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※2020.04.12 再編集(写真の追加と差し替え、文章の書き直し)の上、改めて公開しました。<br /><br />京都への旅の二日目。<br />この日は、まず襖絵を観に龍安寺へと向かう。<br />開門と同時に入り、空いているうちにゆっくり鑑賞。<br />その後、仁和寺金堂の優美な美しさに感動し、妙心寺では、狩野探幽による雲竜図の迫力に魅了された。<br />最後は、渡月橋を眺めて旅の締め括りとした。

襖絵を観に京の都へ【2】~襖絵と国宝と天神様~

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2011/03/28 - 2011/03/28

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旅行記グループ 【山城国】

8

45

旅猫

旅猫さん

※2020.04.12 再編集(写真の追加と差し替え、文章の書き直し)の上、改めて公開しました。

京都への旅の二日目。
この日は、まず襖絵を観に龍安寺へと向かう。
開門と同時に入り、空いているうちにゆっくり鑑賞。
その後、仁和寺金堂の優美な美しさに感動し、妙心寺では、狩野探幽による雲竜図の迫力に魅了された。
最後は、渡月橋を眺めて旅の締め括りとした。

旅行の満足度
3.5
観光
3.5
グルメ
3.0
交通
3.5
同行者
一人旅
一人あたり費用
3万円 - 5万円
交通手段
新幹線 JRローカル 私鉄 徒歩
旅行の手配内容
個別手配
利用旅行会社
JTB
  • 宿のある九条駅から地下鉄烏丸線に乗り、烏丸御池駅で東西線に乗り換えて太秦天神川駅へと向かう。<br />近くにある嵐電天神川駅から、京福嵐山本線で帷子ノ辻駅へ行き、北野線に乗り換えて龍安寺駅で下車した。

    宿のある九条駅から地下鉄烏丸線に乗り、烏丸御池駅で東西線に乗り換えて太秦天神川駅へと向かう。
    近くにある嵐電天神川駅から、京福嵐山本線で帷子ノ辻駅へ行き、北野線に乗り換えて龍安寺駅で下車した。

    龍安寺駅

  • 駅から少し歩くと龍安寺の入口が見えてきた。<br />入ってみると、山門はまだずっと先だった。<br />宝暦5年(1755)に再建された山門の近くでは、馬酔木の花が満開だった。

    駅から少し歩くと龍安寺の入口が見えてきた。
    入ってみると、山門はまだずっと先だった。
    宝暦5年(1755)に再建された山門の近くでは、馬酔木の花が満開だった。

    龍安寺 寺・神社・教会

  • 山門を入ってすぐ左手に、大きな池があった。<br />鏡容池と言う池で、平安時代、龍安寺一帯が公卿・徳大寺家の別邸だったころからあったらしい。<br />その景色は、寺院の境内とは思えない。<br />自然の山を巧みに借景として使っている。

    山門を入ってすぐ左手に、大きな池があった。
    鏡容池と言う池で、平安時代、龍安寺一帯が公卿・徳大寺家の別邸だったころからあったらしい。
    その景色は、寺院の境内とは思えない。
    自然の山を巧みに借景として使っている。

  • ショウジョウバカマが咲く庭を歩いて行くと、龍安寺垣に挟まれた参道の先に、寛政9年(1797)に再建された庫裡が見えてきた。<br />

    ショウジョウバカマが咲く庭を歩いて行くと、龍安寺垣に挟まれた参道の先に、寛政9年(1797)に再建された庫裡が見えてきた。

  • 庫裡から中へ入ると、まず見えてくるのが有名な『石庭』だ。<br />白砂が敷き詰められた庭に、15個の岩が配置されているのだが、どこから見てもすべての岩が見えないようになっているそうだ。<br />ちなみに、石庭というのは通称で、実際には方丈庭園というそうだ。<br />余計な造作を省いた、究極の枯山水だと感じた。

    庫裡から中へ入ると、まず見えてくるのが有名な『石庭』だ。
    白砂が敷き詰められた庭に、15個の岩が配置されているのだが、どこから見てもすべての岩が見えないようになっているそうだ。
    ちなみに、石庭というのは通称で、実際には方丈庭園というそうだ。
    余計な造作を省いた、究極の枯山水だと感じた。

