2011/04/02 - 2011/04/02
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旅人のくまさんさん
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豊田市民文化会館の展示室で行われていた慶派の仏像彫展の紹介です。旅行仲間のMrさんの作品を見るのが目的でした。今回は、弥勒菩薩像を展示されていました。自宅では、何人かの方に手ほどきをされているようです。数年前に拝見した十一面観音像の大作は見事でした。
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旅行仲間のMrさんの作品、弥勒菩薩像です。その周りには小さな仏像も一緒に飾られていました。韓国の国宝中の国宝、国立中央博物館の銅製の半跏思惟像も同じポーズですが、光背は残されていません。光背を入れることが、Muさんの一番の拘りだったかも知れません。
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弥勒菩薩像の正面からのアップです。ほぼ完成していますが、まだ少し手を入れたいとの話でした。材質は楠です。Muさんの説明をお聞きしながら、日本の伝統技術の伝承が難しくなった理由の一つが、尺貫法の廃止の話で共通しました。そのきっかけが、各部の寸法を決める時の微妙な寸法の話題でした。
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右斜め前からの弥勒菩薩像のアップです。最後の仕上げの前に、指が折れないよう、顔から切り離さないで置いたと解説されていました。木目を読んで鑿を入れる時の難しい部位の話等もお聞きしました。見た目では、見過ごしてしまう部位です。
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左斜め前からの弥勒菩薩像のアップです。光背もアップになりました。基本的には様式が確立した伝統技能ですが、Muさんなりの解釈を加えた造りのようです。その一つが光背です。意識して顔をふっくら目、お腹周りもふっくら目のようです。
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展示用の台座を兼ねた箱は、桐材を入手して、一晩で造ったと説明されていました。全体イメージとしては、韓国の国宝の半跏思惟像を意識されていました。箱の中には、その写真も収められていました。小さい仏像は、これから製作する仏像の胎内仏を意識されていました。
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親鸞上人像です。親鸞上人は、鎌倉時代初期の僧で、浄土真宗の宗祖とされます。親鸞は、法然を師と仰ぎ、浄土往生を説く真実の教えを継承し、さらに高めたとされます。私の祖父、祖母も江戸時代以前からの浄土真宗のお寺出身と聞いていました。そのことは、祖母の葬儀の時に集まられたお坊さんの数の多さで、改めて知りました。
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阿弥陀如来像です。阿弥陀如来は、大乗仏教の如来の一つであり、梵名の『アミターバ』、あるいは『アミターユス』の音写とされます。
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如意輪観音像です。観音菩薩の変化身の一つとされ、六観音の一尊に数えられます。如意輪観音像は、坐像または半跏像で、立像は少ないとされます。
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4点は、全て同じ方の作品です。左から観音像2体と阿弥陀如来、一番右が弥勒菩薩像です。一番右の弥勒菩薩像は、Muさんの作品と同系ですが、光背はありません。
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カラフルに彩色された大黒天像です。大黒天は、ヒンドゥー教のシヴァ神の化身であるサンスクリット語のマハーカーラの音写とされます。大国主命と神仏習合して出来た神道の大黒天は、七福神の一柱としても知られます。
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地蔵菩薩像です。地蔵菩薩は、サンスクリット語のクシティ・ガルバを語源とします。日本において地蔵信仰が広まったのは、浄土信仰が普及した平安時代以降とされます。また、道祖神と習合したため、日本全国の路傍で石像が多く見られるようになったようです。
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一対となった仁王像です。阿形と吽形像です。金剛力士像とも呼ばれます。原語は『金剛杵(こんごうしょ)を持つもの』とされます。金剛杵は、仏敵を退散させる武器の意味です。
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口を開けた阿形像のアップです。仁王像の名でよばれることも多い金剛力士像は、元々は、二王像とも呼ばれていたようです。
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口を結んだ吽形像のアップです。仁王像は風雨の影響を受け易い山門に多く置かれたため、保存状態の多い像は少ないようです。現存する造高8メートルの大作としては、建仁3年(1203)造立の東大寺南大門金剛力士像があります。この巨像は、平成の解体修理の結果、像内納入文書から運慶の葬式の下、快慶、定覚、湛慶(運慶の子)が小仏師多数を率いて、およそ2か月で造立したものであることが判明しました。
