2022/10/01 - 2022/10/01
492位(同エリア781件中)
kojikojiさん
- kojikojiさんTOP
- 旅行記1755冊
- クチコミ1205件
- Q&A回答73件
- 3,457,509アクセス
- フォロワー169人
この旅行記のスケジュール
もっと見る
閉じる
この旅行記スケジュールを元に
青森の旅2日目は夜明け前に目が覚めました。部屋から日の出を眺めた後は朝風呂に向かいます。大抵は早く起きた先客がいるのですが、前の日の晩に続いて誰もいませんでした。朝食は昨晩と同じ宴会場でしたが、メニューには地産の食材が使われ、名物料理のようなものも並んでいました。バスは午前8時に出発して、昨日と同じルートで「下北半島縦貫道路」で横浜町を通過します。一度トイレ休憩があったのですが、昨日とは違った昭和の感じが残るドライブインでした。店の奥に水槽があり、大きな帆立がいました。店の方に尋ねると、「これは発送分なので、注文をいただいてから海へ行って、郵送するので多少時間がかかります。」とのことです。海から揚がったものがその日のうちに送られて、翌日の午後に着くのですから4キロほど送ってみました。その後は真っすぐ下北半島を北上して、むつハマナスラインを抜けて大間崎へ向かいます。右側の車窓からは真っ青な津軽海峡の海が見えました。この海峡をロシアや中国の潜水艦が航行していると考えるとちょっと怖い気もしますが、海峡沿いの漁村ではちょうど昆布干しが行われていました。大間崎には午前11時前に到着して20分の自由時間になります。原寸大の巨大なまぐろのオブジェの前で記念写真を撮って海峡を望むと、函館山やその頂上にある建物までがきれいに見えました。函館には2回ほど行っていて、津軽海峡を望みましたが、青森側が見えることはありませんでした。岬のお土産物屋では地元の海産物が売られ、妻はおばちゃんの店に引っかかっていきます。絵葉書を1枚買って、その場で書き込んで投函も出来ました。バスは10分ほど走って「大間温泉海峡保養センター」に向かいます。この日のお昼はツアーに含まれていて、大間のマグロ丼がいただけます。もっと小さい商店のようなところかと思っていましたが、ホテルの宴会場に案内されました。出来立てのマグロ丼が並んでいましたが、マグロの切り身の大きさに驚きました。赤みが4切れに中トロが4切れに大トロが2切れ並んでいます。これは多すぎると思いましたが、食べてみたらその美味しさに今まで食べていたマグロは何だったんだろうと思えるほどでした。これには大満足で、一緒にいただいた「関乃井」の冷酒も美味しかったです。ほろ酔い気分でバスに乗って次は佐井港に移動です。ここから仏が浦のクルーズになりますが、船の出港まで少し時間があったので買い物をしました。「津軽海峡文化館アルサス」の奥に「裂き織り」の小さな店がありました。その存在は知ってましたが実物を見るのは初めてです。使われる素材によって値段は違いますが、1メートルほどのテーブルセンターが1,500円から6,000円で売っています。気に入ったものが一番安い値段だったので買い求めました。仏が浦の遊覧船は比較するのは不謹慎かもしれませんがKAZU1と同じスタイルの船で、しかもかなり古いものでした。窓のアクリルはヒビだらけで、木製の窓枠も取れそうです。それがすごいスピードで航行するので大丈夫だろうかと心配になります。30分ほど走って仏が浦の港に到着します。通常ルートではここで30分自由時間があって、30分かけて佐井港に戻ります。ところが我々はここで15分の自由時間で、船に戻ってさらに南の牛浦港まで15分ほど進みます。遊覧船は15分かけて仏が浦に戻り、乗客を乗せて佐井港に戻るというカラクリが分かりました。牛浦港には既に我々のツアーバスが停車していて、そのまま南下して脇野沢港に向かいます。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 観光バス 船 JALグループ 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- 阪急交通社
