2026/03/09 - 2026/03/09
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fmi(ふみ)さん
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この旅行記のスケジュール
2026/03/09
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ウイルス。
記憶に新しい2020年には新型コロナウイルスが発生し、我が国でもパンデミックが起こり多くの人が苦しんだ。
ウイルスが冒すのは人間だけではない。鳥インフルエンザ、鯉ヘルペス、多くの動物が度々のウイルスの流行により次々と命を落とす。いや、動物だけでなく植物も。
青梅市に存在する関東有数の梅の里、吉野梅郷。2009年、この梅里に梅が罹患する病気が発生。その名はプラムボックスウイルス感染症。梅に感染した前例はなく、またたくまにこの梅郷の梅の樹々は次々とこのウイルスに冒されていく。
法令に基づき、2014年、吉野梅郷の梅は全て、これ以上の流行を防ぐため「殺処分」されることになった。
青梅吉野の梅は死に絶えたのか。否! 青梅の街の人々は立ち上がり、梅郷の復興に手を尽くした。「青梅市梅の公園」と名付けられたその斜面に、2016年から梅の植林が始まり、それから10年。青梅の里に梅郷は甦った!
これは、青梅の人々による、疫病との闘いの記録。観光だけではく、「観影」も含めた記録だ。
復興しつつある吉野梅郷に梅満開の時期に訪問しました。若い樹々ばかり、それもまばらだ、弱弱しい。しかしそれは確実に山を白と紅に染めつつあります。人もコロナに屈しなかった。梅も負けません。よみがえった吉野梅郷を是非ご覧ください。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
イチオシ
. --梅の香りのしない春、花のない枝。それは、地域にとってあまりにも辛く、長い冬の始まりでした--
. --ようやく再植樹がスタート。まだ細く小さな苗木でしたが、そこには確かに「再生」への希望が宿っていました--
. --吉野梅郷に、あの美しい春が帰ってきて10年。長く辛い冬を乗り越え、地域の人々の手によって蘇った梅の里が、今年も私たちを待っています--
(「baigo.fun」より、https://baigo.fun/lp/ume-revival-10th) -
今回は総武線船橋駅から直通の特急あずさで立川まで向かい、そこで青梅線に乗り換えるルートを選ぶ。
早朝7時ちょっと前の船橋駅はあずさ、しおさい、と特急列車が雁行して走る。平日なので通勤客も結構乗る。
この千葉発松本行あずさ3号、便利なうえに富士急行線河口湖行きを3両増結してるので、外国人インバウンド客も多く乗車する。平日休日問わず、常に満席になる列車だ。この日も例外なく満席。早朝の千葉発あずさに乗車、平日でも混む by fmi(ふみ)さん特急 あずさ(スーパーあずさ) 乗り物
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だいたい船橋駅から1時間40分で青梅駅に到着。ここからは都バスで吉野梅郷まで行く。その方が青梅線で行くより楽なのだ。
青梅駅 駅
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青梅駅発吉野行都バスが来た。これで梅郷へ向かう。20分かかりません。
路線バス (都営バス) 乗り物
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渓谷状の多摩川を渡り、北岸の青梅街道から南岸の吉野街道へ行く。
吉野梅郷は多摩川の南岸にあるのだ。
青梅駅から先も北岸に国道411号、南岸に吉野街道と道は整備されている。御嶽の先の古里までそれは続くが、その先は411号に一本化される。なのでシーズン中は鳩ノ巣から奥多摩湖までは混むわけだが、トンネルも何本が掘られバイパスも整備されつつある。 -
吉野梅郷バス亭でバスを降りる。
-
バス停周辺の吉野街道から、もう山の斜面一帯の梅園がちらほらと見えていた。バス停から徒歩10分程度。
-
まずは、吉野梅郷梅の公園の全景を俯瞰して撮るために、北隣の山の麓にある、天澤院というお寺に登る。
このお寺、裏山周辺が野草園になっており、山の中腹に散策路があるうえ、至近に神社もあり、展望が良いのだ。 -
吉野梅郷は、本来梅の公園をメインに北に帯状に4kmほど梅の里が続き、民有地にも多く梅が咲いている場所だった。このお寺にも梅の木が数株植えてあったが昔はもっと樹が植えていたらしい。
プラムポックスウイルスという、バラ科の果実がなる植物に感染するウイルスにやられてしまい、ことごとく「殺処分」されてしまったのである。
