2012/11/02 - 2012/11/09
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binchanさん
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<やっと到着、スロベニア>
前日一日かけて中部国際空港からイタリアミラノへ。そして11月3日土曜日午前中を目いっぱいかけてミラノからスロベニア国境の町Goriziaへ。そして路線バスに乗りようやくスロベニアの町NovaGoricaに到着しました。長かった…。(ここまでの旅行記は「雨降りスロベニア01」をご参照ください。)
ミラノからスロベニアに行くについていろいろな経路を検討した結果、Goriziaから入りTriesteへ出るという旅程にすることにしました。他にもいくつか選択肢はあるのですが、これが一番柔軟に旅程を組めそうだったのです。
スロベニアは比較的小さな国土ですが調べてみると様々な見所があります。とても一度の旅行では見て回ることができません。今回は入口のNovaGoricaから行ける西部の観光地を巡るだけでほぼ旅程のほとんどが埋まってしまい、東部はおろか中心部すらちらりと見るのみとなってしまいました。
ですから、これでスロベニアに行ったって言えるの?と思われてしまうかもしれませんが、のんびりとした、やさしいスロベニアの良さを伝えられたらとおもいます。
<旅程>
11月2日金曜 中部国際→ヘルシンキ→ミラノ ミラノ泊
☆11月3日土曜 ミラノ→列車→ゴリツィア→バス→ノヴァゴリツァ 観光 ノヴァゴリツァ泊
11月4日日曜 スロベニア観光 ノヴァゴリツァ泊
11月5日月曜 スロベニア観光 ノヴァゴリツァ泊
11月6日火曜 ノヴァゴリツァ→列車→コペル コペル泊
11月7日水曜 コペル→バス→トリエステ→列車→ミラノ ミラノ泊
11月8日木曜 ミラノ→ヘルシンキ
11月9日金曜 中部国際
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
<NovaGorica 鉄道駅>
イタリアのGoriziaからくるバスは脇道に入って駅前まで来てくれます。
この駅はスロベニアの駅なのにイタリアのGoriziaの町に向かって建っています。この駅ができた頃の状況が伺い知れます。
この写真はイタリアのGorizia側から見た駅舎。スロベニアのNovaGorica側から見た様子はタイトル写真。
スロベニアの町から駅舎にたどりつくには… -
<市民が駅に行く方法>
みなさん線路を踏む越えて駅へ向かいます。
そうでないと踏み切りまで迂回しなくてはならず遠回りなのです。しかも、駅員さんの目の前で横断しているのです。
ほとんどの路線がこの駅が終着駅で、通過列車など皆無、電化もされていないのんびり路線だからこその光景ですね。
-
<まずは駅前の広場>
NovaGoricaといえばこの広場。スロベニア語ではモザイク広場、イタリア語ではトランザルピナ広場。なぜか日本ではヨーロッパ広場と呼ばれてますね。
かつてGoriziaとNovaGoricaは一つの町でしたが、1947年、鉄のカーテンにより東西に分割され、2004年にスロベニアがEUに加盟するまでここには壁が立ちはだかっていたのです。
今ではスロベニアもイタリアもシェンゲン協定国なので、国境の検問もありません。
この広場の右がスロベニア、左がイタリアです。NovaGoricaの駅があまりにもイタリアに近く建っていることもあり、まるっきり国境を感じませんがいざ両方に行って見ると、なるほど国が違うんだなあと思います。
ここに来たらぜひ両方の町で買い物したり、食事したり、バスに乗ったりしてみてください。 -
<国境>
広場の真ん中にこのプレートがあります。 -
<コインロッカー>
最初のプランでは今日は早めにNovaGoricaでホテルにチェックインし、市内を見物するつもりでした。
ところが天気予報によると、今日はかろうじて曇りながら明日あさっては大雨のとのこと。つまりNovaGoricaを拠点に動く日程はほぼすべて雨なのです。
今回の旅行で一番行きたかった「S(v)tanjel(シュタニエル)」に、この貴重な曇り日をあてるため予定を変更し、このまま列車に乗ってS(v)tanielへ行くことにしました。
というわけで、荷物をコインロッカーへ。
スロベニア鉄道のHPにはNovaGorica駅にはコインロッカーがありますと書いてありますが、数はたった3つ。Sez(v)ana(セジャーナ)(かっこvは前の子音の上に)やDivac(v)a(ディヴァチャ)のコインロッカーも三つ、しかも全て一つずつ故障してました。
一つは使用中だったので、残る一つにキャリーバッグを預けて観光です。ロッカーは大きく機内預け入れサイズの私のキャリーなら2〜3個入りそうでした。料金は3ユーロ。コインが必要です。 -
<切符売場>
発着数が少ないので、普段切符売場は閉まっています。便があっても窓口が開かず、切符は車内で買うという場合もありました。
駅員さんに状況を聞こうと構内をうろうろしていたら、他の旅行者に「切符売場はどこでしょう?」と聞かれたり、私同様他の部屋をのぞいたりしている人を見かけました。 -
<旅行代理店?>
切符売場の向かいにありましたが、今回の旅行中一度も営業しているのを見ませんでした。