-
ツアー2日目の朝です。前の晩にゆっくり寝ることが出来たので爽やかな目覚めです。
亀の井ホテル 青森まかど 宿・ホテル
-
昨日見えた海面よりずいぶん上から太陽が上がってきたのでテレビのニュースを見るとちょうど青森の天気予報が流れていました。
-
宮城県から北の東北地方には濃霧注意報が出ていました。どうやら陸奥湾全体が霧に覆われているようです。ただこのきりも太陽が昇ると消えてしまいました。
-
日の出を眺めた後に温泉でくつろいで朝食会場に向かいます。この日も同じ1階の烏帽子という宴会場でした。同じようなトラピックスのツアーが4つ入っているので混雑するかもしれませんと添乗員さんに言われていましたが、拍子抜けするほど空いていました。
-
朝ご飯にも地産の食材や料理が並んでいました。そのうちのいくつかは売店でも買えますとセールスも忘れずに。
-
イカ団子は切り身とすり身が混ざった食感が良かったです。
-
青森県のながいもは国内生産量トップクラスを誇り、国内出荷量の約4割を占めているほどだそうです。県内で広く生産されている品種は、青森で誕生した首が短く肉付きの良い「ガンクミジカ」という系統で、「ガンク」とは首のことで、「首が短い」という意味です。青森ながいもは、色白で粘りが強く、柔らかい肉質とアクが少ないのが特徴です。昨日立ち寄った「道の駅よこはま」でも売っていましたが、時間が無くて買えなかったと妻は悔やんでいます。
-
野辺地町特産のケツメイ茶入りのうどんもありました。漢字では決明茶で弘法大師が健康茶として全国に広めたということから「弘法茶」とも呼ばれます。これは売店でも売っていると案内がありました。
-
こちらも売店で売っている「雲丹しいたけ」です。柔らかい椎茸の食感とうにの香りがご飯に合います。炭水化物を減らさなければならないのでなくなく買うのは諦めました。
-
帆立が名物なので稚貝もたくさんいただけました。以外に美味しかったのが塩焼きソバでした。青森ではご当地焼きそばのようで、3日目に立ち寄った地元のスーパーで「高砂」というメーカーの焼きそばやうどんを買って帰りました。
-
地元の牛乳から朝食はスタートします。ご当地のせいかリンゴジュースも美味しかったです。この日は早めのお昼が大間でのマグロ丼なので控えめにしようと思いましたが、がっつり食べてしまいました。妻は青森定番の生姜味噌おでんまで食べています。
-
ホテルの敷地には古い「薬師堂」がありました。創建は不明ですが、馬門温泉薬師堂鰐口に延徳4年の1492年の建立とされているので500年の歴史があるようです。薬師信仰は神仏金剛の色彩が強く、修験や山伏が司ります。仏教では薬師如来、神道では少名彦命を主神とし大国主命と金山彦命を配祀します。
馬門温泉 温泉
-
ホテルの建物はこんな感じのシンプルな造りでした。全室が海側に配されていました。
-
2月には八戸の「園ブリ」を観に行く予約も出来たので、コロナ禍で中止にならないことを願うばかりです。前から宿泊したかった「青森屋」の予約も出来ました。
-
ホテルのスタッフの方に見送られて午前8時に出発します。同じツアーの2名のお客さんが旅行前の足の怪我が悪くなってしまったようで急遽東京へ戻られました。我が家もそろそろ保険など考えないといけないなと感じました。
-
昨日と同じルートで「下北半島縦貫道路」を経て、横浜町の外れの「トラベルプラザ・サンシャイン」という昭和の雰囲気の残るドライブインでトイレ休憩になりました。
