![Ver.1で、私の小・中・高校を訪ね、青春時代の想い出を巡り、吉野神宮を参拝し、その夜は参道沿いにある「吉野荘湯川屋」に宿泊いたしました。<br /><br />実は、この地に温泉があるという事を知らなかったのですが、吉野温泉は300年以上の歴史があり、島崎藤村を始め多くの文人、修験信徒に愛されてきた温泉のようです。<br /><br />宿では山の幸満載の料理を美味しく頂き、インフィニティ露天風呂から吉野の景色を眺めながら、今日の旅程を振り帰っていると、当時の情景や忘れかけていた色々な出来事が蘇ってきました。<br /><br />また、例年この時期に蔵王権現の秘仏公開が行われていたので、3月位前に旅館を予約したのですが、今年は11/1~との事で、拝観は叶いませんでしたが、伝法潅頂会執行のために閉門していた蔵王堂が、今朝から通常公開され、朝勤行にも参加でき、朝食後には改まって蔵王堂内部の拝観や、吉水神社、下千本周辺を散策し、昼過ぎに多武峰、桜井方面に向かいました。<br /><br />表紙は金峯山寺蔵王堂、3部構成のVer.2は、吉野山の散策です。](https://cdn.4travel.jp/img/thumbnails/imk/travelogue_album/11/79/75/650x_11797543.jpg?updated_at=1671511687)
2022/10/21 - 2022/10/22
52位(同エリア798件中)
まつじゅんさん
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Ver.1で、私の小・中・高校を訪ね、青春時代の想い出を巡り、吉野神宮を参拝し、その夜は参道沿いにある「吉野荘湯川屋」に宿泊いたしました。
実は、この地に温泉があるという事を知らなかったのですが、吉野温泉は300年以上の歴史があり、島崎藤村を始め多くの文人、修験信徒に愛されてきた温泉のようです。
宿では山の幸満載の料理を美味しく頂き、インフィニティ露天風呂から吉野の景色を眺めながら、今日の旅程を振り帰っていると、当時の情景や忘れかけていた色々な出来事が蘇ってきました。
また、例年この時期に蔵王権現の秘仏公開が行われていたので、3月位前に旅館を予約したのですが、今年は11/1~との事で、拝観は叶いませんでしたが、伝法潅頂会執行のために閉門していた蔵王堂が、今朝から通常公開され、朝勤行にも参加でき、朝食後には改まって蔵王堂内部の拝観や、吉水神社、下千本周辺を散策し、昼過ぎに多武峰、桜井方面に向かいました。
表紙は金峯山寺蔵王堂、3部構成のVer.2は、吉野山の散策です。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
-
本日の宿、「吉野荘 湯川屋」です。
世界遺産である吉野山の中腹にあり、1848年の氷室長翁「芳野日記」や、1841年 小田宅子「東路日記」等にも登場しているという創業以来300年超という、歴史ある金峯山寺蔵王堂の門前宿のようです。
2020年11月にオープンの、奈良県初のインフィニティ露天風呂(土日は日帰り温泉施設として利用可)があるというのが決め手となり、予約しました。吉野荘 湯川屋 宿・ホテル
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旅館は吉野建(よしのだて)という、この地方独特の建築様式です。
私達の部屋は3階ですが、フロントから1層降りていきます。
吉野は平地が少ないため、斜面に谷を背にして家屋を建てることが多く、道路から見ると平屋か2階建ですが、家の裏は急な崖のため、家屋は下方へ2階、3階となっています。
窓から見る景色は、斜面を背に谷を見ています。 -
本日のお品書きです。
最初に、
食前酒:自家製梅酒
先付け:吉野胡麻豆腐 わさび添え
前菜:季節の前菜五種
がセットされています。
この梅酒、まろやかで美味しかったです。 -
変物:鹿たたき 生姜醤油
鹿の肉って、中々食べることが無いですが、思いの外、獣臭も無く、柔らかくて美味しかったです。
綺麗な肉ですね。 -
向付け:山ふぐ、葛きり、生湯葉、辛子味噌
山ふぐって、こんにゃくのお刺身ですが、葛きりと共に凄く美味しかったです。
