‘25冬 フランスで風邪をひく　　　②パリ一番のクロワッサン

2025/01/03 - 2025/01/04

ANAの特典航空券を使い、フランスに来ています。
きょうは、パリ滞在の２日目。14区にあるキッチンつきのホテルに泊まっています。

パリはかなり寒く、風邪が流行っている様子です。マスクをすればよかったのかもしれません。

なお、今回の旅行記ではできるだけ価格を明記します。旅をご検討中の方の参考になると嬉しいです。

エリア パリ(フランス)

1月3日金曜日、パリ滞在最初の朝です。

「レジデンスイン ディド・モンパルナス」の宿泊には、朝食が付いています。
一階の朝食会場には、届いたばかりのクロワッサンやパン・オ・ショコラ、バケットなどが並べられていました。

レジデンス イン バイ マリオット パリ ディド モンパルナス ホテル

野菜はトマトときゅうり。ハムやチーズは何種類か揃っています。ヨーグルトやコーヒー類、フレッシュなジュースも。

今回の旅は、あと３週間の旅程です。来週は地方に小旅行し、その後このホテルに戻って来ます。
この朝食をあと何回も食べられるのは、ちょっと嬉しいです。とりわけパンが美味しいのが気に入りました。パン好きなのです。

きょうは、パリで一番美味しいと思うクロワッサンを買いに行きます。

パリにはクロワッサンの名店がたくさんあります。何度か食べる機会がありました。どれも素晴らしいです。
それでも、わたしに最もピッタリ来るのは「ble sucre」の味なのです。

お店があるのは、バスティーユの隣のLedru-Rollin駅。
ここ１４区のDidotからは、トラムと地下鉄を乗り継いで４５分くらいでしょうか。
でも、わたしにとっては行く価値があるお店です。

幸い、きょうは天気が良くてお出かけ日和です。

「ble sucre」に着きました。
ル・ブリストルホテルのパティシエを勤めた方が開いたパン菓子屋さんです。

でも、ショーケースにクロワッサンが見当たりません。　
店員さんに訊くと「まだオーブンの中です。５分待てますか？」とのこと。

つまり、５分後に焼きたてが買えるのですか。
もちろん、待ちます！

ブレ シュクレ スイーツ

これが「ble sucre 」のクロワッサン(1.４ユーロ)です。
せっかくの焼きてですから、コーヒーを買って店の外のテーブルでいただきます。

温かいクロワッサン。一口齧ったら、湯気があがりました。バターの香りと粉の甘みが広がります。表面がサクッとして中はむっちり。これが好きなのです。クラストがはらはら落ちそうになって、慌てて捕まえました。
今の気温は2度くらいでしょうか。寒さはまるで気になりません。ただ幸せに浸っています。

写真左の紙袋の中は、クイニーアマン(２.８ユーロ)です。上質なバターがたっぷりで、絶品でした。

近くにあるアリーグルの市場に来ました。

屋内市場の前で、小規模なブロカントが開かれています。
生活雑貨が多い印象です。掘り出し物を探すと面白いのかもしれません。

アリーグルの市場 市場

一駅移動して、落ち着いた感じの界隈に来ました。
目当てはショコラトリー、シリル・リニャックのカフェです。

ショコラトリー シリル リニャック スイーツ

ショコラショー(5ユーロ)で一休み。
冷えた体に、温かさが染みます。
濃厚で甘く、でも後口はすっきりしていました。

店内は狭いですが、のどかでいい雰囲気です。長居したくなりました。

お店を出て、また街歩き。

界隈に、賑わうブーランジェリーを見つけました。素通りできないようなオーラがあります。
お店は「Terroirs d’Avenir」という名。市内にいくつか系列店があるようです。

量り売りのパンが並んでいました。ナッツとフルーツのぎっしり詰まったパンを、少し切ってもらいます。５センチ分買って、６ユーロくらいでした。

ホテルに戻り、このパンで遅いランチにしました。
噛み締めると豊かな味がします。
偶然出会ったパンが、こんなに美味しいパリ。パン好きには堪らない街です。

レジデンス イン バイ マリオット パリ ディド モンパルナス ホテル

夕方前に、凱旋門を見に来ました。
たくさんの観光客が集まっていて、さすが花の都の観光名所です。色々な国の人がいて、みんな嬉しそう。
なんだか楽しい気持ちになってきます。

でも、ここはスリの名所なんだとか。浮かれてもいられません。

凱旋門 建造物

シャンゼリゼ通りに聳える巨大トランク。
この中では、ルイ・ヴィトンの施設(？)を建築中だそう。つまり、建築現場の囲いです。多分世界一おしゃれな囲いでしょう。

ルイ ヴィトン (シャンゼリゼ本店) ブランドショップ

通りをゆっくりと下っていきます。

５時になった瞬間、街路樹が輝きました。
もう年明けですが、有名なクリスマスのライトアップがまだ行われていました。
ゴージャスな眺めです。来てよかった…

シャンゼリゼ通り 散歩・街歩き

ホテルに戻りました。でも、コートを脱ぐのを躊躇っています。
なんだか部屋が寒いのです。
壁にヒーターがありますが、どういじっても全く作動しません。浴室にあるヒーターも同じです。
どうしてなのでしょう。