陸奥横浜駅 駅
-
時間に余裕があるのか20分の休憩なので、皆さん買い物に走ります。この辺りは菜の花が有名なので妻は菜種油を買い求めています。店の奥には生簀がありホタテ貝が入っています。店の方に尋ねると「これは今日の発送分で、予約をいただいてから漁師さんが海から揚げて、その日のうちに発送します。」翌日には東京まで届くというので4キロほど送ってもらうことにします。
-
横浜町全体の菜の花の栽培量は2021年に北海道の滝川市を抜いて全国一になったそうです。この時期は黄金色に色づいた田んぼの稲穂しか見ることは出来ません。
-
通過した新田名部川ではカヌーを楽しんでいる方がいました。この川を越えると海岸線から離れて山の中を走り抜けて北に向かいます。
-
森の中を通り抜けるとバスの右手に海が見え始めます。陸奥湾から太平洋に景色は変わります。昨年の6月にはこの沖合を太平洋フェリーの船で通過したのだと思うと感慨深いものがあります。
-
いくつもの小さな港を通過します。漁船の多くはイカ釣り漁船かマグロ釣り漁船のようです。
-
真っ青な海が広がり、この日は海面も穏やかです。
-
大間崎の姿が見えてきました。あそこでマグロ丼が待っているわけです。
-
大間崎に行った後は佐井港へ行き、遊覧船に乗って仏が浦を遊覧するのが今日の予定です。
-
風光明媚な海岸線を通過しますが、添乗員さんからは特に説明も無いのでつまらないです。この辺りは勉強している方とそうでない方の違いがはっきりしています。
-
海岸線では昆布を干す姿も見えてきました。大間産真昆布は有名なようです。今年は利尻島や礼文島にも行ったので昆布については結構詳しくなりました。
-
地面に敷かれた小石の上に海から揚がった昆布を干していく作業です。早朝に敷いて、午前9時頃からは見回りをして午後3時くらいに取り込むはずなので、1日晴れていないとできない作業です。
-
ということは夕方まで天気が良いということなので、午後の「仏が浦遊覧船」も「むつ湾フェリー」も天気は大丈夫だということです。
-
いい波がチューブになっていました。スマホで写真に撮って地元のサーフィン好きの友人に送ります。
-
春に行った鳴門では漁船に乗ってわかめの収穫体験をしました。その時の妻の姿と昆布干しのおばちゃんの姿が重なって見えました。
-
鳴門の海で出会った昆布おばちゃんに似たワカメおばちゃんです。
-
弁天島と大間崎灯台が見えてくると終点ももうすぐです。
大間崎 自然・景勝地
-
午前10時40分に大間崎に到着しました。ここで20分の自由時間になります。
-
駐車場の前には「あけみちゃん」の店がありました。ここは「魚が食べたい-地魚探して3000港」という山口智充(ぐっさん)のテレビ番組で見たことがあります。
-
まずはトイレに向かいます。ここのトイレのピクトはマグロになっていました。東京オリンピックの競技のピクトをデザインした廣村さんとは夫婦共々何度も一緒に仕事をさせてもらっているので目に止まってしまいます。
-
洗濯物干しにタコの足がきれいにぶら下がっています。
-
いきなりタコの足を買ってくわえながら歩き始めたのにはびっくりしました。
-
よほど美味しかったのか記念写真を撮ると言ってもタコを放しません。
-
真北の方角に弁天島と大間崎灯台が見えます。大間崎の約600メートル沖にある周囲約2.7キロメートルの無人島で、野鳥の宝庫として知られています。大間崎との間には、クキド瀬戸と呼ばれる潮流の速い水道が存在するそうですが肉眼では確認できません。島内には弁財天を祀った祠があり、弁天様の島として古くから漁師たちに信仰されているそうです。
-