生湯葉は、湯葉好きの奥様の元にまいりましたが、辛子味噌で食べるこんにゃくって、こんなに美味しいのですね。 -
温かい料理は温かい状態で、出来立てを提供頂いています。
小吸物:きのこ土瓶蒸
蒸し物:饅頭吉野葛あんかけ、桜葉包み
きのこの土瓶蒸しの風味は、何とも言えない美味しさを感じました。 -
小鍋物:西行鍋(登録商標)
この宿の名物で、吉野葛を使用した鍋です。
吉野山の桜をこよなく愛した西行法師が、山中の野草を摘みとり栄養源としてあみ出したといわれる料理のようです。
吉野山の新鮮な季節の山野草に、鶏肉や雉肉などを取り入れ、吉野葛をベースとして少しとろみのあるスープは、鍋が煮え立つほど、コクのある豊かな味わいを感じさせる料理です。
すりゴマの風味と、奥行きのあるスープが美味しい料理ですね。 -
焼き物:鮎の葛みそ焼き
私の撮影技術不足で、写真映りは非常に悪いですが、凄く美味しかったです。 -
油物:白魚湯葉巻き、干し柿、高野豆腐 他
本葛入り天ぷら粉を使用しているとの事で、葛ってどんな料理にも使えるし、合うような気がします。
奥様、帰りに葛を買って帰ると決めたようです。 -
留め椀:なめこ赤だし
御飯:奈良県産ひのひかり
香の物:奈良漬け 他
甘味:笹巻き葛もち 他
〆まで美味しく頂きました。
葛と温泉の効果か、身体の内面から温まってくるような気がします。
ご馳走さまでした。 -
翌朝、6時から蔵王堂の朝勤行に向かい、1時間程で戻って来て温泉で身体を暖め朝食に向かいます。
丁寧なお品書きです。
大和の茶粥って有名なんですね。
長い間住んでいましたが、実はあまり食べた記憶が無いのですが、奈良では「おかいさん」と呼んで親しまれている郷土料理のようです。
確かに、「おかいさん」ってお粥の事を呼んでいましたね。
小袋にほうじ茶を入れて煮出し、米を入れて炊いただけのシンプルな料理で、粘りがなくサラッとして、ほうじ茶の香りがする料理です。 -
品数や手軽さを考えてか、最近のホテルでは、ほぼ100%近くがビュッフェ形式となっているように思いますが、多くは食べられ無いし、私達にはこの方が好みになってきました。
こちらの旅館の食事は、奥様の好みだったようで、帰ってからも「美味しかったなぁ。」と振り返っていました。 -
朝早かったので、朝食を終えても8時・・・。
もう一度温泉に浸かり、9時過ぎにチェックアウトして、参道の散策に向かいます。
このロープウェイは、昔から不思議に思っていたのですが「吉野山ケーブル」と呼ばれています。
約350m、高低差が約100mの、現存する日本最古の索道路線で、正式名称は吉野山旅客索道です。
1929年3月12日開通で、搬器や鋼索等は更新されていますが、支柱は1928年の建築当時の物がそのまま使用されています。
索道方式も、RA型ロックドレールロープ式という、ケーブル2本の間にぶら下がる旧式の極めて珍しい方式で、日本機械学会により2012年度に機械遺産に認定されています。
戦時中は、金属供出のため廃止撤去された索道は多いですが、吉野山の住民と、如意輪寺の後醍醐天皇塔尾陵参拝の足という事から、休廃止を免れ当時の施設が残った要因と言われています。
ただ、桜の時期はフル稼働していますが、火・水・木曜日は運休、バス運行となっています。
高校時代、吉野山から通っていた同級生がいましたが、定期券があって朝ケーブルに3分間乗って通学していました。吉野山 自然・景勝地
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黒門です。
黒塗りの高麗門で、金峯山寺への総門として、吉野山の関所的な存在です。
昔は公家、大名でも馬や駕籠から降り、槍を伏せて通ったと言われています。 -
有名な吉野葛には、薬効が沢山あるようです。
葛の根には、薬効成分としてイソフラボン誘導体が含まれていて、葛粉特有のもので、葛粉以外の澱粉からは検出されないという事です。
発汗、解熱、鎮痙作用や、血中コレステロールの低下、体内カルシウムのコントロールを助けるという効果もあり、骨粗しょう症や更年期障害等の成人病に有効と言われています。
こちら葛屋 中井春風堂です。