    龍安寺 寺・神社・教会

  • 方丈庭園は、その名のとおり、方丈の庭である。<br />方丈は、慶長2年(1602)、塔頭の西源院の方丈として、織田信長の弟信包によって建立されたものを、龍安寺の火災の後に移築したものだそうだ。<br />その襖絵は、日本画家の皐月鶴年氏により描かれたものだった。<br />竜の絵もあるそうだが、特別展示のため観ることが出来なかった。

    方丈庭園は、その名のとおり、方丈の庭である。
    方丈は、慶長2年(1602)、塔頭の西源院の方丈として、織田信長の弟信包によって建立されたものを、龍安寺の火災の後に移築したものだそうだ。
    その襖絵は、日本画家の皐月鶴年氏により描かれたものだった。
    竜の絵もあるそうだが、特別展示のため観ることが出来なかった。

  • そして、その方丈に展示されていたのが、115年ぶりに戻ってきた襖絵だ。<br />その襖絵は、狩野派の絵師によって画かれたものだそうだ。<br />思ったよりも状態が良く、どこで保管されていたのか気になるところだ。<br />置かれていた場所の関係で、真正面からゆっくり観ることが出来なかったのが絵があったのが残念だった。

    そして、その方丈に展示されていたのが、115年ぶりに戻ってきた襖絵だ。
    その襖絵は、狩野派の絵師によって画かれたものだそうだ。
    思ったよりも状態が良く、どこで保管されていたのか気になるところだ。
    置かれていた場所の関係で、真正面からゆっくり観ることが出来なかったのが絵があったのが残念だった。

  • 石庭で有名な龍安寺だが、時間が早かったせいか、境内はとても静かだった。<br />方丈の裏手には、禅の精神を示す『吾唯足知(われただたるをしる)』と刻まれた知足のつくばいが置かれていた。

    石庭で有名な龍安寺だが、時間が早かったせいか、境内はとても静かだった。
    方丈の裏手には、禅の精神を示す『吾唯足知(われただたるをしる)』と刻まれた知足のつくばいが置かれていた。

    龍安寺 寺・神社・教会

  • 近くには、日本最古という侘助が植えられていた。<br />なんでも、秀吉による朝鮮出兵の際に伝わったものだそうだ。<br />境内には、他にも藪椿がたくさん咲いていた。

    近くには、日本最古という侘助が植えられていた。
    なんでも、秀吉による朝鮮出兵の際に伝わったものだそうだ。
    境内には、他にも藪椿がたくさん咲いていた。

  • 龍安寺から、歩いて10分ほどのところにある仁和寺へ。<br />まず目に入ったのは、優雅な構えの二王門。<br />知恩院の三門、南禅寺の三門とともに、京都三大門と呼ばれているそうだ。<br />個人的には、三つの門の中でもっとも美しいと感じた。<br />昨日観た平等院鳳凰堂に通じるものがあるようだ。

    龍安寺から、歩いて10分ほどのところにある仁和寺へ。
    まず目に入ったのは、優雅な構えの二王門。
    知恩院の三門、南禅寺の三門とともに、京都三大門と呼ばれているそうだ。
    個人的には、三つの門の中でもっとも美しいと感じた。
    昨日観た平等院鳳凰堂に通じるものがあるようだ。

    仁和寺 寺・神社・教会

  • その二王門には、凄みのある仁王像が安置されているた。<br />門を護るには、やはり阿吽の呼吸が必要なのだ。

    その二王門には、凄みのある仁王像が安置されているた。
    門を護るには、やはり阿吽の呼吸が必要なのだ。

  • 二王門を潜り、まずは、まっすぐ進んで国宝の金堂を目指す。<br />途中左手には、大正2年(1913)に竣工した勅使門が建っていた。<br />その見応えのある門の先に、中門が見えてきた。<br />他の門に比べると、かなり小さく簡素な造りだった。

    二王門を潜り、まずは、まっすぐ進んで国宝の金堂を目指す。
    途中左手には、大正2年(1913)に竣工した勅使門が建っていた。
    その見応えのある門の先に、中門が見えてきた。
    他の門に比べると、かなり小さく簡素な造りだった。

    仁和寺 寺・神社・教会

  • 中門を入ると、左手に有名な御室桜の庭園が広がっている。<br />まだ開花期ではなかったので、少し寂し気な感じだ。<br />その奥には、観音堂の屋根が見えていた。

