2024GW９ 祝日のモスタル

2024/05/01 - 2024/05/01

どの店も閉店している、祝日のモスタルに来てしまいました。

ネット上に「ボスニア・ヘルツェゴヴィナに祝日は無い」と書いてみえる方があり、そーなんだ、と鵜呑みに。
ところがモスタルは、5/1どころか、5/2まで祝日でした。
（クロアチアは5/1のみ祝日）

水１本買えずに彷徨う初日です。
しかし道中は美しい団地や川に魅せられ、土地としては最高なモスタルでした

◇4/27 シンガポール・ミュンヘン乗継 機内泊
◇4/28 シベニク泊
◇4/29 ザダル泊
◇4/30 スプリト泊
◆5/1 モスタル泊
◇5/2 モスタル泊
◇5/3 ドゥブロヴニク泊
◇5/4 フランクフルト乗継 機内泊
◇5/5 シンガポール乗継 機内泊
◇5/6 帰国

エリア モスタル(ボスニア・ヘルツェゴビナ)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 1.0
• グルメ: 2.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

バスがボスニア・ヘルツェゴヴィナに入り、まずこの寂寥感に、おー、っと興奮

車窓から見えたポチテリ
立ち寄りたくとも、モスタルまでの足は無し

予報通り、雨がポツポツ降ってきました

14時
モスタルのバスターミナルに到着

ここのATMで、兌換マルクをキャッシング
ユーロの使える場所も多いらしいけれど、この国のお金を使うのが礼儀のような気がして

予約サイトに表紙の写真が出ており、朝晩あれが眺められるなんて♪と、ろくに検討もせず独特な宿を予約してしまいました。

投稿内容に注意を受けたので、詳しい内容は消しました

宿や電気ケトルと不毛な格闘を続けて、気付くと早15時半
雨も上がっています

こんなことしてる場合じゃない、と部屋を飛び出しました

Mostar Secondary School
大きな交差点の角にあるきれいな高校
これだけピッカピカなので、まずすごく目立ちます

この交差点の向かい角は

この廃墟で、

もう一つの角も同じく

モスタルにはGoogleアースがないので、ほとんど情報なしでやってきました
ここまでとは、思いもよらず

そしてもう一つの角が、恐ろしいほど鋭角なビル

高校と鋭角ビルの間の道はとても美しい並木道

銃弾跡が…

鋭角ビルは明らかに廃墟
一人旅は安全第一、廃墟には入らないと決めていました(当たり前です)

おや、なんか良いじゃない

少し見るだけね

駄目だよ、ここまでー！と踏みとどまりました

絵画の力で、トーテムポールのように魔除けになるといいですね

旅行初日の日曜日、小売店が軒並み閉店する中、郊外の大型ショッピングセンターは開いていたと聞きました

この先に「Mepas Mall」という大型店があり、Googleマップにも営業中と出ているので、この時はまだノンキに歩いていた

この木の向こう側、網の目みたいな壁も、下段のレンガみたいなデザインも秀逸

さすがショッピングセンターの近く、団地が増えてきましたよ

しかもカッコよすぎる

いずれ劣らぬハイレベルなのが並んでいます

Mepas Mall
ショッピングモールはお休みでした
今日も、明日も

ここでだいぶ現実に気付き、張り紙の前で立ち尽くしていました（ここまでに見たすべての店が休みだったから）

あ！この設計
さっきのスプリトと同じパターンだ
(立ち直りが早い)

