2013冬、タイ王国旅行記2(32/34)：2月6日(7)：ローズ・ガーデン、象と出家儀式、民族舞踊、ムエタイ、武術

2013/02/03 - 2013/02/07

ローズ・ガーデン・リバーサイド(現・サンプラン・リバーサイド)では、各種のショーが行われていました。その中から民族劇・舞踊、ムエタイ(タイ式キック・ボクシング)と武術試合等の紹介です。(ウィキペディア、るるぶ・タイ)

エリア その他の観光地(タイ)

ツアーメンバー全員が揃って、現地ガイドさんの案内で民俗村に向かいました。『サムプランリバーサイド』の魅力を、①稲作やタイシルクの織物、陶器、ハーバルボール(ハーブを使ったタイの民間伝統療法)など13種類のワークショップが体験できる、②タイの伝統的な結婚式や舞踊、武術、ムエタイなどを紹介するショーを鑑賞できる、と紹介したネット情報もありました。

早速、タイの伝統的な結婚式や舞踊、武術、ムエタイなどの始まりです。最初は、天秤棒を担いだ、タイの田舎での暮らしの紹介になるようです。天秤棒を担いだ売り手と一緒に、お客さん役の人達も入場してきました。タイビレッジの13種のイベントの紹介です。①バンブーダンス、②ハーバルボールとバーム、③タイの剣術、④ムエタイ、⑤タイシルク、⑥日傘の絵付け(次に続きます)

⑦タイ音楽とタイ舞踊、⑧タイの伝統編み物、⑨タイの陶器、⑩タイ料理、⑪マーライ(花輪)、⑫フルーツカービング、⑬脱穀と田植えの13種類です。現在の場面は、⑦の出し物の前座といったところのようです。天秤棒で重たい品を担いでいた人が男性で、手籠で売り物を運んできた人は女性の役でした。

最初の出し物が終わるところです。セリフはなく、静かな物売り光景の出し物でした。麦わら帽子を被った、男性の天秤棒の籠の中には、陶器類などが見えていました。男性にしては少し派手に見える、赤色系の上下の服でした。

場面が代わります。儀礼の服らしいものを纏った人達の列に代わりました。このトトに続きますが、お坊さんへの出家の儀式の前座になるようでした。出家する人は、初日に自宅で剃髪して坊主頭になり、2日目に白装束を纏ってお寺にお参りし、所定の儀式の後に白装束から黄色の僧衣に着替えるようです。親族や友人・知人が出家の儀式を見守るようです。(T.M.I.トラベル)

着飾った象さんが登場してきました。御者の後ろには、白い服のお坊さんらしい姿が見えました。仏教国タイでは成人男子は1度は出家し、親への恩と感謝と幸福を祈るという文化が残っています。一般的には3ヶ月間もの間出家するようですが、現在では仕事の関係もあり、短い場合には1週間という期間で行っている方も多いようです。(同上)

象さんの列が、粛々と場内を回る光家李です。太鼓を手にした先導の人の姿もありました。仏教国のタイでは、来世のために『徳を積む』ことが重要視されていて、そのことを『タンブン(功徳)』と言います。タンブンは非常に広い意味で使われ、人助けやボランティアをはじめ、お寺でお布施をしてお祈りしたり、お坊さんに食事や生活用品を提供したりすることもタンブンです。(コリ企画・タイのブログ)

本物の出家儀式ではありませんから、象に乗った出家の人の頭は、鬘(カツラ)のようでした。確認したわけではありませんが、出家式だから象を使うわけではなく、たまたま民俗村に象さんがいますので、演出用に駆り出されたようでした。(追記)：出家の儀式はお寺によって様々で、今でも象さんの出番があるお寺もあるようです。

出家儀式に続いて、緑色系統の民族衣装女性の踊りが始まりました。ここで、『タイの女性の衣装』について少し紹介します。最初は、民族衣装の正装の『シワーライ』です。綿やシルクの美しい布でできていて、長方形の布を胸に巻いて着る『サバイ』と筒状のスカート『パ・ヌン』で構成されます。これらを着用した上にシルクなどの布を肩にかけるのが基本の形となります。(女性向けライフマガジンBELCY)

