2003/10/07 - 2003/10/28
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kojikojiさん
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翌日のサンマルコ広場は水に沈んでいました。アクア・アルタと呼ばれる高潮です。ここまで大きなものは初めて見ました。下水道からゆるゆる水が逆流してきます。汚水ではないので奇麗な水です。
鐘楼の上から見ると本当にサンマルコ広場は水没しそうでした。下に気を取られているとガランガランと時を告げる鐘が鳴ります。この鐘の音は巨大なので鼓膜が破れそうになります。お昼は前回の旅でも通ったサン・トラヴァソというトラットリアに行きました。本当にここは何を食べても美味しいです。食後にはトリエステのレストランで教わったグロッピーノというカクテルを頼んでみたらちゃんと出て来ました。ウォッカとソルヴェ・リモーネをミキサーにかけただけのものですが絶品のおいしさです。
夕食は思い出のイタリアンレストラン協会(まだあるのでしょうか?)の本に載っているポステ・ヴェッキエ。この店ももう3度目でしょうか。入って左側の暖炉のある部屋がお気に入りです。前は名物料理のウナギの煮込みを注文するとリアルト橋とウナギの絵が入ったお皿をくれたのですが、その時はありませんでした。認定から外れたのかそのシステムが無くなったのか拙いイタリア語では聞き取れませんでした。
ヴェネツィア最後の日はムラーノ島の友人に会いに行きました。デザイン画を元に作家さんに忠実に伝えて思い通りのヴェネツィアンガラスを造ってくれるマルチェッロとローザ夫妻に会いに行くためです。前回のお礼に伯父の澤村陶哉の造った鉢をプレゼントしました。いたく感激してくれましたが、流石にガラスを扱う人たちで「この器は目で見た重さより軽い。」と言われた時は驚きました。同じ事を祖父も大伯父も言っていた事を思い出しました。スプマンテをいただきながら、前回の旅で夜中にホテルでデザインを考えて、船に乗ってこの店に何度も通ったのを懐かしく話しました。
帰り際に二人から妻へ沢山のお土産を頂きました。この人はいろいろな旅先でいろいろな物を貰う不思議な人です。いよいよ明日からクルーズが始まります。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 船
- 航空会社
- アエロフロート・ロシア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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旅先から絵葉書は毎日出しています。これは長年の習慣で800枚くらい送って届かなかったことはありません。ドロミテの旅の終わりにヴェネツィアから出した絵葉書は誤って破られていました。その葉書をホチキスで止めて、封筒に入れて、おわび状と共に届いたこともありました。
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今日もリド島の波止場からヴァポレットで出勤です。
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この日も少し手前のジャルディーニでヴァポレットを降りて歩きます。
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この辺りから水位が高いことに気が付きました。
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あれれれ???サンマルコ広場に近づくと沈没しています。
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ヴェネツィア名物のアクア・アルタです。
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サンマルコ寺院の入口は凄い人出です。一度入り口まで行ったのですが、荷物も預けなければならないと言われたので中に入るのは諦めました。
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広場に面したカフェは開店休業状態です。
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一応警察官が出て交通整理をしています。
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遭難した若者たちの運命は風前の灯火のようです。
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サンマルコ寺院が水面に映り込んで美しいです。
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お店が開いていてもそこまで行けません。お店の人も諦め顔です。でもさすがイタリア人は長靴でさえ似合います。
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水没した広場の全景です。
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これで人がいなかったらすごい景色だと思います。
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濡れないように歩いていって、妻に立ってもらいました。
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下界で水が出ているなら高い所へ行きましょう。エレベーターで昇った鐘楼は空いていました。美しい景色が広がります。
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サン・ジョルジョ・マッジョーレ島の向こうにリド島が望め、その向こうにアドリア海までもが望めます。
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サンマルコのライオンも水から逃げて柱の上に登っているようです。
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水没を免れた一列で日向ぼっこをしている人が見えます。
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ムーア人の鐘は水没の心配はありません。
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こちらのカフェの営業は絶望的です。
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塔を降りて水没の心配のないエリアを散歩します。
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水の被害の無いアカデミア橋の方へ行きます。
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橋の下をゴンドラが流れていきます。
