
2023/11/03 - 2023/11/03
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たっくん&ゆうすけさん
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色づき始めた紅葉の桂離宮 (Katsura Rikyu Imperial Villa) と,桂離宮前,二条寺町,四条木屋町などのスイーツの老舗巡りのブログ(旅行記)。それぞれ趣の異なる confectionery です。
桂離宮の参観予約は,宮内庁・参観申込トップページから。
https://sankan.kunaicho.go.jp/order/
多言語対応 (日本語, English, Français, Español, 簡体中文, 繁體中文, ハングル) の参観案内はこちらから。
https://sankan.kunaicho.go.jp/multilingual/
桂離宮を参観できるのは中学生以上で,中学生・高校生を除き一人千円の参観料が必要です。なお,修学院離宮と京都仙洞御所の参観は18歳以上に限ります(無料)。
『紅葉と新緑の「修学院離宮」参観』のブログはこちらからどうぞ。
https://4travel.jp/travelogue/11795314
2022年11月3日,11月10日10時からの参観枠に二人分の空きがあるのを偶然みつけ,直ぐにオンライン予約。抽選の結果,幸運にも翌11月4日には宮内庁京都事務所から参観許可通知が届きました。桂離宮の参観は,2002年11月19日(当時は写真撮影不可でした),2010年12月22日に続き,12年ぶり3回目となりました。
追記:2023年11月3日に4回目の参観。写真6枚を差替え,1枚追加,1枚削除しました。特段の記載のない限り,写真はすべて2022年11月10日に撮影したものです。
表紙写真は桂離宮の松琴亭・二の間。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 私鉄
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【 Omote-mon Front Gate, Katsura Imperial Villa】
桂離宮を57枚の写真で紹介いたします。まずは参観コースではなく,離宮の外側から拝見します。
桂離宮・表門です。ほぼ,丸木の門柱と磨き竹のみでできた質素かつ簡素な門です。しかし往時から,材料はよく吟味され,優れた技法を用いて作られ,入念な手入れがなされていたことでしょう。そして,そのこと自体が,門の内に御座(おわ)します方の高貴さを暗示しているような,そのような例は世界に二つと存在しません。桂離宮 名所・史跡
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【 Hogaki (The bamboo-branch fence), Katsura Imperial Villa 】
表門に続く「穂垣(ほがき)」。一定間隔に立てた太竹に,細い竹を水平に積み上げたものです。写真左端からは「桂垣(かつらがき)」に変わっています。 -
【 katsuragaki (The living-bamboo fence), Katsura Imperial Villa 】
桂離宮の桂川の土手沿いには,桂垣が連なっています。桂垣は笹垣とも呼ばれ,自生する竹をそのまま利用して,一定の高さで竹を押し曲げて編んだ生垣です。穂垣とともに桂離宮独特の形式美を見せます。 -
桂垣は年月を経て枯れてくるにつれて,その構造と意匠が顕わになります。
それでは桂離宮の参観者休所に向かいましょう。 -
【 Katsura Rikyu Imperial Villa 】
画像出典:宮内庁ホームページ(https://sankan.kunaicho.go.jp/guide/institution_katsura.html)
庭園と建築がみごとに融合した離宮として知られる桂離宮。別荘建築として最高の技法が用いられています。その造営は,後陽成天皇の弟君にあたる八条宮(はちじょうのみや)初代・智仁(としひと)親王から三代続き,1663年に後水尾上皇の行幸があって完成をみました。
池泉回遊式の庭園には,雁行(がんこう)して建つ4棟の書院のほかに,桂離宮でも最も格式の高い茶亭・松琴亭(しょうきんてい),池を見下ろす丘の頂に建つ賞花亭(しょうかてい),船着き場の上に建てられた笑意軒(しょういけん),古書院の御輿寄(おこしよせ)の傍らの高みに建つ月波楼(げっぱろう)などがあります。
以下,参観コースに沿って紹介していきます。なお,宮内庁のHPには「ただいま書院では,経年により劣化の生じた柿葺屋根の葺替や漆喰壁塗替,建具の修理などを行っています。工事は令和5年11月までの予定で,工事期間中は建物を覆う素屋根を建てて作業を行います」と記載されています。訪問時には新御殿以外の書院群(古書院,中書院,楽器の間)が素屋根に覆われて見ることができませんでした。もともと書院群の建物内部の参観は行われていません。桂離宮 名所・史跡