北海道と本州の間には生物分布の境界線であるブラキストン線が存在するが、弁天島には双方の生物が混在し、ブラキストン線が当てはまらないそうです。ブラキストン線はイギリスの動物学者のトーマス・ブレーキストンが提唱したもので、ツキノワグマ、ニホンザル、ニホンリスなどの北限で、ヒグマ、ナキウサギ、エゾシマリスなどの南限となっています。
-
大間埼灯台は本州最北端に当たる下北半島大間崎の沖合にある弁天島に位置し、白と黒のツートンカラーに塗り分けられている中型灯台で、「日本の灯台50選」にも選ばれています。天気も良いのでよりきれいに見えました。
-
CMA CGMは欧州系の船会社です。日本にも以前は3社の船会社がありましたが、現在はオーシャンネットワークエクスプレスジャパン(ONE)のコンテナ1社に統合されています。
-
平成6年の1994年に水揚げされた440キロのクロマグロの原寸大のオブジェです。妻がいつもより小さく見えます。大間で水揚げされるクロマグロは台湾付近で生まれ、太平洋を北に向かって流れる黒潮に乗って津軽海峡へやって来ます。
-
その多くは上りガツオや戻りガツオのように日本近海で季節的に南北移動を繰り返して成長しますが、一部の個体は太平洋を横断してアメリカ西海岸のカリフォルニアにも到達するそうです。現地で数年かけて成長したマグロが再び日本近海に帰ってくる時には100キロを超える巨大なクロマグロになっていますが、その希少な個体を竿1本で豪快に釣り上げるのが大間のクロマグロ漁です。
-
少し霞んではいますが一番近いであろう函館山の姿ははっきり見えました。函館山の展望台の白い建物が目印になりました。オブジェの前のお土産物屋で本州最北端到達証明書と絵葉書を買って、店の前のポストから投函しました。先ほどのおばさんの店でイカ焼きを買って、タコ飯用の刻んだタコを買ってバスに戻るとすぐに出発です。
-
この日のお昼は「大間温泉海峡保養センター」でした。もっと食堂みたいな店かと思っていましたが、宿泊も出来る立派な施設です。
大間でマグロを食べるツアーの多くはここだと思います。最高に美味しかったです。 by kojikojiさんおおま温泉 (大間温泉海峡保養センター) 宿・ホテル
-
入り口で靴を脱いで中に入ると大きなガラスケースがあり、松方弘樹の釣り竿とリールが置かれてありました。釣り竿は名前が入った特注品で、実際に361キロのマグロを釣り上げたものだそうです。
-
奥の宴会場でグループごとに離れたテーブルでお昼をいただきます。今回のツアーの目玉でもある大間のマグロ丼です。
-
丼のご飯が見えないほどのマグロが乗っています。大きな切り身の赤身が4切れに中トロが4切れ、さらに大トロが2切れ乗っています。
-
ここでも添乗員さんがテーブルを周って写真を撮ってくださいます。まずはビールで喉を潤してからいただきます。
-
赤身、赤身、中トロ、中トロ、大トロというローテーションを2クールでいただきました。もっちりした赤身と程よく脂の乗った中トロ、油の甘い大トロと違いを味わいながら…。
-
地元の「関乃井」という冷酒をいただきます。下北半島唯一の醸造場で、明治24年に創業し、約130年の歴史を持つ蔵だそうです。下北半島以外にはほとんど出荷されていないのが現状で、青森市内のお土産店にも空港のお店にも置いてありませんでした。妻が「見つけたら買っておいた方がいい日本酒があるらしいよ。」と言っていたのがこの酒蔵でした。偶然ですが飲めてよかったです。もちろんすっきりして美味しかったです。
-
お約束の書割りで記念写真を撮りました。
-
本当にこんな大きなマグロが獲れるのですね。ラインで地元の友人に写真を送っていたら、たまたま池袋西武の生鮮売り場でマグロの解体ショーをやっていたようで、大間の名黒の柵を買ったと連絡がありました。
