2023/06/20 - 2023/06/26
87位(同エリア399件中)
ミータさん
この旅行記のスケジュール
この旅行記スケジュールを元に
2020年の夏はポーランドのアウシュヴィッツに行く予定だった。しかし、コロナ禍のため旅行は延期になった。この間ナチスドイツやユダヤ人虐殺に関する本を色々読み、満を持して出かけてきた。
いよいよ、アウシュヴィッツツアーに参加する。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 交通手段
- 観光バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
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アウシュヴィッツ・ビルケナウ博物館は基本的にガイドツアーで回る(夕方などはガイドなしで「自由」に回れるらしいが)。今回はイタリア在住の友人とクラクフ発着のツアーを申し込む。イタリア語のツアーなので日本人唯一のアウシュヴィッツ博物館公認ガイドの中谷剛さんの本(『ホロコーストを次世代に伝える』岩波ブックレット)を持参した。
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少し追加料金を払いホテル発着プランにした。分かりやすいホテルが良かろうと、泊まっているホテル(Meyo Apartments The Main Square https://meyoapartments.com)から数十mのところにあるホテルヴェンツェルを指定。47ユーロくらいしたが、30%割引で33ユーロ程。ついでにお弁当(7.5ユーロ)も頼んでおいた。手配はイタリア在住の友人に任せた(発着場所のホテルなどは私が指定)。8時に運転手と合流。私たちの他に2組の母娘(母親が姉妹同士で、その娘がそれぞれ一人ずつ)の計6人。運転手はイタリア語はできず、英語対応。
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9:20頃にアウシュヴィッツ・ビルケナウ博物館に到着。ツアー開始は10時からなのでトイレに寄っておく。割と新しく、しかも無料だった。事前に調べた情報では「アウシュヴィッツ博物館のトイレは有料だから小銭を用意しておくように」ということだった。
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博物館の入口も新しそうな感じ。
若者や年配者のグループを乗せた大型バスが何台もやってきた。
入口の建物で手荷物検査。空港の様にX線の機械に通す。 -
高い塀に挟まれた通路を抜ける。
ホテル送迎でないツアー参加者も合流し、総勢12名。 -
有名な”ARBEIT MACHT FREI(「働けば自由になれる」)”と書かれた門をくぐれば、強制収容所跡地の敷地内だ。この”ARBEIT MACHT FREI”の文字は、最初に作られたナチスの強制収容所ダッハウの入口にもあった(「中国国際航空(エアチャイナ)で行くスイス・ドイツの旅 その12」 https://4travel.jp/travelogue/11563155 )。
オシフィエンチム (アウシュヴィッツ第一強制収容所) / アウシュヴィッツ博物館 建造物
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”ARBEIT”の”B”の文字がさかさまになっている。この門を制作した被収容者がわざとさかさまにしたという話が残っている。
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門を振り返る。
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アウシュヴィッツ・ビルケナウ博物館のうち、最初に訪れるのはアウシュヴィッツⅠ(本収容所)。もともと、ポーランド軍の兵舎だったレンガ造りの建物が並んでいる。1939年9月、ドイツがポーランドに侵攻し、第2次世界大戦が始まった。ポーランドを占領したナチス・ドイツはここを強制収容所にし、最初はポーランド人の政治犯をを収容した。
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強制収容所には被収容者からなる音楽隊があり、収容所と強制労働の現場を行進する被収容者たちを朝は送り出し、夕方出迎えた。
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ツアーガイドのマリゲリータさん。
中谷剛さんのこともよくご存じの様だった。 -
いくつものツアーグループがいる。
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アウシュヴィッツ強制収容所は主に3カ所に分かれ、最初に造られたのが「本収容所」(アウシュヴィッツⅠ)。増え続ける被収容者に対応するため造られたのが「ビルケナウ」(アウシュヴィッツⅡ)、そして被収容者たちを働かせた工場がある「モノヴィッツ」(アウシュヴィッツⅢ)である。
ちなみにアウシュヴィッツもビルケナウもドイツ語での地名で、ポーランド語ではそれぞれ「オシフィエンチム」「ブジェジンカ」になる。 -
ヨーロッパ中からユダヤ人たちがアウシュヴィッツに移送された。
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1940年6月ポーランド人の囚人(主に政治犯)14万から15万人の収容が始まり、
1941年6月、様々な国籍の囚人が2万5千人、
1941年夏、ソ連軍の捕虜1万5千人が収容され、
1942年3月からユダヤ人110万人が移送され、アウシュヴィッツは強制収容所としてだけでなく、絶滅収容所としての役割も担うようになる。 -
貨車で運ばれた人々の写真。
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その中には多くの子供たちがいた。