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釈迦如来像です。釈迦如来は、釈迦牟尼仏とも呼び、仏教の開祖である仏陀を仏(仏陀)として敬う呼び方とされます。
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釈迦如来像のお顔のアップです。代表的な四如来は、釈迦如来、大日如来、阿弥陀如来と薬師如来です。少し失礼な表現かも知れませんが、煩悩が浮かんだお顔のように窺われます。
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弘法大師像です。弘法大師は平安時代初期の僧で、空海と呼ばれました。弘法大師の呼び名は、醍醐天皇による諡です。真言宗の開祖です。
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弘法大師像のお顔のアップです。私の持論ですが、随分前から、世界の大天才は、モーツアルト、アインシュタインと空海と決めています。ただし、亡くなった祖母は浄土真宗のお寺の出身ですから、空海の密教とは相容れなかったようです。
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達磨大師像です。達磨大師は、南インドの王国の第三王子として生まれ、5世紀後半から6世紀前半中国で活躍した仏教の僧侶です。禅宗の始祖とされます。
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達磨大師のお顔のアップです。数珠が掛けてありました。小さい頃の思い出話です。近所で、竹林の侘び住いをされていた人の記憶があります。その方は、達磨大師の墨絵で有名な方ともお聞きしていました。小さい頃、その方の庭の竹を、竹鉄砲の材料に使おうと、こっそり伐りに行って見付かったことがあります。怒られるかと思って覚悟していたら、縁側に呼ばれて床の間の画を見せて戴いた記憶があります。亡くなられた時には、静かなお葬式のようでしたが、ずっと記憶に残っています。
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阿弥陀三尊像です。中央が阿弥陀如来、右が観世音菩薩、左が大勢至菩薩像です。阿弥陀如来が左右に菩薩を従えた姿です。
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阿弥陀三尊像の中央の阿弥陀如来像です。丁寧に製作された光背の透かし彫りです。楠を脱色したか、米松かも知れないとの説明をお聴きしたようです。
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聖観音像です。聖観音(しょうかんのん)は、梵名、アーリヤ・アヴァローキテーシュヴァラです。 『正観音』とも呼び、六観音の一つです。
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頭の部分だけ彩色された聖観音像のお顔のアップです。聖観音の像容は、1面2臂の菩薩形で、持物は左手に蓮華を持つのが一般的とされますが、変化形もあるようです。
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毘楼博叉天王(びるはくしゃてんのう)像です。千手観音を信仰する人を守る二十八人の眷属の一人とされます。
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毘楼博叉天王像のお顔のアップです。材料に楠を使用した場合、彫り進める内に顔の辺りに筋が入ったりするようです。その時には、脱色等の技法が使われるとも説明をお聞きしました。西欧の大理石像にも見かけることがありますが、この場合は、手直しの手立てはないようです。
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立体的に表現された飛天図です。『飛天』と言えば女性を連想しますが、男性像もありました。天使、天人、楽天、天男、天童、天衆、天女とも呼称されます。
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不動明王像です。不動明王は、五大明王の中心となる明王です。梵名は、アチャラ・ナータです。五大明王像は不動明王が中心に、東に降三世(ごうざんぜ)明王、南に軍荼利(ぐんだり)明王、西に大威徳(だいいとく)明王、北に金剛夜叉(こんごうやしゃ)明王を配する場合が多いとされます。
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魚籃観音(ぎょらんかんのん)像です。魚籃観音は、三十三観音に数えられる観音菩薩の一つとされます。同じ三十三観音の馬郎婦観音(めろうふかんのん)と同体ともされます。日本では、余り信仰の対象とされなかったようです。
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これで、慶派の彫刻展、『第八回一仏会展』の紹介はお終いです。入場料の代わりに東北沖大震災の義捐金を納めさせて戴きました。会場入口横で咲いていたサクラソウ(桜草)です。
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