-
大満足のお昼をいただいた後は海岸線を南下します。
-
この辺りも風が強いのか風力発電の風車の姿が見えます。早朝に見えた海霧はその痕跡も全くありません。
-
「津軽海峡文化館アルサス」が見えてくると佐井港の到着です。午後0時30分に到着して船の出港まで30分の自由時間になります。
津軽海峡文化館 アルサス 名所・史跡
-
我々の乗る遊覧船は2艘あるうちの奥の船のようです。
-
13時出港の「ニューしもきたⅡ号」で、10分前に集合です。
佐井~仏ヶ浦遊覧船(仏ヶ浦海上観光(株)) 乗り物
-
売店には買いたいものはありませんでした。スタンプを押していると妻が「こんなの売っていた。」と裂き織りを見せてくれました。東北地方を紹介するテレビ番組や婦人雑誌で見て知っていたので、案内してもらうとフロアの奥に小さなコーナーがありました。横糸に裂いた着物の生地を織り込む素朴な織物ですが、1メートルほどのテーブルセンターが1,500円から6,000円で売っていました。気に入ったものが一番安い値段だったので買い求めましたが、もっと買っても良かったと思います。
-
表にあった「手作りマート」には地元の方が来ていて、B級品の鮭とばをたくさん買い求めていました。佐井の港で作られた加工品が多く、ホッケの燻製を友人たちのお土産にしました。
-
時間になって乗船口に並んで船を見てびっくり。知床半島で沈没した船と同じようなタイプです。多分それよりも古いのではないかと思います。
-
後方のデッキは先に満員になっていたので船内の座席に座ります。左側の席に座れたのは良かったです。半島を南下するので右側の席では海が見えるだけです。それにしても窓のアクリルは経年劣化してヒビだらけです。波しぶきが無くても傷だらけなので景色も良く見えません。
-
絶景スポットの1つ「願掛岩」は海抜100メートルほどの巨岩で、男女が抱き合っている姿に見えることから、古来より縁結びの岩として信仰されたそうです。
-
この遊覧船も天候が悪いとすぐに運休になってしまうそうです。港を出てスピードを上げると船底をたたく様な感じで波を切っているのが分かります。こんな古い船で大丈夫か心配になってきます。アクリルを停めてある木製の枠もボロボロです。
-
壊れそうな窓越しに右側の景色を1枚。大魚島(おおよしま)が見えました。、この大魚島も義経と弁慶が腰を掛けて休息したという腰掛岩伝説があるそうです。高さ10メートルほどの岩島に白い大魚島灯台が建ち、昭和35年が初点灯だそうです。地元ではイシナギという魚のことを大魚(およ)と呼び、昔この辺りでたくさん獲れていたことからそれが島名になったという話もあるようです。
-
仏ヶ浦は青森県下北半島西岸の下北郡佐井村南部にある高さ90メートル級の岩が2キロ以上にわたり並び連なる景勝地で、古くは仏宇陀(ほとけうだ)と呼ばれました。「うだ」とはアイヌ語で浜という意味があるそうです。
-
仏ヶ浦に見られる数々の奇岩は団結の程度が低いグリーンタフ(緑色凝灰岩)と呼ばれる太古の火山活動に由来する岩が下北半島に打ち寄せる荒波と風雨によって浸食されて造り上げられたものです。
-
グリーンタフ(緑色凝灰岩)は空気中にあるときは白く見えますが、水中にあると青緑色に見えるため、仏ヶ浦では白い色の断崖絶壁と海中の青緑色が織りなす光景が色鮮やかに見えるといわれます。
-
大町桂月(おおまち けいげつ)は近代日本の詩人で歌人、随筆家で評論家でもあります。 大正11年に下北半島の自然をたずね歩き、佐井村を訪れた大町桂月は仏ヶ浦を目の前にして、まるでこの世とは思えない極楽浜を歩いているかのようなあまりの異様な光景に足がすくんだと言われます。
-
桂月は「神のわざ 鬼の手づくり 佛宇陀 人の世ならぬ 処なりけり」と歌い、仏ヶ浦にはこの歌が刻まれた歌碑が建てられているそうです。