お店の方のお話では、ALL吉野葛の「吉野本葛」は、確かに素晴らしいものですが、価格は少々お高いので、料理で使うのであれば、お手軽な葛根に他の澱粉(馬鈴薯や甘藷)を約50%ブレンドした「吉野葛」が使いやすいという事で、奥様購入しました。桜陰 山本庵 グルメ・レストラン
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国宝の仁王門ですが、2018年より大修理に着手されていて、現在も工事中です。
大きな仮設屋根で囲まれていますが、仁王門は南北朝時代に建立されたと考えられており、重層入母屋造り、棟の高さ20.3mという有数の山門です。
本堂の正面が南に対し、仁王門は北が正面となっています。
門の左右に、高さ約5mの重要文化財の仁王像が安置されており、阿形像は1339年、吽形像は1340年に、南都の大仏師康成によって造立されたととの事です。 -
蔵王堂を正面に、石の柵の中に桜が四本植えられており、四本桜と呼ばれています。
「大塔宮御陣地」と刻まれた石柱が建っており、1333年 大塔宮護良親王が鎌倉幕府勢に攻められ、吉野落城を覚悟して最期の酒宴をされた場所です。
陣幕の柱跡に植えられているのが四本桜です。金峯山寺蔵王堂(国宝) 寺・神社・教会
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蔵王堂は、山上ヶ岳の大峯山寺本堂が「山上の蔵王堂」と呼ばれているのに対し、山下の蔵王堂と呼ばれているようです。
入母屋造檜皮葺き、構造的には一重裳階付きで、高さ34m、奥行、幅は36mあり、木造の仏堂としては全国屈指の規模です。
本尊 金剛蔵王大権現三体の他、多くの尊像が安置されています。
蔵王堂は、白鳳年間に役行者の創建と伝えられていますが、平安時代から幾度か焼失と再建を繰り返し、「太平記」によると、1348年に足利方の高師直によって焼失、その後、1586年にも焼失し、現在の建物は1592年頃に豊臣秀吉の寄進により再建されたと言われています。
蔵王堂は、金峯山修験本宗の総本山の寺院である金峯山寺(山号:国軸山)の本堂で、「金峯山」とは単独の山ではなく、吉野山から続く大峯山系の山上ヶ岳の山岳霊場を包括した名称で、古代から山岳信仰の聖地となっています。
和歌山県の高野山、熊野三山や、これらの霊場を結ぶ巡礼路とともに世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成要素となっています。
本尊である、三体の蔵王権現は秘仏で、今回は期間外となりましたが、年に数回特別公開されるとの事で、次回に期待いたします。 -
吉野山といえば「桜」が有名ですが、南北朝の時代には南朝の中心地でした。
1336年、後醍醐天皇は幽閉先から脱出し、吉野 吉水院に入り行在所としましたが手狭のため、蔵王堂の西にあった実城寺を皇居としましたが、明治の廃仏毀釈で廃寺になり、建物も取り払われましたが、その跡に1958年、南朝四帝の尊霊と先の大戦での戦没者追悼の施設として南朝妙法殿が建設されています。吉野朝宮跡 名所・史跡
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境内にある、脳天大神龍王院は高校時代に大学受験のお守りを頂きに友人達と来たことがあります。
1951年に五條覚澄の手によって創祀されましたが、蔵王堂の西方の谷あい凄く降りていく場所にあり、階段がきついのでパスしました。
に位置しています。
二天門跡は、かつて蔵王堂の南に南面して建っていた二天門という大峯から出峰してきた行者を迎える門でした。
現在は「二天門跡村上義光公忠死之所」と刻まれた石柱が建っています。
右上の観音堂の本尊は、十一面観音立像で南北朝・室町時代の頃に創建されたと伝えられています。
本尊十一面観音立像は南北朝の作とされ、脇に安置される阿難・迦葉尊者立像は、現在廃寺となっている世尊寺に安置されていた物と伝えられています。
左下は愛染堂、本尊は愛染明王で1770年に経蔵として建立されたもので、その後護摩堂として使用されていました。
1983年に蔵王堂に安置されていた愛染明王を遷座し、愛染堂となりました。
この像も、廃寺となった安禅寺に安置されていたもののようです。 -
次に向かったのは吉水神社です。
