2013/01/06 - 2013/01/21
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motogenさん
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その4からの続きです。
スローボートを選んだ日本人ご夫婦と別れ、私たちは陸路でルアンパバーンに向かいます。
せっかくのラオスの旅、ウドムサイというちっぽけな町に途中下車して、ラオスの田舎を楽しみたいと思います。
ラオスの山道や、そこに生活している人たちの生活を、女房にも感じてもらえれば嬉しいです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
-
「どちらまで行かれるのですか?」
フェイサイの丘の上のお寺。
沈みかける夕陽にカメラを構えながら、日本人夫婦が声をかけてきてくれた。
歳の頃は私たちと同じくらいだろう。
簡素な服装に、いかにも長旅を続けてきたといった無精ひげが、ほど良い感じをかもしだしている。
奥さんの方もカジュアルな身なりで化粧気もなく、手には『地球の歩き方・ラオス』がしっかり握られていた。
同類だな・・・
自然と微笑んでしまう。 -
「ルアンパバーンまで行って、その後バンビエン、そしてビエンチャンへと回ります。」
「私たちもこれからそのコースを・・・」
すぐに意気投合し、一緒に夕食をということになった。
手の中の『地球の歩き方』に紹介されているレストランを探す。
すぐ下に悠々たるメコンが流れていた。
オープンテラスに並ぶテーブルと椅子。
ちょっとばかり高級感が漂っている。 -
こんな服装で来てしまってよかったかな?
さてさて何を注文しようか?
緊張しながらメニューをめくるが、よく分からない料理ばかりだ。
結局注文したのはお馴染みのフライドライス、俗に言うチャーハンとなる。
しかしこの店でこれだけではまずかろうと、野菜炒めと、普段は飲まないビールまで追加してしまった。
一緒になったご夫婦は何を注文するんだろう・・・
豪華絢爛なグルメ料理か・・・?
横目で注目していると、私たちと同じチャーハンだった。
おまけに旦那さんの方はアルコールはだめらしく、ビールを頼んだのは奥さんのみ。
ちょっと安心する。 -
出てきたチャーハンは食べきれないほどの超大盛りだった。
「ラオスって、量が多いんだね・・」
「これじゃ2人で1皿でよかったね・・次からは、そうしよう。」
4人でうなずき合った。
野菜炒めに至っては、大鉢からこぼれ出すような量で、5〜6人分はある。
「良かったら、一緒につついてください。」
このご夫婦にも相伴をお願いした。 -
このご夫婦が日本を発ったのは10日ほど前で、カンボジアのアンコールワット・ツアーに参加し、その後タイ北部を経てラオスにやってきたのだそうだ。
タイやカンボジア、ラオスは初めてで、これまでは毎年インドの旅を続けていたと言う。 -
「インドに行くと、人生観が変わりますよ。
ぜひ一度、インドにも足を伸ばしてみてください。」
と興味深い体験話を、ぽつぽつと話し始めてくれた。
「しかし、タイやカンボジアはいいです。
何より、物売りにまとわりつかれないです。
インドでは、物売りや乞食、仕事を持たない暇な人が、どこまでもくっついて来てうんざりするんだけど、こっちではいらないと言えば、すぐに諦めてくれる。」
そう笑いながらも
「でも、それでインドが嫌いになるというわけじゃなく、インドにはインド特有の魅力が・・・」
インドにはまりこんでしまった気持ちを、熱く熱く語ってくれたのだった。 -
話に引き込まれ、感嘆の声をあげていると、気がつけば辺りは闇に包まれていた。
対岸のタイの町の灯がチコチコとまたたいて、昼間とはまた違う世界を演出している。
肌寒い川風が昼間の熱気をさらっていく。
「ルアンパバーンでは、きっとどこかで会えるでしょう。」
この人たちは、明日から2日間かけて、スローボートでルアンパバーンに向うという。
ゲストハウス前で手を振りながらお別れした。 -
バス乗り場は、もう隣村といってよいほど南に離れた場所にある。
翌朝は早起きし、トクトクをチャーターしてバス乗り場に向かった。
ルアンパバーンまでの中間地点、ウドムサイの町で途中下車し、そこで一泊する予定だ。
ルアンパバーンまで直行するよりも、山間部の小さな町の寄り道は、思わぬ発見に出会うかも知れない。
待っていたバスはマイクロバスだった。
前回は普通のバスだったのに。 -
タイからやって来ると、ラオスの道路の貧弱さにびっくりする。
とにかく狭い。
舗装ははがれていて、赤土がむき出しになっている場所もある。
バスはタイのように猛烈なスピードを上げては走らない。 -
山岳路を走り続けている。
右へ左へと曲がりくねり、アップダウンフを繰り返す。
この山道ではたいていの人が車酔いをし、景色を楽む余裕などないという。
2年前には案の定、元気だった人の顔が青くなり、お喋りだった人がむっつりし、車内は意気消沈した。
