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2024年6月24日から7月11日までのスペイン旅行。カスティーリャ・レオン州のアビラ県を除く8県とリオハ、アストゥリアス、カンタブリア、バスクの5自治州にある主に西ゴート、モサラベ様式のロマネスク教会を巡る旅になります。

2024年スペインロマネスクの旅 アストリアス編5 サンタ・マリア・デ・バルデディオス修道院

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2024/06/24 - 2024/07/12

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旅行記グループ 2024年スペイン旅行2

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2024年6月24日から7月11日までのスペイン旅行。カスティーリャ・レオン州のアビラ県を除く8県とリオハ、アストゥリアス、カンタブリア、バスクの5自治州にある主に西ゴート、モサラベ様式のロマネスク教会を巡る旅になります。

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
同行者
カップル・夫婦(シニア)
交通手段
レンタカー
航空会社
ANA
旅行の手配内容
個別手配
  • 2024年7月6日土曜日。最初の訪問地はアラミルのサンエステバン教会(Iglesia de San Esteban de Aramil)。オビエドからは東に25kmの位置にあります。

    2024年7月6日土曜日。最初の訪問地はアラミルのサンエステバン教会(Iglesia de San Esteban de Aramil)。オビエドからは東に25kmの位置にあります。

  • アラミルは、アストゥリアス州シエロ(Siero)に所属する村で、2011年調査で173軒の家屋に347人の住民が住んでいます。教会はオビエド大司教区に属するロマネスク様式の建物です。

    アラミルは、アストゥリアス州シエロ(Siero)に所属する村で、2011年調査で173軒の家屋に347人の住民が住んでいます。教会はオビエド大司教区に属するロマネスク様式の建物です。

