ベルリンから初めての東欧ポーランドへ、そしてトランジット中にアムステルダムへ⑩（ワルシャワ①）

2015/08/17 - 2015/08/24

今日は６日目です。長いようで観光は実質今日が最終日です。観光はもちろんですが限られた時間で土産も買わなければなりません。今日は忙しくなりそうです。
午前中はツアーで回って午後は夕方まで自由行動にしてもらい歩き回りましょう。
ショパンの足跡も訪ねたいし、歴史的遺産も訪ねますよ。と言う事で、朝一で行動する計画でしたが、朝からつまずいてしまいました。
それでは、本文の方へどうぞ。

エリア ワルシャワ(ポーランド)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 25万円 - 30万円
• 交通手段: 観光バス 徒歩
• 航空会社: KLMオランダ航空
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）
• 利用旅行会社: 阪急交通社

目が覚めたのは５時半でした。いつもはこの時間から支度を始めるんですがどうも体のキレが悪いんです。６時に起きようと二度寝をしてしまいました。
次に起きたのは６時半でした。
予定より３０分も遅れています。...まずい。衛兵の交代に間に合わない。15分で支度して、１５分で行くのはどう考えても無理がありました。
でもとにかく行かなきゃ。
急いで支度をしてホテルを飛び出しました。
行く先はサスキ公園。目指すは無名戦士の墓です。

地図を頼りに急ぎます。途中市民公園のような大きな公園に辿りつきました。この公園の隣がサスキ公園です。もう少しで着けるぞ。と足を速めて公園を抜けると、通りに朝市がたっていました。新鮮な野菜や果物が山の様に売られています。
店は沢山ならんでいます。朝７時前なのにお客様も大勢買いに来ていました。
（写真は人通りが途切れた時に撮ったものです。）
サスキ公園まであと少しです。

サスキ公園に行く途中で文化科学宮殿が望めました。

文化科学宮殿 建造物

サスキ公園の端です。水不足と先日までの酷暑で公園の木の葉が茶色に変わり枯れかけていました。

サスキ公園 広場・公園

ここから公園の中に入りましょう。

サスキ公園 広場・公園

サスキ公園の中に入りました。
朝の公園です。お年寄りが一人、二人と散歩されています。
英語で「グッドモーニング」と声をかけると、ニコッと笑って「ヂェイン　ドブリィ（おはよう）」とポーランド語で挨拶を返してくださいます。
何か温かい物が湧いてきます。

サスキ公園 広場・公園

噴水が見えました。もうすぐです。

サスキ公園 広場・公園

左右に人物の彫像が並んでいます。

サスキ公園 広場・公園

早朝なのでまだ噴水は出ていませんでした。

サスキ公園 広場・公園

無名戦士の墓です。着いた時はもう衛兵の交代は終わっていました。
ですが、交代したばかりの二人の兵士が、墓の前でゆっくりとした歩調で行進していました。二人が２度交差し、この後墓の左右に直立不動の姿勢で立ちました。
無名戦士の墓はナチス・ドイツに破壊されたサスキ宮殿で残ったアーケードの下に設けられていて、祖国のために命を捧げた英霊達がここに眠っています。そして、儀礼用軍装を着た衛兵が直立不動で守っているんです。

無名戦士の墓 モニュメント・記念碑

兵士二名が位置に着いた後、私は少し前に進んで尊崇の念を表するため深々と最敬礼をしました。（軍隊式の挙手による敬礼がいいのかなとも思いましたが、一般人ですので最敬礼にしました。）
すると小さなドラマがそこから始まりました。戦士の墓には兵士２名と私しかいません。
最敬礼をして私が頭を上げると、兵士は敬礼しようと途中まで右手を上げかけましたが、その手をサッと降ろして何と捧げ銃で答礼してくれました。
びっくりしました。そして感激しました。私のような一観光客に捧げ銃で答礼してくれたんです。いや〜、嬉しかったですね。
彼らは直立不動で立ち、微動だにしないはずです。その彼らが．．．．。
次に私がつたない英語で「私は日本人です。日本から来ました。私はポーランドが大好きです。貴方達に会えて大変うれしいです。」と言うと、向かって右の兵士がニコッと笑って「サンキュー」と答えてくれました。
お互い微笑んで少しの間見つめ会っていました。どのくらいの時間だったでしょうか。
それから、私が撮影のためカメラを向けると口をキリッと引き締めて姿勢を正し、直立不動の姿勢をとりました。もうそれからは微動だにしませんでした。