なので、この吉野梅郷、梅が咲いていた場所が空き地、禿山になってしまったところが少なくはない。
この天澤院というお寺は、曹洞宗のお寺で、梅林山と号する。1590年を開山として慶長8年(1603)に創建したと言われる。天澤院 寺・神社・教会
-
この天澤院の裏山には天満宮がある。
天満宮とは菅原道真を祭神とした神社の総称。梅郷菅原神社とも呼ばれる。
この神社周囲も梅の木が何本か生き残っている。
この神社の境内からの眺めがなかなか良かった。
以降、紹介する。 -
梅の公園全体を神社から俯瞰。北東から南西方向を俯瞰している。
都立天満公園 公園・植物園
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西側にある梅の公園入口と詰所、売店など。駐車場もあるが広くはない。
手前の広場は天澤院の山野草広場。以前はここも梅園だったらしい。 -
イチオシ
西側斜面、山の斜面一帯が梅林になっている。奥の沢の頭が一番高い所。
色とりどりの花が咲いているが、樹々は若く、まばらだ。
1200本もの梅の木が植樹されたが、植樹から10年、2万5千を誇った頃に戻るのは道半ばか。 -
東側は丘陵上部に梅林がある。やはり、まだ若木か。
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菅原神社や天澤院にも梅の木が数本残っている。神社の梅の花越しに梅園をのぞむ。
天澤院は江戸時代初期の建立で、ここの菅原神社は、1561年、戦国時代の天澤院にも梅の木が数本残っている。神社の梅の花越しに梅園をのぞむ。
天澤院は江戸時代初期の建立で、ここの菅原神社は、1561年、戦国時代の頃の創建。
このあたりの村々の鎮守だったという。 -
山野草園内にはロウバイも咲いていた
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山野草園の梅越しの風景。
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神社の裏山斜面に散策路がある。そこから、JR青梅線石神前駅方向を望む。背後の山は雷電山に続く青梅丘陵で標高400mを超える。
ちなみにこの神社のあたりの標高は、240m。 -
梅の公園入口まで降りてきた。無料だった。休日は結構な人出だったらしい。
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案内看板。
沢の谷底が入口で、ここの標高は220mほど。梅の公園 公園・植物園
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梅の公園1
麓から見上げる -
梅の公園2
尾根筋に山を登っていく。 -
坂道を登ると多摩川沿いの街並みが見える
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尾根筋から一番奥の地点を見る。あの沢の頭が北側の一番高所。
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振り返り、先ほど来訪した天澤園と天満宮を望む
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イチオシ
紅梅
今は復興しつつあるこの梅園、この地の梅を10年以上前に襲った悪魔、それがウイルス。
ヒトの最大の天敵は病原微生物と寄生虫だと私は考えている。その中で最も特異で、最も怖ろしく、故に最も苛烈に生存競争と言う闘いを日々繰り広げている「物質」が「ウイルス」である。
ウイルスが病原体で何より特異なのは、奴らは厳密には「生物」とは言えず放射線のような「有害粒子」でもあるということだ。奴らは細菌と違い、自己増殖も自己代謝もしない。核酸とタンパク質の殻しか持たず、「細胞」ですらない。
奴らは核酸を宿主の細胞内に取り込むことで、細胞内で爆発的に複製し、細胞を破壊して外部に拡散し、それを凝り返していく。由来も不明な悪魔の粒子だ。 -
その爆発的な感染力により、一挙に病気を流行させ、宿主に甚大な被害をもたらすのは、数年前の「コロナ禍」で皆さんも強く記憶されているはずである。
コロナやインフルエンザだけでなく、MARS、SARS、天然痘、狂犬病、エイズ、エボラ熱、ポリオ、風疹、日本脳炎... どれもこれも人間の歴史において幾度も大流行を起こし、多くのヒトを殺してきた恐るべき天敵だ。
奴らには特に有効な治療薬も無いものが多い。予防接種だけが頼りのものも少なくない。発症すれば間違いなく死ぬ感染症もある。
奴らはヒトだけでなく動物や植物も殺す。「鳥インフルエンザ」の流行とそれに伴う感染家禽の大量の「殺処分」はよくニュースにもなるし、口蹄疫で死んでいく牛や豚、池や沼に大量に浮かび上がるコイヘルペスに冒されエラが破壊されたコイの死体....
