山岳地方サパに挑戦　その1　ハノイ到着は吉・吉・凶・凶・・締めくくりは小吉？

2016/10/17 - 2016/10/17

　アリヤンさんの旅行記によると、サパは「ベトナムのスイス・・」で、dangdutさんの旅行記では、サパの魅力は「山歩き・・一人旅・・」みたいに感じられる。
　よし！　
　それなら行ってみよう！
　観光地化され、山岳民族の人たちの素朴さが失われていることが気になるが、都会にはない魅力はまだまだ残っているだろう。
　かくしてベトナム一人旅が始まる。
　最初に降り立つのはハノイだ。

エリア ハノイ(ベトナム)

　飛行機は順調にハノイ空港に降り立った。
　ベトナムエアーはいつもなら７０％ほどの搭乗率なのに、今回は満席だった。
　降りるまぎわの機内アナウンスでと、ハノイの気温は33℃だという。
　ショック！
　10月後半はきっと涼しいはずだ・・と、長袖シャツを着て、その上にジャケットまで羽織ったきてしまったではないか。
　荷物の大半は秋用の衣服だ。

　預けた荷物が出てくるのを待っていると、大きな包みを受け取っている日本人を発見した。
　中身を見せてもらうと、サイクリング用の高級自転車だ。
　すごいことをやる人がいるものだ。
　こんなのでベトナム国内を乗り回したら、さぞかし楽しかろう。
　自転車を手荷物として預ける方法を聞いてみると、梱包は大変だが、そんなに難しくはなさそうだ。

　到着して最初にしたいことは、スマホのSIMを手に入れることと、レートの良い銀行で両替をすることだ。
　銀行はハノイ市内で探すことにして、SIMは空港のショップを覗いてみよう・・・
　３～４箇所並んでいるSIM売り場に、なんと１０００００ドン（500円）と表示されているSIMがある。
　前回、市内で買ったら1000円もしたのに、その半分の値段だ。

　MobifoneのSIMを頼み、データ通信ができるように『MIUプラン』を付けてくれと注文すると、このSIMは既に初めからデータ通信、それもLTE通信ができるのだと説明される。
　「ほら、データ通信もできるでしょ・・」
　スマホを出すと、SIMを取り付け、設定までしてくれた。
　ラッキー！！
　500円で30日間もデータ通信ができるとは・・思わぬできごとだ。
　空港ショップは割高と言う人がいるが、空港ショップは市内よりも格安ではないだろうか。
　ただ自分で設定したのではないので、どんなデータプランに入ったのかは不明だ。

　幸先の良いスタートとなった。
　空港から一歩外に出て、バスを探す。
　ん・・・？
　バスの姿はない。
　しばらく待っていると、ベトナム空港のピンクのミニバンがノロノロとやって来た。
　目の前で止まったので、乗ろうとすると、
　「だめ、だめ！　後のバスに乗るといい・・」
　目を転ずればすぐ後に大きな黄色のバスがいるではないか。

　「ハノイ・・・？」
　そう聞いてみても否定されないので、乗り込むことにする。
　車掌が料金を徴収にやって来た。
　８０００ドン（40円）
　ラッキー！
　ラッキー！

　次々現れるバス停で乗り込んで来る客。
　いつしか車内は満員となった。
　さてさてどこを走っているのやら。
　スマホのGマップを睨みながら、市内中心に向かっていくことを確認し、安心しています。
　バスの前面には『0７』の数字があるので、このバスは『０７番バス』らしい。

　『吉』ばかりが続いていたハノイ。
　しかしここで運が尽きたようだ。
　終点として強制的に降ろされたのは、こんな場所だった。
　道路が広いばかりで何もない。
　後から調べると、０７番バスの到着するこの場所は、『カウガイのバス停』と呼ぶようだ。

　赤線のようにバスは走ってきて、終点のカウガイは黒い印の場所だ。
　ここから予約してあるホテル（赤い星印）までは直線距離にして4.7km。
　道のりではそれ以上ある。

　近くにいたバイクタクシーの兄さんが、旧市街のホテルまで10ドルで送ると言い寄ってくる。
　空港から２６kmを40円でやって来て、ここから1000円も出して5kmは馬鹿らしい。
　歩きながら、市内バスを探そう。
　７kgのバックパックと３kgのリュックを背負って、歩き出した。

　だが後方からバスはやって来ない。
　バス停も見つからない。
　道を間違えていて、ここはバスの通らない道路なのだった。

　バスの通る道路に出た。
　しかしどのバスがホアンキエム湖近くまで行くのか分からない。
　バス路線をＧマップで調べる方法も、すっかり忘れてしまっている。

　歩く、歩く、汗びっしょり。
　厚手のジーンズに、秋用の長袖シャツなんか身につけているのだ。
　まさか気温３３℃とは、予想だにしていなかった。
　でもそんなことを気にしている余裕はなし。
　歩くしか助かる道はない。