建物が新しくとも、（私的に）ダサい建物なんて全然無いので、工事現場もほほえましく眺めた

ホテル エロ
ラブホテルじゃありません
普通の廃業したホテルです

渋い色に美しいデザイン、私としては最高の評価を贈ります

藤があちこちで満開、日本と季節が同じですね

あ、小売店？、…違うわ、を繰り返し

哀れ「セブンイレブンとか…」と、うわごとのように呟いておりました

思いがけず美しい川に差し掛かり、本当に「はっ」と息を呑みました

Carinski Most
この橋をあっちへ渡り、こっちに戻りして大騒ぎです

あまりの美しさに、人が来るとニコニコと同意を求めてしまった

住宅街も行ってみようかな、と歩き出し

まてよ、観光地にやってくる外人相手の店があるだろうと、（ともかく店を探して）まだ遠ざけていた観光地に方向転換します

ボスニア内戦時、モスタルは最激戦地だったそうです

同志の印だろうか

びっくりしたー
上の絵を見て顔を上げたら、並んで歩いてきたから

サロンの看板みつけた

観光地に近づいてきました

ここで擦れ違った若いカップルが、モスクを見上げて胸を押さえ、感動に打ち震えていた。
海外旅行でいつも感じる罪悪感

営業しているお店がありました！
だけど混んでいるので、焦らず探すことに

おー、あの壁は後でゆっくり見に行こう

「Don’t Forget」
紛争を忘れないための石碑で、旧市街にいくつかあるという

営業中の小売店は、このスイーツ店のみ

レジに行列ができており、1、2個買うのも悪くて諦めました。でも初めて見るお菓子ばかりで、想像がつかず興味津々。和菓子屋さんに来た外人さんはこんな気分かと。
適当に買えば良かったな

あの橋がモスタルの代名詞
しかしこの立っている地点からあの橋まで、満員電車くらいの人で埋め尽くされており、直ちに引き返すことにしました

スターリモスト橋 建造物

やっと空席ありのお店に入ったのに、店内がタバコの煙で真っ白
（大げさに言えば視界１mの濃霧並み）
2秒くらいとどまったものの、いや、無理だ、と出てきてしまった
せめて換気扇のある店がいいです

あー、やれやれ
ため息が止まりません

と言いつつ、さっき気になった壁を見に来た

おー

楽しいんですよね、歩くだけで

食事と買い物のことさえ問題なければ、ただひたすら楽しいのに

モスタルは日帰りで来る人が多いはずだから、時間を置いてから戻るか、と一旦諦めました

しかし既に18時を過ぎ、ほんとうに日帰りの人たちなのか、不安が募ります

また川に癒されに来た

しかしお腹が空きました

「わざわざ断食道場に行く人もいるよね」と考えたりしていた

あ、自販機？と駆け寄ると、こういうこと
日本の自販機、驚かれますもんね

まさか水1本買えないとは

ついに営業中のお店を見つけました、非観光地に
（これは翌日撮った写真）
残念ながらファストフード店ですが、モスクを改造したみたいで面白いし、テラス席がちょうど空きました。

そしてさっきの白煙の店では、瓶入りのミネラルウォーターがストックしてあったのですが、ここはファストフード店だけあって、ペットボトル。これで水の購入もクリアだ！と小躍りしました

当然満席で、お店の人はてんてこ舞い
今日の仕事を果たした私は、テラス席でこの団地を眺めて優雅な気分でお料理を待ちました

チェバプチチ(小さいケバブの意)と、部屋に持ち帰る用にヨーグルトとボトルウォーターをオーダー
（ぶっ刺されたフォークに結構驚く）

つり銭が足りなかったようで、チェバプチチのお金しか取られなかった。
多めに取ってもらって良いと英語で上手く言えず、水とヨーグルトはもらってしまったのです。

食べた、食べた
チェバプチチは中に肉の塊が入っていて、量を選べます。一番少ない5ピースを頼んだのに、全部食べ切らなかったくらい満腹です。
5ピース：5兌換マルク（≒450円）

残りはテーブルに遊びに来たスズメにあげました
（自分より大きなパンを咥えて飛ぼうとする、すごい根性のスズメで、他のお客さんにぶっ叩かれそうになっていました）

Razvitak shopping centre ruins
元ショッピングセンターだとか、建設中に頓挫して完成を見なかったとか

中のがらんどうからして、後者が正解っぽい

BOEMI ！
わたしは若い頃、タラフやクストリッツァ(つまりロマの文化)が大好きでした。ボスニアにも（残念ながら物乞いとして）ロマがいるとは聞いていましたが、祝日はロマもお休みなのか、お見掛けせず