ウイルスと言う悪魔に苦しめられているのは人間だけではないのだ。その悪魔は理不尽で、残酷で、にもかかわらず悪意も敵意も全く感じない、感情はもちろん命の鼓動すら感じない「粒子」なのだ! -
青梅は江戸時代より梅(梅干しなど)の産地であった。消費地である江戸から遠くなく、山の地形や気候が梅栽培に適していた。特に梅栽培が盛んだったのが、青梅市吉野地区であった。それが梅郷の由来である。
明治になり、その梅の花に注目した当時の吉野村長、鈴木隆之介氏は、明治末期に約1000本の梅の木を村内に植樹、従来からあった栽培用の梅と併せ、それが吉野村の観光地へと変わっていった。 -
大正8年には「吉野梅林」として東京都の名勝になる。
昭和に入り、1当時の青梅市長、石川要蔵氏が吉野地区の山斜面に梅の公園を整備する事業を行い、そして1972年に、この地に1500本もの梅を植樹し、「梅の公園」が開園した。周囲の個人敷地の梅林をあわせ、実に2万本もの「梅の里」が出来、関東有数と呼ばれる梅林となった。 -
頂上が近い。
奥多摩の名勝として定着したこの地に、2009年、突如として悪魔が襲来した。
悪魔の名は「プラムポックスウイルス」、バラ科の果実樹に感染するウイルスである。今まで我が国での感染事例も、梅の樹への感染事例もなかった。世界で前例のないウイルスの感染。感染した樹は葉に斑紋が出来、実がまともに実らなくなる。
ウイルスは瞬く間に周囲の樹々に流行、治療法も予防法もないこの感染症に対抗するには、感染樹だけでなく、周囲の樹々も切り倒し焼却するしかない。 -
頂上部からの眺め。標高は270m。
国の法令に基づき、2014年、青梅市は苦渋の決断をした。ここ、梅の公園にある梅の樹を全て切り倒し焼却する、「殺処分」が行われた。ここだけでなく、青梅市全体で庭木や果樹園のものも含め4万本もの梅を処分したという。
火災の消火には「破壊消火」という方法がある。火事の延焼を防ぐため、周囲の建物を破壊する。それと同じ方法でしか、動植物の疫病の流行を鎮静化することが出来ないのが現実である。 -
2014年春の梅まつりが、最期の花見となった。
--満開の景色を目に焼き付けながら、涙を流す人の姿もありました--
同年、梅のシーズンが終わると、全ての梅が切り倒され、ここは禿山となった。
--美しい梅林はまたたく間に更地へと変わりました。ウイルスの根絶のためとはいえ、あまりに衝撃的な光景でした--
(https://baigo.fun/articles/yoshinobaigo-history.html) -
だが、青梅の人々は、あきらめなかった。疫病の流行が沈静化するまで、この地には、紫陽花、ユキヤナギ、菜の花が植えられ、梅の復活までそれらの花が彩った。
そして、2015年にNPO法人「青梅吉野梅郷梅の里未来プロジェクト」が設立、梅の里再生への一歩を踏み出した。動きは青梅市全体で盛り上がり、ふるさと納税の活用、地元商店会はじめ高島屋やJR八王子支社などによる支援...
