2002/10/13 - 2002/11/08
65位(同エリア110件中)
kojikojiさん
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北キプロスのギルネ港からの船はタシュシュの港に定刻に着きました。入国手続きが済んで表に出ると、さあどうぞとばかりにセルヴィスのおじさんが待ち構え、案内されてオトガルへ向かいます。ここがどこだか分からないままに事務所でチケットを購入するとアンタルヤ行きは午後2時30分発との事でした。あまりにも簡単に事が運んでいきます。バスは40分遅れたけれど無事に出発しました日中は左手に続く美しい海岸線の景色を楽しみ、夕方になって車内ではミッションインポッシブルが上映されて映画を楽しみましたが、いくら走ってもアンタルヤには着きません。気が付くと写真で見たアランヤを通過していましたが、すでに午後10時を過ぎています。そしてまだ150キロ以上の距離がありことが分かりました。結局日付の変わった午前0時40分にアンタルヤのターミナルに着きました。タクシーでとも考えましたが、もうどうにでもなれ状態でオトビュスでカレイチまで出ました。1時を廻ってもウォッチタワーがライトアップされていたので自分がどこにいるのか分かりました。旧市街に入ると客引きから声を掛けられますが「トゥルク・エヴィに行きたいんだ。」と言うと親切に道を教えてくれました。真っ暗な道からようやくホテルの明かりが見えると、入口にマネージャーが立っていました。東洋人の顔を見て分かったのでしょう「遅いので心配していました。さあどうぞこちらへ。」彼は予約したけど何時に来るか分からない私を気に掛けて待っていてくれたのでした。緊張の糸が切れてホッとしました。アンタルヤの市内の観光が始まります。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 3.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 観光バス 船
- 航空会社
- アエロフロート・ロシア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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タシュシュの港から表に出ると目の前にセルヴィスが待っていました。オトガルでアンタルヤ行きのバスに乗ったまでは良いのですがいつまでたっても着きません。午後10時でも150キロ手前のアランヤでした。ホテルは予約してある上に北キプロスから宿泊日の変更までしてあります。結局オトガルに着いたのは午前0時40分で、そこからオトビュスで更に30分かけてカレイチの旧市街のウォッチタワー前で下車しました。ここから更に真っ暗な道を下って、城壁のホテルに着いたのは2時近かったと思います。真っ暗な道からホテルの明かりが見えたときにはホッとしました。それよりもマネージャーが心配して、表で手を広げて待っていてくれたことが感激でした。
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アンタルヤでの宿泊は旧市街の港の城壁に建つホテルで、トウルク・エヴィというお屋敷ホテルです。本館から中庭のプールを越えた別棟に泊まりましたが、各階に大きくて豪華なロビーがあって、部屋はその周りにありました。この頃はあまりホテルの部屋や食事は写真に残していませんでした。撮影枚数が限られていた悲しいフィルムカメラの時代です。
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カレイチ(城内)と呼ばれる旧市街のランドマークはイヴリ・ミナーレと呼ばれる高さ38メートルの先頭です。ルーム・セルジューク朝のスルタンであるカイクバード1世によって建てられたもので、市内を歩くための目印になります。
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昔のソヴィエトのロケットを思い出させるような形です。
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赤い瓦の甍がどこまでも続く美しい城内の旧市街の景色です。中国雲南省の麗江と並んで個人的にはベスト3に入る美しい街です。
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町の中心部にあるイヴリ・ミナーレ・モスクのエレガントなフルートのような形の尖塔は、セルジュク朝のスルタン・アラアッディン・ケイクバットゥによって13世紀に建てられたもので、アンタルヤのシンボルになっています。その先には彼位置の入口に建つ時計塔も見えます。
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アンタルヤはトルコのリビエラとも呼ばれ、地中海沿岸のビーチリゾートのメッカです。ヨーロッパ各地からチャーター便が飛んでくるので、空の上はにぎやかです。街の西側の砂浜の海岸線には巨大なホテルが立ち並らんでいますが、個人的には彼位置と呼ばれる旧市街のほうが落ち着きます。
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トルコを旅していると古い町並みでは必ず見掛ける出窓です。同じような建築様式はギリシャの田舎町を旅していてもよく見かけます。ギリシャとトルコは仲が悪いですが、建築や食文化などに似通ったところがたくさんあります。