    中門を入ると、左手に有名な御室桜の庭園が広がっている。
    まだ開花期ではなかったので、少し寂し気な感じだ。
    その奥には、観音堂の屋根が見えていた。

    仁和寺 寺・神社・教会

  • 正面に、優美な屋根を持つ国宝の金堂が現れた。<br />この建物は、慶長18年(1613)に建立された京都御所の正殿・紫宸殿を移築したものらしい。<br />その際、檜皮葺きから瓦葺きに変えるなどしたそうだが、宮殿建築の姿を今に残す大変貴重なものだそうだ。

    正面に、優美な屋根を持つ国宝の金堂が現れた。
    この建物は、慶長18年(1613)に建立された京都御所の正殿・紫宸殿を移築したものらしい。
    その際、檜皮葺きから瓦葺きに変えるなどしたそうだが、宮殿建築の姿を今に残す大変貴重なものだそうだ。

    仁和寺 寺・神社・教会

  • 近くで見ると、その意匠は細部まで手が込んでいた。<br />屋根の反りも美しく、どこから見ても優雅な趣を感じる。<br />それにしても、この建物の屋根は美しい。

    近くで見ると、その意匠は細部まで手が込んでいた。
    屋根の反りも美しく、どこから見ても優雅な趣を感じる。
    それにしても、この建物の屋根は美しい。

  • 金堂の東側には、重要文化財の経蔵も建っていた。<br />こちらはいかにも寺院建築といった趣だが、やはり屋根は優美だ。

    金堂の東側には、重要文化財の経蔵も建っていた。
    こちらはいかにも寺院建築といった趣だが、やはり屋根は優美だ。

    仁和寺 寺・神社・教会

  • 経蔵の南側に建つ五重塔を観に行く。<br />寛永21年(1644)に建立されたもので、こちらも国の需要文化財だ。<br />塔の正面には、大日如来を表すという梵字の額が懸けられている。<br />内部には、その大日如来が祀られているそうだ。<br />離れて眺めると、立ち姿の美しさが際立った。

    経蔵の南側に建つ五重塔を観に行く。
    寛永21年(1644)に建立されたもので、こちらも国の需要文化財だ。
    塔の正面には、大日如来を表すという梵字の額が懸けられている。
    内部には、その大日如来が祀られているそうだ。
    離れて眺めると、立ち姿の美しさが際立った。

    仁和寺 寺・神社・教会

  • 五重塔の裏手、経堂の斜向かいにあった九所明神に参拝する。<br />この社は、仁和寺の伽藍を護るもので、本殿には八幡三神を祀っている。<br />向かって右側の左殿には賀茂上下・日吉・武答・稲荷、右殿には松尾・平野・小日吉・木野嶋の計九座の明神が祀られていた。<br />他の重要文化財の伽藍と同じく寛永期の造営だが、極彩色を纏った本殿は、境内でひと際美しかった。

    五重塔の裏手、経堂の斜向かいにあった九所明神に参拝する。
    この社は、仁和寺の伽藍を護るもので、本殿には八幡三神を祀っている。
    向かって右側の左殿には賀茂上下・日吉・武答・稲荷、右殿には松尾・平野・小日吉・木野嶋の計九座の明神が祀られていた。
    他の重要文化財の伽藍と同じく寛永期の造営だが、極彩色を纏った本殿は、境内でひと際美しかった。

    仁和寺 寺・神社・教会

  • その屋根もとても美しい。<br />鮮やかな朱色に黒ずんだ杮葺きがうまく調和している。

    その屋根もとても美しい。
    鮮やかな朱色に黒ずんだ杮葺きがうまく調和している。

  • 金堂の方へと戻り、その西側へと回る。<br />そこには、五重塔と同じ寛永21年(1644)に建立された鐘楼が建っていた。<br />っかなり立派な鐘楼で、こちらも重要文化財だった。

    金堂の方へと戻り、その西側へと回る。
    そこには、五重塔と同じ寛永21年(1644)に建立された鐘楼が建っていた。
    っかなり立派な鐘楼で、こちらも重要文化財だった。

