上海共同租界（東）の楊樹浦路・歴史建築１/３

2015/07/07 - 2015/07/07

清の同冶二年（１８６３年）、租界の外にある楊樹浦路に工場が建ち始めた。黄浦江に面して水運交通の便が良く、低価格の労働力が豊富などの理由で中国国内、外国の資本が集まり工場が動き出した。広い土地に綿紡績、造船、造紙、発電、自来水等の工場が出来た。１９世紀末から２０世紀中期まで最も工場が集中した地域となった。１９３７年には楊樹浦路一帯には３
００余の各工場があり、多くの労働者も集まった。その中でも日本の綿紡績工場は目だった存在でした。近年中国に多種の日本企業の工場が進出したが、すでに租界時代に工場進出（在華紡）をしていました。英、中国等の綿紡工場も吸収して上海の綿紡績を独占してしまいました。“やりすぎ”は何時の世も嫌われ労働争議も多かったようです。内外、豊田（トヨタ自動車
の前身）鐘紡、東洋紡等の日本の紡績会社です。黄浦江工業碼頭区は上海近代工業化に大きく貢献した。世界大戦終了時日本の工場は撤退して長らく楊樹浦路一帯は寂れていましたが、2010年の万博前頃から再開発が始まり、古い住宅を取り壊し、高層住宅や大きなショッピングモールが出来始めました。現在、楊樹浦路一帯はいたるところで再開発工事が進められていますが、在華紡の社宅には今尚、多くの住民が住んでいます。上海市政府はこれらを上海優秀歴史建築に認定し、保存、改修して行く方針です。第五次上海優秀歴史建築が発表となり、早速、改修を始めた現場も見られました。租界時代の工場地域だった楊樹浦路一帯は数年後には高層ビルが連なる高級住宅街・１０００万人都市に変身するでしょう。
上海優秀歴史建築は以下の通りです。
楊浦区楊樹浦路197-213号、第４回　住宅 住宅　
楊浦区楊樹浦路408号、天章造紙廠　1891年　中国最古の機械製紙工場
楊浦区楊樹浦路468号、上海船廠上海船廠的前身是英商英職船廠和
　　　　　　　　　　　招商局機器造船廠
楊浦区楊樹浦路540号、元?商瑞鎔船廠、万隆鉄工廠現上海船廠（西廠）
楊浦区楊樹浦路640号、YP-J-014-V 瑞瑢船厂旧址、3階
楊浦区楊樹浦路670号、第２回　怡和紗廠／上海第五毛紡廠　
　　　　　　　　　　　工業建筑　1909年−1911年
楊浦区楊樹浦路713号、YP-J-006-V 平凉路派出所、2階，局部3、4階
楊浦区楊樹浦路830号、自来水公司揚樹浦路水廠。上海文物保護単位。
楊浦区楊樹浦路1307号、YP-J-011-V 公共租界楊樹浦救火会旧址、3階
楊浦区楊樹浦路1327号、元英商洋房現部隊家属大院，1923年建
楊浦区楊樹浦路1578号、元日商明華糖廠后上海化工現科技工業園
楊浦区楊樹浦路2086号、YP-J-013-V 上海新一棉紡績有限公司 3階
楊浦区楊樹浦路2200号、上海紡績（上海紡織）　
楊浦区楊樹浦路2524号、第３回　上海煤气公司，自来火房／
　　　　　　　　　　　楊樹浦煤気廠　　市政建筑　1933年
楊浦区楊樹浦路2800号、第３回 楊樹浦電廠　 楊樹浦電廠
楊浦区楊樹浦路2866号、第３回 裕豊紡績株式会社／
　　　　　　　　　　　上海第17棉紡績総廠　工業建筑　1922年　
楊浦区楊樹浦路3061号、第１回　新式里弄　楊樹浦路3061弄住宅　
楊浦区許昌路277号、　 第４回、住宅、紡三小区、鐘紡の公大社宅　
楊浦区龍江路2号、　　 YP-J-001-V 住宅 、 2階、
楊浦区龍江路50-66号、 YP-J-017-V 住宅 、 2階

エリア 上海(中国)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• 交通: 3.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 徒歩
• 航空会社: 春秋航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