『シワーライ』には東部、東北部、南部、中部とそれぞれ胸に巻くサバイのスタイルや色柄等に特色があります。シワーライはなかなか日本では手に入りづらく、タイ国内でもシルクを使用しているものはそれなりの値段がしますので、着用してみたい方はツアーやフォトスタジオを利用するとよいでしょう』(同上)

次は、ドレスアップ用の『タイドレス』の紹介です。パーティやドレスアップのシーンで着用できる『タイドレス』と呼ばれるものもあります。こちらは、シワーライの肩にかける布がない分少しカジュアルです。とはいえ、美しい刺繍ときらびやかなアクセサリーが目を引きます。こちらも日本ではなかなか手に入らないものです』(同上）

『タイドレス』の紹介の続きです。『タイドレス』なら、普段使いは難しくても、パーティーやドレスアップの場でなら日本でも活躍しそうです。エキゾチックで個性的なタイドレスなら華やかなパーティーシーンでも目立つこと間違いなしです。ドレスアップするときは大振りのゴールドのバングルや髪飾りをつけるとより本場の衣装に近づけそうです。(同上）

『タイ北部の山岳地方の民族衣装・伝統衣装』の紹介です。タイ北部の地方には、首長族として有名なカレン族をはじめとする様々な山岳民族がすんでいます。彼らの作る鮮やかでカラフルな刺繍が施された衣装も、シワーライとは違った趣があり素敵です。刺繍の模様や色使いは民族によっても違いがあるようです。(同上)

『首長族で有名なカレン族の民族衣装』も魅力的です。首に金属のリングを身に着けるのは女性だけですが、虎から首を噛まれないようにリングを身に着け始めたという言い伝えもあります。『藍染めに刺繍がかわいいヤオ族の民族衣装』も魅力たっぷりです。

指先の形が、前方と後方で、それぞれにシンクロしていましたが、なぜか右後ろの人だけが異なっていました。アルバイトで急遽駆り出された人かもしれません。他の東南アジアの国の民族舞踊でも、出番を終えた学生アルバイトさんたちの帰り支度の姿を見たことがあります。

民族楽器を手にした演奏グループの光景です。全員が比較的若手の男性グループでした。民俗舞踊では、テープで流される民族音楽の時もありますが、やはり生の音を聞くのが一番です。そのほかにも、『クロスステッチがかわいいモン族の民族衣装』や、『美人が多い民族のリス族の民族衣装』の赤い被り物も個性的です。(以上)

次はムエタイの紹介です。ムエタイは、格闘技の一種で、発祥地のタイでは国技に指定されています。ムエタイの選手はナックモエと呼ばれます。両手、両肘、両脚、両膝の八箇所を用いて相手と戦います。元々は戦争の絶えない時代に他国の侵攻に対抗するために訓練されたのが、古式ムエタイです。(ウィキペディア)

タイを近代化させた名君として名高い『ラーマ5世(1853～1910年)』は、ムエタイの価値を認めて振興に力を入れ、積極的にトーナメントを開催させました。また、体育教師の訓練学校や、軍の士官学校のカリキュラムにムエタイが取り入れられました。そして、『ラーマ6世(1881～1925年)』治世下の1921年、タイで最初の常設スタジアムが完成しています。(同上）

ムエタイは、タイの国技ですから、試合の前の儀式になるようです。当時の選手は手に木綿布を巻いているだけだったが、次のラーマ7世の治世下では、選手の死亡事故が起きたことを受け、1929年にグローブの着用が義務づけられるようになりました。さらにこの時期、公式ルールやレフリーも導入されました。(同上)

こうしてムエタイはスポーツとして体系化されていきました。また、1920年代に『ムエタイ』という名称が広く使われるようになりました。1941年、ラジャダムナン・スタジアムが建設されました。初めは野外競技場でしたが、後に屋根が増築されました。1956年、ルンピニー・スタジアムが、1962年、ランシットスタジアムが建設されました。(同上)