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【 Miyuki-michi Lane, Katsura Imperial Villa 】
まずは土橋を渡って御幸門(みゆきもん)へと至る御幸道(みゆきみち)を進みます。左手には御舟屋(おふなや)が見えます。 -
御幸道を振り返ってみると,先ほど渡って来た土橋が,苑路に対してまっすぐではなく,僅かに左に振って架けられていることがわかります。これは奥行きを深く見せるための仕掛けで,苑路に隠された機能美(視覚的効果)のひとつと考えられています。
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「あられこぼし」と呼ばれる苑路は,石の平らな面を上にして。歩きやすいように工夫されています。
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【 Miyuki-mon Gate, Katsura Imperial Villa 】
御幸門は皮付き丸太の柱と桁で支えられています。茅葺切妻造(かやぶき きりづまづくり)の簡素な門です。桂離宮 名所・史跡
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皮付きの丸太は,ここが八条宮家(はちじょうのみやけ)のご本邸ではなく,あくまでもお遊びのための別荘であったということを示しています。
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御幸門から望む桂離宮・表門
表門に至る50mあまりの苑路も,遠近法による視覚的効果を狙って作られています。道幅は表門に近づくほど狭くなっているのです。 -
門の内側から見た桂離宮・表門
(2010年12月22日撮影)桂離宮 名所・史跡
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【 Soto-koshikake Arbor, Katsura Imperial Villa 】
外腰掛(そとこしかけ)は,松琴亭(しょうきんてい)のお待合として使われた間口三間の茅葺寄棟造(かやぶき よせむねづくり)。方向によっては,バリ島のバレブンゴンのようにも見えます。
(2023年11月3日撮影)桂離宮 名所・史跡
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開放的な造りで二間の腰掛を設(しつら)えています。
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腰掛けると前には蘇鉄山が見えます(丁度,蘇鉄の冬支度の最中でした)。蘇鉄山は,わざとまだ庭全体を見せないようにするための仕掛けでもあります。蘇鉄は薩摩の島津家から贈られたものだそうです(ソテツの寿命は500年以上とも言われています)。
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外腰掛けの二重枡型手水鉢(にじゅう ますがた ちょうずばち)と,それを照らす石灯籠。収穫を量る枡は,晩秋を連想させます。これから参上する松琴亭は冬向きの茶室とされています。
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外腰掛けの前面の「行」の延段(のべだん)
庭園内の「真」「行」「草」の敷石は,それぞれ空間の格式を表しています。
切り石と自然石を組み合わせた「行」の敷石は,ここが formal と informal の中間の領域,semi-formal な空間であることを示しています。桂離宮 名所・史跡
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小さな石橋を渡り,松琴亭に向かいます。水音は景観にアクセントを添える「鼓の滝」です。
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【 Ama-no-hashidate and Suhama 】
二つの小島を石橋でつなぎ,その造形を天橋立に見立て,平たい石を敷き詰めた洲浜を砂浜に見立てています。洲浜の先端には,岬灯籠と呼ばれる毬型の石灯籠が据えられています。桂離宮 名所・史跡
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州浜と天の橋立の先には松琴亭が佇(たたず)みます。松琴とは,琴の音のような松風の意です。
松琴亭は,桂離宮でも最も格式の高い,茅葺入母屋造(かやぶき いりもやづくり)の茶室です。
松琴亭は冬向きの茶室とされますが,東北西の三方が池に面しているため風通しもよく,夏の日差しを避けるために庇(ひさし)を深く取るなどの工夫もなされています。見えているのは,松琴亭の東面と北面です。 -
