伏見旅行記(ブログ) 一覧に戻る
※2020.04.16 再編集(写真の差し替え、文章の書き直し)の上、改めて公開しました。<br /><br />桜が咲き始めたころ、突然、親が「醍醐の桜が観たい」と言い出した。<br />ちょうど、今年はどこで花見をしようかと考えていたので、考えた末に京都に行くことにした。<br />と言っても急なことなので、すでに京都市内の宿は取れなかった。<br />そこで、醍醐寺にも近い大津に泊まることにしたのだが、これが大失敗。<br />それでも、綺麗な椿にも出会えたし、醍醐の桜もちょうど見ごろで良い花見旅となった。

春の京都へ ~霊鑑寺の椿と醍醐寺の桜~

144いいね!

2010/04/02 - 2010/04/03

34位(同エリア1664件中)

旅行記グループ 【山城国】

12

46

旅猫

旅猫さん

※2020.04.16 再編集(写真の差し替え、文章の書き直し)の上、改めて公開しました。

桜が咲き始めたころ、突然、親が「醍醐の桜が観たい」と言い出した。
ちょうど、今年はどこで花見をしようかと考えていたので、考えた末に京都に行くことにした。
と言っても急なことなので、すでに京都市内の宿は取れなかった。
そこで、醍醐寺にも近い大津に泊まることにしたのだが、これが大失敗。
それでも、綺麗な椿にも出会えたし、醍醐の桜もちょうど見ごろで良い花見旅となった。

旅行の満足度
3.5
観光
3.5
グルメ
3.0
交通
3.5
同行者
その他
一人あたり費用
1万円 - 3万円
交通手段
高速・路線バス 新幹線 JRローカル 私鉄 徒歩
旅行の手配内容
個別手配
利用旅行会社
JTB

PR

  • 今回は、東京駅9:40発の『のぞみ219号』で京都へと向かう。<br />12:01に京都駅に着き、地下鉄に乗り換えて四条駅で下車。<br />ここからは、徒歩で最初の目的地高台寺へと向かう。<br />四条大橋で鴨川を渡り、南座の前を通って建仁寺を横切り、石塀小路で可愛い雀に出会いながら高台寺門前へ。

    今回は、東京駅9:40発の『のぞみ219号』で京都へと向かう。
    12:01に京都駅に着き、地下鉄に乗り換えて四条駅で下車。
    ここからは、徒歩で最初の目的地高台寺へと向かう。
    四条大橋で鴨川を渡り、南座の前を通って建仁寺を横切り、石塀小路で可愛い雀に出会いながら高台寺門前へ。

    鴨川 自然・景勝地

  • ちょうど昼時なので、近くのお店に入って蕎麦を注文。<br />門構えと庭に惹かれて入ったのだが、蕎麦自体はあまり好みに合わなかった。<br />でも、かやくご飯はまあまあだった。<br />旅では、事前に食事をする場所を決めて行かないので、当たり外れがあったり、時には食事にありつけなかったりもするのだが、それはそれで旅の思い出の一つになる。

    ちょうど昼時なので、近くのお店に入って蕎麦を注文。
    門構えと庭に惹かれて入ったのだが、蕎麦自体はあまり好みに合わなかった。
    でも、かやくご飯はまあまあだった。
    旅では、事前に食事をする場所を決めて行かないので、当たり外れがあったり、時には食事にありつけなかったりもするのだが、それはそれで旅の思い出の一つになる。

    波ぎ茶寮 グルメ・レストラン

  • 高台寺は、正しくは高台寿聖禅寺というそうだ。<br />豊臣秀吉の菩提を弔うため、北政所が慶長11年(1606)に開創した寺だ。<br />とりあえず庭園へと向かいうと、偃月池に架けられた渡り廊下と建物が見えた。<br />その渡り廊下の途中には観月台があり、北政所(高台院)は、秀吉を想いながらここで月を眺めたらしい。<br />その先の建物は、北政所の持仏堂だった開山堂で、建てられたのは慶長10年(1605)。<br />天井には秀吉の御座船と北政所の御座車の天井材が用いられているらしい。

    高台寺は、正しくは高台寿聖禅寺というそうだ。
    豊臣秀吉の菩提を弔うため、北政所が慶長11年(1606)に開創した寺だ。
    とりあえず庭園へと向かいうと、偃月池に架けられた渡り廊下と建物が見えた。
    その渡り廊下の途中には観月台があり、北政所(高台院)は、秀吉を想いながらここで月を眺めたらしい。
    その先の建物は、北政所の持仏堂だった開山堂で、建てられたのは慶長10年(1605)。
    天井には秀吉の御座船と北政所の御座車の天井材が用いられているらしい。