  • 教会の起源に関する文書は残されていませんが、1178年に教会の所有権移転の記録が残っておりこの年以前にこの教会が存在していた事が分かっています。

    教会の起源に関する文書は残されていませんが、1178年に教会の所有権移転の記録が残っておりこの年以前にこの教会が存在していた事が分かっています。

  • 教会は村からは離れた野原の中にあります。今回の旅行の中ではこの時が一番の雨降りで、濡れた草や足元が悪く、水滴でカメラレンズが濡れて、撮影には苦労しました。

    教会は村からは離れた野原の中にあります。今回の旅行の中ではこの時が一番の雨降りで、濡れた草や足元が悪く、水滴でカメラレンズが濡れて、撮影には苦労しました。

  • この教会の大きな魅力は、軒を支える20本の長いコーベルにある彫刻群にあります。

    この教会の大きな魅力は、軒を支える20本の長いコーベルにある彫刻群にあります。

  • 保存状態が良くさまざまなキャラクターが表現されています。

    保存状態が良くさまざまなキャラクターが表現されています。

  • 曲芸師、僧侶、カップル、樽を持った人々、ライオン、四足動物の頭などが確認できます。

    曲芸師、僧侶、カップル、樽を持った人々、ライオン、四足動物の頭などが確認できます。

  • コーベルの間に花柄と幾何学模様も彫刻されているのですが写真ではわかりにくいかと思います。

    コーベルの間に花柄と幾何学模様も彫刻されているのですが写真ではわかりにくいかと思います。

  • 教会は1960年に文化財登録されています。

    教会は1960年に文化財登録されています。

  • 半円形の単後陣の頭に植物文様の柱頭を持つ小さな窓が1つ取り付けられています。

    半円形の単後陣の頭に植物文様の柱頭を持つ小さな窓が1つ取り付けられています。

  • 西正面のアーケード式の鐘楼と扉口。

    西正面のアーケード式の鐘楼と扉口。

  • 扉口は、外側アーキヴォルトに鋸歯の模様が付いていますがシンプルな構造です。

    扉口は、外側アーキヴォルトに鋸歯の模様が付いていますがシンプルな構造です。

  • 南側にも扉口が一つあるのですが、伸びた草と雨で回り込む事が出来ませんでした。

    南側にも扉口が一つあるのですが、伸びた草と雨で回り込む事が出来ませんでした。

  • この教会扉口の対面には墓地があります。鍵を借りる事が出来れば入れるのかも知れませんが、祭事ある時以外は閉まっているようです。

    この教会扉口の対面には墓地があります。鍵を借りる事が出来れば入れるのかも知れませんが、祭事ある時以外は閉まっているようです。

  • 左右の柱頭彫刻。内側はリボン模様、外側が欠けています。外側では口から大きな葉っぱを吐き出した人頭が彫られています。グリーンマンの変形でしょうが植物の持つ生命力を象徴しています。

    左右の柱頭彫刻。内側はリボン模様、外側が欠けています。外側では口から大きな葉っぱを吐き出した人頭が彫られています。グリーンマンの変形でしょうが植物の持つ生命力を象徴しています。

  • 右側の柱頭はデザイン化した植物で飾られています。内部の首都のモチーフは、下向きのうねのある三角形の葉です。上部は菱形の花で装飾されています。外側にも装飾的なモチーフで下を向いた大きな葉が描かれています。

    右側の柱頭はデザイン化した植物で飾られています。内部の首都のモチーフは、下向きのうねのある三角形の葉です。上部は菱形の花で装飾されています。外側にも装飾的なモチーフで下を向いた大きな葉が描かれています。

  • 上部に人間の頭蓋骨の彫刻がついています。何を意図していたのかは不明ですが、不気味な印象を受けますね。

    上部に人間の頭蓋骨の彫刻がついています。何を意図していたのかは不明ですが、不気味な印象を受けますね。

  • 次の目的地はサンタ・マリア・デ・バルデディオス修道院(Monasterio de Santa María de Valdediós)。アラミルからは更に東に車で16kmほど走ります。修道院への入口付近に車を止めて敷地の中に入っていきます。

    次の目的地はサンタ・マリア・デ・バルデディオス修道院(Monasterio de Santa María de Valdediós)。アラミルからは更に東に車で16kmほど走ります。修道院への入口付近に車を止めて敷地の中に入っていきます。

  • サンタ・マリア・デ・バルデディオス修道院は、ビリャビシオサの北に位置する修道院で、1200年にレオン王アルフォンソ9世とカスティーリャ王ベレンゲラ(Alfonso IX de León y Berenguela de Castilla)がシトー修道会にこの土地を寄進した事に始まり、1218年より建設に着手し1225年に完成しています。

    サンタ・マリア・デ・バルデディオス修道院は、ビリャビシオサの北に位置する修道院で、1200年にレオン王アルフォンソ9世とカスティーリャ王ベレンゲラ(Alfonso IX de León y Berenguela de Castilla)がシトー修道会にこの土地を寄進した事に始まり、1218年より建設に着手し1225年に完成しています。

  • 修道院の西側扉口。この脇にツーリスト・オフィスがあります。営業は月曜定休で10:30~13:30まで、日曜は11:00~13:30となっています。私たちは10時過ぎに到着したので少し待つ時間がありました。

    修道院の西側扉口。この脇にツーリスト・オフィスがあります。営業は月曜定休で10:30~13:30まで、日曜は11:00~13:30となっています。私たちは10時過ぎに到着したので少し待つ時間がありました。

  • ロマネスク様式の扉口です。3つの半円形のアーキボルトに囲まれたタンパン。<br />アストゥリアスのロマネスク様式では頻繁に見られる鋸歯のアーキヴォルト、中にバラの花文様を挟んでいます。

    ロマネスク様式の扉口です。3つの半円形のアーキボルトに囲まれたタンパン。
    アストゥリアスのロマネスク様式では頻繁に見られる鋸歯のアーキヴォルト、中にバラの花文様を挟んでいます。

