伊勢佐木町で牡蛎チャーハン　伊勢ぶらしながら昭和歌謡と牛なべとすき焼きについて考えた。

2023/02/11 - 2023/02/11

2023年2月の10日、関東は大雪予報。11日の土曜にかけて不要不急の外出は避けるように、とあちらこちらで声高に叫ばれていた。

10日の金曜日、横浜ではちょっと雪が降ったけれど夜には雨となった。
TVでは、東京で大雪！と八王子あたりで車が雪で立ち往生しているニュースばかりを流していたが、銀座や渋谷は全くそんな状態ではない。

確かに八王子だって東京都には違いない。しかしねえ。

ということで、11日の土曜日は雪の鎌倉に出かけてみようと思っていたのだけれど大きくアテが外れた。
そんな時に思い出したのが、知人から聞いた伊勢佐木町の龍鳳という中華料理店のこと。
名物のカキチャーハンが絶品なのだという。牡蠣好きとしては気になるところ。

HPで確認すると、

“2022年10月27日から、突然にカキチャーハンだけをお求めの客様が押し寄せ、昼の部、夜の部ともに行列満席状態が続いていましたが、11月14日あたりから平日は従来の落ち着きを取り戻しつつあります。”

なんてことが書かれている。
やけに日程が具体的だが、興味津々。出かけてみることに。

因みに伊勢ぶらとは、三重県の伊勢ではなく、横浜の伊勢佐木町をぶらぶらすることです。

エリア 横浜(神奈川)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• グルメ: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 私鉄 徒歩

伊勢佐木町に行くにはJRの関内駅か地下鉄で向かうのがセオリーだけれど、今日は京急の日ノ出町駅経由で出かけてみることに。

京急日ノ出町駅

日ノ出町駅 駅

大岡川。

櫻の名所なれど、梅もまだだしね。

大岡川プロムナード 花見

大人のワンダーランド野毛もさすがに静かだ。

野毛商店街 市場・商店街

龍鳳はすぐに見つかった。
１Ｆは四川料理の別店だ。

この店、ＨＰに
昼は11:15オープン、14:00まで。
混み合うときは13時に閉める場合もあると書かれていた。

ということで11:30に入店。


https://ryuhou.com/

おっ！これですな、噂のカキチャーハン。

物凄く混み合っていることを想像したのだけれど、奥で昼宴会を楽しんでいる御姉さまグループの他に一人客がちらほら。

カウンターは無く、4人用テーブルと円卓。

中華街の中華料理店のような内装だが、最初に出て来たお茶は日本茶。

窓際の4人掛けのテーブルに案内され、カキチャーハンをオーダー。

単品オーダーは断られるのかと思ったがそんなことはなかった。
ただまあ、宴会のお姉さま方のオーダーで忙しい様で料理がなかなか来ない。

人気店なんですかね。気が付けば満席。

閑だったのでググってみると、アド街でこちらのカキチャーハンが紹介されたことが分かった。

あぁ、なるほど。
HPのやや強気な言葉も納得。ご近所さん客で回っていた店がTVで紹介されて、カキチャーハンを求める人が列を作ったということか。

それはそうと、気になったのが秦野にタケノコ山を持っており、季節にはタケノコ料理が名物として登場するとの記載。

こりゃまた、誰かを誘って来なきゃいけないな。

20分強待って到着したのが、こちら。
名物カキチャーハン。

スープに漬物。
中華料理店でたくあんというのも珍しいな。
お皿も中華っぽくないぞ。

オイスターソースで炒められた1ダースほどのカキが、チャーハンの上に鎮座。
振りかけられた和山椒が良いアクセント。
ニンニクとネギと共に炒められた牡蠣は結構濃い味でビールが飲みたくなる。

このチャーハンが蒸し米というか、もち米のようなちょっと不思議な食感。
1600円ねえ・・なるほど。
単品で頼んでおいて言うのもナンだけれど、店としては他の料理の締めにオーダーしてもらいたいんだろうな。

TVって罪だ。

20分強待って10分ほどで食べて店を出た。

12時すぎに退店したのだけれど階段の下には、貸し切りとのお知らせが。

危ない危ない。

と思ったものの、１3:30に再び覗いてみると昼営業終了の札が。

貸し切りじゃないじゃん。
この店、昼は二回転させない主義のようですねえ。

他の客の餃子のオーダーには手が回らなくて作っていないって言っていたし、あまり商売っ気はないようだ。
TVを見て押し寄せた客を捌ききれずに、方針変更したのかもしれない。


訪れる際は、予約するか開店間際にどうぞ。

ではちょっと伊勢佐木町商店街 (イセザキモール)案内の旅へ。

とはいえ、詳しく知っているわけではないが。

伊勢佐木町は横浜の観光地の中心が、みなとみらいエリアに移ってからやや忘れ去られた感があることは否めない。

伊勢佐木町商店街 (イセザキモール) 市場・商店街

横浜には、太田なわのれん、荒井屋、じゃのめや という牛鍋・すき焼きの老舗が三軒ある。
過日閉店した荒井屋の支店、荒井屋NESTという洋食店以外は行ったことがない。