    高台寺 寺・神社・教会

  • 中門から入り開山堂を拝観する。<br />東側には臥龍池広がり、その向こうには霊屋とそこへと登る臥龍廊が望めた。

    中門から入り開山堂を拝観する。
    東側には臥龍池広がり、その向こうには霊屋とそこへと登る臥龍廊が望めた。

  • 臥龍廊は、龍の背に似ていることからそう名付けられたそうだが、木々の中に続く屋根瓦が、地に臥した龍のように見えた。<br />その先の霊屋には、秀吉と北政所の木造が安置されていて、北政所の像の下は、墓所になっているらしい。<br />ちなみに、北政所は、慶長10年から寛永元年(1624)に没するまで、高台寺の塔頭圓徳院が建つ場所に、伏見城の化粧御殿を移築し暮らしていたそうである。

    臥龍廊は、龍の背に似ていることからそう名付けられたそうだが、木々の中に続く屋根瓦が、地に臥した龍のように見えた。
    その先の霊屋には、秀吉と北政所の木造が安置されていて、北政所の像の下は、墓所になっているらしい。
    ちなみに、北政所は、慶長10年から寛永元年(1624)に没するまで、高台寺の塔頭圓徳院が建つ場所に、伏見城の化粧御殿を移築し暮らしていたそうである。

  • 霊屋を拝観した後、裏手にある茶室傘亭を観に行く。<br />傘亭は、伏見城から移築されたもので、千利休の作と云われている。<br />中から見ると、竹と丸木が放射状に組まれていて、傘を開いたように見えるのでその名があるようだが、正式には安閑窟というそうだ。

    霊屋を拝観した後、裏手にある茶室傘亭を観に行く。
    傘亭は、伏見城から移築されたもので、千利休の作と云われている。
    中から見ると、竹と丸木が放射状に組まれていて、傘を開いたように見えるのでその名があるようだが、正式には安閑窟というそうだ。

  • その傘亭と土間廊下でつながっている二階建ての珍しい茶室があった。<br />時雨亭と呼ばれるもので、こちらも伏見城から移築されたものだそうだ。<br />傘亭と同じく千利休作と云われている。<br />外から観ると、茶室のようには見えなかった。

    その傘亭と土間廊下でつながっている二階建ての珍しい茶室があった。
    時雨亭と呼ばれるもので、こちらも伏見城から移築されたものだそうだ。
    傘亭と同じく千利休作と云われている。
    外から観ると、茶室のようには見えなかった。

  • 茶室のある小高い丘から下りて行く。<br />その道沿いは、苔生した地面や木立がとても印象的だった。

    茶室のある小高い丘から下りて行く。
    その道沿いは、苔生した地面や木立がとても印象的だった。

  • その途中には竹林があった。<br />竹林と言うものは、何とも言えない美しさがある。

    その途中には竹林があった。
    竹林と言うものは、何とも言えない美しさがある。

  • 臥龍池のところまで降りて来ると、池越しの臥龍廊と開山堂が見えた。<br />風情のある風景で、とても落ち着く。

    臥龍池のところまで降りて来ると、池越しの臥龍廊と開山堂が見えた。
    風情のある風景で、とても落ち着く。

  • 最後に、方丈前庭を観に行く。<br />その庭は、市松模様のような斬新な造りだったが、個人的にはあまり好みではない。<br />枝垂桜や勅使門にも似合っていないような感じだった。

    最後に、方丈前庭を観に行く。
    その庭は、市松模様のような斬新な造りだったが、個人的にはあまり好みではない。
    枝垂桜や勅使門にも似合っていないような感じだった。

  • その枝垂桜の周囲だけが、以前の枯山水の名残りがあった。<br />やはり、白砂だけのほうが趣がある。

    その枝垂桜の周囲だけが、以前の枯山水の名残りがあった。
    やはり、白砂だけのほうが趣がある。

  • 高台寺を後にして、今回の旅の目的地の一つ霊鑑寺へと向かう。<br />円山公園の中を通り、知恩院の前を過ぎると、右手に大きな樹が見えてきた。<br />見事な枝ぶりの楠で、2,3本あった。<br />この大楠が立つ場所は、代々皇族が門跡となる青蓮院の境内で、江戸時代に後桜町上皇の仮御所となったことがあるため粟田御所とも呼ばれているそうだ。<br />ちなみに、京七口のひとつ粟田口はこの辺りのこと。<br />刀の名工が住んでいたことでも知られている。