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ホームで選別される人々。
「労働に向かない」と判断されるとガス室にむかう列に入れられ、すぐに殺された。 -
「選別」が終わったホームには荷物が残されているだけ。
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ユダヤ人の特別労働班(ガス室で亡くなった人たちの死体の処理を行った)の被収容者が撮影した写真。こんな写真を撮るのも命がけだっただろう。
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ガス室と焼却炉の設備がある「クレマトリウム」の模型。
貨車でアウシュヴィッツⅡ(ビルケナウ)収容所に到着した人々は、「シャワー室で消毒を行う」とこのガス室に案内され、殺された。そして、死体はそのまま同じ建物内の焼却炉で焼かれた。 -
ツィクロンBの缶。ツィクロンBはシアン化合物を珪藻土に含ませたもので殺虫剤として開発された。空気に触れ揮発すると青酸ガスになる。「長時間苦しまず、短時間で死ねるから、他の方法よりは人道的(!)だ」というようなことを、アウシュヴィッツ収容所長ルドルフ・ヘスは回顧録で書いていた。大量虐殺に「人道的」とかないと思うが。
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次の建物に向かう。
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この建物には犠牲者たちの遺品が展示されている。
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眼鏡、義足、靴、食器など。中でも子供の靴や服は痛ましい。
直接身につけた物の写真は載せるのがためらわれ、鞄の写真だけ載せておく。まさか到着してすぐに殺されるとは思わず、持てるだけの荷物を持ってきたのだろう。
他に織物の原料にされた大量の女性の髪の毛などもあるが、それは写真撮影禁止。 -
トイレ。
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洗面台。
「本収容所」(アウシュヴィッツⅠ)の方は、まだ設備が整っている方である。 -
被収容者の中で他の被収容者を監督するカポーの部屋。特に残虐な犯罪者などが選ばれることが多かったらしい。
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一般の被収容者の部屋。3段ベッド。それでも「ビルケナウ」よりはしっかりした物。
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銃殺刑が行われた「死の壁」
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「死の壁」は10号棟と11号棟の間にある。
10号棟は人体実験が行われた。銃殺刑が見えないように窓には覆いがある。
11号棟は「監獄」で、地下室に脱走者やその協力者などが入れられた。 -
厨房の建物とその前に集団絞首台。この厨房の裏に点呼広場があり、点呼の際に見せしめに絞首刑が執行された。
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監視塔。その手前に電流の流れる有刺鉄線の柵。
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電流の流れる有刺鉄線の柵。
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収容所長ルドルフ・ヘスの絞首刑が行われた絞首台。
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続いて「本収容所」(アウシュヴィッツⅠ)のガス室・焼却炉に向かう。
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ガス室の入口
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復元された焼却炉。
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ガス室・焼却炉の建物。
これで「本収容所」(アウシュヴィッツⅠ)の見学は終わり。 -
「本収容所」(アウシュヴィッツⅠ)を出る。
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ここで「10分程度休憩」と言われた。出口のところに本売り場があり、日本語のパンフレットも置いてある。本を買っていたら、ツアーの人たちは先に行ってしまい、注意された。「ビルケナウ」(アウシュヴィッツⅡ)の方にも本売り場はあるので、慌ててここで買わなくても良かった。トイレに立ち寄っておく。
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車で「ビルケナウ」(アウシュヴィッツⅡ)に移動。お弁当を渡される。サンドイッチ2個と水、リンゴにお菓子。7.5ユーロだったから安くはないが、売店とかに立ち寄る時間が取れるか心配だったので、頼んでおいた。しかし、敷地内で飲食しなければ、飲み物や軽食(ビスケットなど)の持ち込みは可能だったようだ。
敷地内では食べられないので、この門の外側でサンドイッチを食べる。あのような展示を見た後でよく食べられるものだが、空腹で倒れたらもっとダメだろう。ビルケナウ (アウシュヴィッツ第二強制収容所) 史跡・遺跡
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収容所の門。