  • 鐘楼の西側は御影堂が建っている。<br />この御堂は、慶長年間(1596-1615)に、御所の清涼殿として建てられものの一部を賜り、寛永年間の1641-1644年に再建されたものだそうだ。<br />蔀戸の金具などは清涼殿のものを使っているらしい。<br />堂内には、弘法大師の像等が祀られているとのこと。<br />優雅に反った檜皮葺の屋根も美しかった。

    鐘楼の西側は御影堂が建っている。
    この御堂は、慶長年間(1596-1615)に、御所の清涼殿として建てられものの一部を賜り、寛永年間の1641-1644年に再建されたものだそうだ。
    蔀戸の金具などは清涼殿のものを使っているらしい。
    堂内には、弘法大師の像等が祀られているとのこと。
    優雅に反った檜皮葺の屋根も美しかった。

    仁和寺 寺・神社・教会

  • 御影堂の南側に建つ重要文化財の観音堂へと向かう。<br />観音堂は、寛永18年(1641)から正保元年(1645)にかけて再建されたもので、境内の諸堂の中では、最も質実剛健な建物だった。<br />本尊は千手観音菩薩だそうだが、拝観はできないようだ。<br />その堂の前からは、御室桜の庭園越しに五重塔が望めた。

    御影堂の南側に建つ重要文化財の観音堂へと向かう。
    観音堂は、寛永18年(1641)から正保元年(1645)にかけて再建されたもので、境内の諸堂の中では、最も質実剛健な建物だった。
    本尊は千手観音菩薩だそうだが、拝観はできないようだ。
    その堂の前からは、御室桜の庭園越しに五重塔が望めた。

  • 中門を通って二王門の手前まで戻り、今度は本坊表門を潜って御殿へと足を向けた。<br />門から御殿の入口までは、白砂に松が配され、空の青さと相まって、まさに白砂青松の景色だ。<br />

    中門を通って二王門の手前まで戻り、今度は本坊表門を潜って御殿へと足を向けた。
    門から御殿の入口までは、白砂に松が配され、空の青さと相まって、まさに白砂青松の景色だ。

  • 御殿の中に入ると、まず白書院があった。<br />白書院は、宸殿南庭の西側に建ち、福永晴帆画伯により描かれた松の襖絵が素晴らしかった。<br />白砂が敷き詰められた南庭越しに見えた宸殿は、儀式や式典に使用される重要な建物で、現在のものは大正3年(1914)に再建されたものだそうだ。

    御殿の中に入ると、まず白書院があった。
    白書院は、宸殿南庭の西側に建ち、福永晴帆画伯により描かれた松の襖絵が素晴らしかった。
    白砂が敷き詰められた南庭越しに見えた宸殿は、儀式や式典に使用される重要な建物で、現在のものは大正3年(1914)に再建されたものだそうだ。

    仁和寺 寺・神社・教会

  • 白書院から続く宸殿の外廊下を歩いて行く。<br />南庭越しに見る白書院の佇まいも美しい。

    白書院から続く宸殿の外廊下を歩いて行く。
    南庭越しに見る白書院の佇まいも美しい。

    仁和寺 寺・神社・教会

  • 宸殿の内部は三つの部屋に分かれていた。<br />部屋の襖絵や壁などは、全て日本画家の原在泉により描かれたもので、見事な四季の風物に彩られている。

    宸殿の内部は三つの部屋に分かれていた。
    部屋の襖絵や壁などは、全て日本画家の原在泉により描かれたもので、見事な四季の風物に彩られている。

  • 宸殿の北側にも美しい庭があった。<br />こちらは北庭と呼ばれ、南庭とは趣の異なる池泉式の庭で、五重塔が借景となっている。

    宸殿の北側にも美しい庭があった。
    こちらは北庭と呼ばれ、南庭とは趣の異なる池泉式の庭で、五重塔が借景となっている。

    仁和寺 寺・神社・教会

  • 北庭の奥には薬師如来像を祀る霊明殿と呼ばれる建物があった。<br />黒書院と渡り廊下で結ばれ、なかなか風情のある。<br />霊明殿から見る北庭と宸殿の眺めもなかなか良かった。

    北庭の奥には薬師如来像を祀る霊明殿と呼ばれる建物があった。
    黒書院と渡り廊下で結ばれ、なかなか風情のある。
    霊明殿から見る北庭と宸殿の眺めもなかなか良かった。