  • 植物文様の柱頭。一部に本来具象彫刻を禁止するシトー派では珍しい人頭彫刻を確認する事が出来ます。

    植物文様の柱頭。一部に本来具象彫刻を禁止するシトー派では珍しい人頭彫刻を確認する事が出来ます。

  • 左側の柱頭。

    左側の柱頭。

  • その脇にあるツーリスト・オフィスの入口もロマネスクの扉口になっています。

    その脇にあるツーリスト・オフィスの入口もロマネスクの扉口になっています。

  • 写真はサン・サルバドール・デ・バルデディオス教会(Iglesia de San Salvador de Valdediós)。修道院の付属教会といった位置づけですが、起源は9世紀に遡る教会で、アストゥリアスのプレロマネスク建築の代表的な記念碑のひとつです。

    写真はサン・サルバドール・デ・バルデディオス教会(Iglesia de San Salvador de Valdediós)。修道院の付属教会といった位置づけですが、起源は9世紀に遡る教会で、アストゥリアスのプレロマネスク建築の代表的な記念碑のひとつです。

  • 修道院とは回廊で繋がつていた時代もあったそうですが、19世紀に復元改修が行われ回廊は取り払われたので独立した建物になっています。

    修道院とは回廊で繋がつていた時代もあったそうですが、19世紀に復元改修が行われ回廊は取り払われたので独立した建物になっています。

  • 教会から見た修道院の翼廊。

    教会から見た修道院の翼廊。

  • モサラベ様式の石製の格子で装飾された窓。

    モサラベ様式の石製の格子で装飾された窓。

  • 教会の内部。小さいですが三身廊のバシリカ様式を持つ教会で左右に狭い袖廊がついています。

    教会の内部。小さいですが三身廊のバシリカ様式を持つ教会で左右に狭い袖廊がついています。

  • 内陣。

    内陣。

  • トンレルヴォールトの天井。一部にフレスコ画あります。これは先の旅行記で紹介したサン・フリアン・デ・ロス・プラドース教会と似た装飾になっています。

    トンレルヴォールトの天井。一部にフレスコ画あります。これは先の旅行記で紹介したサン・フリアン・デ・ロス・プラドース教会と似た装飾になっています。

  • 柱頭とアーチ構造。

    柱頭とアーチ構造。

  • 南側の側祭室。

    南側の側祭室。

  • モサラベ風の窓枠。

    モサラベ風の窓枠。

  • 中央の祭室に見られる幾何学文様やクロス等は、偶像崇拝の禁止だった時代の流れが残っていた名残だろうと考えられています。

    中央の祭室に見られる幾何学文様やクロス等は、偶像崇拝の禁止だった時代の流れが残っていた名残だろうと考えられています。

  • シダの葉をモチーフにした柱頭。

    シダの葉をモチーフにした柱頭。

  • 後陣を仕切るビクトリアアーチの柱頭。これはローマ時代の建物からの流用だと考えられています。

    後陣を仕切るビクトリアアーチの柱頭。これはローマ時代の建物からの流用だと考えられています。

  • 南側の身廊。西側に登る事が出来ませんが小さなロフトがついています。

    南側の身廊。西側に登る事が出来ませんが小さなロフトがついています。

  • 南側の玄関柱廊。

    南側の玄関柱廊。

  • 壁には大規模な碑文が刻まれた大理石の墓石が建てられています。教会への奉納文が刻まれていて、教会の奉納が西暦893年9月16日と確認する事が出来ます。

    壁には大規模な碑文が刻まれた大理石の墓石が建てられています。教会への奉納文が刻まれていて、教会の奉納が西暦893年9月16日と確認する事が出来ます。

  • 東後陣からの眺め。南側に突き出た玄関柱廊は、スペインの教会に見られる特徴のひとつです。

    東後陣からの眺め。南側に突き出た玄関柱廊は、スペインの教会に見られる特徴のひとつです。

  • モサラベ風の窓があります。

    モサラベ風の窓があります。

  • 北側。

    北側。

  • 教会から見た修道院の後陣の眺め。<br />修道院や教会の名にあるバルデディオスとは神の谷という意味です。

    教会から見た修道院の後陣の眺め。
    修道院や教会の名にあるバルデディオスとは神の谷という意味です。

  • この場所は人里離れた渓谷に位置していたので、シトー派修道院の定住に必要な条件を満たしていました。川沿いの渓谷にあり水が豊富で、建設用の石切り場もありました。一方で、山に囲まれた谷底に位置するため、湿気が多く、冬は日照時間が少ないという好条件に恵まれてもいました。

