2013/01/06 - 2013/01/21
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motogenさん
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その7からの続きです。
ルアンパバーンからバンビエンに向かいます。
その道は私にとって思い出のある道でした。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス
-
早起きをして迎えのトクトク(400キップ:450円)に乗り込む。
ゲストハウスのお姉さんも早起きし、玄関の鍵をはずして見送ってくれた。 -
走り出すと、坊さんたちの托鉢に出会った。
この托鉢姿がルアンパバーンの名物なのに、すっかり忘れていた。 -
最後の最後にこの托鉢を見ることができた。
天から見放されていなかった気がした。 -
バンビエン行きのバスターミナルは、町の西にあって、ウドムサイから到着した時のバスターミナルとは違う。
バンビエンまでは大型のエアコンバスだった。(1人1500キップ:1650円) -
竹入りのご飯やバナナ、クッキーを買い込んで、長い道中に備える。
乗客のほとんどが欧米人だ。 -
定刻どおりにバスは出発した。
私は窓の外に視線を集中させて、あの時の思い出の場所を探す。
2年前のことだ。
バスが走り出してしばらくすると、突然バスの動きがおかしくなった。
信号もないのに渋滞にはまり込んでいる。
そのまま、5分・・10分・・15分・・・
バスは微動だにしなくなり、そのうち運転手はエンジンを切ってバスから降りてしまった。 -
ふらふらと外に出ていく乗客もいる。
私もつられてバスから降りてみた。
道路はどこもかもぬかるみだった。
昨夜までの雨は止んで、いつの間にか空は明るくなっているのに、地面はまるで洪水に見舞われたかのようだった。 -
前後に数珠つなぎになっているトラックの運転手たちも車を離れ、道端にある店でバナナなどを買い、煙草をふかしている。
まごまごしていると、バスの運転手が買ったばかりのバナナを2本私にくれた。
100mほど先の車が動けなくて、当分このままだと言う。
バナナをかじってみると柔らかくて美味かったので、私も一房買った。 -
いつまでたってもバスは動かない。
バスの乗客のほとんどがバスから降り、道路沿いの店に吊るされた果物やスナック菓子、飲み物を買い求めている。
その中の幾人かが、渋滞の原因となっている現場を見に行くというので、私もついて行った。 -
ジーンズをたくし上げ、泥んこの道に足をとられないよう、そろりそろりと進んでいくと、人だかりがしている道路の中央部に、ずっぽりと泥の中にはまり込んでいる大型バスがいた。
-
降り続いた雨で、道路はまるでプリンのようにブヨブヨしている。
重機がバスのタイヤ近くに砂利を押し込み、脱出の足掛かりを作ろうとしているが、その成果は現れず、バスは同じ場所で無駄にタイヤを空回りさせ、のたうち回っているだけだ。
しばらく見続けていたが、何の進展もない様子に疲れてしまい、自分のバスに引き返した。 -
窓の開かないバスの中は、太陽光を浴びてサウナのような暑さになっていた。
とても乗っていられる状態ではないし、乗っている人もいない。
ぶらぶら散歩することにした。
近くに小さな池があった。 -
農業用の溜め池だろう。
ガーガーと歩き回るアヒルがいて、池の向こうの椰子の陰にはトタン屋根の民家が見える。
絵になる風景だった。
二人の子供がどこからか出てきて、池で遊んでいる。
カメラを構えて近づくと、恥ずかしがって逃げていってしまった。 -
欧米人の女性が連れの男性に、おしっこをしたいと言いだしている。
男性がこんもりと盛り上がった土砂の陰に女性を連れて行った。
しばらくするとその土砂の山から、ティッシュが風に乗ってフワっと飛んだ。
のどかと言うのか、おとぎの国にいるような気がした。
池にさざ波がたち、太陽の光を反射して泥水がキラキラ光っていた。 -
太陽が西に傾き始めている。
泥沼にはまりこんでいた例のバスが、私たちの横をのろのろと通過してルアンパバーン方面に去って行った。
入り口につかまっている車掌さんは、全身泥だらけで、バスも泥だらけだった。
乗客の中にも泥にまみれた人がいる。
きっとお手伝いをしたのだろう。
でも私たちの車の列はまだまだ動けず、バイクだけがバスの横を通り過ぎていく。 -
現場を見に行くと、まだ大型車が通れるような状態ではないようで、重機が動き回っていた。
もう通れるではないかと思うのだが、工事は延々と続いている。 -
砂利を満載したダンプが、私たちの横をすり抜けて、何回も現場に向かって行った。
時計を見ると、すでに6時間が経過していた。
こんなことがなければ、もうバンビエンで楽しんでいる時間。 -
やっとバスがのろのろと動きだしたのは、それから1時間後、止まってしまってから7時間以上もたってからだった。
あんなに熱かった太陽光線も薄らいでいる。
まだブカブカしている現場をバスが通過し終わると、バスの中に大きな拍手がわき起こった。
まるで車輪が出なくなってしまった航空機が、無事に滑走路に着陸できた時のニュース画面のようだった。 -