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近代的なリゾートに宿泊して、旧市街にはちょっと足を運ぶ程度のようですが、ただ街歩きしているだけで楽しい街です。
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こんな人通りの少ない所に靴磨き屋さんがいます。でも、お客さんもちゃんといました。
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旧市街のあちこちで修復工事が行われていました。漆喰の塗り方は国が変わっても大体同じような工程ですが、中に混ぜるスサと呼ばれるつなぎ材は国や地域によって様々です。
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旧市街にはハドリアヌスの凱旋門があります。地中海世界を歩いていると古代ローマの彼の足跡を辿る事になります。ローマ郊外のティヴォリのハドリアヌス帝のヴィラを見て以来ローマ皇帝の中では親しみを持っています。
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130年にハドリアヌス帝がアンタルヤを統治した記念に、この美しい3つのアーチでおおわれた門が城壁の中に造られました。マリーナの近くにはこの門と城壁の他の部分を分ける2つの塔が今でも残されています。
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考古学博物館まではブラブラ海岸線を歩くことにしました。アタチュルク公園の広場には大きなモニュメントが置かれ、トルコの家族連れが記念写真を撮っていました。
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北キプロスから戻ったばかりなのでトルコの国旗が新鮮に見えます。
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アンタルヤ考古学博物館は見事な大理石像がありました。
これが第14代ローマ皇帝で帝国各地をあまねく視察して帝国の現状把握に努める一方、トラヤヌス帝による帝国拡大路線を放棄し、現実的判断に基づく国境安定化路線へと転換したハドリアヌス帝です。 -
まずは皇帝たちがどのような顔をしていたのかが気になりますが、次は衣服に目が行きます。ローマ人にとっての守護神は軍神マルスであり、マルスを象徴する赤はローマ軍人の誇りだったそうです。ローマ軍人の装備は基本的に自前で賄うものであったが、軍神の加護を願って茜染めのマント纏うことが半ばローマ軍団の制服のようになっています。皇帝の胴鎧になるとゴルゴンの顔や向かい合うグリフィンの姿も見て取れます。
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ミケーネ時代やヘレニズム時代の出土品の数々から始まり、古代ギリシャやローマ時代の彫刻の展示室が素晴らしいです。これは甲冑を身にまとったアテナで、胸にはゴルゴンの顔が見えます。これらの石像はアンタルヤ近郊のペルゲ遺跡で発掘されたものです。ペルゲ遺跡には翌日行く予定です。
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こちらはアフロディーテの姿です。ヘシオドスによればクロノスによって切り落とされたウラノスの男性器にまとわりついた泡(アプロス)から生まれ、生まれて間もない彼女に魅せられた西風ゼフィロスが彼女を運び、キュプロス島に行き着いたといわれます。彼女が島に上陸すると美と愛が生まれますが、キュプロスとはキプロス島のことで、南側にはペトラ・トゥ・ロミウという美しい海岸があり、ここがアフロディーテが流れ着いたところと言われています。
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ローマの女性は髪を長く伸ばしてギリシア婦人のように結いあげていたそうです。ギリシア人は愛と美の女神を美しい金髪と想像していたが、ローマ人も波打つ金髪の女神のイメージを引き継いだようです。ローマでは身分の上下を問わず婦人たちは髪の脱色に励みんでいたなんて現代と変わらないですね。
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ローマの男性は、はじめ長方形もしくは半円形のウール布を体に巻きつけていた。これは、女性や子供も同じであったようで、トガの原型であった。トガは徐々にローマ市民の身分標識として複雑化して、トゥニカという簡素なチュニックが日常着となったそうです。
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胴鎧のゴルゴンの顔と向かい合うグリフィンのデザインは魔除けの意味があったのでしょうか。ナポリ考古学博物館の有名なアレクサンドロスのモザイクの胸にもゴルゴン(メドゥーサ)の顔があります。
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数々の彫刻も素晴らしいのですが、今回の旅では棺の美しさにも惹かれました。ここにはリキア地方で発掘された石棺が数多く並んでいました。面白い顔はギリシャ喜劇の仮面のようです。翌々日に行った力也の6大都市のひとつのミュラの遺跡でも同じようなものを見ました。
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見事な彫刻が施された石棺はほとんど完全な形で残されています。翌々日には海中に沈んだ石棺も見に行き、その海で泳ぐことになりました。
