２０１２：雨降りスロベニア１５　スロベニア鉄道

2012/11/02 - 2012/11/09

＜Koperへの道＞

　11月６日火曜日。３泊を過ごしたNovaGoricaを、ついに離れる日が来ました。（大げさ…）
　イタリアのゴリツィアから戻って、このあとアドリア海に面する港町Koperへ移動します。

　KoperはNovaGoricaからほぼ真南へ60キロほどのところにあります。しかし両市を直線で結ぶと途上のほとんどが海とイタリア。Koperはイタリアのトリエステに近い町なのです。
　スロベニア鉄道を使って移動するとその乗車時間は２時間30分ほど。しかしイタリアのゴリツィアからトリエステへはおよそ50分。それぞれの駅からバスに乗る時間を加えても２時間ほどで到着できます。料金もさほどかわりません。
　イタリア鉄道はトリエステからKoperへの最終バスに間に合う直行便だけでも10便を越えます。しかしNovaGoricaからKoperへスロベニア鉄道で行くと２回の乗り換えが必要で、乗り継ぎのよいのは一日に４便しかないのです。

　現在イタリアとスロベニア間の鉄道の直接の乗り入れがありません。ゴリツィアとNovaGorica、トリエステとKoperやSez(v)anaが直接つながってくれると便利なんですけど…
　まあつまりは、そういう移動する人が少ないってことでしょうね。

＜旅程＞
　11月2日金曜　中部国際→ヘルシンキ→ミラノ　　ミラノ泊
　11月3日土曜　ミラノ→列車→ゴリツィア→バス→ノヴァゴリツァ　観光　　ノヴァゴリツァ泊
　11月4日日曜　スロベニア観光　ノヴァゴリツァ泊
　11月5日月曜　スロベニア観光　ノヴァゴリツァ泊
☆11月6日火曜　ノヴァゴリツァ→列車→コペル　　コペル泊
　11月7日水曜　コペル→バス→トリエステ→列車→ミラノ　　ミラノ泊
　11月8日木曜　ミラノ→ヘルシンキ
　11月9日金曜　中部国際

凡例：現地地名の(v)は直前の子音の上にv。
　　　現金支払いは１ユーロ＝約107円。

エリア その他の観光地(スロベニア)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 15万円 - 20万円
• 交通手段: 鉄道 タクシー
• 旅行の手配内容: 個別手配

＜イタリアとスロベニアの違い＞

　イタリアのゴリツィアからバスで戻ってきました。ホテルへ荷物をとりに行かなくてはいけませんが、そのバスの時間まで時間があるのでちょっとカフェタイム。

　イタリアのバルで飲食するときって、カウンターで先に支払いをしたら立ち飲みが原則ですよね。座って飲食するなら、席で注文取ってもらうのを待たないといけません。
　NovaGoricaはあまりにもイタリアと近いので、もしかしたらそういう習慣もあるのではと思い、最初の内はカフェに入るたびに「座ってもいいですか」と聞いていました。
　しかしどうやらその習慣は全くないようで、店員さんが一人で切り盛りしているような店なら、カウンターで注文し、コーヒーを受け取って席に座ればよいのです。あえて立ち飲みしている人は単に店員さんと仲良しなだけのようです。

＜晴れのNovaGorica＞

　前日までどんより曇った風景しか撮れなかったこの交差点。晴れの姿もカメラに収めておきました。

＜紅葉＞

　紅葉も青空バックだと映えます。

　最近、この秋にスロベニアを訪れた方の旅行記が続々とＵＰされてますが、この日より前に行かれた方と、この後に行かれた方の写真の違うこと！11月第二週に行かれた方、ラッキーでしたよ。これより前に行かれた方はほぼ毎日雨だったことでしょう。
　雨が降っててもスロベニアは素敵なところですが、出来れば晴れてて欲しかったですよね〜

＜スタジアム＞

　スタジアムとはサッカー場のこと。（ヨーロッパだから当たり前か…）
　駅の近くにあります。

　スタジアム前から１番バスに乗ってホテルへ。荷物をピックアップし折り返してきた１番バスで再び駅へ。ついにNovaGoricaともお別れです。３日間しかいなかったけどすっかり愛着がわいちゃいました。

