2013/05/21 - 2013/05/26
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旅人のくまさんさん
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ジャワ島で昼食の後、ジャワ更紗工場の見学をしました。世界的に有名なバティックは、草花模様や幾何学的模様のものが多く製作されていました。日本では北原白秋の歌詞で有名なジャワ更紗です。(ウィキペディア、JTB・バリ・インドネシア)
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この日のジョグジャ・カルタでの昼食です。旅行計画書には『アジアン・ブッフェ』と紹介してあったお店の料理です。ハウスワインが置いてありませんでしたので、替わりはビンタンビールです。インドネシアの旧宗主国のオランダ発祥の ハイネケングループに属している会社のビールです。
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お店の名前はチェックしていませんが、レストランの周りは緑に溢れていました。ビンタンビールは、植民地時代に作られたハイネケンの製造工場で造り始められたため、味やボトルデザインが似ています。日本国内でも通販などで入手可能なビールです。 ビンタン(Bintang)は インドネシア語で「星」という意味です。
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先程、席の左手に見えていた、観葉植物風の葉が大きな植物のズームアップ光景です。インドネシアの観葉植物で検索しましたら、『フィロデンドロン・シャーク』が似ているようでした。
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昼食を終えて、ジャワ更紗の工場に向かう途中の光景です。工場に着く前に『土手のすかんぽ ジャワ更紗』が歌い出しの『酸模(すかんぽ)の咲くころ』の童謡の紹介です。作詞は北原白秋、作曲は山田耕筰による当時の黄金コンビです。昭和5年に発表されました。この後歌詞を紹介します。(世界の民謡・童謡)、
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〇土手のすかんぽ ジャワ更紗(さらさ)
〇昼は蛍が ねんねする
〇僕ら小学 一年生
〇今朝も通って またもどる
〇すかんぽ すかんぽ 川のふち
〇夏が来た来た ドレミファソ
(注):昭和5年の原詩では、「一年生」は「尋常科」でした。(同上) -
一体何故、すかんぽの歌に突然「ジャワ更紗」が登場するのか不思議です。これは、ジャワ更紗の模様として描かれる植物の模様には、すかんぽ(スイバ)の形状を思わせるデザインがあるため、すかんぽ(スイバ)の咲く様子がまるでジャワ更紗の模様のようだ、と歌っているのだと解釈されるようです。この後、その解釈が妥当かどうか、文様をご覧ください。(同上)
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ジャワ更紗工場に、早くも到着です。ジャワ更紗の歌詞の説明がまだ終わっていませんので、先にその文様をいくつかピックアップしました。歌詞のもう半分の理由としては、「ジャワ更紗」という言葉の響きの面白さ・語呂の良さから、遊び心で歌詞に組み込まれたのではないかとも解釈されています。歌詞を思い出す前に『ジャワ更紗』がリズムに乗って飛び回ります。(同上)
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イチオシ
説明抜きに、『ジャワ更紗』の文様をご覧ください。歌詞の中の『すかんぽ(スイバ)』は、春先に野生の柔らかい新芽を山菜として食用にされます。ヨーロッパでは、スープの実やサラダ、肉料理の副菜や付け合わせとしてよく使われるようです。(同上)
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次は、カラフルな『ジャワ更紗』の文様です。『すかんぽ(スイバ)』の話の続きです。『スイバ』は、『蓚、酸い葉』とも表記されるタデ科の多年草です。ギシギシとも呼ばれ、近所でも普通に見掛けます。その名の通り、酸っぱい元らしい、シュウ酸を含みます。(同上)
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取り敢えず紹介する『ジャワ更紗』の文様は、ここまでですが、この後にも登場します。すかんぽ(スイバ)』は、ホウレンソウと並んで、多量のシュウ酸を含む植物でもあります。シュウ酸は腎臓結石・尿路結石の大きな原因となる可能性がありますので、要注意です。私自身も注意しています。(同上)