無名戦士の墓 モニュメント・記念碑

静かです。兵士は微動だにしません。

中央の墓に灯されている炎には、平和が永遠に続くようにとの祈りが込められているとの事です。

無名戦士の墓 モニュメント・記念碑

その後も直立不動の姿勢は変わりません。
ホテルに戻る時間になったので最敬礼して立ち去りましたが、もう全く動きませんでした。

無名戦士の墓 モニュメント・記念碑

こちらは公園部分です。

サスキ公園 広場・公園

雨が降らないので花の勢いが弱いようです。

花が咲いていると美しいですね。

サスキ公園の噴水は有名だそうですが、見れなくて残念です。

サスキ公園 広場・公園

公園の中央に向けて彫像が続きます。

プレートに文字が彫り込まれていますが、ポーランド語のため分かりません。

サスキ公園 広場・公園

まるで３体の建物が高さを競っているかのようです。

また文化科学宮殿が見えてきました。この角度がいいですね。

文化科学宮殿 建造物

ウエスティンワルシャワホテルです。
急いで帰りましょう。朝食をとってバスで市内観光です。

ザ ウェスティン ワルシャワ ホテル

今日のガイドさんはバシャさんです。
ワジュンキ公園から観光開始です。朝が早いのでまだ観光客が少ないですね。
この銅像は柳の木の下に座り故郷の自然を眺めるショパンを表現しているそうです。

ショパン像 モニュメント・記念碑

ショパン像は第二次世界大戦中ドイツ軍に破壊されましたが戦後復元されました。

ショパン像 モニュメント・記念碑

これはショパンベンチです。ショパンの所縁の場所に置いてあり、スイッチを押せばショパンの曲が流れます。

ワジェンキ公園 広場・公園

公園内の離宮ですがその後ろにビルが出来たため景観を損なったそうです。
写真では極力ビルを入れずに撮ってみました。

ワジェンキ公園 広場・公園

公園内で沢山見かけたリスです。人が少ない時は近寄って来て手に乗ることもあるそうです。

ワジュンキ宮殿（水上宮殿）です。
この宮殿は王の夏の離宮です。第二次世界大戦中にドイツ軍によって放火され内部が破壊されましたが現在は修復され博物館になっています。

ワジェンキ宮殿 (水上宮殿) 城・宮殿

ワジェンキ宮殿の野外劇場です。

ワジェンキ宮殿 (水上宮殿) 城・宮殿

ワジェンキ宮殿です。

ワジェンキ宮殿 (水上宮殿) 城・宮殿

ワジェンキ宮殿です。

橋が湖面に映って丸い穴があるかのようです。

ワジェンキ公園 広場・公園

ワジェンキ宮殿北側です。

ワジェンキ宮殿 (水上宮殿) 城・宮殿

ワジェンキ公園に建つポーランド王ヤン３世ソビュスキの銅像です。
1683年神聖ローマ皇帝の要請により、オスマントルコ軍１５万の大軍に包囲されたウイーンを助けるため、ドイツ・オーストリア諸侯連合軍を率いてウイーン郊外に到着。重装騎兵を駆使してトルコ軍を撃破し欧州キリスト教世界を救った英雄です。

ワルシャワ新市街です。

三位一体プロテスタント教会
ショパンがロシア皇帝アレクサンドル１世のためにピアノを弾いた教会です。

三位一体プロテスタント教会 寺院・教会

新市街です。

新市街です。

文化科学宮殿と高層ビル。
市内南地区は開発が進んできており、高層ビルが増えています。

新市街です。

国立オペラ劇場です。（車窓から）

国立オペラ劇場 建造物

ポーランド国旗を着けたライダー隊。

旧市街の城壁です。
ここにも国旗がありました。

王宮広場 広場・公園

王宮広場の前です。

再び王宮広場に来ました。今日は旧市街広場、バルバカンを抜けて新市街のキュリー博物館を見学します。

王宮広場 広場・公園

洗礼者ヨハネ大聖堂です。
ワルシャワで最も古い大聖堂（司教座聖堂）です。この建物もワルシャワ蜂起の時にドイツ軍に破壊され、戦後復元されました。

洗礼者ヨハネ大聖堂 寺院・教会

大聖堂前の街並みです。

洗礼者ヨハネ大聖堂 寺院・教会

聖堂入り口の扉です。
左右それぞれ人魚の姿が浮き彫りにされていますが、各時代毎に変化した人魚の姿を現しているそうです。

洗礼者ヨハネ大聖堂 寺院・教会

大聖堂の壁に戦車のキャタピラが埋め込まれています。
この聖堂はワルシャワ蜂起の時戦場になりました。ナチス・ドイツ軍は爆薬を戦車に装填して聖堂に突入させ、爆発させて大聖堂の大部分を破壊しました。爆破させた時の戦車のものかどうかは分かりませんが「ドイツ軍に占領された屈辱の日々を忘れないように埋めた」そうです。