    高台寺を後にして、今回の旅の目的地の一つ霊鑑寺へと向かう。
    円山公園の中を通り、知恩院の前を過ぎると、右手に大きな樹が見えてきた。
    見事な枝ぶりの楠で、2,3本あった。
    この大楠が立つ場所は、代々皇族が門跡となる青蓮院の境内で、江戸時代に後桜町上皇の仮御所となったことがあるため粟田御所とも呼ばれているそうだ。
    ちなみに、京七口のひとつ粟田口はこの辺りのこと。
    刀の名工が住んでいたことでも知られている。

    青蓮院門跡 寺・神社・教会

  • 霊鑑寺は思ったよりも遠く、疲れてきた上に拝観時間のこともあり、粟田口近くの神宮道バス停でやって来たバスに乗ってしまった。<br />ところが、市営バスではなく京都バスだったため、目的のバス停を通らないことがわかり、途中の真如堂前バス停で下車。<br />運転手さんに教えてもらった道を歩いてようやく霊鑑寺に辿り着けた。

    霊鑑寺は思ったよりも遠く、疲れてきた上に拝観時間のこともあり、粟田口近くの神宮道バス停でやって来たバスに乗ってしまった。
    ところが、市営バスではなく京都バスだったため、目的のバス停を通らないことがわかり、途中の真如堂前バス停で下車。
    運転手さんに教えてもらった道を歩いてようやく霊鑑寺に辿り着けた。

    霊鑑寺 寺・神社・教会

    古都に佇む椿の名寺 by 旅猫さん
  • 霊鑑寺へわざわざ来たのは、椿で有名だったからだ。<br />親が椿好きなので、連れて来たかったのだ。<br />通常は拝観を受け付けていないのだが、春と秋だけ特別に入ることが出来る。<br />境内には50種ほどの椿があるらしく、なかなか見応えがありそうだ。<br />まず出会えたのは、月光(がっこう)と呼ばれる品種だった。

    霊鑑寺へわざわざ来たのは、椿で有名だったからだ。
    親が椿好きなので、連れて来たかったのだ。
    通常は拝観を受け付けていないのだが、春と秋だけ特別に入ることが出来る。
    境内には50種ほどの椿があるらしく、なかなか見応えがありそうだ。
    まず出会えたのは、月光(がっこう)と呼ばれる品種だった。

  • 手水鉢には、一輪の椿が。<br />ちょうど落ちたのか、それとも誰かが浮かべたのか。<br />とても絵になっていた。

    手水鉢には、一輪の椿が。
    ちょうど落ちたのか、それとも誰かが浮かべたのか。
    とても絵になっていた。

  • この寺は、後水尾院の勅許により、皇女多利宮を開山として、承応3年(1654)に創建されたそうだ。<br />代々皇女が入寺したことから、『鹿ケ谷比丘尼御所』とか『谷の御所』とも呼ばれている。<br />秋の紅葉も美しいそうだが、特別公開の期間が4日程度ととても短いらしい。<br />庭には、徳川11代将軍家斉から尼宮へ送られた大きな硯石もあった。

    この寺は、後水尾院の勅許により、皇女多利宮を開山として、承応3年(1654)に創建されたそうだ。
    代々皇女が入寺したことから、『鹿ケ谷比丘尼御所』とか『谷の御所』とも呼ばれている。
    秋の紅葉も美しいそうだが、特別公開の期間が4日程度ととても短いらしい。
    庭には、徳川11代将軍家斉から尼宮へ送られた大きな硯石もあった。

  • 歩いていると、とても綺麗な椿を見つけた。<br />その椿は、散椿という。<br />境内に何本かあったが、入口脇にあったものはかなりの樹齢のようだった。<br />その名のとおり、花の散り方も美しく、地面が桃色の絨毯を敷き詰めたようになっていた。

    歩いていると、とても綺麗な椿を見つけた。
    その椿は、散椿という。
    境内に何本かあったが、入口脇にあったものはかなりの樹齢のようだった。
    その名のとおり、花の散り方も美しく、地面が桃色の絨毯を敷き詰めたようになっていた。

  • 境内の一角に、ひと際背の高い椿の木があった。<br />これが、京都市指定天然記念物の日光(じっこう)椿だった。<br />後水尾院遺愛の椿とのことで、樹齢300年以上だそうだ。<br />この樹が、全国の日光椿の原種らしい。

    境内の一角に、ひと際背の高い椿の木があった。
    これが、京都市指定天然記念物の日光(じっこう)椿だった。
    後水尾院遺愛の椿とのことで、樹齢300年以上だそうだ。
    この樹が、全国の日光椿の原種らしい。