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次は、ジャワ更紗についての紹介です。インドから生まれた色彩豊かな更紗は、海を渡り世界各国へ進出しました。そして、たどり着いた土地でそれぞれの国の文化や技術に応じたオリジナルの更紗が作られるようになり、今なお様々な用途で使われています。(ジャワ更紗ー世界に認められたインドネシアの染織物)
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更紗の概要や、インド更紗については別記事の『更紗の模様をご紹介です。日本和更紗と海外とで異なる趣』『インド更紗とはどのような更紗か。技法や特徴などの基本情報をお伝えします』などをご一読いただけますと幸いです。この記事では、インドネシアの島の一つ、ジャワ島に輸入され今なお発展し続ける「ジャワ更紗」についてお伝えしたいと思います。(同上)
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紀元前3世紀頃にインドで発祥したといわれている更紗は、16世紀頃の大航海時代の幕開けと共に、インドからヨーロッパやアジアなど世界各国へ運ばれるようになったと考えられています。ですが、インドとインドネシア(ジャワ)の交易は、それよりもかなり前からあったとされています。(同上)
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インドネシア特産の香料と取引され、インド更紗がインドネシアの島々に渡り、儀式用の布などとして使われてきた形跡が残されているようです。ジャワ島で受け継がれたジャワ更紗は、実は「バティック」という名で知られています。「ジャワ更紗」とは、日本にもたらされた後に呼ばれた名称です。(同上)
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イチオシ
バティックとは、『ろうけつ染め』という染色手法のことで、染めずに残したい部分に、液状のロウを塗布することで模様を作り出す方法です。『蝋防染(ろうぼうせん)』という、ロウを塗って、染まらないように防ぐ技法の一つです。ロウが冷めてできた亀裂に染料が染み込んで作り出す表情も、バティック特有の趣とされています。(同上)
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ジャワ更紗は、王侯貴族の女性たちの嗜みとして発達し、極められたものが現在のジャワ更紗につながっていると考えられています。腰布や胴巻布、肩掛けなどの日用使いのほか、男性が正装時に着用する頭巾、祭礼の際の壁飾りなどとして用いられるようになったとされています。用途に応じて形式や模様構成もまた異なるようでした。(同上)
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ジャワ更紗の技法と生地の変遷の紹介です。
〇ロウがジャワ更紗の要:ジャワ更紗の主な手法は、熱して溶かしたロウを染色したくない部分に塗って模様を作り出す「ろうけつ染め」です。ところが、他の国ではロウを主とした染め方をしないし、場合によっては全く使わないこともあるようです。それに対して、ジャワ更紗の主役はロウといっても過言ではないほど、ジャワ更紗ではロウが重要な役目を果たします。(同上) -
〇チャンチンかチャップを用いた更紗が主流:ジャワ更紗は、技法により主に2種類に分けられます。一つ目は、「チャンチン」というパイプ形の道具を用いてロウを塗布する手描きのものです。銅製の壺にロウを入れ、竹で作った細い管の先からロウを注ぎ込んで模様を描きます。二つ目は、「チャップ」と呼ばれる、こちらも銅製の型を用いる型染めのものです。(続く)
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チャンチンで描く更紗は一枚を仕上げるのに数ヶ月を要することもあるほど非常に時間がかかるため、どうしても高価になりました。そこで、量産を目的として登場したのがチャップです。チャップの登場で、ジャワ更紗は広く一般庶民の手にも渡るようになったと考えられています。染色布の両面にロウを塗布する場合があるということも、ジャワ更紗の特筆すべきところです。(続く)
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他の国の更紗も、技法は異なるものの、それぞれに精巧な作品であることに間違いはありません。しかし、表裏に全く同じようにロウを置き染め上げるジャワ更紗の技法は、非常に高度な技術力がないと実現できず、精緻を極めたレベルの高い更紗と言うことができるのではないでしょうか。(同上)
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〇時代の変化に伴い変化したジャワ更紗の生地:ジャワ更紗が作り出され始めた当時の素材は、ジャワ現地やインドで作られた手紡ぎや手織りの木綿だったとされています。しかし19世紀頃になると、イギリスなどからもたらされた「キャンブリック」という薄手の木綿布が主流になったと考えられています。(続く)