    仁和寺 寺・神社・教会

  • 仁和寺を拝観した後、歩いてすぐにある嵐電の御室仁和寺駅へ出て、再び電車に乗り、一つ先の妙心寺駅で降りた。

    仁和寺を拝観した後、歩いてすぐにある嵐電の御室仁和寺駅へ出て、再び電車に乗り、一つ先の妙心寺駅で降りた。

    御室仁和寺駅

  • 駅から少し歩くと、妙心寺の北総門に着く。<br />妙心寺は、日本最大の禅寺だそうで、塔頭46を数え、南北約500m、東西約400mという広大な面積を誇る。<br />北総門から塔頭の建ち並ぶ境内を歩いていると、江戸時代に迷い込んだかのような風景が広がっていた。<br />鬼平犯科帳などの時代劇で使われる場所でもあり、武士が歩いていてもまったく違和感が無いだろう。

    駅から少し歩くと、妙心寺の北総門に着く。
    妙心寺は、日本最大の禅寺だそうで、塔頭46を数え、南北約500m、東西約400mという広大な面積を誇る。
    北総門から塔頭の建ち並ぶ境内を歩いていると、江戸時代に迷い込んだかのような風景が広がっていた。
    鬼平犯科帳などの時代劇で使われる場所でもあり、武士が歩いていてもまったく違和感が無いだろう。

    妙心寺 寺・神社・教会

  • その広い境内に建ち並ぶ塔頭のひとつに立ち寄ってみる。<br />麟祥院と言うその寺は、三代将軍徳川家光が、乳母である春日局の追福のために建立したもので、境内にはその御霊屋もあるそうだ。<br />前庭以外は公開されていないようだったが、春日局に係わる品も伝わっているらしい。

    その広い境内に建ち並ぶ塔頭のひとつに立ち寄ってみる。
    麟祥院と言うその寺は、三代将軍徳川家光が、乳母である春日局の追福のために建立したもので、境内にはその御霊屋もあるそうだ。
    前庭以外は公開されていないようだったが、春日局に係わる品も伝わっているらしい。

    麟祥院 寺・神社・教会

  • 境内の南側に建つ朱塗りの三門から拝観することにした。<br />三門は、慶長4年(1599)の建立で、重要文化財だそうだ。<br />仁和寺二王門の優美さには敵わないが、この三門も美しかった。<br />近くの勅使門と南総門を観た後、法堂の雲龍図を拝観するため、方丈の玄関へと向かう。

    境内の南側に建つ朱塗りの三門から拝観することにした。
    三門は、慶長4年(1599)の建立で、重要文化財だそうだ。
    仁和寺二王門の優美さには敵わないが、この三門も美しかった。
    近くの勅使門と南総門を観た後、法堂の雲龍図を拝観するため、方丈の玄関へと向かう。

  • 三門の脇から眺めると、仏殿、法堂、大方丈が整然と並び美しい。<br />仏殿は文政10年(1827)、法堂は明暦2年(1656)、大方丈は承応3年(1654)の建立で、勅使門や経蔵などを含めた14の建物が重要文化財の指定を受けているそうだ。<br />禅寺の凛とした空気を感じないのは、空が広く境内がとても伸びやかで明るいからかもしれない。<br />御堂に溶け込むように立つ僧侶の姿にも厳しさを感じなかった。

    三門の脇から眺めると、仏殿、法堂、大方丈が整然と並び美しい。
    仏殿は文政10年(1827)、法堂は明暦2年(1656)、大方丈は承応3年(1654)の建立で、勅使門や経蔵などを含めた14の建物が重要文化財の指定を受けているそうだ。
    禅寺の凛とした空気を感じないのは、空が広く境内がとても伸びやかで明るいからかもしれない。
    御堂に溶け込むように立つ僧侶の姿にも厳しさを感じなかった。

  • 大方丈の受付で拝観料を払い、案内の人について拝観。<br />法堂の天井には、狩野探幽作の雲龍図が描かれている。<br />八方睨みの龍と言われる豪快なもので、観る位置によって印象が変わる不思議な絵だった。<br />堂内には、国宝の梵鐘も保存されている。<br />鐘には、戊戌(つちのえいぬ)年の銘があり、これは文武天皇2年(698)のことで、日本最古の紀年銘だそうだ。<br />ひびが入ったため、鐘楼から降ろして保存しているとのこと。<br />鐘の音は、録音されたものを聴くことが出来た。