  • しかし、花が高い位置に咲いていて近くで見ることが出来ない。<br />カメラの望遠で撮ってみると、中心の花びらが閉じていて、しべが見えないのが独特のようだ。<br />花びらが痛んでいる花ばかりだったのが残念だった。

    しかし、花が高い位置に咲いていて近くで見ることが出来ない。
    カメラの望遠で撮ってみると、中心の花びらが閉じていて、しべが見えないのが独特のようだ。
    花びらが痛んでいる花ばかりだったのが残念だった。

  • 椿ばかり見ていたら、足元にも小さな花が咲いていた。<br />長寿桜と書いてあったが、桜と付いていてもまったく違う種類だった。

    椿ばかり見ていたら、足元にも小さな花が咲いていた。
    長寿桜と書いてあったが、桜と付いていてもまったく違う種類だった。

  • 近くに、深い色をした椿が咲いていた。<br />崑崙黒と言う品種で、藪椿とは違った濃い赤色が印象的だった。

    近くに、深い色をした椿が咲いていた。
    崑崙黒と言う品種で、藪椿とは違った濃い赤色が印象的だった。

  • 境内にはたくさんの椿があり、中にはとても古い樹もあった。<br />多くの椿に出会え、やはり訪れてよかった。<br />この寺は、いつかまたゆっくり訪れてみたい。

    境内にはたくさんの椿があり、中にはとても古い樹もあった。
    多くの椿に出会え、やはり訪れてよかった。
    この寺は、いつかまたゆっくり訪れてみたい。

  • 霊鑑寺で椿を堪能したので、あとは宿へ向かうだけ。<br />時間が許す限り歩こうと思い、哲学の道を散策。<br />銀閣寺は無視して、南禅寺の方へと歩いて行く。<br />桜も満開で、とても綺麗だった。

    霊鑑寺で椿を堪能したので、あとは宿へ向かうだけ。
    時間が許す限り歩こうと思い、哲学の道を散策。
    銀閣寺は無視して、南禅寺の方へと歩いて行く。
    桜も満開で、とても綺麗だった。

    哲学の道 名所・史跡

  • 30分ほどで南禅寺に着いた。<br />少しだけ立ち寄ることにし、境内を散策。<br />桜の季節の日曜日だというのに境内は静かだった。<br />やはり、人が少ないほうが落ち着ける。<br />参道の桜がとても綺麗だった。

    30分ほどで南禅寺に着いた。
    少しだけ立ち寄ることにし、境内を散策。
    桜の季節の日曜日だというのに境内は静かだった。
    やはり、人が少ないほうが落ち着ける。
    参道の桜がとても綺麗だった。

    南禅寺 寺・神社・教会

  • せっかくなので、三門を拝観することにした。<br />この門は、寛永5年(1628)に、藤堂高虎によって建立されたものだそうだ。<br />武家好みと言った感じの重厚な構えの門で、日本三大門のひとつだ。

    せっかくなので、三門を拝観することにした。
    この門は、寛永5年(1628)に、藤堂高虎によって建立されたものだそうだ。
    武家好みと言った感じの重厚な構えの門で、日本三大門のひとつだ。

    南禅寺 寺・神社・教会

  • 上から景色を眺めてみようと思い、楼上へと上がる。<br />しかし、残念ながら、ちょうど西日で綺麗な景色は拝めなかった。

    上から景色を眺めてみようと思い、楼上へと上がる。
    しかし、残念ながら、ちょうど西日で綺麗な景色は拝めなかった。

  • 南禅寺近くの蹴上駅から山科駅へ出れば良かったのに、持っていた地図が古すぎて、地下鉄が載っていなかった。<br />そのせいで、結局来た道を引き返して知恩院前に出た。<br />すでに閉門していたが、元和7年(1621)に、徳川秀忠によって建立された国宝の三門だけでも見られて良かった。<br />結局、京都駅へ出て、宿のある大津駅へと向かう。<br />さらに、大津駅の周辺に食事処が無く、コンビニ弁当をホテルの部屋で食べるという、久しぶりの失敗で一日が終わった。

    南禅寺近くの蹴上駅から山科駅へ出れば良かったのに、持っていた地図が古すぎて、地下鉄が載っていなかった。
    そのせいで、結局来た道を引き返して知恩院前に出た。
    すでに閉門していたが、元和7年(1621)に、徳川秀忠によって建立された国宝の三門だけでも見られて良かった。
    結局、京都駅へ出て、宿のある大津駅へと向かう。
    さらに、大津駅の周辺に食事処が無く、コンビニ弁当をホテルの部屋で食べるという、久しぶりの失敗で一日が終わった。