更に進み州浜を振り返ると,3つの灯籠が同時に目に入ります。先ほど渡って来た小さな石橋の袂(たもと)の灯籠と洲浜の先端の灯籠,そして一番手前はキリシタン灯籠であるとされています。
確かに灯籠の竿の部分には,何か記号なり像なりが彫られているようにも見えますが,それを信仰した人々との関わり合いを研究することなく断定してしまうのは,拙速のそしりを免れないでしょう。 -
細くて比較的長い凛とした構えの石橋。京都白川の産とされる石橋は,松琴亭の茶室の躙口(にじりぐち)に向かって,まっすぐに架けられ,水の流れをそのまま「手水(てみず,ちょうず)」に見立てています。
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【 Shokin-tei Tea House, Katsura Imperial Villa 】
松琴亭の三畳台目(だいめ)の茶室,小堀遠州好みの「八つ窓の囲(侘の囲)」です。躙口から撮影しています。躙口の上にも連子窓(れんじまど)と下地窓(したじまど)が重ねられ,床窓が一つ,正面奥の点前座(てまえざ)には四つの窓があります。点前座の駆込天井(かけこみてんじょう)にも窓が設けられているのが,写真でもわずかに見えます。
点前座は化粧屋根裏,客座は蒲(がま)天井,中柱は微妙に湾曲しており,その曲がるところに小枝が残されています。壁の色が変わっているのは,桂川の氾濫による浸水の跡といわれています。桂離宮 名所・史跡
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イチオシ
松琴亭・二の間
二の間の襖には,藍色の奉書紙が用いられています。左手奥が茶室です。違い棚の下に,茶室・点前座の窓のひとつが見えます。 -
松琴亭・二の間から一の間の方向
二の間の違棚は一の間の床の間と接しているため,襖を取り外すと,床の間の脇棚となるように設計されています。桂離宮 名所・史跡
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松琴亭・一の間(1)
床の間や襖の「藍と白」の明るく大胆な石畳模様(市松模様)がひときわ目をひきます。とても360年前の建築デザインとは思えない斬新さです。
しばしば「青と白」の市松模様と表現されますが,それは経年劣化による藍の退色の結果です。一の間や二の間の襖や張付に用いられている和紙は、2017年度に1988年度以来約30年ぶりに張り替えられました。
床の間の脇は,厨子棚(ずしだな)を付した袋棚です。桂離宮 名所・史跡
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松琴亭・一の間(2)
袋棚の脇からL字型に曲がって,暖をとるための1畳大の石炉(いしろ)が切られ,その上には天袋が設けられています。袋棚と天袋の小襖の墨絵は,狩野探幽の筆と伝えられます。桂離宮 名所・史跡
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松琴亭・一の間(3)
このように,松琴亭・一の間は,L字型に曲がって11畳の座敷を構成しています。桂離宮 名所・史跡
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イチオシ
松琴亭・一の間から二の間の方向
また,一の間の北面は二の間よりも半間ぶん引き込んで建てられているため,そのぶん庇が深くなっています。桂離宮 名所・史跡
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一の間の正面,その庇の深い部分に,竈(くど,かまど)と炉に小ぶりの二段の三角棚が付いた水屋があります。
天の橋立や古書院まで見渡せる絶好の場所に竈構え(くどがまえ)をするのを躊躇(ためら)わないのも,茶亭の粋と心得てのことでしょう。 -
松琴亭正面の苑池
天の橋立を先程とは反対方向から眺めています。水面すれすれに架けられた2つ石橋をはっきり見て取ることができます。
この写真・左手には,対岸の苑路が断ち切られ,橋の痕跡だけが残っています。ここには,今は失われた朱色の欄干を持つ反橋(そりばし)が架けられていたということです。冒頭に掲げた桂離宮略図でいうと,両側からの苑路が池畔(ちはん)で途切れているように見える部分です。欄干の「朱」と,松琴亭の床の間や襖の「藍と白」の鮮やかなコントラストが,それを目にした人々に心地よい衝撃を与えたに相違ありません。
まさに桂離宮の白眉。意匠を凝らした建築美と庭園美の融合を体感することのできる松琴亭です。 -
蛍谷と蛍橋(土橋)
松琴亭を過ぎると,苑路は岸沿いに蛍谷へと延び,蛍橋と呼ばれる土橋へと向かいます。 -
蛍橋を渡ると,頂に賞花亭(しょうかてい)のある大中島に至ります。
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大中島から望む松琴亭・西面