バスが途中の休憩所に止まり、昼食が提供されたのは暗くなってからで、バンビエンに到着したのは夜の9時過ぎだった。
その思い出の場所はどこだったんだろう。
その時は、いらいらし、情けなく、ぼんやりと、無意味に時間を浪費した場所だと思っていたのに、帰国してみるとその時の光景が目の奥にちらちらよみがえり、懐かしくなってしまうことがたびたびだ。
バナナをくれた運転手さん、通じない英語を話しながら何回も一緒に現場まで往復した欧米人たち、心配ないよと励ましてくれたお店のおばさん、足を滑らせて転びそうになった時、身体を支えてくれたトラックのおじさん、おばあさんの背中ではしゃいでいた赤ちゃん、そんな姿が夢に現れる。
『大切な時が、大切だったと知るのは、いつだってその時が遠く過ぎ去ってからだ・・』
そんな言葉が胸に響く。 -
あっ、ここではなかったか。
そう、小学校もあった。
ここに違いない。
そう思ったが、バスはスピードをあげてあっという間に走り過ぎていく。
道路は見違えるように整備され、側溝までできていて、コンクリの橋も架かっていた。 -
峠の頂でトイレ休憩となった。
-
休憩所のテラスの下は断崖で、そこからの見晴らしは絶品ものだった。
この休憩所も大切な思い出の場所だ。 -
やはり2年前、トイレをすませて外に出ると、少女が近づいて来て20キップを請求したのだった。
トイレは水の入ったバケツとひしゃくがあって、その水でお尻を洗ったり、便器を流したりする、この地域ではよくある手動式ウォシュレットだ。
しかし、山の中とは言えいかにも粗末で、小汚く、こんなトイレなのにちょっぴり高いなあと思った。
面と向かって高いと文句を言っている欧米人もいる。
しかし少女は恥ずかしそうに微笑むだけで、使った後のトイレをせっせと洗い、それぞれの個室の中にある水桶に水を足している。
それが終わると、水を汲んできて大きなドラム缶にそそぎ始めた。 -
そうか、ここには水道なんてないんだ。
どこかの小川から水を運んでくるんだ、と気がついた。
年端のいかぬ少女がこんなに一生懸命に仕事をしている。
20キップは安いものだと思い直した。
少女の姿に胸を打たれた。 -
またあの少女に会いたいなと探してみるが、トイレは立て直してあって少女の姿はなかった。
短い間にラオスもどんどん変わっていってしまう。
それはいいことだが、少しさみしい。 -
石灰岩のとがった岩山がぽつんぽつんと現れてきた。
向かう先に巨大な岩山もそびえている。
バンビエンに近づいてきた予感がする。 -
空が広くなり、山々が後方に遠ざかっていく。
道はゆるやかに下ってはいるが、いつしか平地を走っていた。
ドライブインで食事が出た。 -
並の食堂なのに、きれいな食堂みたいだ。
私の感覚が勘違いしている。
日の当たらない山を越えて、人里に出てこれた開放感か? -
質素な献立だけど、口に合う。
日本にいれば、何だこんなものと思う食事が、美味いと思うようになっている。
我がままが退散しいいる。
口に合うものが食べられるだけで、ありがたいと思うようになっている。 -
外の道路を学生の集団が自転車で走っていく。
学校の授業が終わったのだろう。 -
その学生たちが都会の子供に見える。
おしゃれに見える。
道中で見てきたものとは、違う世界にやってきたと感じる。 -
外に出て大空を楽しんだ。
手足を思い切り伸ばした。
太陽がさんさんと輝いていた。
バンビエンはすぐ近くかと思ったが、まだ先だった。
今回は、何のトラブルもない道中だった。
拍子抜けしそうだ。
その9に続きます。
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この旅行記へのコメント (2)
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- trat baldさん 2015/12/02 17:45:43
- 鍛えられたと言うよりも現地人になった!
- フィリッピンはそうでもなかったけどタイを中心とした東南アジアは観光地から遥かに外れてコリャ何だ地域でも欧米人が居るんだよねぇ、、、、しかも女性バックパッカーまでが!
日本人感性から言うとmotogenさんは超マイノリティで何やってるの?ですが欧米人は観光地化した場所を好まない、ハードで純然たる旅そのものをしたい人が多いようです。
その中で特に気に入った場所を見つけると長逗留を決め込む様です、持てる時間量の差だけでは無い様です。
リッチな観光がメインの4traでは我々は少数派です、特にmotogenさんご夫婦は日本人に無い物を体得してます(^o^)
- motogenさん からの返信 2015/12/02 21:45:36
- ずばりその通りです。
- 欧米人、ずばりその通りですね。
核心をつくお言葉で、感心しています。
「フィリピンはそうでもなかった・・」
それも同感です。
フィリピンでは、欧米人のバックパッカーが好きなレンタルバイクは見ないし、安いゲストハウスは見つかりません。
田舎町では私設両替所も見つけるに苦労します。
私の探し方が悪いのかと思っていましたが、そうでもないようですね。
セブのようて観光都市には行ったことないので、わかりませんが。
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