    知恩院 寺・神社・教会

  • 翌日、大津駅からJR線で山科駅へ出て、地下鉄東西線に乗り換えて醍醐駅へ。<br />駅から醍醐寺までは歩いて10分ほどだった。<br />ちょうど9時ごろに着いたのだが、入口にはすでに長い列が出来ていた。<br />その列の後ろに並んでみたが、そのまま入って行く人もいるので見に行ってみると、奥のほうに臨時の拝観券売り場があり、並ばなくてもすぐに入れることがわかり、列を離れて奥へと向かった。<br />境内に入ると、桜は満開でまさに見頃だった。<br />瓦屋根の土塀に、桜が良く似合う。

    翌日、大津駅からJR線で山科駅へ出て、地下鉄東西線に乗り換えて醍醐駅へ。
    駅から醍醐寺までは歩いて10分ほどだった。
    ちょうど9時ごろに着いたのだが、入口にはすでに長い列が出来ていた。
    その列の後ろに並んでみたが、そのまま入って行く人もいるので見に行ってみると、奥のほうに臨時の拝観券売り場があり、並ばなくてもすぐに入れることがわかり、列を離れて奥へと向かった。
    境内に入ると、桜は満開でまさに見頃だった。
    瓦屋根の土塀に、桜が良く似合う。

    醍醐寺 寺・神社・教会

  • 桜に包まれた桜馬場を歩き、西大門を潜る。<br />その先にあった清瀧宮のそばに、大きな枝垂桜があった。<br />均整のとれた姿でとても美しかった。

    桜に包まれた桜馬場を歩き、西大門を潜る。
    その先にあった清瀧宮のそばに、大きな枝垂桜があった。
    均整のとれた姿でとても美しかった。

  • その枝垂桜越しに見る清瀧宮本殿も綺麗だった。<br />清瀧宮は、醍醐寺の総鎮守清瀧権現を祀る鎮守社で、現在の社殿は永正14年(1517)に再建されたものだそうだ。

    その枝垂桜越しに見る清瀧宮本殿も綺麗だった。
    清瀧宮は、醍醐寺の総鎮守清瀧権現を祀る鎮守社で、現在の社殿は永正14年(1517)に再建されたものだそうだ。

    醍醐寺 寺・神社・教会

  • その先に、醍醐天皇の菩提を弔うため、朱雀天皇により承平6年(936)に着工し、村上天皇の天暦5年(951)に竣工した国宝の五重塔が建っていた。<br />かなり大きな塔で、高さは約38mあるそうだ。<br />建てられてから千年以上も経っていることを考えると、平安時代や鎌倉時代、もちろん江戸時代の人も見上げていたわけであり、それを自分も観ているということに何とも言えない感動がある。

    その先に、醍醐天皇の菩提を弔うため、朱雀天皇により承平6年(936)に着工し、村上天皇の天暦5年(951)に竣工した国宝の五重塔が建っていた。
    かなり大きな塔で、高さは約38mあるそうだ。
    建てられてから千年以上も経っていることを考えると、平安時代や鎌倉時代、もちろん江戸時代の人も見上げていたわけであり、それを自分も観ているということに何とも言えない感動がある。

    醍醐寺 寺・神社・教会

  • 向かい側には、醍醐天皇により延長4年(926)に創建された、やはり国宝の金堂もあった。<br />当時は釈迦堂と呼ばれていたそうだ。<br />現在の社殿は、12世紀に創建された紀州湯浅の満願寺の本堂であったものを、豊臣秀吉、秀頼によって移築されたものらしい。<br />醍醐寺の本尊である薬師如来坐像が安置されていた。

    向かい側には、醍醐天皇により延長4年(926)に創建された、やはり国宝の金堂もあった。
    当時は釈迦堂と呼ばれていたそうだ。
    現在の社殿は、12世紀に創建された紀州湯浅の満願寺の本堂であったものを、豊臣秀吉、秀頼によって移築されたものらしい。
    醍醐寺の本尊である薬師如来坐像が安置されていた。

    醍醐寺 寺・神社・教会

  • 金堂に隣接する不動堂や祖師堂などを観ながら奥へと向かう。<br />中には、凝った彫刻などもあった。

    金堂に隣接する不動堂や祖師堂などを観ながら奥へと向かう。
    中には、凝った彫刻などもあった。

  • そして、芽吹き始めたモミジに彩られた鐘楼を過ぎると、大講堂が見えてきた。<br />その脇では、山桜が咲いていた。<br /><br />※大講堂は、現在観音堂となっています。<br />