松琴亭西面の池畔には舟着き場が設けられ,夜間の照明に用いられた織部型の石灯籠が立っています。桂離宮 名所・史跡
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【 Shoka-tei Tea House, Katsura Imperial Villa 】
大中島の頂に建つ賞花亭。茅葺切妻屋根に皮付きの柱を用いた小亭です。桂離宮 名所・史跡
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土間を中央にし,畳4枚をコの字型に配した開放的な造りで,南面に水屋棚と連子窓(れんじまど)を設け,内部に竃と炉を築いています。連子窓とは,「連子子(れんじこ)」と呼ばれる材を縦又は横に並べて組んだ窓をいいます。
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茶道具の「なつめ」型(ないしは鉄鉢型)の手水鉢を配し,前面にはツツジが植えられている春向きの茶室です。工事中の書院群の覆いがなければ,眼下には書院群,遠く京都盆地西北に聳える愛宕山(あたごやま,あたごさん)を望む峠の茶屋です。
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賞花亭から大中島を下り始めると,橋で結ばれた苑池の2つの中島が見えてきます。
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また,雁行(がんこう)する書院群のうちリノベーション工事の終わった新御殿も見下ろすことができました。
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【 Onrin-do Private Temple, Katsura Imperial Villa 】
大中島に山裾に西面して建つ園林堂(おんりんどう)。園林堂は,桂離宮で唯一の本瓦葺の建物です。
園林堂には,宮家代々のご位牌と,初代智仁(としひと)親王の和歌の師・細川幽斎(細川忠興の父,忠興の正室が細川ガラシャ)を画いた掛軸などが祀ってありました(現在は空堂)。
(2023年11月3日撮影) -
園林堂と大中島に架かる二つの橋
写真奥の橋は,参観ルートでは渡りません。
(2023年11月3日撮影)桂離宮 名所・史跡
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【 Shoi-ken Tea House, Katsura Imperial Villa 】
笑意軒(しょういけん)は舟着き場のある夏の茶室。茅葺寄棟に,杮葺(こけらぶき)の庇を付けた田舎家風の茶室です。桂離宮 名所・史跡
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笑意軒の四畳の口の間,六畳の二の間と次の間(右手)。
縁側の腰高障子の上には6つの丸い下地窓(したじまど)が設けられていますが,それぞれ微妙に下地の意匠が異なります。
左奥の二の間のさらに左手(東側)には,四畳半の一の間があり,床の間に付書院(つけしょいん)のある数寄屋風の書院造になっています。
右手(西側)の次の間の袋棚・小襖のデザインは,時代を超越しているかのようです。また次の間・北側の連子窓に沿って(写真では見えませんが)竃と長炉(ながろ),釣棚が設えられています。
(2023年11月3日撮影)桂離宮 名所・史跡
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笑意軒の口の間と二の間。ひとつ前の写真では取り払われている襖の引手は,舟の櫂(かい)の形をしています。
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二の間の腰壁貼付けには,舶来の市松模様のビロードを金箔が鋭く切り裂く,鮮烈な意匠が施されています。
(2023年11月3日撮影)桂離宮 名所・史跡
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笑意軒の板戸に取り付けられた「矢形引手」。狩股(かりまた)と呼ばれる二つに分かれた鏃(やじり)が特徴的です。矢羽根の部分を窪ませて引手にしてあります。
四畳の「口の間」の奥(西側)が「次の間」。「口の間」は「次の間」から半間後退し,さらに「一の間」は「口の間」より一間後退して建てられています。 -
笑意軒の前面の「草」の延段(のべだん)。
自然石のみで構成された「草」の敷石は,ここが informal な空間であることを表象しています。桂離宮 名所・史跡
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【 Ko-shoin, Chu-shoin, Shin-goten 】
古書院,中書院(ちゅうしょいん),楽器の間,新御殿(しんごてん)の4棟が雁行して建てられている書院群。4つの書院はいずれも杮葺入母屋造(こけらぶき いりもやづくり)です。
