2009/04/21 - 2009/04/21
325位(同エリア984件中)
km45さん
四川省は竹の生育地としても知られており、この関係で、以前旅行記「蜀南竹林」を紹介しました。そこで、成都市内の竹の公園である望江楼公園(内外の約140種の竹が植えられている)を紹介します。望江楼公園は市中心の天府広場の東南約4kmに位置し、東を錦江に臨んで南北に長く、11.8haを占めます。北が文物保護区(北大門)で、南が園林開放区(西・南大門)です。文物保護区(望江楼古建築群―2006年全国重点文物保護単位指定)の開園時間は8時〜18時で、入園料は20元です。最寄りのバス停は望江楼公園站(北大門)・公園路中段(南大門)で、19路(万家湾公交站〜天仁路西站 草堂草堂・青羊宮経由)・35路(三聖寺站〜郭家橋北街站 杜甫草堂・青羊宮経由)・335路(西部智谷公交站〜郭家橋北街站 武侯祠経由)が停まります。
表紙写真は南大門で、ここから文物区(保護景区)です(東側は無料地区で園林景区)。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 交通手段
- 高速・路線バス
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北大門を入ると、前方に竹の林が広がります。写真はその中央の道を撮ったものです。写真に見える緑色板は竹の説明版で、名称(中国名・英語名)と説明(中国語)が簡潔になされています。また、左手に行くと、成都市を縦断するシンボル的な川、錦江に沿った柳の道に出ます。保護区内でも、説明版のある竹は確認できただけでも、観音竹・牛児竹・大明竹など50種以上に及びます。園林とのを合わせ、竹の植物園といってもいいでしょう。
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錦江路沿いの遊歩道です。ここは竹林ではありません。
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「瀆竹苑」と呼ばれる竹と石の庭園を過ぎると、右手に写真の薛涛紀念館があります。ここは唐代の女性詩人薛涛(768〜831年)の事績を展示してあるところです。往事のものは残っていませんから、主として文献から彼女をたどっています。薛涛は唐の都長安(現陝西省西安市)生まれとされ、官吏の父に従い成都に移住し、父の死後に困窮し、妓女になりましたが、その詩才が認められ、女性詩人として名声を博し、白居易をはじめとする当代の詩人と親交を持ち、成都に骨を埋めました。唐代随一の女性詩人として知られています。入口奥の白像が薛涛です。
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薛涛紀念館の先に写真の薛涛ゆかりの薛涛井があります。薛涛箋という原稿紙を成都の井戸の水で薛涛は作ったとされています。これにより、明代初期から中期に当時の蜀藩王がこの井戸の水で薛涛箋を模して作ったところから、これを薛涛井と呼ぶようになったとのことです。
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薛涛井の左手(南)に浣箋亭があります。薛涛を記念するために、清代の1814(嘉慶19)年に建てられ、現在の建物は1898(光24)年に再建されたものです。井の正面前方(東)には濯錦楼と崇麗閣(望江楼)があります。左(北)の濯錦楼も浣箋亭と同時期の建物です。これらの建物群の中央の空間に大木が天にそびえています、この根元に写真の「崇麗」の字を石刻した巨石が置かれています。この字は書聖王羲之の字を集めたものです。
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錦江沿いから見た濯錦楼です。
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写真が保護区の中心の建物の崇麗閣、すなわち望江楼です。閣の南側にある吟詩楼への石段上から撮ったものです。右手が錦江になります。楼は高さは27.98mで、4層からなり、下2層は四角で、上2層は八角です。1886(光12)年に修築され、1889(光15)年に完成しました。晋代の文学者左思『蜀都賦』の一句「既麗且崇 実号成都」から名付けられた閣です。なお、この閣の四囲にはライトアップ施設が設けられています。
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望江楼は最上階の4階まで上ることができます。眼下には錦江を望め、川が南東から南西へと流れを変えていくことが見えます。北の方が成都市の中心部で、今ではビルやマンションが林立しています。写真4は、最上階ではなく、3階から北へと錦江と濯錦楼を望んだもので、崇麗閣の緑色瑠璃瓦と反り返った金宝鴟尾が見えます。以上、崇麗閣(望江楼)・濯錦楼・吟詩楼・浣箋亭が清代末期の古建築です。
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以下保護区内の竹を一部紹介します。牛児竹(中国四川・新種)です。
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麻竹(中国南方)です。
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小琴絲竹(中国四川広東台湾 竹竿黄色)です。
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菲黄竹(日本)です。このように外国産の竹もあります。
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黄竿鳥哺鶏竹(中国陝西)です。
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闊葉箬竹(中国陝西)です。
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唐竹=蘭根竹(中国広東)です。
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小玉山竹(中国雲南 パンダ食用)です。