    そして、芽吹き始めたモミジに彩られた鐘楼を過ぎると、大講堂が見えてきた。
    その脇では、山桜が咲いていた。

    ※大講堂は、現在観音堂となっています。

  • 大講堂からは、池が望めた。<br />畔には桜が咲き、なかなかの眺めだった。

    大講堂からは、池が望めた。
    畔には桜が咲き、なかなかの眺めだった。

  • 池の畔に出ると、朱塗りの橋の袂に弁天堂が見えた。<br />桜に彩られた景色に、春の風情を感じる。

    池の畔に出ると、朱塗りの橋の袂に弁天堂が見えた。
    桜に彩られた景色に、春の風情を感じる。

    醍醐寺 寺・神社・教会

  • 池の反対側へ回ってみる。<br />そこから見ると、大講堂が大きく見えた。

    池の反対側へ回ってみる。
    そこから見ると、大講堂が大きく見えた。

  • 上醍醐へも行ってみたかったが、今回は親連れなので引き返すことにした。<br />西大門まで戻って来ると、桜馬場は物凄い人並だった。<br />この門は、豊臣秀頼が慶長10年(1605)に再建したもの。<br />安置されている仁王像は、もとは南大門に祀られていたもので、長承3年(1134)に仏師勢増・仁増によって造立されたものだそうだ。

    上醍醐へも行ってみたかったが、今回は親連れなので引き返すことにした。
    西大門まで戻って来ると、桜馬場は物凄い人並だった。
    この門は、豊臣秀頼が慶長10年(1605)に再建したもの。
    安置されている仁王像は、もとは南大門に祀られていたもので、長承3年(1134)に仏師勢増・仁増によって造立されたものだそうだ。

    醍醐寺 寺・神社・教会

  • 人混みを避けて、国宝の唐門や重文の本殿がある三宝院へ入ってみる。<br />入口辺りには見事な桜が咲き競っていたが、あまりの人の多さに参拝は諦めて、霊宝館の庭を観に行くことにした。<br />敷地内では、八重桜がもう咲いていた。

    人混みを避けて、国宝の唐門や重文の本殿がある三宝院へ入ってみる。
    入口辺りには見事な桜が咲き競っていたが、あまりの人の多さに参拝は諦めて、霊宝館の庭を観に行くことにした。
    敷地内では、八重桜がもう咲いていた。

  • 霊宝館の庭には、醍醐深雪桜と言う見事な枝ぶりの桜があった。<br />ただ、残念ながら、すでに見ごろを過ぎていた。<br />満開だったら、素晴らしかったことだろう。

    霊宝館の庭には、醍醐深雪桜と言う見事な枝ぶりの桜があった。
    ただ、残念ながら、すでに見ごろを過ぎていた。
    満開だったら、素晴らしかったことだろう。

    醍醐寺 寺・神社・教会

  • 霊宝館の庭から西大門が見えた。<br />桜が御簾のようでとても美しかった。

    霊宝館の庭から西大門が見えた。
    桜が御簾のようでとても美しかった。

  • 霊宝館の庭では、たくさんの桜が咲いていた。<br />花の盛りは過ぎていたようだが、それでも綺麗だった。<br />満開であれば、見事であっただろう。

    霊宝館の庭では、たくさんの桜が咲いていた。
    花の盛りは過ぎていたようだが、それでも綺麗だった。
    満開であれば、見事であっただろう。

  • 歩き疲れたので、少し休憩することにした。<br />境内にあった茶屋で、元祖『ゆばまん』なるものを食べてみた。<br />肉まんでも焼売でもないというその味は微妙だった。<br />ちなみに、伏見桃山の生まれだそうだ。

    歩き疲れたので、少し休憩することにした。
    境内にあった茶屋で、元祖『ゆばまん』なるものを食べてみた。
    肉まんでも焼売でもないというその味は微妙だった。
    ちなみに、伏見桃山の生まれだそうだ。

    醐山料理 雨月茶屋 本店 グルメ・レストラン

  • 醍醐の桜も十分堪能したので、そろそろ帰ることにする。<br />桜に埋もれるような総門に、少し後ろ髪を惹かれるところだが。

    醍醐の桜も十分堪能したので、そろそろ帰ることにする。
    桜に埋もれるような総門に、少し後ろ髪を惹かれるところだが。

  • その総門から外に出ると、桃色の枝垂桜が咲いていた。<br />広い境内だったが、紅枝垂れが咲いていたのは、ここだけだった。<br />その後、地下鉄とJRを乗り継いで京都駅へ戻り、14:42発の『のぞみ364号』で京都を離れた。<br />念願だった醍醐の花見が出来たので、親も大喜びで良かった。

