2024/06/24 - 2024/07/12
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クリスさん
2024年6月24日から7月11日までのスペイン旅行。カスティーリャ・レオン州のアビラ県を除く8県とリオハ、アストゥリアス、カンタブリア、バスクの5自治州にある主に西ゴート、モサラベ様式のロマネスク教会を巡る旅になります。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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前回旅行記の続きです。
サンタ・マリア・デ・レトルティージョ教会から北に42km、サン・ロマン・デ・モロソの庵(Ermita de San Román de Moroso)は、カンタブリア州のアレナス・デ・イグーニャ(Arenas・de・Iguña.)市に属する村ボストロニソ(Bostronizo)の北の渓谷にある山中にあります。 -
今回の旅行では山岳道路や田舎の狭隘の道が多く神経を使ったのですが、ここでもとんでもない山道に入り込んでいました。なんとか現地まで無事に着て一安心しましたが、今度はGPSの電波が切れてしまいました。
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それはともかく、まずは教会の紹介から。
創建の記録がなく、推定で10世紀の建設と考えられています。最初の文書は1119年のもので、レオンの女王ウラカ1世(Urraca I de León,1081年~1126年)が、この庵をサント・ドミンゴ・デ・シロス修道院に寄贈した記録になります。 -
10世紀にこの地にあった修道院の一部と考えられています。大小の整えられた切り石を積み重ねた方形の建物で東に小さな身廊が飛び出ています。
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北扉口。馬蹄形の西ゴート様式の扉口となっています。漆喰を見てみると修復の手も入っていると思います。
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まったく飾りのない柱頭やアーキヴォルトは珍しい物ですが、はめ込んだ切り石の形に新鮮な驚きを覚えます。
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発掘調査により、庵の周囲に中世初期の敷石の墓と石棺の墓地遺跡が見つかっています。
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西側。
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南側。
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南側の身廊にある窓。
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手詰まりの印象の建物。東側は急勾配の坂になっているのでこれ以上身廊を伸ばすのは難しかったのでしょう。
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東側の後陣部分。内部には入る事は出来ません。
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鐘楼は18世紀に付け加えられた物と考えられています。
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東側の窓には十字の彫り物があります。
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屋根の軒を支えるモディリオン。
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西ゴート風の花や幾何学的なモチーフを見ることが出来ます。
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見学後、GPSが復旧しないので来た道を村まで引き返し復旧した所で再設定し、サンティリャーナ・デル・マル(Santillana del Mar)に向かいます。
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この日の宿泊地はサンティリャーナ・デル・マルの「Hospederia Santillana」。スペインの最も美しい村協会に加盟の村で、近くに世界遺産のアルタミラ洞窟もあるので日本でも有名な観光地ですね。
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サンティリャーナ・デル・マルは無料の駐車場を持つ宿が少なく、あっても中心から遠い等立地条件があまり良くありません。ここは50m圏内に自前の駐車場があり中心からもさほど遠くない距離なので選択しました。ただホテルとしての評価はあまり高くありません。
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室内。
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バスタブ付きです。
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ホテルは坂道のオルノルス通り(Calle de los Hornos)に位置していて、5分とかからない距離でマヨール広場につく事が出来ます。
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マヨール広場(Plaza mayor)。
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広場には村役場もありす。
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町のは、歴史的に見るとローマ支配下で成立した集落が由来とされていますが、一般的には同地の聖ユリアナ(Santa Juliana)に捧げられた修道院から、発展した集落がととらえられています。
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聖ユリアナは、ギリシア正教ではニコメディアの殉教聖者聖ユリアナとして知られる女性です。そして町の区別を明らかにするため中世期に「海の」を意味する「デル・マル」が加えられました。
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町には「3 つの嘘の町(la villa de las tres mentiras)」という面白いあだ名があります。結果的に、この町には神聖でも、平坦でもないし、そして海もないからです。
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行く先に修道院が見えてきました。
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サンティリャーナ参事会教会(Colegiata de Santa Juliana)。起源は6世紀聖ユリアナの聖遺物がこの地に運ばれ教会に祀られたのが発端とされています。
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また8世紀には西ゴートの教会があった事が証明されています。現在の教会は11世紀に着工し、12世紀に完成した物で16,17,18世紀に増改築が行われています。
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左右に2頭の獅子が、教会を守るように階段の手前に置かれています。
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南側扉口。上部にギャラリーがあります。この修道院はサンチャゴ巡礼路では、北の道の巡礼地にあたり、教会は病院、宿等の支援をしています。
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南側を向いた主ポータル。ロマネスクの彫刻で溢れています。