あの不潔な宿で何があるかわからぬ故、「ここが病院か」と見上げた
もちろん祝日休みですけどね

宿（この3軒隣くらい）に戻ると、ボツボツと大粒の雨が降り出しました

この旅行記へのコメント （8）

• にこにこママさん 2024/06/22 14:37:33

  やはり灰色が素敵(๑˃̵ᴗ˂̵)

  ねこいしさん、こんにちは♪
  
  すごいですね～。英語が苦手なのでヨーロッパの国々は私には遠くて（汗）銃弾跡の建物はすごいですね。ボスニア紛争って確かリアルタイムでニュース見たような。銃声が聞こえる中を人々が逃げる映像に驚いた記憶があります。
  歴史も全く知らないので、ネットを見返しました。
  
  とはいえ、灰色建物大好きの私は、団地に釘付け。
  東ヨーロッパっぽいのに惹かれますね～。
  良いもの見させていただきました！
  
  あと、なぜ食べ物が塩辛いのかな？塩漬けの文化でもあるのかな？日本も塩辛い方なんだけど。
  と、気になりました(ﾟ∀ﾟ)
  
  病院の待合室でニヤニヤしてたおかしなおばさん
  にこにこママより
  

  ねこいしさん からの返信 2024/06/22 22:21:48

  Re: やはり灰色が素敵(๑˃̵ᴗ˂̵)

  にこにこママさま
  
  こんばんは
  ありがとうございます♪
  
  病院の待合室とは、どうされたのでしょうか、、
  ご無事を願っております。
  
  灰色賛美にご賛同頂き、嬉しいです。
  観光客の皆さんも、表紙の団地前を一瞥もせず通過するので、それが私には衝撃なんですけど。
  
  クロアチアもボスニア・ヘルツェゴビナも英語のできない人も多く、おかげで出来ない人に寛容でしたよ。
  わたしの英語力の低さは、かなりのもんですから。
  
  いや、東ヨーロッパは、にこにこママさんもお好きだろうなーと思いまして。
  おすすめしておきます。
  
  ところで、にこにこママさんも行かれた神宮前に、新しい屋台街ができるのと情報がありまして。
  まさかあの横丁を潰すの？？と、今日見に行きましたら、健在でした。(ニュー屋台街は、横丁の隣でした)
  古い横丁には、行列のできるラーメン屋が新しく(！)入り、思いがけす賑わっておりました。
  
  ねこいし

  にこにこママさん からの返信 2024/06/28 14:47:55

  やはりお年頃でして(ﾟ∀ﾟ)

  いやいや、病気というよりは、あれこれ数値が上がってしまって…。やんなっちゃうわ。
  
  健康第一ですからね～。
  
  おお、神宮前が賑わっていますか！最近はレトロブームですかね。でも、横丁が無事でなにより。きよめ餅のビルも健在かな。そういえばあのビルから私の灰色好きが始まりました。まさに聖地です！
  
  名古屋からの帰りは、ついつい古い建物を探してしまう　にこにこママより。
  

  ねこいしさん からの返信 2024/06/28 16:26:59

  Re: やはり灰色が素敵(๑˃̵ᴗ˂̵)

  そうですか。
  年齢的なやつが、、
  わたしも来てるのかしら
  
  きよめ餅ビルもきよめ餅喫茶も健在でした。
  でもここ10年以上「きよめ餅」を見ない（もらったり、どこかのお宅で出てきたり、行き来されるのを見ない）ので、勝手に経営を心配しています。
  ビルが残るといいですね。
  
  ねこいし

• たまさん 2024/06/12 09:17:40

  休日のヨーロッパ

  ねこいしさん
  こんにちは。
  
  ハードな旅、読みながらドキドキでした。
  私は、水をつねに持ち歩かないと安心できない体質？です(；´∀｀)
  店が開いてない、ケトルも使えない、となったらもう、散歩そっちのけで水を求めて歩き回るだろうなーー(困った体質です）
  それをものともせず、大好きな建物探訪を続けるねこいしさん、さすがです！！
  