御祭神は後醍醐天皇、楠木正成公、吉水宗信法印公で、元を「吉水院」といい、1300年以上前の時代である白鳳年間に、役行者が創建した格式高い修験宗の僧坊でした。
1336年 後醍醐天皇が京都から吉野へと行幸された際に、吉水宗信法印の援護のもと、吉水院を南朝の皇居とし住まわれました。
それから南朝4代57年の歴史が始まり、現存する南朝唯一の行宮となっているようです。
明治時代の神仏分離によって、吉水院が後醍醐天皇の南朝の皇居であったことから、1875年に「?水神社」と改められたようですが、歴史のある場所ですね。吉水神社 寺・神社・教会
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この神社の参拝方法は少し変わっています。
「一二礼 十七拍手 一礼」 が参拝作法のようです。
神様が17神おられるため、17回拍手をするのだそうです。
吉水神社の書院は、日本最古の書院建築です。
また、追手から逃れた源義経と静御前が、弁慶と共に隠れて住んでいた場所でもあります。
狛犬というより、この神社は犬好きでフレンドリーな宮司さんが有名のようです。
後醍醐天皇と楠木正成公が、飼い犬を大切にしていたことからも、犬と縁の深いペット神社として全国的に有名のようです。 -
お昼になりました。
朝食をしっかりと頂いたので、あまりお腹は空いていませんので、軽く喫茶で休憩です。
こちら「林とうふ店」ですが、伝統的な製法と原料へのこだわりによる手作り豆腐のお店のようです。
併設された豆腐茶屋で休憩し、桜井、多武峰方面に向かいます。
Ver.2 これまで。豆富茶屋 林 グルメ・レストラン
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この旅行記へのコメント (2)
-
- 豚のしっぽさん 2022/12/14 14:04:47
- 思い出巡り♪
- こんにちは、まつじゅんさん
ひとつ前の青春の思い出巡り
めちゃくちゃ良かったです!!
常々お話は伺ってましたが
旅行記を拝見して
私の中で点と線が繋がった感じです
いい旅をされましたね
青春時代の思い出は、ほんと宝物!
1番キラキラしていた時代ですものね
そうそう!
湯川屋さんに宿泊されたのですね
いいな!いいなぁ~
私は日帰り入浴でインフィニティ温泉楽しんだだけだから
宿泊したらどんななのか、気になってました
素敵なお宿ですね
しっぽ
- まつじゅんさん からの返信 2022/12/19 12:09:00
- Re: 思い出巡り♪
- 豚のしっぽさん
いつも私の拙い忘備録へのご訪問&コメントありがとうございます。
奈良に詳しいしっぽさんなら分かって頂けると思いますが、忍海って微妙な位置で、電車だと奈良にも橿原にも、はたまた吉野にも結構時間が掛る不便な場所で、一番近い都会はあべの橋ですね。
車だとあっと言う間の距離ですが、学生時代、特に高校時代は通学が濃密な時間だった気がします。
吉野川沿いの道を、当時のGFと歩いた、体力も有り余っていた頃を思い返し、懐かしくも甘酸っぱい時間を振り返ってきました。
同じ中学からこの方面に進学したのは3人、あまり進学希望者がいない地区で、私も担任の先生のお勧めは八木付近の学校でしたが、色々将来を考えて悩んで決めた事を想い出しました。
なぜか当時のマドンナが大淀高校に進学したので、下市口まで電車や放課後に楽しい時間を過ごせてよかったです。
2、3年になると、クラブの後輩等色々交際範囲も増え、昭和チックな青春を満喫していたと思います。
建築の勉強は初めてで、それこそ楽しく色々な事を吸収させて頂きましたが、それ以外の勉強はあまりせず、クラブや建築模型作りに勤しんでいましたので、その場所が消えてしまったのは寂しいです。
吉野神宮や湯川屋さん、ケーブル近くにある同級生の家を、久し振りに訪ねたり、楽しい時間を過ごさせて頂きました。
懐かしさについつい長文となり、失礼いたしました。
matujyunn
PS:柿の葉寿司のひょうたろうにも寄りましたが、先輩はあいにく留守との事で立ち寄らせてもらったことを伝えて頂くと、帰ってから「来るときは連絡してから来い」と高校時代と同じように叱られてしまいました。
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