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一番上には聖ユリアナ、鎖で繋がれた悪魔を踏み倒しています。その下は尊厳のキリストです。
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回廊に廻るため側道に出たら厩舎があり馬がいました。
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回廊の見学は一人3ユーロ払います。
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回廊は12世紀から13世紀初頭にかけての建設です。
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4面のうち東を除く北、西、南の回廊にロマネスクの柱頭彫刻が残されています。
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南側の柱頭には聖書からの物語を題材にした物が多くあります。
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解るものだけ注釈を記しておきます。
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ライオンと戦うダビデ王。サムソンと言う説もありますが王冠をしている事からデビデと言われています。
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槍を持つ兵士たち。
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騎士と貴婦人。
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ネブカデネザルの夢。
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ライオンの穴のダニエル。
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十字架降下。
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使徒たち。
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説教をする洗礼者ヨハネ。
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東側の回廊。教会内部への入口は南口との接点にあります。
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東側を通り北側に廻ります。
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北と西側は植物文様の柱頭が多くあります。
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西側。
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回廊に置かれた石棺。
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教会の扉口にある柱頭。
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教会内部、身廊。
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ロマネスクの柱頭は至る所にありますが、多すぎて説明は省略させいただきます。
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中央後陣。
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主祭壇。
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主祭壇の正面を飾るパネルは4人の使徒。
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聖ユリアナの石棺。
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11世紀の石盤で、悪魔を御する聖ユリアナと題されています。
同じ図像はシメオスの教会にもありました。
その旅行記は↓
https://4travel.jp/travelogue/11916874 -
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鐘楼の下にある洗礼盤。
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後ろの石盤は全能者キリスト像。ともに11世紀ロマネスクの作品です。
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教会の見学を終えて、後は教区博物館を見学したかったのですが、18時を過ぎてしまい閉館までの時間がなく諦めました。
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村の共同洗濯場。
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街歩きとショッピングを楽しんでホテルに帰ります。
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マヨール広場にあるドン・ボルハの塔(Torre de Don Borja)。
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坂道が多く疲れました。明日はアルタミラ洞窟に向かいます。
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この旅行記へのコメント (2)
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- jijidarumaさん 2025/02/12 19:19:06
- 獅子が守る
- クリスさん、
今晩は。
山中深く、ロマネスクのサン・ロマン・デ・モロソの庵を見るために、此処まで行くのかと、少々驚きました。
ロマネスクの文様は時代と共に摩耗も激しく、写真でも定かでない部分もありますが、実に素朴感があって興味深いですね。
さらに聖ユリアナとは何者か?と、検索してみました。聖女と言わずに、聖人のように表現するのは何か意味があるのでしょうか?(聖女エリザベートの事績はドイツ各地で見かけます)
また、「左右に2頭の獅子が、教会を守るように階段の手前に置かれています」の写真を拝見。
なにやら日本の神社の狛犬を連想しました。文化は伝播すると聞きますが、これもその一つなのですかね。
たいへん勉強になりました。
それではまた。
jijidaruma
- クリスさん からの返信 2025/02/13 08:42:43
- Re: 獅子が守る
- jijidarumaさん、書き込みありがとうございます。ニコメディアのジュリアナの件ですが、San,Santaで男女の違いはあきらかですので聖女と書くのがよろしいのでしょうけれど、ジェンダーの議論を踏まえると聖女の表記にこだわる必要はないのかと思います。私の旅行記でも表記が揺れていますのでお許しください。名前についてもユリア、ユリアナ、ジュリアナと国によって呼び方に違いが出るのも他の聖人と同様、日本では統一する事が難しい問題かと認識(論点が少しずれるかも)しています。
ニコメディアのジュリアナは東方正教会やオランダ等で人気のある聖人だと認識しています。ドイツでは少数ですけれど彼女を守護聖人とする教会が存在しています。
狛犬の件仁王像もそうですが、面白いことに口の開け閉めも含めで、東西での共通性が伺える問題です。おそらく起源は同じ所から来ている可能性がありますが、謎につつまれ正解はいまだに見つかっていませんね。
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