森鴎外と東京一の穴子寿司　谷中に遊ぶ春の一日

2024/03/16 - 2024/03/16

森鴎外、本名森林太郎。言わずと知れた軍医でもあった小説家。亡くなったのは1922年（大正11年）7月9日。
当時の住まい、東京湾が見下ろせたという観潮楼は東京都の千駄木の丘の上にあり、現在は文京区立森鴎外記念館として手紙や写真が公開されている。

縁者と森林太郎の間にちょっとしたつながりがあったと聞く。観潮楼を訪れたかどうかは知らないが、縁者が住んでいた場所から想像するに訪れた可能性は高く、多少の交誼はあったと思われる。

3月のある晴れた日、ふと思い出してその観潮楼を尋ねてみることにした。


と書くと、何やら文学的だけれど、どなたかの旅行記か雑誌かで見た千駄木の乃池という寿司屋の穴子寿司の写真が頭から離れず、場所を調べていたらすぐそばに森鴎外記念館を見つけた、というのが本当のところだ。
我ながらあさましいと思いながらも食い気優先。

少し暖かくなってきたことでもあるし、森鴎外記念館と乃池の穴子寿司を核に谷中散歩としゃれこむかと、いそいそと出向いてみました。

東京の谷中、根津、千駄木。「谷根千」と呼ばれる下町の雰囲気を色濃く残す場所であるらしく、時代小説なんかにもよく登場するが行ったことが無い。

“谷中は「ネコの街」として知られ、人に慣れた猫たちが悠々と街を往来している。”

らしい。

興味津々。

エリア 日暮里・西日暮里(東京)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• グルメ: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: JRローカル 私鉄 徒歩

文京区立森鴎外記念館
千駄木の駅から徒歩５分ほどの坂の上にありました。

開館時間　10:00～18:00
入館料　300円

文京区立森鴎外記念館 美術館・博物館

館内は基本撮影禁止。

展示品にはデスマスクなんてものもありました。

カフェも併設。

館内で流されていた映像の中で森鴎外が座っていた石が庭にあるというので見に行く。

観潮荘という名は、東京湾が見下ろせたことからつけられたという。

振り向くと、目に入るのは海ではなくマンションとスカイツリー。


さて、文京区立森鴎外記念館、300円で楽しめましたよ。
本が読める資料室もあったし。
森鴎外の意外な交友関係が知れたし。

開店時間に合わせて乃池へ

おやおや、開店を待つ列が。
寿司屋に列が出来るんだ。
運良く一巡目で入店。


http://www.sushi-noike.com/

乃池 グルメ・レストラン

名代　穴子すし

名代(なだい)・・・人に知られていること。
名代(みょうだい)・・・代理を務めること。

日本語は難しいな。

８貫で2,800円。

どこかで目にしたときは2,500円だったので300円の値上がり。

お待ちかねの穴子寿司とご対面。

東京一という呼び声も高い穴子寿司。
東京一なら世界一だろう。
見るからに美味そうである。

穴子丼にも惹かれたが初志貫徹。
本日はアルコールも控えて、お茶で鮨と向き合わせていただいた。

穴子は肉厚。
ふわとろ。

煮詰めは当然ながら甘いんだけれど、その向こうに苦みがある。
バニラアイスかけても絶対うまいぞ。

普通の寿司を食べて、お土産に穴子寿司というのがこの店の正しい使い方かもしれないな。

乃池さん、思いのほか庶民的な店でありました。
あー美味かった。

乃池で寿司を待っている間にgoogle mapで見つけておいた旧安田楠雄邸庭園へ行ってみることに。

https://www.city.bunkyo.lg.jp/bunka/kanko/spot/shiseki/yasudatei.html

安田財閥の創始者安田善次郎の娘婿善四郎が購入

とある。

森鴎外の家は保存されず、安田財閥の家は保存されているんだ。

入館料は500円。

受付のおばちゃんが、JAFやあれこれのカードはあるかと問う。
何もない、というと非常に残念そうな顔に。

どこ行ってきたの？と訊かれたので、森鴎外記念館と答えるとその入館券で割引にできるとおっしゃる。

ありがたく割引していただき入場。


千駄木のおばちゃんって大阪のおばちゃんみたいだ。
飴ちゃんが出て来るかと思った。

立派な応接セットの向こうの庭には防空壕が掘られているそうな。

陰翳礼讃

廊下の突き当りにはなぜかミシン

台所

この踏み台、子供のころ見た記憶がある。

これは冷蔵庫だよなあ。
さすがにこれは家には無かった。

しかし安田さん、風呂や台所まで公開されるとは思っていなかっただろうな。

二階へ上がってみる。

あら、目の前に枝垂桜。一か月来るのが早かったな。

床の間

最近見ないな。そもそも床の間って何だったんだろう？

桜の季節に良さそうですよ。旧安田楠雄邸庭園。

防空壕が解放？される日もあるらしい。

次に向かったのは谷中銀座商店街

商店街の中の越後屋酒店。

悪い大人に仲間入りするか・・・
悩むところだ。

越後屋酒店 グルメ・レストラン

肉のサトー

肉のサトー グルメ・レストラン

有名店なんですかね？なぜか色紙がいっぱい。

谷中は猫の街だという。

今日はまだ一匹もお目にかかっていない。

ハンコ、作ってもらえばよかったな。

他人の名前で作られても困るけど。

邪悪なハンコ屋 しにものぐるい 専門店

人だかりができている不思議な外観の店があったので調べてみる。

ひみつ堂というかき氷の店であるらしい。
3月中旬にかき氷ですか・・・

ひみつ堂 グルメ・レストラン

谷中銀座商店街、外国人観光客も多くなかなか不思議なところでした。

谷中銀座商店街 市場・商店街

日暮里から帰っても良かったんだけれど、まだ日も高いし根津神社へ取って返す。

https://nedujinja.or.jp/

根津神社 寺・神社・教会

“明治元年（1868）に明治天皇が、東京の鎮護と万民の平安を祈願される神社として畿内22社などの勅祭社に併せ、東京近郊の主だった神社12社を准勅祭社に制定しました。”

とHPにある。

ほぉ。

第５3回文京つつじまつりは令和6年3月30日(土)～4月30日(火)までだそうな。

2週間早いな。調査不足この上ない。

言問通りを上野方面へ歩いていたら、徳川慶喜の墓の入り口が。

ちょっと気になったが、スルー。

徳川慶喜の墓 名所・史跡

さて、この日最後に向かったのは東京国立博物館

東京国立博物館 美術館・博物館

本当は、特別展が見たかったんですが・・・・

こんな状況じゃあね。

特別展はあきらめて「日本美術の流れ」をさらりと拝見。

撮影して良い場所とダメな場所がわからんぞ。

鳳輦（ほうれん）
天皇が行幸される際の乗り物に使われる物だそうな。

担ぐ人は80人！

ちょっと人ごみに疲れたので庭園に回ると、外国人観光客がばかり。

特別展に1時間並ぶより、ここでお茶したほうが良いな。

ついで東洋館

良いお顔されている仏像に心洗われ・・・

上野から帰宅。

結局、猫には会えなかったな。