2023年11月3日の参観時,リノベーション工事はほぼ完了し,書院群が真新しい姿を見せています。
(2023年11月3日撮影)桂離宮 名所・史跡
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【 A Moon-watching Platform protrudes from the Ko-shoin, Katsura Imperial Villa 】
古書院・二の間の正面,広縁から池に突き出すように設えられた竹簀子(たけすのこ)の月見台です。北側には月波楼(げっぱろう)がその佇まいを見せています。月波楼は杮葺寄棟造に,切妻屋根の口の間を付設しています。
(2010年12月22日撮影)桂離宮 名所・史跡
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【 Okoshiyose Porch, Katsura Imperial Villa 】
古書院の御輿寄(おこしよせ)は書院の玄関にあたります。その沓脱(くつぬぎ)は,大人の靴を六つ並べられるとして,「六つの沓脱」とも呼ばれます。
(2010年12月22日撮影)桂離宮 名所・史跡
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御輿寄に続く「真」の延段(のべだん)
切り石のみで構成された「真」の敷石は,空間の最高の格式を表現しています。
(2010年12月22日撮影)桂離宮 名所・史跡
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【 Geppa-ro Tea House, Katsura Imperial Villa 】
書院の御輿寄の傍ら,池に面した高みに建つ月波楼。観月のための秋の茶室です。
正面中央が広い土間。土間の左側は膳組の板間(写真)で,竈や吊戸棚,左右の隅棚が使い勝手よく配置されています。床近くに切った横長の下地窓の意匠も,新鮮な印象を与えます。桂離宮 名所・史跡
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月波楼・一の間
一の間の床の間と付書院。一の間にのみ竹棹縁(たけざおぶち)の天井が張られています。 -
月波楼の土間や中の間には,天井は張られず,舟底を模した化粧屋根裏になっています。構造的にはほとんど意味がないと思われる曲がった「小屋束(こやつか)」(舟を操るための棹に見えなくもない)や,掲げられている「朱印船」の絵馬にも遊び心が感じられます。
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月波楼の秋らしい襖紙の意匠。紅葉と観世水(かんぜすい)の文様です。
襖の引手は「杼形(ひがた)引手」。杼とは,機織りの際に緯糸(よこいと)を通すための道具です。
(2023年11月3日撮影) -
イチオシ
月波楼・中の間
化粧屋根裏の中の間。東向きの窓からは,対岸に松琴亭を望む「湖(うみ)」の景色あるいは「月の出」を愛で,北向きの窓からは,水の見えない「陸(おか)」ないしは「山」の風景を楽しむ趣向です。眺めは桃源郷の風情を備えていると言っても,決して過言ではないでしょう。
「歌月」の扁額は,霊元天皇の宸筆(しんぴつ)と伝えられます。桂離宮 名所・史跡
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【 Pine tree at a promontory, Katsura Imperial Villa 】
衝立松(住吉の松)は庭の全体を一度に見せない趣向です。僅かに茅葺の屋根を見せているのは松琴亭です。
以上,桂離宮の参観コースの紹介でした。所要時間は1時間弱,1kmほどの苑路を歩きます。桂離宮 名所・史跡
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【 Nakamura-ken, near Katsura Rikyu 】
https://www.nakamuraken.co.jp
中村軒の場所は,京都市バス,京阪京都交通の「桂離宮前」パス停下車すぐ。阪急京都線・桂駅からは,桂駅東口の1番バス乗り場から,京都市バスまたは京阪京都交通の京都駅行きで3つめ,約3分。
桂離宮からは,桂垣を見ながら桂川沿いに南へ約350m,徒歩6分程度。路側帯しかありませんので,歩行にはお気をつけください。御菓子司 中村軒 グルメ・レストラン
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中村軒のお品書きです。11月から,白味噌の「お雑煮」や葛湯「かぜしらず」がメニューに入っています。「栗赤飯」や「栗ぜんざい」は11月末頃までだそうです。
店頭で売られているすべてのお菓子が店内でも食べられるわけではありません。この日は、お品書きに載っているもの以外では,「亥の子餅(いのこもち)」と「西山」を,飲み物とセットでいただくことができました。御菓子司 中村軒 グルメ・レストラン