    大方丈の受付で拝観料を払い、案内の人について拝観。
    法堂の天井には、狩野探幽作の雲龍図が描かれている。
    八方睨みの龍と言われる豪快なもので、観る位置によって印象が変わる不思議な絵だった。
    堂内には、国宝の梵鐘も保存されている。
    鐘には、戊戌(つちのえいぬ)年の銘があり、これは文武天皇2年(698)のことで、日本最古の紀年銘だそうだ。
    ひびが入ったため、鐘楼から降ろして保存しているとのこと。
    鐘の音は、録音されたものを聴くことが出来た。

  • 法堂の次は重要文化財の浴室を見学。<br />風呂と言っても湯に浸かるものではなく、沸かした湯から立ち上る湯気にあたる蒸し風呂だった。<br />この風呂は、明智光秀の叔父・蜜宗和尚が、光秀の死後にその献納金を使って建てたものらしく、明智風呂と言われているそうだ。<br />光秀の供養が禁止されていた時には、密かにここで行っていたらしい。<br />ちなみに、本能寺の変の後、光秀は妙心寺を訪れて自害しようとしたのだが、蜜宗和尚に諌められて立ち退いたと云われている。

    法堂の次は重要文化財の浴室を見学。
    風呂と言っても湯に浸かるものではなく、沸かした湯から立ち上る湯気にあたる蒸し風呂だった。
    この風呂は、明智光秀の叔父・蜜宗和尚が、光秀の死後にその献納金を使って建てたものらしく、明智風呂と言われているそうだ。
    光秀の供養が禁止されていた時には、密かにここで行っていたらしい。
    ちなみに、本能寺の変の後、光秀は妙心寺を訪れて自害しようとしたのだが、蜜宗和尚に諌められて立ち退いたと云われている。

  • 妙心寺を後にし、妙心寺駅から三度嵐電北野線に乗り、終点の北野白梅町駅に降り立った。<br />ここまで来たのは、北野天満宮へ立ち寄るため。<br />と言っても、お願いがあってのことではないのだが。

    妙心寺を後にし、妙心寺駅から三度嵐電北野線に乗り、終点の北野白梅町駅に降り立った。
    ここまで来たのは、北野天満宮へ立ち寄るため。
    と言っても、お願いがあってのことではないのだが。

    北野白梅町駅

  • 駅から北野天満宮までは歩いて10分ほど。<br />3月と言うこともあり、学生が大勢参詣に来ていた。<br />境内では、まだ梅の花が見ごろだった。

    駅から北野天満宮までは歩いて10分ほど。
    3月と言うこともあり、学生が大勢参詣に来ていた。
    境内では、まだ梅の花が見ごろだった。

    北野天満宮 (天神さん) 寺・神社・教会

  • 重要文化財の三光門を入ると、慶長12年(1607)に豊臣秀頼により建立された国宝の社殿が現れた。<br />混んでいたので参拝はしなかったが、煌びやかな装飾が施されているが、落ち着いた印象を受ける社殿だった。

    重要文化財の三光門を入ると、慶長12年(1607)に豊臣秀頼により建立された国宝の社殿が現れた。
    混んでいたので参拝はしなかったが、煌びやかな装飾が施されているが、落ち着いた印象を受ける社殿だった。

  • 脇の門から出て振り返ると、日本らしい光景が見えた。<br />改めて眺めると、朱色の社殿ではないところが、かえって厳かな印象を受ける。<br />

    脇の門から出て振り返ると、日本らしい光景が見えた。
    改めて眺めると、朱色の社殿ではないところが、かえって厳かな印象を受ける。

  • 回廊の外側からは、特徴のある社殿を観ることが出来た。<br />傍らでは梅が咲き、落ち着きのある社殿に良く似合っていた。

    回廊の外側からは、特徴のある社殿を観ることが出来た。
    傍らでは梅が咲き、落ち着きのある社殿に良く似合っていた。

  • 社殿の左手に、豊臣秀吉によって築かれた御土居の一部が残っていた。<br />御土居は、京都の防衛と鴨川の氾濫に備えて天正19年(1591)に築かれたが、京の街をぐるりと囲むその総延長は22.5kmにも及ぶそうだ。<br />御土居の内側を洛中、外側を洛外と呼び、洛中への出入りには七口を設けていたそうで、丹波口とか鞍馬口と言う地名はその名残なのだ。