-
遊覧船なのにすごいスピードで進んでいきます。白波がきれいですが、船底が海面をたたくので、案内の放送はほとんど聞こえません。
-
古い遊覧船に乗ったまま極楽浄土へ成仏しそうな気分になってきます。
-
港に着く手前に見えたのが座った仏様の姿のような岩です。船のパンフレットを見ても仏が浦までの航路上にある奇岩の案内はほとんどありません。
-
その近くには「五百羅漢」と呼ばれる奇岩群がありました。なるほど羅漢様がたくさん座っているように見えます。
-
昔旅行した中国雲南省の石林にも同じような風雨で浸食された奇岩がありました。岩肌の雰囲気はとても似ていると思います。
-
ようやく仏が浦の港に到着しました。ここで一般の乗客の方は30分の自由時間があり、その後出発した佐井港に戻ります。
-
船頭さんから「阪急交通社のお客さんは15分で戻ってください。その後牛滝港までお送りします。」と言われます。目の前の海は驚くほど透明で、海中にいるウニの数が数えられるほどです。ゆっくりしたいところですが先を急がねばなりません。
仏ヶ浦 自然・景勝地
-
皆さんも慌てて先を急ぎます。歩いて7分先まで行ったら戻ってこなければなりません。ここから5分ほどの牛滝港で我々を降ろして、船は再びこの港に戻って。一般の乗客を乗せて佐井港へ戻るわけです。
-
旅行社の予定表を見て遊覧船の会社のホームページを確認しましたが、佐井港から仏が浦に立ち寄って牛滝港へ行く船はありませんでした。旅行会社と提携したオリジナルルートだと分かりました。仏が浦にはバスは付けられないので、港までバスが入れる牛滝まで行くわけです。
-
桟橋から岸に上がると「岩龍岩」が見えました。先端が特徴的な形をしていて、天に向かって吠える竜の姿に見えなくもありません。
-
岩龍岩からさらに先に進みます。天気が良いので岩肌が真っ白に輝いています。これが雨だったりするとイメージが違うのでしょうね。
-
2分ほどで桟橋を離れてここまで来ました。遊歩道がつけられているのもこの辺りまでで、この先は岩と砂の上を歩くことになります。
-
調べませんでしたが、干潮の時間帯だったようです。
-
この時間帯に仏が浦にいるのは同じボートに乗ってきた何十人かと、車道から旧坂を降りてきた人だけなので混み合った感じはありません。
-
「屏風岩」が見えてきました。残念ながら陰になっています。
-
「如来の首」は確かに右を向いた女性の様な優しい横顔に見えます。太陽光線の当たり具合で陰に迫力を感じます。
-
「帆掛岩」の辺りまで来て、5分になろうとしています。
-
「蓬莱山」まで行っている時間は無さそうです。古代中国の戦国時代に渤海(ぼっかい)湾中にあるといわれる蓬莱山は方丈(ほうじょう)山、瀛洲(えいしゅう)山の三山(島)を三神山とし、ここには仙人が住み、不老不死の神薬があると信じられていました。
-
秦の始皇帝が方士の徐福(じょふく)を遣わした「徐福伝説」も有名です。諸星大二郎の作品にも徐福伝説の作品がありました。蓬莱は日本のことともいわれています。
-
地球上の風景とは思えない荒涼とした風景です。サルバトール・ダリの絵画の中に迷い込んでしまったようです。岩の上に歪んだ時計が無いか探したくなります。
-
7分が過ぎました。遠くで添乗員さんが「みなさん、船に戻ってください!」と叫んでいるのが聞こえてきます。
-
帰りは皆さん駆け足になっていました。我々が一番奥まで来てしまったようです。
-
なんとか時間前に船着き場に戻ってきました。
-
佐井村で獲れるキタムラサキウニは毎年4月から漁が解禁になり、8月まで水揚げされるそうです。佐井港発の仏ヶ浦行きの定期観光船を利用した希望者は有料でうにの殻むき体験ができるそうです。