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メデューサ(ゴルゴン)の顔であろうレリーフで覆われています。イルカはアポロンやアプロディーテやディオニュソス、ポセイドンやアムピトリーテの聖獣とされ、古代ギリシアにおいてイルカを殺すことは重大な犯罪とされていました。
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アナトリアに海の民が進出してヒッタイトが滅亡した頃、その一派が逃げ込んだと言われる地がリキヤ地方です。トルコの南海岸のフェティエからアンタルヤにかけた一帯を指し、紀元前5世紀以降の遺跡が残されています。
紀元前545年頃にペルシア軍に占領されたリキヤは、後にアレキサンダー大王に解放されてギリシアやのちのローマの影響が濃くなったようです。 -
死者を弔う目的のものなので、彫刻もどことはなしに寂しそうな表情です。
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棺の上蓋には仲睦まじい夫婦の彫刻が施されています。このような棺はイタリアのエトルリア彫刻でも多く見ることが出来ます。
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故人の人生を現しているであろう彫刻も多く見られました。子供用の小さい棺を見ると、両親がどのような思いで棺を誂えたのだろうと胸が締め付けられる思いがしました。
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ホメロスはイリアスの中で、ゼウスの盾アイギスに固定されているゴルゴンの首について描写しています。アイギスはゼウスの持ち物であり、へパイストスがゼウスのために制作したものであると。アイギスについては諸説あり、後世の神話ではアテナのアイギスは女神自身がゴルゴンを倒した際に、その皮を剥いで作ったものだと語られています。その盾を掲げる女神の姿も石棺に彫られていました。
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棺に描かれた物語が読み解ければ楽しいだろうなと思いました。1か月近くの旅で、持って行ったフィルムの残りが気になるころで、だんだん写真の数が少なくなってきました。
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2時間ほど博物館の見学をした後はトラムの終点まで歩いてみました。
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トラムは古いものですが、きれいにラッピングしてアンタルヤ周辺の観光ポイントが一目で分かるようになっていましたが、フォトジェニックではありません。
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アタチュルク公園の展望台からコンヤアルトゥ・ビーチやララ・ビーチの美しい海岸線が見渡せました。
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もうすぐ11月を迎えようとしているトルコの地中海沿岸の海岸です。ヨーロッパの主要都市からはチャーター便が毎日のように飛んできます。イタリアや南仏やスペインやギリシャと同じようなリゾートでのヴァカンスが半額以下で楽しめるのですから。
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そして手つかずの自然はあまりにも美しいのです。
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保護者の姿が見えないけれど、危ないから気をつけてね。手すりの向こうは上の写真のような断崖絶壁です。
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サズ(Saz)はペルシアやアゼルバイジャンやトルコなどで一般的な、長いネックを持つリュート属の撥弦楽器です。ブズーキと同様に古代ギリシアのパンドゥーラの子孫の1つで、主にアゼルバイジャンとトルコ国民音楽で用いられる楽器です。ギョレメ郊外の教会遺跡の係員のお兄ちゃんに弾いてもらったのが遠い昔のように思えます。
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カレイチの港の先まで行ってみました。城壁の裏側がトゥルク・エヴィホテルです。北キプロスのキレニア港にも似た気持ちの良いマリーナです。
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ここの桟橋に男たちがたむろしていますが、何をしているのかは不明です。
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そろそろ夕方なので漁から戻る船も見掛けられます。
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ホテルの近くでペンダントを作ってくれる人がいました。名前も彫ってくれるので甥っ子と姪っ子のお土産にいくつか作ってもらいました。
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1個200円くらいでした。ネコとカメが好きな姪っ子と甥っ子にはヘビにしました。
アンタクヤの旅はまだまだ続きます。明日からは郊外の1日ツアーが始まります。
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