　歩くこと1時間、見たことのある場所が現れた。
　ホーチミン廟に行くときに、確かここを通ったはずだ。

　目指すはagodaで予約してある『Fantasea Hotel』（１２ドル）だ。
　Ｇマップで確認はするが、時々道を間違える。

　ホテルは確かこの辺りのはずだが・・・
　agodaの地図ではここなのだが、そんなホテルはない。
　あっちこっちとうろつき回り、色々な人に尋ねるが、聞く人によって教えてくれることはまちまちだ。
　ベトナムの町の特徴は、肝心の看板が見つけにくいことにある。
　ホテル名や店の名前が、見安い場所にない。

　探し回ること30分以上。
　重い荷物を背負いながら６km以上も歩いてしまった。
　絶望観が頂点に達した頃、やっと『Fantasea Hotel』を知っている人に出会い、何とかその前に立つことができた。
　Agodaの地図の場所とはかなり違っている。
　Agodaの馬鹿！
　しかしこれで一安心・・・
　と思いきや、しかしそれはまだまだ早く、凶はまだまだ続く。

　チェックインしようとすると、今夜は満室だと言われたのだ。
　何たることだ！
　「心配ない。知っているホテルを知っている。そこに案内する。」
　バイクに乗せられて走ること数分、着いたのは見たことのあるホテルだった。

　ここはアリヤンさんの泊まったトゥンチャン・ゲストハウスのすぐ近くにあるホテルだ。
　細い路地にあり、以前尋ねたことがあるが、確か料金が高かったはずだが・・・
　当たり前だが、料金はAgodauに支払った料金そのままで、追加はしないと言う。
　エレベータに乗せられて5階まで案内された。
　エレベータがあるなんて、すごい。

　ところがここからがショッくだった。
　エレベータで降りた先に、まだ登り階段があったのだ。
　それもこんな鉄製の工事現場のような急階段だ。

　まるで鉄塔に登るようだ。
　「ここ、頭、気をつけてね。天井にぶつけるから・・・」
　狭く、急で、滑りそうな、はしごのような階段。
　これは客用の階段ではない。

　登った先にはタンクやらゴミの山。
　シーツやタオルの干し場ともなっている。　

　その隣に、粗末な部屋が一つ。
　ここ、客用の部屋？

　エアコンはあるが、ゴーゴーと騒音が出るエアコンだ。
　ポットもあるが、なんだか汚い。
　小さいながらも冷蔵庫はあって、Wifiも使えるようだ。
　外を歩いていることを考えれば、幸せに違いない。
　快適ではないが、まずまずかな？

　温水の出るシャワーもある。
　サパまでのバスチケットを予約するための、つなぎの宿泊なのだから、ここで我慢しよう。
　予定ではハノイに2泊することにしている。
　明日は、銀行で両替し、バスチケットを手に入れるのだ。
　そこでもう1泊したいとフロントのおばさんに申し込むと、明日は満室だと言われてしまった。
　ハノイ、どうなっているのだ！
　満室ばかりだ。

　前回泊まった『Tourist Hotel』を尋ねてみる。
　すると明日は一部屋だけ空いていると言う。
　さっそく予約して料金を支払う。
　前回は15ドルだったのに、今回は17ドルとなっていた。　
　

　サパまでのバスチケットも予約できると言うので、明後日のチケットを20ドルでこれも買っておく。
　このお兄ちゃんが親切で優しく、神様のように思えてしまった。
　これで凶は終わってほしい。

　『Tourist Hotel』界隈は相変わらず賑わっている。
　お茶を飲みながらだべっている人が路地を埋めている。

　レストランの並ぶ路地も前回と少しも変わっていない。

　馴染みのレストランの従業員も見覚えのある顔ばかりだ。
　この店のビアホイは５０００ドン（25円）と馬鹿みたいな料金。

　さっそくチキンカレーとビアホイを注文する。
　チキンカレーは５００00ドン（250円）と手ごろな価格で、野菜たっぷりで、今日の疲れが飛んでいく。
　明日の宿泊場所も決まったし、美味い料理も目の前にあって、今日の締めくくりは小吉とするかな・・・

この旅行記へのコメント （1）

• trat baldさん 2016/11/04 07:17:48

  お帰りなさ〜い。

  出だしに空港で両替無しでSIMが買えたりバスに乗れると云う事はこの日のためにストックしてましたネ！
  流石、日進月歩のベトナム7番のバスが国際線の外側通路に着きましたか、、、、ノイバイそのものがハノイですが、、、、
  不謹慎だけど笑って読んでる、ハノイの洗礼は神様級にも降りかかりましたか！
  Ps.私見ですが特にハノイでは英語より会話集の方が価格も含めて有効打になりそうな気がしました、カイナイ(これ)の連発で凌ぎましたから、、、、