私は平気だった。
ラオスの人は車に慣れていないのだと思った。
しかし2年前に比べると道路も整備され、乗り物もサスやダンパーのへたったおんぼろバスでなく、しっかりしたマイクロバスだ。
前回のようなことはなかった。 -
もういくつの山を超えただろうか。
最初は数えていたが、大きな山あり小さな山ありで、登っては下り、下っては登っているうちに、わけがわからなくなってしまった。
山頂付近から遠方を見渡すと、山の向こうにまた山があり、その山の向こうにはさらに高い山が見えている。
遠くの山には雲がかっていて、どこまで行ったら人の住む場所に出るんだろうと、気が遠くなってくる。 -
ラオスの国土の大半は山岳地帯で平野が少なく、農耕生活には適していない。
山、山、山と、いつまでたっても山続きのバスに乗っていて、そんな気がしてきた。
人口密度もすごく小さく、自然の中でひっそりと人が生活している。
-
そんな山岳地帯にも、時おり小さな集落が現れる。
雄大な自然に中では、本当にちっぽけで頼りない家々だ。
そんな集落の家々の前には、決まって老人たちが座っていて、その近くで幼い子供たちが遊んでいる。 -
うっすらと煙が上がっている。
炊事は外でしているのだ。
開けっ放しの入り口から家の中がちらりと見える。
ガラス窓はなく中は真っ暗だ。
軒下にはたくさんの薪が積まれている。
エネルギーの主役は電気やガスではなく薪だ。 -
小川で洗濯や水浴びをしている女性がいる。
赤ちゃんを背負ってとぼとぼと歩く少女。
棒を振り回して遊んでいる少年たち。
牛を引き連れて悠然と歩いている子供。
そんな光景が窓の外を流れていく。 -
みんな穏やかで、優しい目をしている。
巨大な自然の中で、ちっぽけな人間たちが、生き生きと生活している。
生きていることはいいことだ。
私は、謙虚な気持ちになってきていた。 -
家の前には、必ず人がいる。
ぼんやりと座り込んでいる人が多い。
犬や豚や鶏や、時にはやせたヤギと一緒に、人がいる。
家の中ではなく、外にいる。 -
大きな荷物を背負って歩く子供がいた。
ヤギや牛を追いながら、歩いている子供の姿もあった。
はだしだ。
足は痛くないの?
学校には通っていないの?
-
トイレ休憩のために時折バスは止まる。
民家などない山道途中での休憩もあった。
男も女も道路脇で用を足す。
タイやラオス北部の人たちは、現代日本人のような排便に関しての羞恥心が薄いようだ。 -
女房も観念し、草木で覆われた茂みを探した。
その女房を置いてきぼりにしてバスが出発しないよう、私は見張り番になる。
こんな体験も日本に帰れば、貴重なラオスの土産話になるだろうと、女房に内緒で口元がゆるむ。 -
走ること4時間あまり、久々に人里に下りて来た。
ターミナルに入っていく。
ターミナルは大きな建物だが、周囲は野原と畑が広がっているだけで、町らしきものは何も見えない。
目的のウドムサイではまだ先で、ここはルアンナムターのバスターミナルだ。
ルアンナムターは中国と接し、県庁所在地の町はけっこう大きいらしいが、その町はここより10?以上も北に離れている。
ここで食事休憩となった。 -
菓子や果物、ちょっとした食料品を売っている店が並んでいる。
バナナの葉に包んだ惣菜を買ってつまんでみたが、私の口には合わなかった。
ぶらぶらしていると、手招きしてくれるおばさんが店のテーブルに座っていた。 -
「これっ、美味しいよ・・」とでも言うように、食べているものを差し出してくれる。
もち米のご飯、細いたけのこだった。
山菜の惣菜もある。
遠慮なしにいただくことにする。 -
ご飯を指で丸めて口に入れる。
惣菜をつけて、もう一口。
すごく美味いというものではないが、空腹の腹は喜んでそれを迎えてくれた。
「もっともっと食べな」と薦めてくれるおばさんの好意に甘えて、腹を満たしてしまった。
ラオスにはいい人が多すぎる。 -
まだまだバスは山道を走る。
大きな三叉路にさしかかった。
北に進めば中国だ。
中国語の看板や、中国風に装飾された店がある。
荷物を満載したトラックが黒煙と土ぼこりを上げて走るようになった。
バスは南に向かう。 -
ウドムサイに着いたのはルアンナムターを出発してから2時間後だった。
本当に小さな町だ。
ターミナルは町の中にあって、道路を挟んだその真向かいに、格安のゲストハウスがあることを知っている。 -
『PHOXAYゲストハウス』
温水シャワー・TV付で、6000キップ(700円)だった。
2年前は5000キップだったのに、値上がりしている。 -
この町はルアンパバーンと中国、ベトナムを結ぶ交通の要となる町で、ここより東に向かえばベトナムのハノイ、北に向かえば中国になる。
観光客の姿はなく、見かけるのは買出しに来ている山岳民族、休んでいるトラック運転手、町で働く人たちくらいか。 -
この分岐点を東に折れて進めば、ハノイらしい。
すごいどころに来たものだ。
子供の頃は甘えん坊で、怖がりで、親元から離れられなかったのに、日本人などめったにやってこない、こんな町までやってこれた。