-
シチリア島を旅して着いたタオルミーナの町で有名なウニのパスタを食べさせる店に行ったことがあります。riccio di mare(リッチョ・ディ・マーレ)というイタリア語のウニの名前まで覚えて行ったのですが、シーズンが終わっていて「ウニは深い海の中にいるのでご用意できません。」と悲しそうに言われたことを思い出しました。
-
仏が浦ともこれでお別れです。
-
先ほど歩いてきた奇岩を再び見ることが出来ました。
-
海上からのほうが「蓬莱山」はきれいに見えました。佐井港には戻らないので船に乗っている時間は短いですが、普段は通らないルートなので景観はとても良いです。
-
一般の乗客の方がいない分船は空いているので後方のデッキに出ることが出来ました。傷ついたアクリル越しではないので写真はきれいに撮れました。
-
仏が浦から牛滝の間の方が奇岩がたくさんあってきれいな海岸線の景色です。
-
スピードを上げるとこんな具合に波しぶきが上がりますが。
-
あっという間に牛滝港に到着しました。
-
大間を紹介していた「魚が食べたい!」ではこの牛滝港も紹介されていました。観光客も来ることは無いであろう本当の漁港です。観光客相手はおろか商店も見掛けませんでした。
牛滝~仏ヶ浦観光船「夢の海中号」 乗り物
-
我々を降ろした遊覧船は仏が浦に戻っていきます。無事に船を下りられたので手を合わせて見送ります。
-
無事に船を下りられたので手を合わせて見送ります。堤防の手前にはツアーバスが待っていて、我々を乗せると次の目的地の脇野沢港へ向かいます。ここから陸奥湾を横断して津軽半島に入ります。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
2022下北半島と津軽半島の旅
-
前の旅行記
トラピックス 下北半島と津軽半島の旅(2)恐山参拝で「恐山温泉」を楽しみ、まかど観光ホテルの「馬門温泉」の2...
2022/09/30~
下北半島
-
次の旅行記
トラピックス 下北半島と津軽半島の旅(4)脇野沢港から蟹田港へフェリーで陸奥湾を渡り、岩木山山麓のロックウッ...
2022/10/01~
津軽半島
-
トラピックス 下北半島と津軽半島の旅(1)青森空港から市内の漁菜センターで「のっけ丼」を食べて、横浜で「ホタ...
2022/09/30~
下北半島
-
トラピックス 下北半島と津軽半島の旅(2)恐山参拝で「恐山温泉」を楽しみ、まかど観光ホテルの「馬門温泉」の2...
2022/09/30~
下北半島
-
トラピックス 下北半島と津軽半島の旅(3)大間崎から津軽海峡越しに北海道を望み、マグロ丼の美味しさに驚き、仏...
2022/10/01~
下北半島
-
トラピックス 下北半島と津軽半島の旅(4)脇野沢港から蟹田港へフェリーで陸奥湾を渡り、岩木山山麓のロックウッ...
2022/10/01~
津軽半島
-
トラピックス 下北半島と津軽半島の旅(5)鶴の舞橋で鶴と白鷺と遊び、千本鳥居の高山稲荷神社に参拝し、十三湖の...
2022/10/02~
津軽半島
-
トラピックス 下北半島と津軽半島の旅(6)青函トンネルの坑道で映画「海峡」を思い、青森空港で「かわら」の味噌...
2022/10/02~
津軽半島
旅行記グループをもっと見る
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
この旅行で行ったホテル
-
おおま温泉 (大間温泉海峡保養センター)
3.22
この旅行で行ったスポット
もっと見る
下北半島(青森) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ 2022下北半島と津軽半島の旅
0
106