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木造バラックは復元されたもの。
かなり暑かった。
被収容者たちは暑い日も寒い日もここから強制労働の現場に向かったのか(働けなくなったらガス室送り)。 -
「ビルケナウ」(アウシュヴィッツⅡ)は広く、20万人収容できる規模にする予定だったが、戦争でドイツが劣勢になってきて、全部は完成しなかったらしい。
「ビルケナウ」の見取り図。
左の方が女性用の収容所。
線路を挟み男性用の収容所やロマ(ジプシー)の家族たち、ハンガリーのユダヤ人中継収容所などの区画がある。 -
このパネルの見取り図は、上の写真の見取り図の線路の右側の部分を時計回りに90度回転させている。
左端の白い部分が復元された木造バラックのあるところ。
ロマ(ジプシー)の家族などもこちらに収容され、比較的ましな待遇だったらしいが(ユダヤ人と比べれば)、彼らの多くも結局は殺された。また、ロマたちが収容された区域にナチスの親衛隊の医師メンゲレの実験室があり、様々な人体実験を行ったそうだ。 -
復元された木造バラックに向かう。
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バラックの中。奥に穴が開いただけのトイレが見える。
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穴が開いただけのトイレ。
劣悪な衛生状態でノミやシラミも多く、チフスなどの伝染病が流行った。 -
レンガ造りの物は屋内を温める暖房器具。実際には使われなかったそうだ。
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バラックは馬小屋として51頭の馬を飼う予定だったが、400人の被収容者を収容したとある。
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「本収容所」(アウシュヴィッツⅠ)と比べても、粗末なベッド。
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有刺鉄線の柵の向こうにはレンガ造りのバラック。
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「ビルケナウ」(アウシュヴィッツⅡ)は、ほとんどの建物は残されていない。
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収容所の門。
アウシュヴィッツ強制収容所というとこの門を思い浮かべる人もいるかもしれないが、「本収容所」ではなく「ビルケナウ」の方の門である。 -
線路は、あの門をくぐって敷地内に続く。
ランペ(降車場)にはユダヤ人たちを運んだ貨車がある。 -
窓もないような貨車でギュウギュウ詰めにされ、ほとんど飲まず食わずでここまで運ばれた。
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しかし、何とかたどり着いても、その場で選別され、多くの者はガス室へ向かわされた(だから「絶滅収容所」とも言われる。)。「強制収容所」でも多くの人々が殺されたが、1942年1月のヴァンゼー会議で「ユダヤ人問題の最終的解決(全ヨーロッパ1100万人のユダヤ人殲滅)」が決定され、最初から殺すために作られたのが「絶滅収容所」。
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遠くに破壊されたクレマトリウム(ガス室と焼却炉を併設した建物)が見える。
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クレマトリウムの近くにいる集団は、慰霊のために訪れたユダヤ人たちだそうだ。
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貨車。遠くに収容所の門が見える。
ここで貨車を降ろされた人々は選別され、多くがそのままガス室に送られた。 -
門のところにあったポスター。
13時過ぎにアウシュヴィッツ・ビルケナウ博物館見学は終わり、送迎車でクラクフの街に戻る。
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この旅行記へのコメント (2)
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- gontaraさん 2023/07/11 13:54:38
- 絶滅収容所
- こうして記事を見ると確かにアウシュビッツの方が少しばかり住環境はマシに見えますね。
労働の為の施設と絶滅の為の施設の違いなのでしょうか。
女性の髪の毛が工業生産の材料になるほどの量だと書かれていたことに驚愕します。彼らの尊厳の為に撮影は出来ないんですね。
僕はビルケナウしか見学できませんでしたが、ガイドの妊婦の処遇や新生児の抹殺の行になると涙が止まらなかったのを覚えています。
各国を旅行すると、現在もホロコーストに似たような所業が行われていることに怒りを覚えるけど何もできない無力さを感じます。
GONTARA
- ミータさん からの返信 2023/07/11 20:35:02
- Re: 絶滅収容所
- アウシュヴィッツ(「本収容所」)には幼い子供用の靴の山、子供服も展示されていました。幼い子供が真っ先に殺されたと思うとやるせないですね。でも、「親が殺されて、子供だけ生き残る方がかわいそうだろう」という考えもあったようです(今年日本で公開されたドイツ映画『ヒトラーのための虐殺会議』にその様なセリフがあった)。ユダヤ人を殲滅させるのが目標になったから、子供も容赦なく殺したということですが。
一緒にツアーに参加した女の子たちは11歳ということで、同世代の子らが殺されたことをどう感じたのだろうかと思います。
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