自分で自分をほめる。 -
道路脇にある山の上にお寺が見える。
きっと見晴らしが良いだろう。
山の裏にあった上り口を探し出し、息を切らして登ってみる。 -
広場があり、下から見えた観音様がたっていた。
お堂もある。
周囲は見渡す限り山また山だ。 -
二人の少年に出会った。
観音様に向かって熱心にお祈りを続けている。
話しかけると、サッカーの練習後はいつもお祈りに来ると言う。
子供のくせに何と立派なのだと感心する。
家族のことやサッカーの話をした。
Jリーグについては知らなかったが、ヨーロッパのサーカーチームはよく知っていた。
少年の夢はサッカー選手。
気持ち良い少年達で、はきはきと応えてくれる。 -
すっかり仲良くなって、しばらくウドムサイの町を眺めていた。
ガイドブックで見たウドムサイの写真と同じ景色だった。 -
この子たちは町の子供だ。
途中見てきた子供たちとは服装が違う。
靴もはいている。
学校にも毎日通っている。 -
「あっ、またあの子たちだよ。」
女房が嬉しそうに言う。
少年達とは、山を降りて町を歩いている時にも数回出会い、その度に元気良く手を振って挨拶してくれた。 -
博物館があるという山にも登ってみた。
塔のあった山の反対側にあるらしい。
道路を渡った場所にあるこの石段が、博物館への入り口らしい。 -
長い石段登っていくと、若い坊さんたちとすれ違った。
買えるところらしい。
博物館の前に立つと、残念ながら数分前に閉まったばかりだった。
時刻は4時半。 -
「もう少し早く来たら良かったのに・・」
博物館の前にいた若者が言ってくれた。
学生のような初々しい坊さんで、綺麗な英語を話し、博物館の紹介をしてくれた。
出会う人はみんな親切だ。
ラオスが好きになってしまう。 -
通りを歩くと香ばしいにおい。
今日は朝から食事らしい食事をとっていなかったことを思い出す。
これは後で食べることにして、レストランを探す。 -
前回見つけておいたお洒落なレストランに陣取った。
道路脇のテーブルに座り、町の様子を眺めながらラオス料理を味わう。
幸せな気分に包まれてくる。
日本では居ても居なくてもさして気にならない女房が、ここでは頼りになる相棒に感じられる。
ストローをくわえ、甘い甘いバナナシェイクをすすった。
その6に続きます。
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この旅行記へのコメント (2)
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- trat baldさん 2015/11/26 11:01:51
- ラオスってメコンが海代わりなんだよね!
- ラオス人には仏の教えが沁み込んでいるので羞恥心はタップリ有ります、残念ながら環境がそれを上回っています、365日全ての場所が(^o^)
大昔、ミンダナオ(フィリッピン)で暮らした時に女性の使用済みの生理用品がブタの餌だったのにウ〜ッ、しかもソレを丸焼きで食べた!
motogenさん完璧に観光旅行から逸脱してます(^o^)
- motogenさん からの返信 2015/11/26 23:11:19
- 私の想像
- コメント、ご支援、ありがとうございます。
昔の話ですが、同僚のおばさんが中国の田舎に仕事がらみでホームステイに滞在した時、トイレは小川に掛かった板切れ2枚で、壁も囲いもなく、辛かったという話を聞きました。
日本の空港に帰ってきた時、涙が出るほど嬉しかったと聞いて、みんな絶対に中国には行きたくないと思ったものです。
別の友人はタイのお風呂屋に行った時、一緒に風呂に入ることになった少女が、友人が見ている前で、風呂場でチロチロとおしっこをし、それがなんのけれんみもなく可愛かったと話してくれたことがありました。
タイ北部から出てきたばかりの少女だったそうです。
また別の知り合いは、タイ北部の女性と親しくてなり、しばらくお付き合いをしていましたが、一緒にシャワーを浴びると決まって目の前の便器に座り、おしっこをするそうです。
また普段でもトイレのドアを開けっ放しで用をたすとも言っていました。
そういうことに恥ずかしさを感じない風習が、タイ北部にはあるのかなと想像していました。
そういえば、私が幼かった頃の農家は、入り口の横にトイレがあり(穴が掘ってあって、2枚の板がかかっているだけ)、壁も囲いもありませんでした。
正式のトイレは本家とは別に、厠という小屋がありましたが、そこは電気も通っていなく、たいていは入り口の穴で用をたしていたと思います。
おばあちゃんなどは人前でも平気で用をたしていて、そばで遊んでいた私なども、何の違和感も持たなかったと思います。
田舎はそんなものでしたが、いつの間にか日本も変わり、音が聞こえるのが恥ずかしいなどと、音楽やせせらぎの音が鳴るトイレもあると聞き、感無量です。
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