＜Sez(va)na行き＞

　Koperへは直行出来ないので、まずはSez(v)ana（セジャーナ）という町で乗り換えます。切符はKoperまで通しの一枚で、料金は6.77ユーロ。

　15:30のSez(v)ana行きを待っていると、この時間帯は比較的多く列車が発着していました。

　平日限定１日２本しかないAjdovs(v)c(v)ina行きも見られました。往復含めても週に20回しか列車が走らない路線ってどうなの、と思いましたが、おそらく旅客以外が主の路線なんでしょう。

　

＜鉄道は今日も大変？＞

　Sez(v)ana行きは定刻に出発しましたが、最初の駅に着く前に停車してしまいました。窓から見ると車掌さんが線路脇にある連絡電話を使って何かしています。

　こうした停車や徐行がしばしばあり、途中まで列車は10分以上遅れて運行していました。私は次の乗り継ぎがあるのでドキドキしていましたが、終点Sez(v)anaに到着するまでにその遅れはすっかり取り戻されていました。

＜Sez(v)ana到着＞

　列車が一度に２本も入線してるなんてNovaGoricaではありえない光景。Sez(v)anaは都会だねえ〜

　なんて思いながら列車を下りると見知らぬおじさんが、「どこへ行くの？何かわからないことはない？」と声をかけてきました。こういういかにも怪しそうな人が全く怪しくないのがスロベニア！
　安心して（まあ周りに他の人がたくさんいるからなんだけど…）、「はい、Divac(v)aへの列車に乗り換えたいんですけど」と相談してみました。

　Koperへ行くにはもう一度Divac(v)aという町で乗り換えなくてはいけないのです。

＜ホームから見た駅舎＞

　ホームから線路を越えて駅舎へ向かいます。

　駅舎側のホームには電光掲示板があり、そこで列車が出発するホームを確認するんだとか。これもNovaGoricaにはなかった設備。ホームをあらかじめ確認するなんて全く念頭にありませんでした。やっぱいろいろな町に行ってみないといけませんね〜。NovaGoricaをそこそこ大きな町だと思ってましたが、もしかしたらとんでもない田舎町だったのかも…

＜電光掲示板＞

　これを見ながらおじさんに説明を受けていたら、駅員さんがおじさんになにか話しかけました。
　それによると、Koperへの列車は線路の修復のため今日はバスで代行なんだとか。むむむ、大雨の影響はソチャ川上流だけではなかったのです。

　またしても代行バス。スロベニア語がわからないと、こういった情報がすぐ伝わらないという欠点はありますが、災害にも関わらず迅速に代行手段が用意されるあたりがさすがスロベニアって感じがします。しかも、だからといって人々が全く大騒ぎしてないところもさすがスロベニアです。（リュブリャナのような都会だとそうはいかないのでしょうか？）

　しかし、スロベニア語が分からない旅行者は要注意！みんな平然としているのでそんな事態になっていることに気付きにくいです。できるだけ現地の方と接触して情報を得ておくのがよろしいかと思います。

＜代行バス＞

　おじさんと駅員さんに連れられて、バスが待っている場所へ。おととい乗ったバスとは違う車両です。それぞれの管区が地域のバス会社と提携しているのでしょうか。

　列車の切符は持っているのでこのまま乗車出来ます。おじさんが駅員さんに何か説明してくれてました。その後駅員さんが私にも直接行き先を確認。そのおかげでこのあと無事に乗り換えなどが出来たと思っています。
　おじさん、駅員さん、お世話になりました。

＜駅の外側＞

　バスの発車までしばらくあるので駅の外側を撮影してみました。

　以前にも書きましたがスロベニアの駅舎外側には駅名の表示がありません。鉄道駅（Z(v)eleznis(v)ka postaja）というスロベニア語表示があるだけです。
　この写真は駅のメインゲートなのですが、たいがいの場合こうして扉が閉まっています。日本の駅のイメージとはかなり違っていて、場合によってはここが駅だとわからないのではと思います。