そのようななか、2017年、ウイルスの防除が確認され、この地に再び梅の苗の植林が始まった。その数1200本。それから10年.... -
イチオシ
今、このように紅白の花が戻って来つつある。
再び、もとの吉野梅郷の姿が戻るには、まだまだ道半ばと言う。この周辺もふくめ今までで5400本もの樹が植えられたという。
梅の公園には寄付者芳名板もある。梅の樹々はまだ若く弱弱しい。しかし、確実に疫病から立ち直り、梅の里は復活しつつある。
プラムポックスウイルスは沈静化しているが根絶はしていない。媒介者と言われるアブラムシ駆除含め、青梅の疫病への挑戦と闘いは今も続く。 -
頂上から南斜面を通って戻ることにした。
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咲いているのは梅ばかりではない。山中らしくミツバツツジも、もう既に咲いていたのは意外だった。
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白いツツジの花も。ツツジは開花期がいまいち、どうも読めない。
青梅の山中は結構、ミツバツツジをよく見かける。 -
これはミモザかな? 背景に、先ほど登ってきた道が見える。
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梅越しに吉野地区や日向和田の街並みをのぞむ
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山の稜線から、天澤院をのぞむ。
このあたり標高250m。 -
ツツジの花と背景に青梅丘陵
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イチオシ
ミツバツツジと梅
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白梅
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来た道をふりかえる
園内は歩きやすい -
白梅の花から北側の稜線を見る
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麓の沢の近くまで来た。
たしかに今はまだ樹々が小さく、まばらに感じ、かつての勢いはまだ戻ってはいないが、これから年月が経つにつれて、再びかつての梅郷が戻ってくることは間違いない。 -
イチオシ
麓の沢の道を、入口まで戻る
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梅の里に別れを告げて、バス停までもどることにする。
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白梅越しに出入口の橋を見る
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吉野街道沿いのJAにも梅の花が咲いている
西東京農協グリーンセンター お土産屋・直売所・特産品
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吉野街道、郵便局の前にバス停がある。
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青梅駅行バスがやってきた。
このバス路線は大体30分ごとには来る。
バスに乗り、梅郷に別れを告げる。 -
青梅駅、何とか青梅特快東京行きに間に合った。
青梅から立川までは各駅に停まり、立川から先は国分寺、三鷹、中野と他の特快と停車駅は同じ。青梅駅 駅
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グリーン車で中野まで行き、そこから先は東西線で帰るルートにした。
青梅特快のグリーン車は、中央線快速のグリーン車のなかでは乗客が多く、大体いつも座席の半分以上は埋まっている、
青梅駅出発時点ではこのようにガラガラだが、羽村とか拝島でまとまった乗客があり、また国分寺と三鷹で先行する快速と接続するので結構乗ってくる。
青梅の梅の公園に再び梅の花が戻ってきた直後、2020年、今度は「コロナウイルス」という悪魔が世界を席巻し、我が国でもパンデミック、緊急事態宣言や外出自粛、マスク騒動など、多くの教訓を残した。
志村けんが亡くなったこともあり、最初はパニックに近い状況だったが、私が日頃お世話になっている医学部教授(外科医)の話では「うがい手洗いを徹底していれば、怖いウイルスではない」と常々説明していた。
ウイルスは私たち人間の天敵である。天敵に何もせずむざむざ殺される生物はいない。私たちヒトも所詮は生物である。天敵とは、どこまでも闘い続け、撲滅するまでだ。正しい知識と情報を持ち、怖れず侮らず警戒し、闘っていこう。
そう、奥多摩の梅の樹々は教えてくれたような気がした。私はヒトである、神でも悪魔でもない。殺生し、それに祈りながら生きていく。JR青梅線 乗り物
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