バスターミナル、幹線道路(国道4D線)からトレッキング道へ入る分岐点、盆地の中の学校を地図で表すと、こんな位置関係となっている。
赤印が分岐点、水色印が学校で、下にあるのがバスターミナル。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
山岳地方サパに挑戦
-
山岳地方サパに挑戦 その1 ハノイ到着は吉・吉・凶・凶・・締めくくりは小吉?
2016/10/17~
ハノイ
-
山岳地方サパに挑戦 その2 サパ行きのバスを待つ一日
2016/10/18~
ハノイ
-
山岳地方サパに挑戦 その3 サパへの道はハイウェイだった
2016/10/19~
サパ
-
山岳地方サパに挑戦 その4 サパに到着、しかし何か違うなぁ
2016/10/19~
サパ
-
山岳地方サパに挑戦 その5 最初のトレッキング・タフィン村に向けて出発
2016/10/20~
サパ
-
山岳地方サパに挑戦 その6 タフィン村への道は心躍る道
2016/10/20~
サパ
-
山岳地方サパに挑戦 その7 シンチャイ村・・行きはトコトコ軽快に
2016/10/21~
サパ
-
山岳地方サパに挑戦 その8 シンチャイ村・・帰りはヨタヨタ、疲れもまた良し
2016/10/21~
サパ
-
山岳地方サパに挑戦 その9 カットカット村・・裏道を探そう
2016/10/22~
サパ
-
山岳地方サパに挑戦 その10 サパ・フィーバーする土曜の夜
2016/10/22~
サパ
-
山岳地方サパに挑戦 その11 サパ・バイクを借りて
2016/10/23~
サパ
-
山岳地方サパに挑戦 その12 ラオチャイ村手前でSOS
2016/10/23~
サパ
-
山岳地方サパに挑戦 その13 サパ・最後の一日
2016/10/24~
サパ
-
山岳地方サパに挑戦 その14 ディエンビエンフーへの山岳道路
2016/10/25~
ディエンビエンフー
-
山岳地方サパに挑戦 その15 ディエンビエンフー・2つのゲストハウス
2016/10/25~
ディエンビエンフー
-
山岳地方サパに挑戦 その16 ディエンビエンフー・戦いの史跡
2016/10/26~
ディエンビエンフー
-
山岳地方サパに挑戦 その17 ディエンビエンフー・午後の散歩
2016/10/26~
ディエンビエンフー
-
山岳地方サパに挑戦 その18 ディエンビエンフー・再び史跡探し
2016/10/27~
ディエンビエンフー
-
山岳地方サパに挑戦 その19 ディエンビエンフーからハノイへの陸路
2016/10/28~
ディエンビエンフー
-
山岳地方サパに挑戦 その20 戻ってきたハノイ
2016/10/29~
ハノイ
-
山岳地方サパに挑戦 その21 ハノイ・路線バスで空港へ
2016/10/30~
ハノイ
旅行記グループをもっと見る
この旅行記へのコメント (1)
-
- trat baldさん 2016/11/13 07:53:59
- いいね!を5個位あげたい。
- 人の事は言えないけど初めての土地で馴染みの無い内に徒歩の移動は若干怖い。
最悪の場合に野宿が出来るか、夜間の気温はどうか屋根の有る場所の確保、人間だけでなく動物や昆虫の危害は有るか、出来たら食べ物もだが水分補給と排尿排便が可能か?人事ながら心配、、、、
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ 山岳地方サパに挑戦
1
35