市街地のツーリストインフォメーションまでは遠いので、ここで地図なんかを手に入れられたら便利なのに。 -
<ホーム>
NovaGorica駅には電光掲示板などの近代的設備は一切ありません。頻繁に列車が来るわけでもないし、ほぼすべての列車の始発か終点なので、到着や出発を知らせるアナウンスもブザーもありません。
こうして列車がくるかなり前から人々はホームで待機し、列車が入線したら乗り込むのです。
この人たちみんな、一時間ほど後の列車を待ってるんですよ。のんびりしてますよね。 -
<車両>
NovaGoricaを通る路線は電化されていません。ガラガラと音を立てるディーゼル機関車が独特のにおいをまき散らしながらやってきます。
車両の落書きもすごいもすごいのですが、車両番号などの部分は避けて書いているのか、後から鉄道の人がふき取るのか、そこはちゃんと見えるようになってるのです。
それから落書きがすごいのは車両だけで、駅舎はもちろん、バス(民間営業なので)、町の建物などには落書きはほとんどありません。旧東側の国では落書きも自由の象徴とみなされていると聞いたことがありますが、なるほどだから公共のものにだけ落書きをするのかもしれませんね。落書きが窓にまで及んでいて、景色が見えない席があるのは困りますが、これもまた現代スロベニアの文化なのかな、とも思えます。 -
<売店>
駅には売店がありますが、営業時間は短めです。この日は土曜日(sobota)なので13時で閉店してしまってました。日曜日(nedejie)と祝日(prazniki)は一日中お休みです。(スロベニア語のinは英語のand)
日本のキオスクくらいの品ぞろえと規模です。
お気づきかと思いますが、営業時間の表記はイタリア語と併記です。商業的な看板はほとんどイタリア語が併記されていますが、公共の看板(駅の案内表示など)はスロベニア語オンリーです。 -
<自動販売機>
売店が閉まっていても大丈夫、なんとホームに自動販売機があります。駅の周りには何もないのでこの自販機にはお世話になりました。
水、ジュース、エナジードリンク、スナック、パンなどなかなかの品ぞろえです。
隣にはカップ式の自販機もありました。 -
<お札が使える?>
自販機でお札が使えるなんてこれは便利と思って差し込んでみましたが受け付けてくれませんでした。
コインで購入したとき1.5ユーロのものを買うのに2ユーロを入れてお釣りを出そうと試みましたが出ませんでした。仕方ないので0.5ユーロのお菓子を追加で買いました。お札、受け付けてくれなくてラッキーだったかも…。 -
<スロベニアの猫>
駅に着いたのが12:50頃、乗りたい列車は14:10なのでまだまだ時間があります。
駅の廻りを見て回ることにしました。
まずお出迎えしてくれたのがこの猫ちゃんでした。寒い国の猫はもっこもこしてて可愛いな〜 -
<分断博物館>
駅正面に向かって左端の方に入口があります。 -
<営業時間>
分断博物館の営業案内です。
この「URNIK」の内容がスロベニア語で読み取れないと、旅行中困ると思います。
また、鉄道の時刻表によく出てくる「razen(〜以外)」「vendar ne(英語でbut not)「ob(〜のみ)」「od(from)」「do(to)」、曜日、月も重要です。
(スロベニア語も翻訳してくれるフリー翻訳サイト調べ)
NovaGoricaの人はほとんどイタリア語が話せるようです。英語も多くの方が流ちょうに話されます。特に若い方は本当にすらすらと話します。私のカタコトレベルの英語の質問には、皆さん難なく答えてくださいました。 -
<博物館入口>
外のドアを開けて入ると暗い階段室があり、右側に博物館へのドアがありました。 -
<博物館内部>
中に入ると大学生くらいの超イケメン男子が受付をしてくれました。
展示品には説明板が付いていないので各国語で書かれた説明書(ファイル)を貸してくれます。それを見ながら展示を見て廻ります。日本語版はないので英語版を借りました。
入館料は2ユーロ。
部屋の広さは20畳くらいと狭いのですが、天井から床までびっしりとパネルや品物が展示されています。 -
<展示内容>
時期ごとに、地域ごとに、いかに町が分断されていったのか、人々がどのように対応したのかが展示されています。
私がスロベニアに旅行に行くと言ったら、同世代の友人らは「それどこ?」とか「スロバキア?」とか「それってバルト三国だよね?」とかトンチンカンな反応でした。でも「旧ユーゴスラビアの一番北にある国だよ」と言うとわかってくれました。
スロベニア独立当時もう大人だった世代にとって、東西冷戦は歴史の中の出来事ではなく、まだ生々しさを引きずっています。そのうち「ユーゴスラビア?歴史で習ったなあ、スロベニアってその一部だったんだ、へえ〜」なんて日が来るでしょうね。いつまでも昔を引きずっててはいけないような、苦しみを忘れてはいけないような。こうした博物館に来るといつもそんなことを思います。 -
<国境の標石>
今まで一つの町だったゴリツアの中を通って国境がひかれ、こんな石が打ち込まれその間を鉄条網が張り巡らされていたそうです。
昔遊んだ野山にも、よく遊んだ友達の家にも、もう行くことは出来なくなってしまったんでしょうね。 -
<リアル国境線>
博物館を出ると、目の前はまさにイタリアとの国境が!