    この場所は人里離れた渓谷に位置していたので、シトー派修道院の定住に必要な条件を満たしていました。川沿いの渓谷にあり水が豊富で、建設用の石切り場もありました。一方で、山に囲まれた谷底に位置するため、湿気が多く、冬は日照時間が少ないという好条件に恵まれてもいました。

  • 一周して西扉口に戻りました。

    一周して西扉口に戻りました。

  • ここにある窓のまぐさには「この家がある主であり救世主へ」と書かれた碑文があります。「DÑI ET SALVATORIS NSI CVIVS EST DOMUS ISTA」<br />

    ここにある窓のまぐさには「この家がある主であり救世主へ」と書かれた碑文があります。「DÑI ET SALVATORIS NSI CVIVS EST DOMUS ISTA」

  • こちらはサンタ・マリア・デ・バルデディオス修道院の入口からの眺め。

    こちらはサンタ・マリア・デ・バルデディオス修道院の入口からの眺め。

  • ここからの写真はサンタ・マリア・デ・バルデディオス修道院の内部になります。

    ここからの写真はサンタ・マリア・デ・バルデディオス修道院の内部になります。

  • 金装飾された主祭壇には、受胎告知の祭壇と呼ばれています。

    金装飾された主祭壇には、受胎告知の祭壇と呼ばれています。

  • 聖母を中心に聖ステパノと聖アルベリク、ベネディクト会の創設者といった聖人祀られているそうです。

    聖母を中心に聖ステパノと聖アルベリク、ベネディクト会の創設者といった聖人祀られているそうです。

  • ゴシック様式の天井。

    ゴシック様式の天井。

  • 15世紀以降に修道院はたびたびの洪水被害にあい、改装工事が続けられました。18世紀までには徐々に衰退していったようです。

    15世紀以降に修道院はたびたびの洪水被害にあい、改装工事が続けられました。18世紀までには徐々に衰退していったようです。

  • 19世紀にフランス軍による略奪ののちシトー派による経営は打ち切られました。

    19世紀にフランス軍による略奪ののちシトー派による経営は打ち切られました。

  • 20世紀に入りスペイン内戦の後、1986年より修道院の復元プロセスが開始され、現在は聖ヨハネ修道会によって経営が続けられています。

    20世紀に入りスペイン内戦の後、1986年より修道院の復元プロセスが開始され、現在は聖ヨハネ修道会によって経営が続けられています。

  • 内部はロマネスクとゴシック様式が混ざった建築となっています。

    内部はロマネスクとゴシック様式が混ざった建築となっています。

  • 説教壇等の教会家具はバロック以降の物になります。

    説教壇等の教会家具はバロック以降の物になります。

  • 修道院の回廊部。

    修道院の回廊部。

  • 大規模な三層の回廊は15世紀の洪水被害の後の再建されています。

    大規模な三層の回廊は15世紀の洪水被害の後の再建されています。

  • 回廊から聖堂への入口となる扉口。

    回廊から聖堂への入口となる扉口。

  • 身廊部分に設置された祭壇。

    身廊部分に設置された祭壇。

  • この祭壇はサンチャゴマタモロス。

    この祭壇はサンチャゴマタモロス。

  • 身廊で見つけた人頭柱頭。

    身廊で見つけた人頭柱頭。

  • 身廊部分の外観。

    身廊部分の外観。

  • 外に出て改めてサン・サルバドール・デ・バルデディオス教会を撮影。

    外に出て改めてサン・サルバドール・デ・バルデディオス教会を撮影。

  • これで見学は終了、雨も段々と小降りになりました。

    これで見学は終了、雨も段々と小降りになりました。

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