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中村軒の名物・登録商標 麦代餅(むぎてもち)
つきたてのお餅に粒あんを入れ,きなこをふってあります。御菓子司 中村軒 グルメ・レストラン
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かぜしらず(540円),亥の子餅(280円),おうす(500円)を店内でいただきます。
「かぜしらず」は,柚子釜に入ったほのかに甘い本葛の葛湯を,柚子の蓋から果汁を搾りながらいただきます。冬場にはぴったりなお菓子です。持ち帰りもでき,電子レンジで簡単に温めることができるそうです。
「亥の子餅」の「亥の子」とは,旧暦十月「亥の月」の最初の「亥の日」のことです。西日本ではこの日に亥の子餅を食べ,無病息災を祈る風習がありました。亥の子餅は,白玉粉,砂糖,ゴマ,きび汁などで作った皮にくるみを入れた,こし餡の和菓子です。けっこう複雑なお味ですが,あっさりといただけます。御菓子司 中村軒 グルメ・レストラン
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中村軒店頭のショーケース
かぜしらず,麦代餅(むぎてもち),
生麩餅,栗餅
三色だんご,栗蒸し羊羹など。御菓子司 中村軒 グルメ・レストラン
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お世話になっている方へのお土産に,
六方焼のこし餡,六方焼の粒餡,お火焚き饅頭のこし餡,
西山(粒餡),亥の子餅(こし餡),しそ餅(こし餡)を。
二日以上日持ちのする和菓子の中から選びました。1,610円でした。
中村軒の「六方焼」は上に乗っているゴマの色で,こし餡(←白ごま)か,粒餡(←黒ごま)か,区別できるようになっています。また,11月のお菓子「お火焚き饅頭」には紅白があり,白がこし餡,赤が粒餡です。西山は,つくね芋を使った生地で粒あんを包み,可愛らしい紅葉の焼印を押してある秋の和菓子です。御菓子司 中村軒 グルメ・レストラン
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11:28に桂離宮前からバスに乗り,桂から,烏丸・四条と烏丸御池で乗り換えて,地下鉄・京都市役所前(=河原町御池)に 11:54に到着。
雲一つない秋晴れの小春日和。京都市役所本館 名所・史跡
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【 Murakami Kaishindo, a famous cookie store 】
https://www.murakami-kaishindo.jp
寺町通二条上ルの老舗,村上開新堂。「舗菓堂新開上村」と右から左に書いてあるのからしてカッコいい! しかも「上」の字が篆書体?みたいになってる!
場所は,京都市役所前駅,ホテルオークラ京都,リッツカールトン京都などから400m,徒歩5分程度。阪急・京都河原町駅からは 1.1km,徒歩15分。村上開新堂から南へ4軒目には,朝7時から開いている「ブーランジェリー リベルテ (Boulangerie Liberté) 京都寺町本店」があります。村上開新堂 グルメ・レストラン
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村上開新堂の店内はけっこうレトロな感じだけど,ショーウィンドウは華やかですね。
村上開新堂 グルメ・レストラン
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カフェで,ここの名物「好事福盧(こうずぶくろ)」
https://www.murakami-kaishindo.jp/products/kozubukuro.html
をいただこうと思って来たんだけど,「カフェは休業中です」と聞いて憮然とするおれ。残念~
ロシアケーキ(クッキーより少しソフトな生地を使った焼き菓子)を買って帰ることにします。村上開新堂 グルメ・レストラン
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このお皿の上段3つが,村上開新堂で買ったロシアケーキ。
左から順に,チョコレート,アプリコット,レーズン,各205円。
下段は,次に紹介する「サロンドロワイヤル京都本店」で買った
ストロベリーティグレ(220円),抹茶ティグレ(220円),オランジェット(1個320円)。村上開新堂 グルメ・レストラン
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予定していなかったお店に寄ることにしました。そのお店は,こんなステキな路地の一番奥にあります。「Roji」って書いてあるんだけど,Rojiって名前のお店でもあるのかなぁ??
