2026/05/30 - 2026/05/30
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砂布巾さん
1940年10月15日 映画「独裁者」公開(映画、スイス)
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心からの感謝を込めて 砂布巾
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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*ヴヴェイの駅から212番のバスに乗って少々で到着 スイス国鉄の窓口では駅から駅だけでなく、バス停までのチケットも買えます そればかりかチャップリン・ワールドの入場券も買えるのです カウチでお世話になったホストからの情報です
チャップリンズ ワールド 博物館・美術館・ギャラリー
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*フランス語、英語、ドイツ語の順
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ヒトラーが生まれる4日前にロンドンの下町で生まれたチャップリン。2人が50歳を迎えた年の新聞に、次のような記事が載った。
「50年前の今週、チャールズ・チャップリンとアドルフ・ヒトラーがわずか4日の違いでこの世に生を受けたとき、神はひどく皮肉な気分だったようである……2人は、それぞれ自分なりのやり方で、社会の底辺で押しつぶされてもがいている大勢の人々の考えや気持ち、望みを代弁してきた。誕生日が相前後していることといい、そっくり同じ小さな口ひげをたくわえていることといい(ミスターチャップリンのほうはつけひげであるが)、2人は生まれながらにして、その天才の共通の原点を表出する運命にあったのかもしれない。なぜなら彼らがともに天才であることは否定できない事実だからである(以下略)」。
(ディビッド・ロビンソン著「チャップリン 下」文藝春秋社から)
芸術家と元芸術家志望の男2人が対決する日がやって来た。ここではチャップリンが「笑いものにしてやらなければならないのだ」(中野好夫訳「自伝」より)と語ったヒトラーとの対決を振り返ってみたい。 -
映画「独裁者」を家長知史著「映画で学ぶ世界史」(地歴社)から一部引用する。
「第一次大戦で敗戦国となったトメニア国には、戦後ヒンケル(チャップリン)という独裁者があらわれ、突撃隊を使ってユダヤ人を迫害していた。そんな時、戦傷を負って入院していたユダヤ人の床屋(チャップリン・二役)がユダヤ人街に戻ってきた。隣人たちは彼を温かく迎えてくれ、美しい洗濯娘のハンナ(ポーレット・ゴダード 3番目の妻)は小心ながら突撃隊員に立ち向かう彼に好意を示した。
https://www.youtube.com/watch?v=qgQGACVlkOk -
しかし、ユダヤ人に対する迫害がひどくなる中、彼は捕らえられ、収容所に送られてしまう。一方、ハンナたちも迫害を逃れてオストリッチに移住する。その頃、バクテリア国のナポロニがオストリッチ国境に軍隊を進駐させた。かねてからオストリッチを手に入れようとしていたヒンケルは、ナポロニをトメニア国に招き、威圧しようとするがうまくいかない。独裁者同士の張り合いの末、協定が結ばれるが、まもなくヒンケルは協定を破棄、オストリッチに進撃を開始した。折しも将校服を盗んで収容所を脱走した床屋は、オストリッチ国境でヒンケルと間違えられ、彼は護衛されてオストリッチに到着する。何万もの兵士と群衆が歓呼の声をあげて彼を迎えた。床屋はヒンケルとして演説しなければならなくなってしまった…」。
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ムッソリーニをモデルにしているナポロ二と張り合うシーンや地球の風船を飛ばしているシーンなど数々の名場面が登場する。風船が破裂するシーンは「お前は破滅するぞ」というメッセージだ。選曲がヒトラーの愛したワーグナーの作品であることは皮肉だ。また映画は「意志の勝利」のパロディ的側面も持つという。
チャップリンはヒンケルの衣装を着ると役になり切り粗暴になったという。オーストリア併合のエピソードも挿入されており、最後の演説はそれを受けての流れとなっている。演説の日本語訳をAsahi Video Libraryの字幕から紹介する。チャップリンは演説シーンのために初の本格的トーキー映画とし、「世紀の6分間」とも呼ばれる。特に後半部分は神がかっている。
https://www.youtube.com/watch?v=-jj-PaqFrBc -
なお最初の構想は親衛隊とユダヤ人がダンスを踊るものだったという。
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「申し訳ない。私は皇帝になりたくない。支配はしたくない。できれば援助したい。ユダヤ人も黒人も白人も人類はお互いに助け合うべきである。
他人の幸福を念願として、お互いに憎み合ったりしてはならない。世界には全人類を養う富がある。人生は自由で楽しいはずであるのに、貪欲が人類を毒し、憎悪をもたらし、悲劇と流血を招いた。
*残念ながらこれは同じ演説シーンでも「世紀の6分間」のものではありません
https://www.youtube.com/watch?v=xl2e69fEFf4 -
スピードも意思も通じさせず、機械は貧富の差を作り、知識をえて人類は懐疑的になった。思想だけがあって感情が失われた。知識より思いやりが必要である。思いやりがないと暴力だけが残る。航空機とラジオは我々を接近させ、人類の良心に呼びかけて世界をひとつにする力がある。私の声は全世界に伝わり、失意の人々にも届いている。これらの人々は罪なくして苦しんでいる。人々よ失望してはならない。貪欲はやがて姿を消し、恐怖もやがて消え去り、独裁者は死に絶える。大衆は再び権力を取り戻し、自由は決して失われぬ!