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客待ちのゴンドリエーレも警察官も時間を持て余しています。
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ぷかぷか浮かぶゴンドラも昼寝しているようでもあります。
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お昼はゴンドラ造船所の前のトラットリア、サン・トラヴァソです。
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まずはアンティパスト・ミスト。美味しいシーフードが並びます。
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ヴェネツィアに来たらイカ墨パスタは食べないといけません。
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4種のチーズのニョッキ。幸せです。
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食後はグリッピーノ(Sgroppino)というカクテルをいただきます。トリエステのレストランで教えてもらって以来のお気に入りです。
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トラットリアを出てアカデミアの裏側のザッテレに出ました。こちら側は人通りも少なくて落ち着きます。
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そしてそのままサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会まで足を延ばします。
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パラディーオの建築です。ここから橋を架けて教会まで歩ける日があるそうですが渡ってみたいです。何度もヴェネツィアには来ていますが、ジュデッカに渡ったことはありません。
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ぶらぶら歩きながらサンマルコ近くまで戻ってきました。
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この辺りでは毎回写真を撮っている気がします。
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サンマルコ広場では退役軍人の演奏が行われていました。
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何かのチャリティーだったのかもしれません。
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サンマルコ広場の落日はヴェネツィアの現状と重なって寂しげです。
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アクア・アルタの水はすっかり引いていました。
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夕焼のサンマルコ寺院は美しいです。
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このアングルで眺めると冨田勲の「展覧会の絵」のジャケットを思い出します。
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ヴェネツィアは日が落ちると昼間とは違ったエレガントな街に変わります。
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昼間通っても濁った水の脇を歩いているだけですが、お店に灯がともると全く違う姿を見せてくれます。
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何度来ても飽きることのない街だと思います。
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妻はディズニーシーに行きたいと言っていたのですが、ヴェネツィアのディズニーショップでいいでしょう?
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この日は魚市場の横の細い運河を渡ったお店でディナーです。
かれこれ18年通っているポステ・ベッキオというレストランです。 -
以前はここで名物のウナギ料理を食べると郵便局員の帽子を被ったウナギとリアルト橋のイラストが描かれたお皿がもらえました。今ではガラスケースに入って壁に飾られているだけです。ツーリストイタリアの思い出のイタリアンレストラン協会ってどうなったのでしょうか?ミシュランより面白かったのですが。96年版の本は今でも大切に残してあります。
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一番好きな入って左側の部屋にしてもらいました。
暖炉のある落ち着いた雰囲気です。お店でくれる絵葉書もこの部屋です。 -
デザートまで写真を撮るのを忘れていました。この店でもグロッピーノを注文してみました。店によって微妙に違いがあります。とっても美味しゅうございました。
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毎晩同じようなところを歩いている気がします。ヴェネツィアで食事というとリアルとの近くになってしまいます。
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リアルト橋の中側の天井です。昼間は店が開いているので分かりませんがとても奇麗です。
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リアルト橋からヴァポレットに乗ってリド島まで戻ります。
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カナル・グランデ沿いのお屋敷が美しくライトアップしています。
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夜のカナル・グランデのライトアップクルーズは水上バスでお手頃に楽しめるのでお勧めです。
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グッゲンハイムを越えるとカナル・グランデを出るので風が強くなり寒さを感じます。
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毎朝早くにリド島を出発して、夜遅くに戻る毎日です。
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翌日も高潮の影響が残っています。リド島からいつものようにリアルト橋まで出て、歩いて市場へ向かいます。