    その総門から外に出ると、桃色の枝垂桜が咲いていた。
    広い境内だったが、紅枝垂れが咲いていたのは、ここだけだった。
    その後、地下鉄とJRを乗り継いで京都駅へ戻り、14:42発の『のぞみ364号』で京都を離れた。
    念願だった醍醐の花見が出来たので、親も大喜びで良かった。

144いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

この旅行記へのコメント (12)

開く

閉じる

  • バリっ子さん 2011/05/10 10:29:40
    まぁ〜(*^_^*)
    東京からわざわざ醍醐の桜を見に来てくださるんですね。
    嬉しい・・・!
    リクエストしてくださったご両親様にお礼を言わなくっちゃ!!

    私が子供の頃、醍醐寺は拝観料が無かったんです。
    小学校の頃は毎年五重塔辺りで写生大会に始まり、高校の体育の授業の長距離走も醍醐寺境内・・・。学校を抜け出しては池の辺で鳩の攻撃をかわしながらお弁当を食べてました。
    ずぅ〜〜っと地元なので、拝観料を払うのが勿体無くて、今は娘と二人無料地区をブラブラ散歩してます(^^;)

    今度いらしたときは是非上醍醐まで登ってみてください。
    上まで登るのはちょっと大変ですが、五大力本尊がありますよ。
    五大力さん(2月23日)自体は下醍醐金堂であります。
    ちなみに、五大力さんの時は仁王門のところで払う拝観料は要りませんよ〜。


    そこそこの年齢まで、醍醐寺が観光スポットだと知らなかった バリっ子の妻 でした…

    旅猫

    旅猫さん からの返信 2011/05/14 10:48:32
    RE: まぁ〜(*^_^*)
    バリっ子の妻さん、こんにちは。
    書き込みありがとうございます!

    はい、1泊2日でふらっと。
    親におねだりされるとつい連れて行ってしまいます。

    拝観料が無かったというのは凄いですね!
    国宝建築まであるのに。
    境内でお弁当を食べていたというのが信じられません。

    上醍醐は、2,3年のうちに訪れたいと思っています。
    季節を変えて、秋の紅葉シーズンにでも。
    2月はちょっと寒そうなので(^^;

    旅猫
  • 義臣さん 2011/05/05 15:43:23
    高台寺さん
    高台寺さん

    以前は非公開で 特別の日だけの公開でした

    その頃の高台寺さんは質素で、、静かで、、

    素晴しいお寺さんでしたが、、

     現在は 正直、品が落ちたと言いたいです。

     それでも好きなお寺さんの一つですが。

                    義臣

    旅猫

    旅猫さん からの返信 2011/05/05 16:14:18
    RE: 高台寺さん
    義臣さん、こんにちは。
    お久しぶりです。

    高台寺さんは、以前は非公開だったのですか。
    さぞかし風情があったことでしょう。
    今は、門前が賑やかになったこともあり、静けさはあまり感じませんね。
    それでも、茶室のある辺りは鎌倉のような感じもしました。

    最近訪れて良かったお寺さんは、
    越前三国の瀧谷寺(たきだんじ)と但馬出石の宗鏡寺かな。
    先日訪れた宇治の興聖寺も良かったです。

    旅猫

    義臣

    義臣さん からの返信 2011/05/05 17:21:26
    RE: 高台寺さん
    宇治の興聖寺さん 懐かしい

    以前 平等院幾たびに寄ってきました

    今頃はツツジが綺麗でしょうね

    秋 文化の日には平等院へ行く予定をしているのですが

    体調がよければ、、です。

     懐かしい名前、、

    娘と行った時は 琴坂の小さな響きがきれいだった事を思い出します。


    >
    >                   義臣

    旅猫

    旅猫さん からの返信 2011/05/05 22:05:22
    RE: RE: 高台寺さん
    こんばんは。

    > 宇治の興聖寺さん 懐かしい
    義臣さんは、興聖寺さんへも行かれていたのですね!
    あそこの整然とした伽藍は魅力的でした。

    ツツジが確かに多そうでした。
    季節が変われば、また違った趣になるのでしょうね。
    琴坂の登りはとても感じが良かった。

    旅猫
  • yunさん 2011/05/04 15:55:49
    春の京都 
    旅猫さん

    掲示板へ初めてお邪魔します。yunと申します。
    私の方へもお出かけいただきありがとうございます。

    椿の「花色」がとても素敵です。
    もちろん「桜」は別格なのですが、最近は椿に関心があります。
    若い頃は好きでなかった花なのですが、好みも段々と変化する様で・・・
    品種もかなり色々あるようなので、今後ちょっと追いかけてみたいと思っています。