洗礼者ヨハネ大聖堂 寺院・教会

旧市街広場です。

旧市街広場 旧市街・古い町並み

旧市街広場です。

旧市街広場 旧市街・古い町並み

旧市街広場と人魚像です。
人魚像は剣と盾を持ち勇ましいです。

人魚像 (旧市街広場) モニュメント・記念碑

同じく人魚像。

人魚像 (旧市街広場) モニュメント・記念碑

ワルシャワ蜂起の時このあたりの通りは激戦地でした。この建物の柱は当時のままです。戦闘時の弾痕が無数に残っおり、激しい戦いだったことを物語っています。

この建物は戦後復元されましたが、当時の材料の質が悪かったため、壁の一部がはげ落ちています。このような建物をこの夏休みの時期に順次補修しています。近くの博物館も修復中でした。

バルバカンです。ここは砦で重要な防御の門です。１５世紀から１６世紀にかけて造られ、火薬庫や牢獄として使用されました。
ここはバルバカンの内側です。

バルバカン 史跡・遺跡

外から見たバルバカンです。城壁に繋がっていることが分かります。
クラクフより規模は小さかったです。

バルバカン 史跡・遺跡

バルバカンに繋がっている城壁です。城壁の下には堀があります。

バルバカン 史跡・遺跡

城壁です。

城壁 砦 (ワルシャワ) 史跡・遺跡

バルバカンから伸びてきた城壁です。堀があることがこの写真で分かります。

城壁 砦 (ワルシャワ) 史跡・遺跡

新市街です。この先にキュリー夫人博物館があります。

キュリー夫人の生家です。この向かい側にキュリー夫人博物館があります。

キュリー夫人博物館です。入り口右の窓にキュリー夫人の顔写真があります。
２階が展示室です。

キュリー夫人博物館 博物館・美術館・ギャラリー

キュリーご夫妻です。

キュリー夫人博物館 博物館・美術館・ギャラリー

キュリー夫人がパリでご主人のピエール・キュリーに出会った頃の写真です。

キュリー夫人博物館 博物館・美術館・ギャラリー

キュリー夫人の書斎です。

キュリー夫人博物館 博物館・美術館・ギャラリー

キュリー夫人の実験用具です。他にも沢山ありましたが、左の用具を掲載します。

キュリー夫人博物館 博物館・美術館・ギャラリー

キュリー夫人の晩年です。
ワルシャワは写真が多いのでいくつかに分けたいと思います。ここまでをワルシャワ①とします。引き続きワルシャワ②を掲載します。

キュリー夫人博物館 博物館・美術館・ギャラリー

この旅行記へのコメント （5）

• スーポンドイツさん 2017/07/30 08:42:36

  無名戦士の墓

  『「死の都」に響いた「未完成交響曲」 〜1943.9.28 戦火のワルシャワ公演を再現する〜』
  昨夜録画した演奏を聴きながら旅行記を拝見しました。
  無名戦士の墓の場面で、朝からうかつにも涙が出てしまいました。日本人としてポポポさんのとられた行動に感謝の気持ちでいっぱいです。
  
  TV「ニッポン行きたい人応援団」でもポーランドの方の出演が多く、親日的だなぁ〜と感じていましたが、小説「また、桜の国で」を読んで以来重く心に引っかかっていた国です。
  小説でイメージを膨らませすぎて・・破壊されつくした街がよみがえっていることにも感動しました。
  クロアチアにしても、ポーランドにしても、自分の国に対する誇りを感じました。
  すーぽん

  ポポポさん からの返信 2017/07/30 22:33:42

  今晩は。

  スーポンドイツさん、今晩は。連絡有難うございました。
  
  > 『「死の都」に響いた「未完成交響曲」 〜1943.9.28 戦火のワルシャワ公演を再現する〜』
  > 昨夜録画した演奏を聴きながら旅行記を拝見しました。
  > 無名戦士の墓の場面で、朝からうかつにも涙が出てしまいました。日本人としてポポポさんのとられた行動に感謝の気持ちでいっぱいです。
  