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大明竹(日本)です。
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園林風景区にも多種類の竹が植えられており、そのひとつの倭竹(中国広東)です。
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菲白竹(中国四川)です。
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巨竹(ベトナム)です。
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成都市の定番である茶館がここにもあります。この他、公園内には数か所のレストランがあります。
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望江楼公園案内図です。
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この旅行記へのコメント (5)
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- スイカさん 2015/09/05 12:29:35
- 小琴
- こんにちは、km45さん
竹…、いいですね。私は北海道産まれなので、子供の頃は竹林を見たことがありませんでした。
笹はたくさん生えており、「笹が大きくなれば竹になるのかなぁ?」などと思っていたものです。
私は成都周辺しか行ったことがないですが、臥龍で、この「小琴」という竹を見たように思います。
北海道で採れる竹の子(筍)は「姫竹」という細い筍で、笹薮みたいな場所で採れます。
成都で見たパンダたちは直径7cm位の姫竹より太い筍を食べていました。4月には路上でこの筍を売っているのも見て「美味しそうだなあ」と思い、成都基地内のレストランで筍料理(丸ごと筍)を頼んだのですが、出てきたのは姫竹のような細い筍でした…。
これはどうゆうことでしょう、疑問に思っているのです。パンダたちが食べている筍、路上で売っている筍は直径が7cm位ありますが、皮ばかりで身(?)は姫竹と同じく直径1cm位なのでしょうか…。
私は成都、その周辺が大好きです。
スイカ
- km45さん からの返信 2015/09/05 14:40:24
- パンダ食用の筍
- スイカさんこんにちは
改めてパンダ基地にいた時の写真を見てみると、幼年パンダンの食事風景で、笹と筍を食しているのが出てきました。両方を比較してみると、竹・筍とも細いもので、数センチのものです。
>>成都で見たパンダたちは直径7cm位の姫竹より太い筍を食べていました。
私の場合と竹の種類が違うのでしょうか。なお、パンダ食用の竹には雲南省を原産地とする「小玉山竹」があります。
https://onedrive.live.com/?id=67AC4E09F9CD86BB!2455&cid=67AC4E09F9CD86BB&group=0&parId=67AC4E09F9CD86BB!2398&o=OneUp
- スイカさん からの返信 2015/09/05 18:45:35
- RE: パンダ食用の筍
- こんばんは、km45さん
返信ありがとうございます。
私が臥龍で見た竹は、km45さんの写真からすると、望江楼公園の自夾竹に似ていたと思います。
[km45さんの竹林写真]
https://onedrive.live.com/?id=67AC4E09F9CD86BB!2455&cid=67AC4E09F9CD86BB&group=0&parId=67AC4E09F9CD86BB!2398&o=OneUp
この竹の直径は1〜2cmと思われますが、私が路上販売やパンダの食事で見た筍は直径5〜6cmで長さ30cm位でした。
直径1〜2cmのものと5〜6cmのものは同じ種類なのか疑問に思っていました。竹林の写真を見ると5〜6cmの太さの筍が生えてくるようには思えないのです。
[臥龍で見た竹林]
http://img.4travel.jp/img/tcs/t/pict/src/38/46/24/src_38462488.jpg
[パンダが食べていた筍]
http://img.4travel.jp/img/tcs/t/pict/src/38/42/32/src_38423242.jpg
[路上販売の筍(改めてみると細いのもあるかな?)]
http://img.4travel.jp/img/tcs/t/pict/src/38/55/25/src_38552586.jpg
一方、料理で出てきたのは、直系1cm位(皮のまま)長さ20cm程で皿の上に並べられ味付けされており手で皮をむいて食べました。
http://img.4travel.jp/img/tcs/t/pict/src/37/31/63/src_37316365.jpg
ところで、話は変わりますが、km45さんのクチコミ
http://4travel.jp/overseas/area/asia/china-sichuan_province/chengdu/tips/10076866/
にある「武陵世家」のキノコ鍋、美味しそうですねえ。
私はキノコが大好き、もし再び成都に行けるとしたら、豆板醤を付けずに是非食べてみたいものです。
スイカ
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- blue_birdさん 2015/02/19 23:44:40
- こんばんわ
- Q&Aではお世話になってます
竹にもいろいろあるんですね〜
成都なので時間があったら是非行ってみたいです〜
- km45さん からの返信 2015/02/20 08:57:43
- RE: こんばんわ
- 竹に囲まれて、茶を喫して時間を過ごすのがいいですよ。公園を回った後で、茶館で休んで下さい。
もし日程に余裕があるなら、四川省南部の蜀南竹海に1泊2日の旅行をするのもいいです。
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