はちのすけさんのクチコミ(133ページ)全3,564件

　東寺の石碑が並ぶエリアにあるが「なんだこれは」という感じだ。「仏頂尊勝陀羅尼」は厄災をのぞく呪文で、妖怪や魔物の難から逃れることができるという。碑には円を描くように梵字で刻まれており、オーラ満点だ。もともとは幕末に北野天満宮に建立されたが、神仏分離令で東寺に移転されたという。土台はこうした石碑でよく見かける「亀」だ。が、今回初めて知ったが、これは中国の想像上の生き物で「贔屓」というらしい。土台になる時は「亀趺」と呼ばれる。贔屓は重たいものを背負うのを好むとされ、よく台座になるらしい。それにしてもこのエリアは「濃い」ものが多い。

　六孫王神社の境内摂社だ。六孫王は清和源氏の源流である源経基のことで、この神社は経基の屋敷跡だという。経基は嫡子の満仲が生まれた時、井戸の上に弁財天を勧請し、安産を祈願して産湯に使った。この時に勧請されたのが誕生水弁財天社だ。また、かつて隣接地に大通寺があり（現在は移転）、小泉八雲作『怪談』の『弁天の同情』の舞台とされるが、ここに出てくる「弁天」はこの弁天さんだ。境内摂社と書いたが、規模は大きい。池に太鼓橋がある風情はもう一つ別な神社があるのではないかと思わせる構えだ。さらに誕生水は古くから京都名水の一つとされる。

　窮屈な感じの柵に囲まれた一見何ということはないような石だ。由来不明なので「天から降ってきた」との意味で天降石と呼ばれる。石をなでて、その手で自分の体の悪い部分をさすると快復するという。なで仏と同じような効能があるらしい。あまりオーラを感じないが、やはり東寺のパワーがなせる伝説なのだろう。

　ＪＲ岡山駅の駅前通りだ。岡山駅東口から通りが突き当たる城下通り交差点までの約１キロで、正式には県道４２号と２７号。岡山市が１９８４年度に初めて実施した通りの愛称募集で「桃太郎大通り」に決まった。自動車・バスだけでなく、岡山電鉄も路面電車を走らせている併用道路だ。城下交差点前には地下駐車場もある。岡山城・後楽園へ向かう道であり、表町商店街や繁華街への動線など観光道路としても有用だ。路面電車がある関係上、通行ルールが少しややこしいので、注意が必要だ。

　正面入り口から入ると右側に見える建物群の一つだ。藩主の居間であり、賓客をもてなした建物で、ここから見る風景を中心に池泉回遊式の庭園が築かれている。１９４５年の岡山大空襲で焼失し、１９６０年に再建されたが、第一級の木材と技術で築庭当時の間取りに復元したという。また、借景を保全するため、市の景観条例もある。上がることはできないので「殿様の景色」は堪能できないが、ここから見る風景が園内の基準なのだ。

　本丸の東端にあり、本丸で唯一戦災を免れた建築物だ。国の重要文化財に指定されている。城壁の外から見ると二階建てだが、内側から見ると三階建てだ。城壁外から見えない一階は貯蔵庫だが、有事の際には出入りもスムーズな仕掛けが施してあるという。その一方で、月見櫓という名称が語るように風雅を楽しむ細工もあり、和戦両様の構えだ。見学ルートからは少しそれているが、近くには丁寧な説明版もあり、価値を十分に感じられる。

　とわのみち、と読むという。2000年から2001年にかけて広島市のミレニアム事業のひとつとして、整備されたものだ。元安川左岸から平和大通りにかけて、ガス灯やメッセージ灯、ローポール灯などが設置された。個性的な夜の景観を創出している。

　江戸時代初期に創建されたお寺。創建と同時に法華経の守護神である稲荷大明神も勧請されており、当時は本堂以外に六つのお堂があったという。その後、火災や戦火の影響で縮小し、稲荷大明神のお堂が残るばかりとなった。法華経の場合、稲荷を「とうか」と読むことから、寺院そのものと大祭を「とうかさん」と呼ぶようになった。原爆で焼失し、現在は新しい建物だ。参拝記念品がいろいろとある。

　原爆投下当時、周囲には防災対策のために疎開を禁じられた医療関係者が2400人近くおり、大多数が被ばくしたという。被ばくした医者でも医療に従事した者もいた。モニュメントは祈りをささげる手を表現しており、平和大通りの沿道にある。かなり目立つ存在で、そばの石碑を読むと胸がつぶれるような思いがする。