＜すこし遠くから撮影＞

　少し左よりの白い看板があるところが駅。夜だったら駅を探し当てられないだろうな。

　バスは予定時刻に出発。私が降りるDivac(v)a駅はここから２つ目の駅です。

　バスは線路とほぼ並行して走っている道路を行くのですが、一つ目の駅Povirでは、駅ではなくバス停で停車でした。ここは乗り換えの出来る駅ではないので、「ここで下車＝ここが目的地」でいいのでしょうが、ここで乗りたかった人はどうなる？
　それに、このままDivac()aでもバス停停車だったらどうしよう。列車の乗り換えだけだと思っていたのでここの地図なんて持ってきてないし、外国の地図が表示出来るような電子機器も持ってないよ〜

＜Divac(v)a駅＞

　Povirを出るとバスに乗り込んでいる車掌さんが私に「Divac(v)aｃでは列車に乗り換えるんだね？」と念を押しに来ました。そして、バスはちゃんと駅前で停車してくれました。

　なるほどね。駅じゃなくてもいいよというお客ばかりの時はバス停で停車なんだ。逆に、ちゃんとコミュニケーションとってないと思いがけないところで降ろされちゃうってことですね。

＜ホームにて＞

　心配していた到着の遅れもなく、17:07頃にはDivac(v)aに到着。あたりは暗くなりかけています。

　先ほどの車掌さんがここの駅員さんに、Koper行きがちゃんと運行されていることを確認してくれていたので、安心してホームで待つことに。
　

＜コインロッカー＞

　ホームには人が少なく、喫煙所の周辺では男の人たちが４〜５人集まって話をしているだけ。ちょっと心細かったところへ加えて、スロベニア語しかわからないおじさんが近寄ってきて話しかけます。一生懸命コミュニケーションをとろうとする感じから、悪い人ではなさそうですがなにせ全く言葉が通じないので何ともなりません。しかもおじさんは夜なのにサングラスしてるし…。

　おじさんをもてあまし、ベンチを離れてホームをぶらぶら。
　
　コインロッカー発見です。ホームにあるのでちょっとボロボロ。一個は故障中でした。

＜この駅にも電光掲示板＞

　乗りたいのは17:19のKoper行き。ちゃんとホームも表示されていますが時間になっても列車がやってきません。

　心配になって駅員室に聞きにいったら、10分程遅れるとのこと。ちなみに、一番上のリュブリャナ行き、最初は10分遅れとの表示でしたが、その後どんどんその数値があがって行きました。Koper行きは本当に大丈夫かな？

＜新型（？）車両＞

　Koper行きは無事にやってきました。遅れはたったの５分。

　列車が着ますよ、というアナウンスも何もなくやってくるのはNovaGoricaと同じ。先頭車両に電光掲示で行き先が示され、アナウンスで「この電車は○○行き、お乗り間違いのないよう…」と懇切丁寧に教えてくれる日本のシステムに慣れているので、どうも不安です。

　今回は新型っぽい車両。さすがは首都と主要港湾都市を結ぶ幹線ですね。今までいかにローカルな路線にばかり乗っていたのか思い知らされました。

　

＜Koper駅到着＞

　予定よりは多少遅れて到着しました（18:15）。途中の車窓はほぼ真っ暗。街の明かりもほとんど見えませんでした。

　これからホテルに向かうのですが、なぜかそこの地図がない。場所の確認自体をすっかり忘れていたようです。こんな真っ暗では歩きながら探すわけにもいかないし…
　今まで見てきた駅で、駅前にタクシーがいた駅はリュブリャナだけ。さてどうしよう？

＜案ずるより…＞

　なんと駅前にタクシーがいました。Koper、侮れない都会です。

　この写真は翌朝撮ったものですが、こんな風にバスターミナルのところに数台停まっていました。
　運転手さんに「ホテルBioへお願いします」と言うと、「アウトストラーダを通らなと行けないんだ…」と申し訳なさそうに言いながら向かってくれました。後から確認したら、ホテルは直線距離なら１キロもないのですが、車だと駅から出る一方通行やら街道のインターチェンジやらがあってかなり遠まわりなのです。
　料金は５ユーロでした。

　初めての土地で地図なし、夜、しかも荷物ありなんですから、タクシー以外選択肢なかったですよね。