  この町、本当に穴だらけ（銃弾の）なんですね。テレビや本で見たことがあったけれど本当なんだ。。。
  
  そして、あの町に行ってあの橋に行かないねこいしさんｗｗ
  
  岩合さんがあそこに行って、お土産屋さんの猫を愛でながら、
  「戦争中はモスタルの猫は1匹もいなくなったそうです。でも終わったらどこからともなく戻ってきた」と話していたのが印象的でした。
  平和はいいね、猫たち、よかったね、、と真剣に思います。
  
  ちゃんとした食事にありつけて、無事に水もゲットして、ホッとしました！
  
  たま

  ねこいしさん からの返信 2024/06/12 13:04:06

  RE: 休日のヨーロッパ

  たまさん、こんにちは
  
  ありがとうございます♪
  香港の旅行記、とても楽しく拝見しました〜
  いつか行く時には、参考にさせて頂きます（礼）
  
  わたしも水が無いのはホント不安で、焦ってはいましたよ
  駅の売店やカフェが全部閉まっているのを見て、到着時からじわじわと。
  ネット情報には「水道管が老朽化しているから、水道水をそのまま飲むのはやめましょう」とあり、さもありなんという宿でしたし。
  
  陸路の国境越えが初めてだったので、てっきり食べ物は飛行機みたいに没収かと思い、何にも持たずに入ってしまったんですよね。
  陸路は何のチェックも無かったので、そんなことなら、でした。
  
  いや「あの橋」には、翌朝人のいない時間に、ちゃんと行きました、笑。
  岩合さんのモスタル歩きもあったのですか！見逃してました。
  なるほど、戦争中は猫ちゃんたち何処かへ疎開していたのですね。
  あれだけ銃撃されたことを思うと、どこかに隠れていてくれて良かったです。
  
  ねこいし
  

• pedaruさん 2024/06/12 06:08:04

  すごいところに行きましたね

  　ねこいしさん　おはようございます。
  
  　建物愛好家としては申し分のない街ですが、ペットボトル一本買うのに苦労するとは、大変な町です。
  　驚いたのはお泊りになった宿、筋金入りの旅行者といえども、日本の筋金は到底敵わないと自覚せざるを得ませんよね。あの内戦を潜り抜けて来た人たちですからね。
  　eroと言う文字を見てえっっと思いましたが、ここは日本じゃないのだから恥ずかしがる必要もないし、エロってエウロパの略なのです。と言うのは私の推量です。
  　この町にミスマッチなのはあの清流、ペットボトルが買えないなら、あの水をのんでもいいかと思いますね。
  　あんな宿に泊まったら、体調を崩し、精神もやられそうです。よくご無事で帰国されました。さすがです。
  
  　pedaru

  ねこいしさん からの返信 2024/06/12 12:30:14

  RE: すごいところに行きましたね

  pedaruさま、こんにちは♪
  
  ほー「エウロパ」とは無知で初耳でした。
  ありがとうございます。
  検索したら小惑星のこと。元はギリシャ神話の美女なんですね。
  まぁ、そんな洒落た名前をラブホテルに連想して、下品なことでございました。
  そうそうpedaruさん、ジュエリーデザイナーさんでいらしたのですね。
  ただのユーモア抜群のおじさまじゃ無かったとは、いやいや知性も美意識もお持ちと思っていましたけれど。
  素敵ですね。
  
  しかし何も買えなかったことは、なかなかいい経験になったと思います。
  信仰の上に生活があることの強さとか根の深さについて、便利とか営利を敢えて追求しないこと、もしセブンイレブンが進出したとしたらどうなる？とか、ぐるぐる考えながらの散歩で、そういう経験も「旅」らしくて良かったかもしれません。
  もしもあの宿でトコジラミに刺されていたら、「あれも旅の思い出」なんて悠長に言えなかったと思いますけれど。
  
  ねこいし