そもそも、外食ですき焼きを最後に食べたのはいつだろう？
20年位前の三嶋亭(京都)か、福岡で食べた佐賀牛のすき焼きが最後かもしれないな。

太田なわのれんはぶつ切りの牛肉を味噌味で食べさせる創業明治元年の老舗。

一度行って見なきゃいけないなと思ってから何年経つことか。


https://www.ohtanawanoren.jp/

太田なわのれん グルメ・レストラン

黒田救命堂

通称へびや

へびの粉末等を販売する不思議な店だが残念なことにシャッターが。

https://www.hebiya.com/

伊勢佐木町ブルースの歌碑

港ヨコハマ～

このあと何だっけ？

「伊勢佐木町ブルース」で第10回日本レコード大賞歌唱賞と第1回日本有線大賞スター賞を受賞した。
とある。

伊勢佐木町ブルースの歌碑 名所・史跡

1968年に発表された「伊勢佐木町ブルース」によって、この町の名が知られるようになったらしい。

歌った青江三奈はこの町の名誉会員だそうな。

随分碑が新しいな、と思ったら青江三奈が亡くなってから設置されたらしい。
ボタンを押すと「伊勢佐木町ブルース」が流れる。


青江三奈
2000年7月2日（59歳没）

今、昭和歌謡がブームというのでそのうちここにも人が押し掛けるのかもしれないな。
横浜を歌った昭和歌謡といえばよこはま・たそがれ、ブルーライトヨコハマを思い出す。

さて、次行きましょう。

玉泉亭
http://yokohama-norenkai.jp/gyokusentei/index.htm

玉泉亭 グルメ・レストラン

サンマーメンという横浜以外ではお目にかかることがない醤油味のあんかけもやしラーメンがあるが、その発祥はここ玉泉亭と、先年閉店した聘珍楼という２つの説がある。

玉泉亭は横浜駅東口のポルタに支店がある。

牛鍋三大老舗の一軒じゃのめや。
こちらは創業明治26年。
https://www.janomeya.com/

店頭のメニューを見てみると佐賀牛となっていた。

じゃのめや グルメ・レストラン

最後は荒井屋。

創業は明治28年

荒井屋 本店 グルメ・レストラン

ここ、荒井屋のＨＰによると牛肉と野菜を一緒に鉄鍋に入れ、割り下を入れ煮込んだものが牛鍋。
先に肉を焼いて、後から野菜を加えるのがすき焼きというらしい。
荒井屋では両方提供しているという。

http://www.araiya.co.jp/



すき焼きの調理法は関西風と割り下を使う関東風に分かれるが、荒井屋さんの説によると関西風がすき焼きで、関東風は牛鍋ということになるな。

ところで、吉野家のメニューってどういう表記だったか気になって調べると、
牛すき鍋膳となっていた。
https://www.yoshinoya.com/menu/nabezenn/gyusuki-nabe-zen/

“吉野家は、1899年（明治32年）に東京・日本橋で創業された。創業者・松田栄吉が大阪府西成郡野田村字吉野（現在の大阪市福島区吉野）の出身だったことから屋号が吉野家になった。”