場所は「木屋町通御池上ル」と言えばよいのか,高瀬川沿いの木屋町通りに路地の入口があります。「ジェフの英語塾」とか「Jeff」という看板が出ている路地の一本南側の「Roji」って書いてある路地wです。 -
【 Salon de Royal Kyoto 】
https://www.s-royal.com/kyoto/
そのお店は,サロンドロワイヤル京都本店。ピーカンナッツチョコレートで名の通ったブランドです。サロン ド ロワイヤル (京都店) グルメ・レストラン
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ショーケースのボンボンショコラを食い入るようにw見つめ,エッフェル塔も食いたかったけど,さんざん迷った挙句…
サロン ド ロワイヤル (京都店) グルメ・レストラン
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来月,リッツカールトン京都で友達の誕生日会をするから,その時に買って行こうかなどと考えて…
サロン ド ロワイヤル (京都店) グルメ・レストラン
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結局,ケーキセット(1,600円)にしたw
しかもドリンクはアルコールを選んでも構わないってことで,スパークリングワインを。さらにお店おすすめのボンボンショコラが1個,ピーカンナッツが2個ついてくる。鴨川沿いのテラスに面した特等席で,昼間からひとり泡泡。平日の昼時だけど,他に客はおらず。
ケーキは,PDG(ペーデージェー)。コーティングジュレ,アプリコットリキュール使用のガナッシュクリーム,小麦粉不使用のショコラ生地,だそうです。かなり甘かった。ところで PDGってなに? PDFなら知ってんだけど。サロン ド ロワイヤル (京都店) グルメ・レストラン
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ケーキはこの6種類から。
ロールショコラ
PDG
ショコラバニーユ
ガトーショコラ
グリオットピスターシュ
モンブラン -
お土産に各種のティグレ(各220円)と,オランジェット(1個320円)を買って帰りました。バレンシア・オレンジのシロップ漬けに。2種類のチョコレートをコーティングしてあるオランジェットは特におすすめ。
前列左から順に,
フロランタン,オランジェット,ボルカン,ピーカンティグレ,抹茶ティグレ,トラミミ(虎耳)ティグレ,ホワイトティグレ,ストロベリーティグレ。サロン ド ロワイヤル (京都店) グルメ・レストラン
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【 Salon de thé François, a Registered Tangible Cultural Property 】
https://www.francois1934.com/
まだ帰りません。最後は西木屋町通四条下ルのフランソア喫茶室。阪急・京都河原町駅から53m,徒歩1分。フランソア喫茶室 グルメ・レストラン
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フランソア喫茶室は,2003年に国の「登録有形文化財(建造物)」に登録されました。以下,「国指定文化財等データベース」からの引用。
『繁華街木屋町にある喫茶店で,木造2階建の伝統的な長屋を洋風に改築したもの。今回の登録は昭和16年改築の北半部分。設計は当時京大に留学していたイタリア人のベンチベニ氏で,京都の知識人のサロンとして長年親しまれてきた。内装や家具も良く残る。』フランソア喫茶室 グルメ・レストラン
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使い込まれた家具と落ち着いた店内
フランソア喫茶室 グルメ・レストラン
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通り側のステンドグラス
文字通りの小春日和で,窓も開けられていました。フランソア喫茶室 グルメ・レストラン
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特製プリン(800円)とキュラソー・ティー(グラン・マルニエ)(1,050円)
プリンには,ドライオレンジスライスがあしらわれています。カラメルの苦みも効き,わりとしっかりした固さの大人のプリンです。キュラソー・ティーによく合いました。
キュラソーティーには,グランマルニエがたっぷり入っていて,アルコール度数もそこそこありそうです。グランマルニエは,コアントローと並ぶオレンジ・キュラソーの代表的な銘柄。コアントローとは異なり,ホワイト(透明)ではありません。
ケーキセットは 1,350円。本日のケーキは,
レアチーズケーキ(デンマーク産クリームチーズ,ブルーベリーソース)
ベイクドチーズケーキ(オーストラリア産チーズ)
洋梨のタルト(アーモンドクリーム)
レモンのタルト(フレッシュレモンのさわやかな風味)
の4種類でした。
ごちそうさまでした。まだ14時過ぎですが,晩飯要らないかも。阪急・京都河原町から帰路につきます。
了フランソア喫茶室 グルメ・レストラン
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旅行記グループ 京都旅行記・ブログ集 ~皇室財産,京都迎賓館,美術館など~
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