簡単に行き来できるとはいえ、やはり国境線はあります。標石が打ち込まれ、必要な場所には柵があります。 -
<スロベニア鉄道は蒸気機関車がお好き>
乗車した駅のほぼすべてに、蒸気機関車が展示されていました。
NovaGoricaの場合、季節によっては蒸気機関車が観光列車として走っていることもあります。蒸気機関車の似合う駅です。
-
<駅から見えるトンネル>
NovaGoricaからSez(v)anaへ向かう線路。
現在は左の一本のみを使った単線ですが、かつては右のトンネルも使われていたのでしょうね。なにせオーストリアハンガリー帝国の首都ウィーンから重要な港町トリエステまでを結ぶ路線だったんですから。
町の規模と不釣り合いに豪華な駅舎が往時の繁栄を物語っているのでしょうか。 -
<国境検問所跡?>
駅から踏切のある通りまで来ました。
イタリア側に行く道にはこんな屋根がある部分が。勝手に検問所の跡地だと想像しています。 -
<国境付近のお店>
実はこのお店、風俗系のお店らしいのです。
国境付近は市街地から少し離れていて、こんなお店があるとは思えないような静かなところなのですが、なぜかここにお店があるのです。
これもまた勝手な想像ですが、国境の向こうからくる人をターゲットにしてるのかな?なんて。
NovaGoricaの大型ホテルはほとんどカジノ併設だし、国境沿いにカジノの店が多いし、やっぱそういうことなんですよね?
う〜ん、国境の町って感じ! -
<駅のカフェ>
このときは雨が降り始めていたので外にお客がいませんが、このカフェはいつもけっこうにぎわっていました。特に夕方からはお酒を飲むお客さんでいつも大にぎわい。
駅の前はイタリアの住宅街。どうやらそちら側から、税率の低いお酒を飲みにお客さんがやってくるようなのです。
世界の車窓からで、国境を越えてタバコを買いに行く人っていうのを見ましたが、たぶんその人が目指していたスロベニアの売店とはここのことでしょう。
いや〜、ほんとに国境を感じるわ〜。 -
<カフェの営業時間>
列車は深夜になどやってこないのに、金曜土曜の営業時間は24時まで。 -
<パニーニとお水>
駅のカフェでお昼ご飯。列車が来る時間まで間が無くなっていて少しあわてていました。
そ・れ・で!なんと料金を払うのを忘れて出てきてしまいました。カフェテリアっぽい店なので、先払いと勘違いしていたのでしょうか?もう自分が信じられません。
乗った列車が動き出してからそれに気づき、「また戻って払うからごめんなさいごめんなさい!」と心の中で手をすり合わせていました。列車の本数が少ないのでそう簡単に引き返せないのです。
お店に連絡をとろうと、列車に乗り合わせていた青年に営業時間の写真を見せ「この店の電話番号を知る方法はないでしょうか?」と聞いてみました。
青年は何度もネットで調べ、最後にはどこかに電話までかけて調べてみてくれましたがわかりませんでした。関係ない人にまで迷惑をかけて本当に申し訳なかった。そして本当に親切な方でした。ありがとう。
S(v)tanjelから戻って料金を払いにいったら、お店はお酒を飲む客でごった返していました。店員さんは大忙しで、言い訳をする間もなく普通に支払いをして無罪放免となりましたが、その後はこのカフェの前をコソコソと通っていました。
店員さん、本当にゴメンなさい!
(パニーニは2.6ユーロ、水が1.5ユーロ、チャージなどはありません。パニーニおいしかったです。)
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