知らんかった・・・

因みに京都の三嶋亭の創業が明治6年

浅草 すき焼き 今半が明治28年
浅草最古のすき焼き店ちんやという店の創業が明治13年。

だそうな。

松阪の和田金は明治11年。
大阪にあるはり重の創業は大正8年。

京都、恐るべし。

荒井屋の本店以上にインパクトがあったには隣のビル。

凄いな。

銀座に地下で数軒隣のビルのＢＡＲに繋がっていた和食店があったが、ひょっとして荒井屋の地下から？
なんてことが頭に浮かんだが、まずそんなことは無いな。

しかし良い天気。
一昨日の吹雪が嘘のようだ。
それにしても今日は暖かい。

このモニュメントは帆船をデザインしているんですかね？

歴史ある店の多くはシャッターが。

ボクシング好きには有名な店であるらしい。定休日か？

歴史ある店の代わりにやけに目についたのが、タイ料理店とベトナム料理店。

日本大通り

今まで疑問に思ったことがなかったけれど、よくよく考えればたいそうな名前だ。

日本大通り 名所・史跡

足を延ばして横浜橋通商店街も覗いてみることに。

横浜橋通商店街 市場・商店街

豊野丼

一度食べなきゃな、と何年も前から思っているメディア露出の多い天丼店。

豊野丼 グルメ・レストラン

今日は、建国記念日ということで日本国旗が目につくが横浜橋通商店街は、思いっきりアジアな雰囲気で普段あまり目にしないものが売られている。

豚の鼻の詰め合わせとか・・・

ダチョウの卵とか・・・

生きたすっぽんとか。

すっぽんって甲魚って書くんだ。知らなかった。
そういえば、皇居のお堀に巨大なすっぽんが暮らしており、あまりの大きさに驚いたことがある。
目が合ってぎょっとした。

河童＝すっぽん説もあながち間違いじゃなかろうねえ。

安喜惣菜店っていうこれまたレトロな惣菜店

薄暗い路地に誘われて潜り込んだ先には・・・

シブイ立ち飲み屋があり覗いてみると、

どんな人生を送られて来ましたん？
と聞いてみたくなるような大先輩がお独りで。

一緒に飲ませていただくにはまだま修業が足りないな。

酔来軒

生命保険だったか、のCMに使われた老舗広東料理店。
オススメ。

https://www.youtube.com/watch?v=MoKSKWFmxpM

酔来軒 グルメ・レストラン

こちらの名物酔来丼400円。

これがまた美味いんだ。

凄いな、この時代に値上げして無いぞ。

横浜橋通商店街を引き返そうと思ったが、通りの向こうの三吉橋商店街という文字が目に入った。

この通りから向こうは行ったことが無い。
行って見よ。

三吉演芸場

こんなところにあったんだ。知らんかった。

三吉演芸場 名所・史跡

ベロベロＢＡＲだって。

ネーミングにセンスを感じる。

三貴屋製パン

調べると2014年ごろまでは営業していたようだ。

一度食べてみたかった。

鳥居が見えたので近づくと中村八幡宮という文字が見えた。
創立年代は不詳らしい。


https://www.nakamura-hachimangu.yokohama/

中村八幡宮 寺・神社・教会

ところで、明治維新以降内務省地理寮は主要都市の市街図作成に力を注ぎ、各地に水準点を設置したそうな。
その一つがここ中村八幡宮にあるという。

この写真がそれらしいが、ちょっと確信が持てず。

金刀比羅大鷲神社

https://jinjamemo.com/archives/kotohiraootorijinja.html

金刀比羅大鷲神社 寺・神社・教会

横浜開港に合わせて勧進された神社であるらしい。

幕府は、国防の面から東海道に直結する神奈川宿ではなく、寂れた漁村であった横浜村を開港することにしたと。

横浜って、寂れた漁村だったんだ。

さてとそろそろ、伊勢佐木町に戻りますか。

JRAエクセル伊勢佐木
ここはかつて松坂屋だった。

かつて“ゆず”が歌っていた場所だ。

ご存じ不二家

中を覗いてみたけれど、若年層で混み合っておりちょっとびっくり。

全く違う感覚で店を見てるんだろうなあ。

玩具文庫活刻堂

ハマの古本屋。
店内、なかなか面白いので横浜観光の際にはぜひ是非。

こちらKプリンスという洋品店

かつてはこういう洋品店で仕立てたスーツを着て、伊勢佐木町を歩くのがおしゃれだったんだろうなあ。

細っ！
こちらは何の店かわからず。

買蔵　伊勢佐木・時計・ジュエリー館のティラノザウルス

有隣堂

残念なことに次々と街から書店が消えている。
有隣堂はここが本店。頑張ってもらいたい。

有隣堂では、在庫検索がスマホで出来るサービスを提供しており、とても便利。
https://search.yurindo.bscentral.jp/search

尚、
2月22日から3月1日まで、猫　ねこ　ネコ　フェアが開催されるようだ。

猫好きな方は是非。
https://www.yurindo.co.jp/honten/7989

公園と本屋の無い町は寂しい。

応援する意味見込めてこんな本を買ってみた。
どこかでビールでも飲みながら読ませていただきましょう。

老舗天ぷら店の登良屋

牛鍋の荒井屋の親戚にあたるらしい。
ここは強くオススメ。

横浜散歩　旅行者目線でみなとみらいを歩き、老舗天ぷら店登良屋で昼食。
https://ssl.4travel.jp/tcs/t/editalbum/edit/11724958/

登良屋 グルメ・レストラン

登良屋のすぐ隣の野毛おでん

横浜でおでんといえばここ。

最後に利用したのはいつのことやら。

野毛おでん グルメ・レストラン

さてと本日の伊勢ブラこれにて終了。

伊勢佐木町商店街 (イセザキモール) 市場・商店街

吉田橋関門跡

その昔、この橋から海側である馬車道方面が外国人の住む「関内」、伊勢佐木町側が「関外」と呼ばれていたらしい。

ここはその関所跡。

吉田橋 (吉田橋関門跡) 名所・史跡

CERTE
関内駅前の商業ビル。
かつておしゃれだったビルも年季が入りましたね。
開業は1967年だそうな。

https://www.certe.gr.jp/

CERTE ショッピングモール

老舗天ぷら店の天吉。

サザンの原由子さんの実家だ。
入ったことが無いが人が並んでますな。

天吉 グルメ・レストラン

マリナード地下街

マリナード地下街 市場・商店街

ころあいのBARが見つかったので暫し休憩。

BAR お酒の美術館 関内マリナード店 グルメ・レストラン

横浜駅に戻るとこれだ。

後ろから、なんでこんなに混んでんのん？
と関西弁が聞こえて来た。

なんでやろねぇ。
2年前は誰もいなかったんですよ、
と呟いて。



来週はまた寒波がやって来るらしい。

春よ来い。
早く来い。


近場も良いけれど、泊りでどこかへ行きたいぞ。

横浜駅 駅