2024/12/29 - 2024/12/29
30位(同エリア66件中)
赤い彗星さん
この旅行記スケジュールを元に
次帰郷したら訪れようと思っていた道成寺を訪れました。
子供の頃から知っていた和歌山県の民話「安珍と清姫」の舞台で、和歌山最古の寺院でもあります。
いつでも行けると思っているうちにずるずると年月だけが過ぎ、一度も訪問することもないままでした。御坊市のお寺と思っていたら、住所が日高郡というのも初めて知りました。
国宝や重要文化財の仏像を多数所有する古刹ですが、写真撮影やSNSへの掲載も許可してくれているオープンなお寺でもあります。歌舞伎の道成寺物の舞台となったお寺なので、興味がある人はぜひ訪れてみて下さい。
- 旅行の満足度
- 4.5
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紀伊田辺駅前の薙刀を構えた雄々しい弁慶像。
久しぶりの対面でしたが、子供の頃から見慣れた銅像です。
近年PRされている田辺市の三偉人(植芝盛平、南方熊楠、武蔵坊弁慶)の中では、一番知名度が高い人物かもしれないですね。 -
2019年にリニューアルされた紀伊田辺駅の駅舎。
暫く帰省していなかったので、新駅舎は初めて見ました。紀伊田辺駅 駅
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私が乗った時点では、誰も乗っていなかった和歌山方面への上り列車。
年末で通勤・通学客もいない時期ですからね。 -
初めて降り立った道成寺駅のホーム。
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道成寺駅のホームには、安珍と清姫の物語が描かれていました。
修行僧の安珍と清姫の出会いが描かれています。
安珍は、熊野に参籠に向かう道中で庄屋に一夜の宿を求めました。
庄屋の娘であった清姫は安珍に一目惚れし、また安珍も清姫に好意を抱き、
熊野詣の帰りも立ち寄ると約束します。 -
いきなり火を噴く龍の絵になっていますが、大蛇です。
熊野の僧侶に心の迷いを見抜かれ諭された安珍は、帰りに庄屋の家には立ち寄らずに別ルートで戻ることにしました。
いつまでも戻らない安珍を待ちわびた清姫は、行き交う旅人に若い僧について聞いて回り、安珍が別の道で帰ったことを知ります。
安珍を追いかけた清姫は、日高川を船で渡る安珍を見かけ追いかけようとしますが溺れてしまいます。それでも安珍への思いを断ち切れない清姫は、大蛇へと姿を変え、安珍を追いかけていきます。
まだ大蛇に変わり切れていない変異体みたいになっていますが、その状況がこの絵ですね。 -
安珍は助けを求めて道成寺に逃げ込み、釣り鐘の中に隠してもらいます。
しかし追いついた大蛇(清姫)は、釣り鐘を巻き込んだまま炎を吐き続け、安珍を釣り鐘ごと焼き殺した後、力尽きてしまいます。
子供の頃読んだ和歌山県の民話に載っていたので、かなり昔から知っている物語ですが、昔話によくある教訓や戒めに繋がるものを感じることの無い、ただ怖い昔話だなあという印象を持っていました。 -
道成寺駅の構内にも、地元の子供が描いたのかなと思われる安珍と清姫の絵が飾られていました。ホームの絵は顔だけ大蛇だったりしましたが、こちらは清姫の顔のままですね。
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大蛇の清姫の目がキラキラ。
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道成寺駅の駅舎。小さな無人駅でした。
道成寺駅 駅
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駅から歩いて5分程で、道成寺前のレストラン兼お土産物屋のあんちんが見えてきました。
あんちん グルメ・レストラン
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あんちん前に設置されたインスタ風顔出しパネル。
安珍と清姫は、悲劇的な結末を迎える昔話ですが、現代の安珍と清姫は仲良く並んで記念撮影出来るようになっています。 -
道成寺参道のマンホール蓋。
絶対に安珍と清姫だろうという予想を遥かに超えた謎キャラクター。
現日高川町(日高郡川辺町、中津村、美山村が合併)の旧川辺町が管轄していたマンホールのようです。町の花であるミカンの花と町のマスコットのミカン顔のすまいるブラザーズがデザインされているそうです。 -
あんちんを左手に見て真っ直ぐに進むと、高台への階段の上に建つ仁王門が見えてきます。この階段は、道成寺七不思議の一つで階段横の土手が上下で広さが違うそうです。真っ直ぐに見えるのですが、実は上段側が広く、下段側が狭く設計されています。
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江戸時代の元禄5年(1692年)頃に建立された考えられている重要文化財の仁王門。門脇には、文武天皇勅願所の石碑が立っています。
道成寺仁王門 名所・史跡
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仁王門の阿像。
腕やこみかみに血管が浮き出ている精巧な仁王像ですが、仏像ではあまり見かけない釘や鎹が目立ちます。 -
仁王門の吽像。
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仁王門から、階段や参道を眺めた風景。
本堂・仁王門・参道が一直線になっている配置は、南北朝時代から約1,300年変わっていないそうで、道成寺七不思議の一つにも挙げられています。 -
参道から一直線に並んでいると云われている通り、仁王門から境内を見ると真正面に本堂が見えています。
国宝や重要文化財の仏像を多数展示している和歌山県最古の寺院 by 赤い彗星さん道成寺本堂 寺・神社・教会
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礎石だけ残されている二代目鐘楼跡。