  ポーランドは愛国心と宗教心の非常に強い国です。それはロシア、ドイツ、オーストリアに国を三分割されたため国が亡くなり、何百年にも渡って他国に支配されたという悲しい歴史があるためかもしれません。
  「無名戦士の墓」はポーランドに行くならここだけは是が非でも行きたいと思っていた場所です。そこでポーランド兵士から受けた応対や笑顔は今でもはっきりと覚えています。
  予想もしなかった温かい応対には感動しました。
  
  元ポーランド大使をされていた兵頭長雄さんが自らの著書のなかで「この国の人々の日本への好意が、他の国と違うものであることを随所で実感し、思わず胸打たれることになるはずだ」と述べていらっしゃいますが、正にその通りでした。
  
  > TV「ニッポン行きたい人応援団」でもポーランドの方の出演が多く、親日的だなぁ〜と感じていましたが、小説「また、桜の国で」を読んで以来重く心に引っかかっていた国です。
  > 小説でイメージを膨らませすぎて・・破壊されつくした街がよみがえっていることにも感動しました。
  
  ポーランドは大変な親日国ですが、それには理由があります。大正時代に酷寒の地シベリアの奥地で命の灯が尽きようとしていた７６５人の子供たちを、東洋の小国日本のみがポーランドの要請に答えて救出しました。
  救出された子供たちは日本で献身的な介護と温かいもてなしを受けて回復した後、全員が本国ポーランドに帰国しました。
  このことが帰国した子供たちからポーランドの人々に伝えられたのでした。
  またワルシャワ蜂起の時、伝令任務に就いたポーランドの子供たちをドイツ軍から匿ったのもポーランド日本大使館でした。
  これらの事跡が親日感情の源流になっているんだと思います。
  詳しいことは、先に紹介した元ポーランド大使　兵頭長雄さんの著書「善意の架け橋　ポーランド魂と大和心」文芸春秋　に書かれています。
  この本は良書ですので是非ご一読ください。多分図書館にはあると思います。
  それと月刊誌　歴史街道　２０１５年４月号前後でポーランド孤児の特集をしていましたので、これも目を通されたらいいのではないでしょうか。
  
  > クロアチアにしても、ポーランドにしても、自分の国に対する誇りを感じました。
  
  私も同感です。ではこれで失礼いたします。
  
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ポポポ
  
  
  

  ポポポさん からの返信 2017/07/30 22:57:28

  RE: 無名戦士の墓 　追伸

  スーポンドイツさん追伸です。
  
  > 『「死の都」に響いた「未完成交響曲」 〜1943.9.28 戦火のワルシャワ公演を再現する〜』
  > 昨夜録画した演奏を聴きながら旅行記を拝見しました。
  > 無名戦士の墓の場面で、朝からうかつにも涙が出てしまいました。日本人としてポポポさんのとられた行動に感謝の気持ちでいっぱいです。
  >
  お褒めいただき有難うございました。先程は御礼を忘れており失礼いたしました。
  
  歴史街道のバックナンバーは図書館に行かないと無いと思いますので、確認してみてください。
  
  スーポンドイツ様
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ポポポ

  スーポンドイツさん からの返信 2017/07/31 07:07:58

  RE: RE: 無名戦士の墓 　追伸

  ポポポさん
  本のご紹介を有難うございます。早速調べました。
  阪神大震災のあと、ポーランドに孤児を招いてくださったこと、シベリア孤児との対面も覚えています。文庫本にしてもっと広めてもらいたいものです。
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　すーぽん

• 尚美さん 2015/09/10 15:11:26

  素晴らしい体験を旅行記にして下さり、ありがとう！

  ポポポ様
  
  旅行記、楽しませていただいています。
  ワルシャワのサスキ公園の無名戦士の墓での体験を、旅行記にして下さり、ありがとうございます。
  衛兵の方々と心が通じた瞬間ですね。
  素晴らしい体験、私もその場に居合わせたかったですが、おしえていただいただけで幸福な気持ちになりました。
  
  ワルシャワのサスキ公園、ワジェンキ公園、綺麗ですね。
  私はワルシャワ観光は1日だけでしたので、ほとんど見れていないのです。
  ワルシャワの続きもありますね、楽しみにしています。
  
  尚美より