レジデンス イン バイ マリオット パリ ディド モンパルナス ホテル

あけて、1月４日土曜日の朝です。

８時を回り、ようやく空が明るくなりました。
今の気温は零下3度です。
冬のパリやヨーロッパには何度か来ていますが、今回はいちだんと寒い気がします。

それでも行きたいところが、今朝はあるのです。

ヴァンヴの蚤の市です。ホテルのすぐそばでした。

布類、工具、エキゾチックな工芸品などのお店が道沿いに並んでいます。
銀器や綺麗なお皿類も充実していました。見て歩くだけでも楽しいです。

寒さ対策に、カイロをお腹に貼って来ました。じんわり温まって、ありがたいです。
でも、夫はくしゃみをしています。
夫はカイロを使っていないのでした。数個しかないので、わたしの為にとって置こうと思ったようです。
強がりを言いますが、今朝はさすがに寒いのでしょう。

ヴァンヴ 蚤の市 市場

シルバープレートのアイスクリームスプーン(5ユーロ)を買いました。滞在中に使うつもりです。

バス58に乗って、ホテルに戻ります。

昼食には、持って来たラーメンを作りました。
トッピングはゆで卵と野菜だけですが、実に美味しかったです。冷えた体に沁みました。

一階に降り、スタッフに部屋の寒さを訴えることにしました。
レセプションには、1人しかいません。チェックインの時に会った、大柄でぶっきらぼうな男性です。
彼の英語は、わたしの貧相な語学力では聞き取れません。どうも「部屋のヒーターの目盛りを上げなさい」と言っているようです。

「そのヒーターが、ちっとも暖かくならないのです。どうしたらいいのですか？」
そう尋ねようとしたところに、チェックインのお客さんが入って来ました。対応に忙しそうです。

仕方ありません。一度部屋に部屋に引き上げます。

レジデンス イン バイ マリオット パリ ディド モンパルナス ホテル

午後はオルセー美術館を予約しています。
オフィシャルサイトの普通チケット(16ユーロ)は、予約の変更やキャンセルができません。絶対に行かなくては。

出かける前に、部屋の掃除の方に宛ててメモを書きました。
『部屋の温度を少し上げてください。寒いです』
と、フランス語で記して目立つ所に置いておきました。

これを読んだら、きっとなんとかしてくれるでしょう。

オルセー美術館 博物館・美術館・ギャラリー

オルセー美術館では、「カイユボット展」を開催中(1月19日まで)でした。

カイユボットは、パリのオスマン通りに住んでいたそう。パリジャンです。
カイユボットの歩いたその街に、今来ている…そう思うと感慨深いです。

ゆっくり鑑賞したいところでしたが、会場内の混雑のせいか、気分が悪くなってきました。咳をしている方も多いです。

わたしたちは、パリに来てからマスクをしていません。周りにマスク姿の人はいないので、気がひけるのです。

カイユボット展の会場を出て、常設の作品を鑑賞します。

こちらは、ゴッホの「自画像」。
実物は写真よりもずっと美しいです。そして、掴まれるような強い引力を感じました。
悲しさ、もどかしさ…色々な感情が湧いて来るのが不思議です。

アングルの「泉」。
夢のように清らかな世界。水の音が聴こえてきます。
絵の前にずっといて、この水に浸りたくなりました。

ポンポンの「シロクマ」。温かみが大好きです。癒されました。

来週の小旅行で、ポンポンの出身地であるディジョンも訪れます。すごく楽しみです。

ホテルに戻ると、部屋のメイクアップが済んでいました。
掃除の方に宛てて書いたあのメモは、なくなっています。読んでくれたのです。
ならば、ヒーターをつけてくれたのでは？！

…でも、相変わらずヒーターは冷たいままです。がっかりしました。

この部屋のヒーターは壊れているのではないでしょうか。
修理はしないし、わたしのメモも読み捨てたのかもしれません。掃除の方に頼むのは筋違いだったのでしょう。
ため息が出ました。

部屋を変えてもらう方がいいでしょうか。
でも、それもけっこう大変です。散らかした荷物を一度纏めないと移動できません。

どうせ明後日の朝にはチェックアウトするのだから、もう1日だけ辛抱すれば良いのでは…
この時はそう判断してしまいました。

レジデンス イン バイ マリオット パリ ディド モンパルナス ホテル

夕食には、持参のお米でご飯を炊きました。
浸水したお米を100円ショップの容器に入れて、電子レンジで加熱します。水は軟水のVolvic(8リットル４ユーロくらい)です。
けっこう美味しく炊けて、我ながら感心してしまいました。

その時は、夫も元気に食べたのですが…
寝る前になって咳をし始めました。
喉が痛い、とも言います。普段は弱音を吐かない人なのに。
額に手を当てると、ひどく熱い。38度、いやもっと高い熱です。

夫はもう何年も熱を出したことがありません。コロナワクチンの後だってけろっとしていました。
慣れない事態に、本人よりもわたしがクラクラします。

明後日からは、地方都市に移動します。ストラスブール行きの列車もホテルも、予約済みです。
でも、夫が寝込んでしまったら旅を続けられません。

どうしよう。天を仰ぎました。