    社殿の左手に、豊臣秀吉によって築かれた御土居の一部が残っていた。
    御土居は、京都の防衛と鴨川の氾濫に備えて天正19年(1591)に築かれたが、京の街をぐるりと囲むその総延長は22.5kmにも及ぶそうだ。
    御土居の内側を洛中、外側を洛外と呼び、洛中への出入りには七口を設けていたそうで、丹波口とか鞍馬口と言う地名はその名残なのだ。

    御土居 名所・史跡

  • 駅へ戻る途中、目に留まったラーメン屋で昼食とした。<br />餃子があったのでつい頼んでしまったが、麦酒は我慢した。<br />その後、嵐電で帷子ノ辻駅まで戻ったが、まだ時間があったので、嵐山本線の終点嵐山駅まで行ってみることにした。

    駅へ戻る途中、目に留まったラーメン屋で昼食とした。
    餃子があったのでつい頼んでしまったが、麦酒は我慢した。
    その後、嵐電で帷子ノ辻駅まで戻ったが、まだ時間があったので、嵐山本線の終点嵐山駅まで行ってみることにした。

  • 嵐山駅まで来ると、駅前に砂の像が飾ってあった。<br />鳥取が有名だが、なぜこんな場所にあったのだろう。

    嵐山駅まで来ると、駅前に砂の像が飾ってあった。
    鳥取が有名だが、なぜこんな場所にあったのだろう。

  • 駅を出ると、それまでの落ち着いた風情が吹き飛ぶほどの賑やかさ。<br />あまりの観光客の多さに来たのを後悔したが、わざわざやってきたので、桂川の畔へ出て、久しぶりに渡月橋を眺めることにした。<br />混んでいても、やはりこの景色は風情がある。

    駅を出ると、それまでの落ち着いた風情が吹き飛ぶほどの賑やかさ。
    あまりの観光客の多さに来たのを後悔したが、わざわざやってきたので、桂川の畔へ出て、久しぶりに渡月橋を眺めることにした。
    混んでいても、やはりこの景色は風情がある。

    渡月橋 名所・史跡

  • 渡月橋だけを見て早々に嵐山を退散。<br />帰りに乗った四条大宮行きの電車は、姉妹提携している江ノ電の車体色を纏った江ノ電号だった。<br />四条大宮駅から、阪急京都線と市営地下鉄烏丸線を乗り継いで京都駅まで戻り、16:42発の『のぞみ244号』で京都への旅を締め括った。

    渡月橋だけを見て早々に嵐山を退散。
    帰りに乗った四条大宮行きの電車は、姉妹提携している江ノ電の車体色を纏った江ノ電号だった。
    四条大宮駅から、阪急京都線と市営地下鉄烏丸線を乗り継いで京都駅まで戻り、16:42発の『のぞみ244号』で京都への旅を締め括った。

    嵐山駅 (京福電気鉄道)

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  • rokoさん 2011/05/08 20:24:45
    充実した2日間でしたね
    旅猫さん こんばんは

    京都の2日目
    今回行かれた龍安寺の襖絵はなんと115年ぶりに戻ってきたのですか!
    何時でも見られるとはいかないのですね、
    いつかぜひ見てみたいものです。
    日本最古という侘助椿は見たことがあります。

    仁和寺の御室桜、満開の頃は人でいっぱいです、
    でも見事です。
    旅猫さん、いつもながら観察が細部にまで、
    いろいろ教えていただいて感謝です。

    南庭越しに見る白書院の佇まい、落ち着きますね。
    宸殿の中、見事な襖絵や装飾も素晴らしいです。

    そして妙心寺
    境内を歩いていると、江戸時代に迷い込んだような錯覚を受ける・・・
    ほんとにそんな感じですよね、別世界ですね。

    北野天満宮から嵐山まで
    嵐山はこれまた別世界、落ち着きません。

    短い間にいろいろとまわられて、
    充実された2日間でしたね。
    楽しませていただきました。



    roko

    旅猫

    旅猫さん からの返信 2011/05/14 10:37:24
    RE: 充実した2日間でしたね
    rokoさん、こんにちは!
    いつもありがとうございます。
    お返事が遅くなりすみません。