楊樹浦路エリアに地下鉄１２号線が開通、現在曲阜路が始発になっていますが年内に延伸されるでしょう。

地下鉄１２号線愛国駅下車。楊樹浦路東端、

地下鉄１２号線愛国駅周辺地図。

地下鉄１２号線愛国駅３号出口。

地下鉄１２号線愛国駅より愛国路を行く、黄浦江沿いの楊樹浦路に向かいます。

愛国路沿いは更地になり高層マンションが建てられています。

愛国路と平凉路の交差点。

朝から麻雀を楽しんでいます。

定海路を通って楊樹浦路に出ます。工業地帯の名残りか石油タンクが並んでいます。

楊樹浦路の東の端から西方向を眺めます、今日は西の端まで歩いて行きます。

楊樹浦路の東の端にある住宅地、戦前の東洋紡の社宅ではないでしょうか？十七綿工房住宅、楊樹浦路３０６１号、１９３０年代建。
上海優秀歴史建築近くに上海第十七棉紡績工場（東洋紡）がありました。

楊樹浦路の東の端のバスターミナル。

１０３、１２４、１３５、６０の四路線。

１０３は延吉路方向へ行きます。１２４は軍工路方向へ行きます。

１３５は老西門から白渡橋をへて楊樹浦路を通って行きます

１０３のバス。

定海路橋は運河を渡る古い橋、１０頓を超える車両の通行は出来ません。

定海路の交差点、

定海路を見ると定海橋が見えます。

楊樹浦路と定海路の交差点近くの食堂で昼飯。１０元から２０元。

青島ビール（４元）と雪菜定食（８元）合計２４０円。この地域は物価も安い。

食堂の店内風景。

海夢緑餐庁と言う名の食堂。

楊樹浦路の両側は戦前の東洋紡の工場をリメイクしました。

楊樹浦路の北側は通り側のみレストランが入って居ます。中はこれからテナントを募集します。

楊樹浦路の北側は高層マンションの工事中。

楊樹浦路の南側、黄浦江沿いの戦前東洋紡の工場跡地はリメイクした上海国際時尚（ファッション）中心、

のこぎり屋根が工場の名残りです。広い広い工場跡地です。
当時、上海北部黄浦江の周辺は近代工業の発祥の地として多くの人々が集まっていました。水道、電気、ガス、水運などインフラが揃い日本の紡績会社を始め国内外の企業が集まっていました。黄浦江に面して裕豊紡工場（東洋紡上海工場）がありました。その後、上海第十七棉紡績工場となり現在は上海国際時尚中心となって甦りました。この工場を設計したのは平野勇造と言うプレートが有ったらしいが今はありません。上海国際時尚中心は工場の建物をリホームしてファッションショ
ーの専門ホール、ブティック、ホテル、レストラン、クラブ等を揃えた複合新施設です。アウトレットも営業しています。あまり広くて半分使うのがやっとの状態です。

上海国際時尚入口、楊樹浦路２８６６号、
営業時間１１：００〜２１：３０、土日１０：００〜２１:３０
上海優秀歴史建築

楊樹浦路と内江路交差点。

電力会社。

優秀歴史建築。楊樹浦路２８００号、1822年には上海に電灯が有りました。

電力の発展に貢献した王孝和烈士の像、江沢民の筆。

楊樹浦路の両側は当時とあまり変わらない。

楊樹浦路脇の路地、当時とあまり変わらない。

楊樹浦路の共同トイレ、各家庭にトイレが有りません。

楊樹浦路脇の路地、当時とあまり変わらない。

騰越路の道標、狭い路地の名前。

楊樹浦路2603弄１〜６７の路地、当時とあまり変わらない。

楊浦区楊樹浦路2524号、第３回　上海煤气公司，自来火房／
楊樹浦煤気廠　　市政建筑　1933年　上海優秀歴史建築。

工場跡地は更地となり、再開発を待っています。

上海優秀歴史建築の石板。1864年開始、1901年上海煤气公司となり、1934年この地楊樹浦路に工場を造る。

壁面の重厚な造り。

壁に楊樹浦煤气有限公司の文字が残っています。

楊樹浦路２５２４号、これも楊樹浦煤气有限公司の建物でしょうか。

広い敷地に雑草が生えています。大きな建物も見えます。

楊樹浦路の景色、左黄浦江側は工場跡地、

楊樹浦路の景色、右は古い住宅街。

楊樹浦路の脇には1930年頃の繁栄した頃の住宅が残っています。

何所までも同じ景色が続く。続く

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