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これは機械紡績糸を動力織機で織ったもので、当時マンチェスター等で生産されていました。ヨーロッパの産業革命は、遠くジャワにも大きな影響を与えたのです。キャンブリックはとても細い糸で緻密に織られている素材です。表面が滑らかなので、手描きでロウを置いていくジャワ更紗には相性の良かったものと想像できます。(同上)
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ジャワ更紗の模様についての説明です。
ジャワ更紗は、同じジャワ島内でも地域によって模様や色彩に違いがあります。極めて多様な模様があることもジャワ更紗の大きな特徴の一つです。
〇地域により模様や色彩は千差万別:ジャワ更紗は多種多様ですが、その特徴は主にジャワ島の北部と中部で大別することができるといわれています。(続く) -
イチオシ
北部で発展したジャワ更紗には、魚、海老、蟹などの海に関連した模様のものも多く見られます。それは、製作の中心が海岸エリアの港町だったためです。また、19世紀中頃には中国人やアラブ人、オランダ人などが多く住みつくようになり、各国の文化背景が反映されたジャワ更紗が作られるようになったとされています。
動物や花柄の更紗も多く、他の国の影響を受けた比較的色彩豊かなものが多いのが、北部で作られたジャワ更紗の特徴です。
一方、ジョグジャ・カルタやソロなど、中部の内陸部で発展したジャワ更紗の模様は、インドの影響を大きく受けています。霊鳥ガルーダの翼(ヒンドゥ教のヴィシュヌ神の乗り物)や、竜、寺院などインドからもたらされた宗教に由来するモチーフや、幾何学模様、格子、斜線などが見受けられます。 (続く) -
それらのあらゆる模様に、ジャワの価値観や思想が込められていたと考えられています。
北部地域では赤色と藍色を主軸に、多色使いの更紗が多く作られました。それに対して、中部はソガと呼ばれる茶系統の染料が用いられたため、北部のジャワ更紗に比べると落ち着いた風合いのものがよく見られます。
北部地域では赤色と藍色を主軸に、多色使いの更紗が多く作られました。それに対して、中部はソガと呼ばれる茶系統の染料が用いられたため、北部のジャワ更紗に比べると落ち着いた風合いのものがよく見られます。(同上)
〇西欧風のカイン・カンパニー:ジャワ更紗には「カイン・カンパニー」と呼ばれる西欧風モチーフのものがあります。
*2点の写真は、和服に使われたジャワ更紗です。 -
鉄砲を担いだ兵隊は、カイン・カンパニーの典型的なモチーフの一つです。その他、船や花、動物などが多く見られます。
カイン・カンパニーが生まれた経緯については、長く続いたオランダ東インド会社や、オランダ政府による支配が関係しています。世界初の株式会社であるオランダ東インド会社が、1619年にジャワ島のバタビアに、アジアにおける本拠を築きました。(続く) -
オランダ東インド会社は東南アジアの交易を掌握し、その後、事実上インドネシアを支配しました。つまり、カンパニーとはオランダ東インド会社のことです。
1798年にオランダ東インド会社が解体され、オランダ政府の直接支配によりインドネシアがオランダの植民地になると、更紗の模様にも影響を与えるようになったとされています。(同上) -
〇禁制文様もあったジャワ更紗:一般に、20世紀前半までに類型化された伝統柄には一つ一つに名称があり、意味付けがされています。例えば、「シド・ムクティ」という名称には「幸福で満ち足りた生活の持続」という意味があります。また、「ウダン・リリス」という名称は「小雨」という意味です。ただ、同じ名称でもそれが示す模様が各地で異なることもあるようです。(同上)
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あらゆる模様が存在するジャワ更紗ですが、以前は王族や貴族しか身に着けることを許されなかったという禁制模様もありました。例えば、ジョグジャ・カルタに伝わり、ジャワ哲学を深く象徴したという「パラン」も、禁制模様の一つです。格式高い王宮の禁制模様には、ジャワの価値観が特に反映されていました。 (続く)
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また、禁制模様を定めることで、王宮と一般庶民との間に明確な線を引いたという意味もあるのでしょう。しかし、20世紀になると近代化に伴い禁制模様も廃止されていきました。(以上)
〇世界無形文化遺産に認定:ジャワ更紗はバティックの代名詞ですが、バティックは2009年に世界無形文化遺産に認定されました。(以上)
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