    龍安寺の襖絵は、外国のオークションに出品されていたのを、
    誰かが巨額で落札し、龍安寺に寄贈したようです。
    奇特な方がいるものですね。
    今回は特別公開でしたが、今後はどうなるのでしょうね。

    仁和寺の御室桜は一度見てみたいと思っていますが、
    やはりかなり混みそうですね。

    仁和寺も妙心寺も境内の広さには驚きでした。
    文化財建築の多さにも目を見張りましたが。
    さすが京都と言ったところ。

    妙心寺の塔頭の多さも見事でしたが、
    あの境内の雰囲気は独特ですね。

    2日間、よく歩いたって感じです(笑)
    旅猫
  • ガブリエラさん 2011/04/23 20:47:05
    龍安寺、大好きです!
    旅猫さん

    私のつたない旅行記を見ていただき、投票までしていただきありがとうございます。

    京都の旅行記を、見せていただきました。
    学生時代、4年間京都に通ってたので、大好きな場所です。
    最近、行く機会がなかったのですが、久しぶりに行きたくなりました。
    龍安寺の襖絵、素敵ですね!
    石庭も、やっぱり趣があって落ち着きますね。

    また、他の旅行記にもお邪魔いたしますね。

    ガブリエラ

    旅猫

    旅猫さん からの返信 2011/04/29 09:54:56
    RE: 龍安寺、大好きです!
    ガブリエラさん、こんにちは。
    書き込みありがとうございます。
    お返事が遅くなってすみません。

    学生時代は京都にお住まいでしたか!
    私の同僚2人も学生時代は京都でした。
    私も京都は何度か訪れてお気に入りの場所なのですが、
    あまりに見どころが多くて、未だに一部しか見切れていません。

    最近、地方の静かで素朴な寺社仏閣を見ているせいか、
    京都のお寺さんの立派な境内は別世界の趣ですね。

    旅猫
  • 一歩人さん 2011/04/23 13:34:18
    ふ、ふ、旅歩きですよね
    旅猫さんへ
    ふ、ふ、京の旅歩きですよね。
    見る、見ながら歩く。ランチで歩く?
    なんて、両国では挑戦してみましたが、
    晴海へ移転する前だったもので、ランチタイムに歩きました。
    ふ、ふ、実は、ランチの界隈でした。
    つまり、旅行通りというより、裏通りも
    メッカでして。
    ふ、ふ、両国へお越こしやすでした。
    ありがとうございます。
    失礼しま〜す。

    旅猫

    旅猫さん からの返信 2011/04/29 09:49:46
    RE: ふ、ふ、旅歩きですよね
    一歩人さん、こんにちは。
    書き込みありがとうございます。
    お返事が遅くなりごめんなさい。

    京は街歩きですね。
    ぶらぶらそぞろあるきが一番です。
    宇治ではランチ時でしたが、花園界隈ではずれてしまい、
    遅めのランチを北野界隈ででした。
    美味そうな店があったのですが、ランチタイムを過ぎていて。。。

    両国は、裏道にもたくさん店がありますよね。
    たまに歩きますが、気になる店がいつも見つかります。

    旅猫
  • kaz-ykさん 2011/04/23 11:41:11
    始めまして
    旅猫さん 今日は

    小生のブログにお越し願い、投票まで頂き有難うございました。

    足跡を辿り、本編と宇治を、拝見しました。

    さすが京都、見所も多く、懇切にご紹介頂き有難うございました。

    貴方様の行動力には、脱帽です。 御礼まで

    旅猫

    旅猫さん からの返信 2011/04/29 09:45:02
    RE: 始めまして
    kaz-ykさん、こんにちは。
    お返事が遅くなってしまいごめんなさい。

    こちらこそ、何度もお越しいただきありがとうございます。

    京都は、やはり違いますね。
    細かく歩いてみれば、その土地の歴史を感じることが出来ます。

    旅行記では写真の枚数を減らしていますが、
    実際には、ひとつの場所でかなりゆっくり見ています。

    今後ともよろしくお願いします。

    旅猫

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