1990年代末には、これまでリングに上がることを許されなかった女性にムエタイを行うことが認められ、女子ムエタイが行われるようになりました。また、ボクシングに対するアマチュアボクシングに当たる、アマチュアムエタイも行われるようになりました。これらはムエタイのオリンピック種目化を目指すタイの国策のようです。(同上)、選手がコーナーに分かれ、試合開始です。

リングでは、激しい戦いが始まりました。蹴り技の応酬です。ムエタイの国際化の影響として、近年には本場タイで修行し活躍する外国人選手も目立っているようです。また、過去には日本人、フランス人、ブラジル人、ベルギー人らが本場タイの王座を獲得しています。最近では、日本のK-1やキックボクシング興行に参戦するタイ人選手も増えたようです。(同上)

青のトランクスの選手の技が決まり、赤トランクスの選手がマットに沈みました。ここで、ムエタイの歴史について少し紹介しておきます。インドの格闘技のカラリパヤットが伝わって形成されたことから、伝説では『ラーマーヤナ』のラーマ王子を始祖としています。しかし、古式ムエタイがいつ興ったものかは、はっきりしていません。(同上）

一説では、タイの関わった戦争や白兵戦の中で各民族の戦闘術と関わりながら徐々に発展していった素手素足の格闘の技術が古式ムエタイの原型になっているとしています。シャムがミャンマーの属領とされていた1584年頃、アユタヤ王朝の『ナレースワン大王(1555～1605年)』がミャンマーの『タウングー王朝(14世紀頃～1752年)』の戦い勝って独立を回復した時が始まりとも言われます。

この独立戦争時に古式ムエタイが大きな役割を果たしたと『チュー・バサート』(戦勝論)は記しています。この出来事は、『黒の王』とも呼ばれた、『ナレースワン大王』の紹介の時にも触れました。リング上での決着も付いたようです。多分、急所を外したり、力をセーブして相手に怪我をさせないための配慮もあったようです。(以上)

次は武器を手にした、伝統伎での戦いです。戦いというより、戦いの型を見せるイベントのようでした。タイの武術には、『ムエタイ』のほか、武器を用いる『クラビー・クラボーン』や、タイ式のボクシングともいわれる『ムエボーラン』などもあります。『ムエボーラン』は、ムエタイが国技の道を歩む以前の『古式ムエタイ』とも呼ばれます。（タイニューズ・ビズ)

『クラビー・クラボーン』は、武器を使用したタイの伝統的な武術です。武器は、木や竹で作られた棒状のものです。その使い方を学び戦闘、戦争で戦場で活かすためだけではなく、武器がない状態で受けに回る訓練も重要視されます。クラビー・クラボーンは、現代において、武器という道具を使うことで効果的に肉体の可動域を広げられると考えられているようです。(同上）

『クラビー・クラボーン』の歴史についての紹介です。クラビー・クラボーンは、古代シャム王国で軍隊の戦闘訓練のために生まれた武術とされます。訓練はムエボーランと似ているため、二つの武術は同一のもの、あるいは独立したものかは不明とされます。1936年に国立体育師範養成学校で必須科目となり、陸軍でも訓練として正式採用されています。(同上)

古代のボクシングとも言われる『ムエボーラン』の紹介です。1930年代にムエタイがルール統一を行い、非武装の武道として国技の道を歩む以前の古式ムエタイが、『ムエボーラン』と呼ばれます。ボクシング技術に長けているのが特徴です。古式ムエタイの真髄は相手を制することにあるため、自己防衛からの返し技が多彩に受け継がれているのも『ムエボーラン』らしい点とされます。(同上）

一人技での方の披露でしたが、今度は相手がいての『ムエボーラン』の型の紹介にりました。ところで、世界で立ち技最強とも言われる、『ムエタイ』の現在についても紹介しておきます。タイの武道の中で最も人気のある『ムエタイ』は、競技のためだけはなく、フットワークや体の移動を学び、ヤンサームクムという身体の有効性を最大に引き出す呼吸法を会得にも用いされているようです。(同上)