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兵士諸君。犠牲になるな。独裁者の奴隷になるな! 彼らは諸君をあざむき、犠牲を強いて家畜のように追い回している! 彼らは人間ではない! 心も頭も機械に等しい! 諸君は機械ではない! 人間だ! 心に愛を抱いている。愛を知らぬ者だけが憎み合うのだ! 独裁を排し、自由のために戦え。神の王国は人間の中にある! すべての人間の中に! 諸君の中に! 諸君は幸福を生み出す力を持っている。
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人生は美しく自由であり、すばらしいものだ! 諸君の力を民主主義のために集結しよう! よき世界のために戦おう! 青年に希望を与え、老人に保障を与えよう。独裁者も同じ約束をした。だが彼らは約束を守らない! 彼らの野心を満たし、大衆を奴隷にした。戦おう約束を果たす為に! 世界に自由をもたらし、国境を取り除き、貪欲と憎悪を追放しよう! 良識の為に戦おう。文化の進歩が全人類に導くように。兵士諸君、民主主義のために団結しよう」。
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少し時代を遡るがチャップリンが1932年に来日した際、危うく五・一五事件に巻き込まれそうになったが、相撲見物に行き難を逃れた。事件で犬飼毅首相が暗殺されたことによって政党政治が終わりを告げ、4年後の二・二六事件で軍部の政治支配が決定的となる。
彼の秘書は現在の広島市出身高野(こうの)虎市。彼は1921年から34年までチャップリンの秘書を務めた。後に日米開戦に至ると収容所に収容されている。 -
戦後になると、チャップリンは「共産主義者」の嫌疑をかけられ1952年にアメリカを追われ、晩年はスイスのヴヴェイで過ごす。チャップリンがアカデミー特別賞を受賞するため再度アメリカに渡ったのは、20年後のことだった。公民権運動やヴェトナム戦争を考えると、果たしてアメリカは本当に自由と民主主義の国なのだろうか?
*アカデミー特別賞の授賞式にて(1972) -
「百人の世紀」で取り上げられて間もない2000年にヴヴェイを訪問した。当時はレマン湖畔に像や自宅近くに名を冠した公園もある程度だったが、2016年にチャップリン・ワールドが開園したというので2026年に訪問した。ユーモアとペーソスの中に流れる彼の人間味、凄みを改めて感じた。(2000年7月28日,2026年5月30日訪問)
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*「キッド」(1921)
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*次の1枚とともに「黄金狂時代」(1925)から ロールパンを使った可愛いダンスのシーン
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*スケールが大きく、ハラハラドキドキのシーン そういえば革靴を食べるシーンもあったナ
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*次の写真とともに「街の灯」(1931)から 自ら「最も誇りに思う映画」と語ったという
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*感動的なラストシーン
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*ここからの3枚は「モダンタイムス」(1936)より 機械に吸い込まれるシーンが特に有名 機械が食事をさせるシーンは大爆笑だった 機械化が人間から仕事と人間性を失わせてしまう、いわば資本主義(機械文明)を批判的に捉えた映画でもあった
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*「ライムライト」(1952) 音楽も印象的 チャップリンはこの映画で熱演後舞台から落ち、ライムライトに照らされながらテリーの舞台を見終えて初めて自らが死ぬシーンを描いた ロンドンへの上映に向かう船の中でアメリカ再入国不許可の連絡を受ける
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*こちらが晩年を過ごした家 2000年の訪問の際に多分この家かなと思って見たと思う
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*家族の肖像
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*チャップリンとアインシュタインは相互に尊敬の念を抱き、深い友情で結ばれていた
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*最晩年の様子
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*庭をぐるっと一周できる
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*蛇足だけどヴヴェイの駅に回転寿司の店があった すし屋は多い(アジア系が経営していたりする)けど、回転寿司は初めて見たと思う
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*高野が実家近くの地元に寄贈した警鐘台の土台(広島市安佐南区八木で撮影)
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