　「ちちをかえせ　ははをかえせ…」と「かえせ」のリフレインが胸をうつ。碑があるのは平和記念公園の一角だ。峠三吉は28歳で被爆し、終戦後は米軍占領下での原水爆禁止運動の先頭に立つ。やがて朝鮮戦争が激化し、米国大統領が「原爆使用もありうる」と声明。三吉は「原爆詩集」を発行し、抗議した。碑に刻まれた詩はこの詩集の序として書かれたものだった。場所は少しわかりにくい。被爆したアオギリを見た後、裏側の芝生をよぎるようにして歩いていると偶然見つけた。モニュメントではないので目立ちにくいが、文面は強烈だ。

　総務省中国総合通信局へ所用があり、路面電車の駅から向かう途中に目に飛び込んできた壁画だ。最初は拘置された人々の更生の絵画か、と思ったが、著名な画家の作品のようだ。巨大なコイがうねり、擬人化した動物が仮装行列など人間の営みを再現する。絵巻物のようであり、どこか鳥獣戯画を連想させる大作だ。

　並木通りから少し入った所にある都市中心部の公園だ。ビルの谷間にぽこっと緑地があるタイプで、広場には遊具やベンチがある普通の公園だ。たまたま昼食時に訪れたが、サラリーマンやOLが食事をとる光景も。ただ、原爆投下地がすぐ近くで、園内には亡くなった人の慰霊碑が設けられており、やはり悲惨な歴史を現代に伝える側面を持っているようだ。

　広島城の裏御門跡近く、池田勇人元首相の像があるエリアにこの碑はある。現地に詳述した碑があるが、旧日本陸軍に対する知識がなく、今一つよく理解できない。ただ、西日本の軍事拠点として広島市とくに広島城付近にさまざまな拠点が集められていたことは間違いないようだ。それが原爆投下の遠因ともなったのだろうが、現地には被爆遺構として焼け残った門柱が保存されていた。

　広島駅南口地下広場はＪＲ広島駅から駅前方面へ向かう歩行者通路であるとともに、イベント会場となっている。大型スクリーンがあり、時折、催事をやっているのを見かける。そのホールの横にあるのが、この案内所だ。観光案内をはじめとする総合案内を行っており、広島市観光ホテル旅館組合に加盟する市内の宿泊施設の案内、空室状況の問い合わせも可能という。

　こども図書館・こども文化科学館の前庭のような位置にある。広島市とドイツ・ハノーバー市の交流のあかしとして造られた。両市は第二次世界大戦で徹底的に破壊された共通の歴史を持ち、姉妹交流を続けている。庭園はハノーバー市「ヘレンハウゼン公園」の花壇の一部を模しており、市の紋章を表現したという。庭園とこども図書館が織りなす景色は本当に美しい。

　毎年11月に行われる広島の三大祭りの一つ「えびす講」はここの神社の祭礼だ。市内の目抜き通り「えびす通り商店街」にある。本当に商店街に同化しており、大きなのぼりがなければ遠くからは神社だと分からないほどだ。境内と呼べるスペースもなく、純粋な観光目的だけで尋ねるには不向きかもしれない。

　この像があるのは広島市民球場跡地だ。周辺には広島カープの優勝をたたえる「勝鯉の森」や故衣笠祥雄氏の偉業をたたえるモニュメントなどプロ野球関連の記念碑が並ぶエリアだ。建立は2001年８月６日だ。米国の小学生たちが「原爆の子の像」の姉妹版をアルバキーニ市内に建設し「世界中に子どもの平和像を建てたい」と呼び掛けた。これに呼応した広島市の高校生たちが街頭募金や機関紙で呼び掛け、七百万円を集めて建立にこぎつけたという。テーマは「親子愛」で、手をつないだ二人の大人と駆け寄る子どもの姿をイメージした大小二体の像だ。また、広島には過去にも高校生たちの力で建立された原爆に関連するモニュメントがあると聞き、率直にすごいなと若者の力に感激した。

　パルコ本館や並木通り、お好み村などに囲まれたイベント広場だ。かつては都心部の危険ゾーンとして騒がれた時期もあったが、現在はイベント広場として機能している。定期的に催しが開かれているほか、待ち合わせ場所としても好適だ。

　ここを通りがかるたびに、これは一体何だろうと思っていたが、ちゃんと説明版が現地にあった。旧国泰寺は安国寺恵瓊が開創した寺院で、愛宕池はその当時から存在していた。広島城建築当時はこの辺りが海岸線で、海岸の岩を池の意匠にうまく使っているという。広島という城下町が誕生した時の状況が残っている遺構なのだ。

　大坂生まれの頼山陽が11歳から30歳までを過ごした頼家の屋敷があった場所だ。21歳の時に脱藩し、すぐに連れ戻され、廃嫡のうえ、屋敷内の一室に幽閉された。その部屋が「頼山陽居室」として国の史跡に指定され、館内に展示されている。不遇な時代と思いきや、その境遇が山陽を学問に集中させ、日本外史の草稿をここで書き上げたという。展示コーナーではそうした山陽の生涯が紹介されている。