    霊鑑寺、拝見できる期間は極々限られているようですが、行きたい所「メモ」に加えました。情報ありがとうございます。

    私も東京人で・・・。
    桜の京都に出かけたいと思いつつ、毎年「また来年・・・」と繰り越しになっております。旅猫さんの写真で沢山楽しませていただきました。

    桜の国:日本  ずっと大切にしたいですね。
    また、お邪魔させてください。

    yun

    旅猫

    旅猫さん からの返信 2011/05/05 10:52:19
    RE: 春の京都 
    yunさん、初めましてこんにちは。
    書き込みありがとうございます。

    霊鑑寺の椿はとても良かったですよ。
    拝観期間が年数日ととても短いのですが、観る価値はあると思います。
    椿に興味がある人じゃないとどうかと思いますが。

    個人的には、藪椿が一番好きです。
    あの控えめながら真っ赤な花を付けるところが良い感じ。

    東京から京都は新幹線であっという間ですが、私も滅多に訪れません。
    いつでも行けるという思いが、逆に足を遠ざけているような。。。
    でも、行けば「さすが京都」と思うのですけどね。

    > 桜の国:日本  ずっと大切にしたいですね。
    同感です。

    旅猫
  • たらよろさん 2011/04/29 18:12:31
    ようこそ京都へ
    こんにちは〜旅猫様。
    2週連続で京都通いでしたか。。。
    今回は親御さんの要望にお答えしての京都桜見物ツアー。
    親孝行で素晴らしい★

    今年は京都も他の観光地と同じく
    震災の影響で観光客は少なく
    ホテルなども当日でも予約できるようなことを言ってましたが
    やっぱり取れない日は取れないんですね〜
    最初のランチといい、地下鉄のことといい、
    ちょっぴり残念な京都観光だったのかしら。

    高台寺のお庭はあまりお気に召さなかったようですね。
    私はあの市松模様が結構好きなんですよ。
    それぞれ好みや感性があるから面白いな〜なんて思いながら拝読させていただいてました。

    霊鑑寺っていう椿のお寺、知りませんでした。
    紅葉の頃も拝観できるんですか。
    ぜひうまくタイミングが合えば今年行ってみたいと思います。

      たらよろ

    旅猫

    旅猫さん からの返信 2011/04/29 18:26:38
    RE: ようこそ京都へ
    たらよろさん、こんにちは〜
    いつもありがとうございます!

    > 2週連続で京都通いでしたか。。。
    いえいえ、昨年の醍醐の花見ですよ(^^;
    ようやく連休で一息ついたので、
    昨年忙しくてUP出来なかった旅シリーズを作成し始めたのです。

    この時は、行く週に急遽決めたので、何もかもがドタバタで。
    おかげで、夕食がコンビニ弁当に(苦笑)

    > 私はあの市松模様が結構好きなんですよ。
    そうでしたか!
    今年は、どうも普通の白砂だけになっているみたいですよ。
    同じ場所に行っても、視点や感じ方が違って面白いですよね。
    他の人の旅行記を読んで、なるほどと思うこともしばしば。

    霊鑑寺は、哲学の道から少しだけ入ったところにあるのですが、
    今でも門主は宮様系統の方で、通常は非公開なのです。
    ただ、椿の開花時と紅葉の時だけ特別拝観があります。
    とても短いので難しいのですが。

    ぜひ、秋に訪れて紅葉の旅行記を見せてください!
    旅猫

    たらよろ

    たらよろさん からの返信 2011/04/29 19:16:57
    RE: ようこそ京都へ
    すみません〜〜

    日にちだけを見て今年だと思っちゃいました(笑)
    そういえば、去年京都のさくらを見に行ったとおっしゃってましたよね。
    去年ならこの時期にお宿の確保は不可能に近いですね〜〜
    それが今年は・・・・

       たらよろ

    旅猫

    旅猫さん からの返信 2011/04/29 19:21:13
    RE: RE: ようこそ京都へ
    今年は例年よりかなり人出が少ないようですね。
    東北の地震の影響は大きいですね。
    G.W.の弘前や角館はどんな感じなのでしょう?
    空いているなら、日本海経由で訪れてみるのもいいかな。

    旅猫

旅猫さんのトラベラーページ

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

この旅行で行ったスポット

この旅行で行ったグルメ・レストラン

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

タグから国内旅行記(ブログ)を探す

この旅行記の地図

拡大する

PAGE TOP