初代は安珍と共に焼かれ、二代目の釣り鐘は、豊臣秀吉による紀州攻めの際に持ち去られ、京都の妙満寺に奉納されたため、京都に行けば見ることが出来るようです。
三代目の鐘楼を造ればという話も出ていたようですが、二代目を京都で見ることが出来るのだしということで、建立しないまま現代に至るようです。 -
太い木の間に建てられた石碑には、安珍塚の文字。
ここに安珍と釣り鐘が埋められていると伝えられています。 -
元禄13年(1763)に再建された三重塔。道成寺7不思議の一つに挙げられています。
三重塔の屋根には特徴があり、一、二階は並行垂木、三階だけ扇垂木の工法が使用されています。三重塔を再建していた棟梁が、一、二階を組み上げてから休んでいると、通りがかった巡礼に扇垂木工法の方が見映えがよくなると教えられ、実際に三階に組み込んでみるとその通りになったそうです。棟梁は、一、二階も扇垂木工法を用いればよかったと大いに悔やみ、素人に教えられるとはと三重塔完成後にノミを口にくわえて、塔から飛び降りてしまったという伝説が残されています。
大黒柱として、隣町の妙見神社の御神木であったヒノキが使われているそうです。 -
南北朝時代の天授4年(1378)に建立された本堂。
初代講堂は、飛鳥時代の大宝元年(701)頃に創建され、約650年間使用した後、南北朝時代に建て替えられました。それが現在の本堂です。
火災や戦災に遭わなかったため、南北朝時代に建て替えていなければ、飛鳥時代の建物が残っていた可能性もあるんですね。 -
道成寺は、飛鳥時代に創建された和歌山県最古の寺院です。
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本堂前の大きな香炉には、道成寺と刻まれています。
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境内に生えている大きな桜の木は、入相桜と呼ばれています。
江戸時代の時点で三十三本の支柱で支えられた大木だったそうですが、昭和初期の台風により、樹齢数百年の桜は倒壊してしまいました。
現在は二代目の桜となりますが、初代が倒れた後、根元から自生した桜なので初代と同じ個体ですね。 -
本堂の後ろに建つ三社。
住吉様、弁天様、天満様の三柱が祀られています。
道成寺の絵馬奉納所となっています。 -
本堂後ろの念仏堂。
道成寺を創建した文武天皇や紀州藩の歴代藩主、この地域の戦没者のご位牌が祀られています。 -
天蓋も立派な念仏堂のご本尊・五劫思惟阿弥陀如来。
ヘルメットのようにも見える長い螺髪は、仏が人々を救うために数え切れないくらいの長い間、瞑想し続けた姿が現されています。
京都の金戒光明寺でも見かけたことがあります。 -
宝物殿には、多くの国宝・重要文化財の貴重な仏像が安置されています。
道成寺は、貴重な仏像の撮影やSNSへの投稿などもOKの珍しくオープンな寺院です。好きなだけ撮って下さいねというスタンスは、ぱっと思い出したのが奈良の飛鳥大仏ぐらいでほぼ記憶にありません。 -
最初は、正面の立派な蓮華台に鎮座する大仏がご本尊だと思ったら、こちらは正面ではなかったようです。
右の普賢菩薩と左の文殊菩薩を従えた釈迦如来像。 -
奈良時代後期に造られた重要文化財の持国天。
踏みつけている邪鬼が、完全に飼いならされているペットのようなキョトン顔になっています。 -
重要文化財の四天王像と並んで、パキスタンのガンダーラ地方の菩薩立像も安置されています。日本で見かける仏像とは、全く顔つきが違います。
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重要文化財の十一面観音菩薩像。
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宝物殿の正面はこちらでした。パイプ椅子もこちら向きに並んでいます。
ご本尊の千手観世音菩薩と日光菩薩、月光菩薩の国宝三体。 -
中央は、国宝の平安時代初期の千手観世音菩薩。
西暦800~850年頃に造られたとみられています。
時代的には、運慶・快慶より前の時代ですね。 -
脇侍の平安時代初期の日光菩薩。
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脇侍の平安時代初期の月光菩薩。
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宝物殿には仏像だけではなく、銅鐸や仏頭などの文化財も展示されていました。
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そのまま民俗舞踊のお面として使えそうな鬼瓦。
バリ島とかで見かけても、あまり違和感を感じないかもしれないですね。
天授4年(1378)に建立された本堂で使用されていたものです。 -
中国の麒麟のようにも見える絵馬。
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宝物殿と繋がっている縁起堂には、歌舞伎の道成寺物で使用される小道具なども展示されていました。道成寺駅の絵画同様、やはり大蛇というより龍に近い造形ですね。
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江戸時代に造られた小さな安珍と清姫の座像。
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妖艶な雰囲気を纏った清姫の絵画も展示されていました。
大蛇というより人魚のようにも見える人物画です。 -
かなり古い看板ですが、紀州道成寺銘菓の釣鐘まんじゅうの看板。
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和歌山で暮らしている頃に何度かお土産などで口にすることがあった釣鐘まんじゅう。当時はアンコしか食べたことがなかったので、カスタードを購入してみました。温かいというより、少し熱いくらいの出来立てほやほやのお饅頭を美味しく頂きました。
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