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地元のおばさんたちがお買い物中です。階段の多いヴェネツィアの町では買い物のカートやベビーカーは大変そうです。
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この無垢材の刳り貫きのお盆が欲しかったのですが…。
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市場もピーク時間を過ぎて落ち着いた雰囲気です。
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ポルチーニの季節ですね。乾燥したポルチーニ茸を戻した時の濃厚な味も良いですが、生のポルチーニを炭焼きしてオリーブオイルをちょっと垂らして岩塩を振ってパクッと食べたいですね。
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FAVEとはそら豆という意味で、このお菓子はそら豆のような大きさのクッキーです。色は白とピンクとブラウンの3色と決まりがあります。
イタリアでは11月1日は「諸聖人の日(Ognissanti)」、11月2日は「故人の日(Giorno dei Morti)」という祝日があります。このお菓子はこの時期にトリエステで食べられるものです。白はバニラ味で誕生を意味して、ピンクはバラ味で人生を表し、ブラウンはココアの味で死を表しています。
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市場の脇からトラゲットと呼ばれる渡船で対岸へ渡ります。座るゴンドラに乗ったことはありませんが、この立ち乗りのゴンドラには何度も乗った事があります。
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ほんの数十円で乗れるヴェネツィアで一番安いゴンドラです。妻にもこれで我慢してもらいます。
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ヴェネツィアに初めてきた91年の9月最初の日曜日、市場の特等席に座って観たレガッタ・ストリーカの風景は忘れる事が出来ない思い出です。大運河を中世の船が中世のコスチュームに包まれた人達を乗せて行き交う姿は素晴らしかったです。周りから拍手が上がると、それに応えるように全員がオールを垂直に立たせます。感動して涙が出そうになりました。
フォンダメンタ・ヌォーヴォまで裏街を歩いてブラーノ島行きのヴァポレットに乗ります。 -
ムラーノ島のファーロ灯台のある桟橋で船を降ります。
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ムラーノ島の運河沿いはレストランと土産物屋以外は全てヴェネチアンガラスの店と言って過言はありません。初めてこの島へ来たのは91年の旅で、サンマルコ広場から飛び乗ったヴァポレットで日本人の女性の方と知り合いました。一緒にお昼をいただいて半日ご一緒させていただきました。数年後に連絡をいただき、銀座で開かれたその方の写真展にもうかがいました。「私の愛するイエメン」という写真集もいただきました。杉村公子さんという方でした。
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妻はジェラートを必ず二つ買って、交互に食べてから片方をくれます。それって…。
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マルチェッロとローザ夫妻と再会です。ヴェネツィアでガラスをオーダーする時はこの店でお願いします。お気に入りはカルロ・トージさん、カリメーラ(キャラメル)と言うニックネームを持つ人です。この人にお煎茶用の茶碗とか茶卓などを作ってもらいました。イタリアリラ時代はお手頃値段でしたが、ユーロ時代はイタリアでの買い物は暗黒の時代かもしれません。
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「アンブラ」「トルネ」「オーロ」なんて単語とスケッチ画を挟んで茶色だ捩じだ金粉を入れてだのゼスチャーを交えたやり取りは楽しいものでした。茶碗の高台を説明するのがとても難しかったのを覚えています。そんな話をしながらスプマンテを1本いただきました。妻は上等のペパーウェイトを幾つも貰いました。この人はどこの国に行ってもいろいろ貰える羨ましい人です。
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別れ際にマルチェッロは小さな緑色の一輪挿しをくれました。裏にはCDと彫ってありました。「君の好きなカリメーラが造ったものだよ。CDはクリスチャンディオールの頭文字で、ディオールが自分の別荘用に食器を造らせたときのサンプルだよ。」これは今でも我が家の宝物です。
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彼らには京都の叔父が造った菓子鉢をお土産に持って行きました。とても喜んでもらえました。手に持った瞬間にマルチェッロが「これは見た目と手に持った重さが違うんだね。」と言いました。これには驚きです。祖父や大叔父から「良い器は料理を盛った時の重さと目で見て感じた重さが同じでなければならないんだ。」という話を何度も聞いていたからです。
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ムラーノ島からの帰りの船で夕日を見ていたら涙が出てきそうでした。
いろいろな出会いと別れがあるから旅はやめられません。
いろいろな国で親切にしてくれた人の顔が走馬灯のように思い出されました。 -
ムラーノ島とブラーノ島ともしばらくお別れです。
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そして翌朝はヴェネツィアともお別れです。お世話になったヴィラ・アルベルティーナで記念に写真を撮りました。
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リド島から1番のヴァポレットでローマ広場まで行きましょう。
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カナル・グランデともお別れです。
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何度見ても桟橋に停船するときのロープ捌きは上手です。
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この度の後はヴェネツィアに行く機会がありません。
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これから東地中海のクルーズが始まります。旅はまだ始まったばかりです。
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