2016夏ドイツ中部の旅18：マインツ、旅のおわり

2016/08/29 - 2016/08/29

　毎年夏に夫婦で行く海外旅行も5回目、今回はドイツ中央辺りを東西に移動することを計画しましたが、とうとう観光最終日。リューデスハイムの観光を終え、最終宿であるマインツの街をぶらぶら歩きします。今までの4回の旅、全て最終宿がフランクフルトだったので、今回はマインツに変えてみました。
　３年前に訪れたマインツですが、前回は急ぎ足だったので、今回はのんびりと２つの教会を見て旅の終了です。現在マインツは人口22万人の街で、ラインラント・プファルツ州の州都。中世の時代はマインツ大司教（選帝侯）が治めた宗教都市。今回の旅行前半ではルターがらみの街を訪れましたが、宗教改革においてルターと最も敵対した相手がこの街の大司教でした。
　
　旅行の日程は以下の通り：★印がこの旅行記です。
　8月21日(日)　11:00関空～16:35パリ経由18:15～19:45ミュンヘン着（ミュンヘン泊）
　8月22日(月)　オーバーアマガウ、エッタール、ミュンヘン（ミュンヘン泊）
　8月23日(火)　ザルツブルク（ミュンヘン泊）
　8月24日(水)　アイゼナハ、ゴータ（アイゼナハ泊）
　8月25日(木)　ライプツィヒ、ヴィッテンベルク（アイゼナハ泊）
　8月26日(金)　エアフルト、ナウムブルク、ヴァイマール（アイゼナハ泊）
　8月27日(土)　ボン、ブリュール、ケルン（ボン泊）
　8月28日(日)　ゾースト、ミュンスター（ボン泊）
　8月29日(月)　アスマンスハウゼン、リューデスハイム、
★　　　　　　　マインツ（マインツ泊）
　8月30日(火)　11:45フランクフルト～13:00アムステルダム14:40～（機内泊）
　8月31日(水)　8:50関空着

エリア マインツ(ドイツ)

• 旅行の満足度: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 徒歩
• 航空会社: KLMオランダ航空

リューデスハイムの観光の後、マインツに戻ります。
リューデスハイム14:53発のVIAでヴィースバーデン15:25着、15:38発のRBに乗り換えてマインツに15:48着。

マインツ中央駅です。午前中、駅前のホテルHotel Königshofに荷物を預けたままだったので、まずはチェックインして小休止。
３年前に訪れたマインツですが、女房が（名前を憶えていない）青い教会をもう一度見たいというものですから、まずはそこへ移動です。マインツ中央駅から3分の隣駅Römisches Theater駅に移動（16:30頃到着）。

Römisches Theater駅前から北西の方向にホルツホーフ通りHolzhofstr.とヴァイスリリエン通りWeißliliengasseを通る経路で行くと聖シュテファン教会まで約900mでした（マインツ中央駅からは約1.2km）。中央駅からよりもかなり近いと思っていたのですが、そんなに違いはありませんでした。むしろ中央駅からの方が途中見るものがあって良かったかもしれません。

St. Stephans Kircheの和訳は聖シュテファン教会でいいのに、なぜかここだけザンクト・シュテファン教会の名で呼ばれている不思議な教会です。
※きっと「D社の歩き方」に書かれているからですね。みんなそれを見て。。。

中は誰もが感じる青い教会です。青い光に包まれた神秘的な空間です。内陣側（左）と拝廊側（右）。

この教会はマインツ大司教ヴィリゲス（在位975-1011）によって990年に創建されましたが、1267-1340年に現在の様式に建て替えられました。しかし1945年2月のマインツ大空襲で破壊され、現在の教会は戦後の再建ですが、身廊の天井はもとのアーチ型に復元されず平らです。

後陣のステンドグラス。この教会内が青いのはシャガールのおかげ。

一部を部分拡大。後陣ステンドグラスの両端の下部分。

シャガールは1978-85年、この教会の９つの窓を手掛けています。

側廊の窓。

パイプオルガン（2013年設置）。パイプがブルーライトの下で神秘的です。

拝廊側。ブルーの光抜きで、本来の教会内部はどのような光景なのか見てみたいです。

（左）中庭の回廊。（右）中庭と教会の南側の面。

この教会、うまく外観を撮れる場所が見つかりません。教会の北側、シュテファンスベルク通りStefansbergから振り返った風景。
この後、北東方向にいくつかの路地を通り抜け、たどり着いた先は。。。

キルシュガルテンKirschgartenです。数軒の木組みの家が並ぶ一画で、大戦の爆撃を奇跡的に免れたそうです。

キルシュガルテンの南側の面です。赤いゼラニウムで飾られた家はアシャッフェンベルクの家Haus zum Aschaffenberg。マインツでは一番古い木組みの家（1500年頃の建築）のようです。

キルシュガルテンの北側の面です。

木組みの家に囲まれた広場の一角にあるマリアの泉Marienbrunnen。

キルシュガルテンからライヒホーフ通りLeichhofstr.を北に行きました。三叉路に建つ木組みのワインハウスZum Spiegelの右側を大聖堂方向へ。

ライヒホーフ広場Leichhofから見上げたマインツ大聖堂Mainzer Domです。まだ西棟は修復中。

こちらは３年前の写真（2013年9月撮影）。塔頂部分の足場がなくなっただけで他は変化なし。さっさと工事を終わらせることはできないのでしょうか。

ライヒホーフ広場から大聖堂の北側に出ました。
マルクト広場Marktplatzです。広場に面して綺麗な装飾の建物が並んでいます。

マルクト広場から見た大聖堂の西塔。

マルクト広場から見た大聖堂の東塔。

大聖堂の前に立つのは聖ボニファティウス（675-754）の像。8世紀にマインツを拠点にドイツ各地で布教活動を行い、それ以降マインツは大司教の街になりました。

ここの大聖堂は他所の教会と比較してもかなり暗いと感じます。肉眼では写真以上に暗く感じています。暗い方が威厳があって、荘厳な感じがしますが。
（左）東の内陣に向かって。（右）西の内陣に向かって。

マインツ大司教ヴィリゲス（在位975-1011）によって975年に起工、1036年にロマネスク様式の二重内陣式聖堂として完成。13世紀からゴシック様式による増築と改装が行われています。
こちらは東側の内陣です。

東側内陣の祭壇。暗くて細部がよくわかりませんね。

こちらは西側の内陣。

西側内陣の祭壇。こちらもさっぱりわかりません。

絵葉書を購入しました。明るいと別の教会のようです。西側内陣に向かって、こんなふうに見てみたいです。

西側内陣の手前の翼廊にあったナッサウ家の祭壇Nassauer Altar。

（左）身廊の柱と天井。（右）側廊の天井も高いです。

身廊の両側の壁上部には新約聖書のシーンが描かれた壁画があります（1859-64年製作）。

聖堂の南側にある回廊です。すごく明るい場所に出た気になります。

回廊から見上げる大聖堂の南側の面。手前はキリスト磔刑像。

回廊に囲まれた中庭と東側の塔。

マルクト広場の東側にあるリープフラウエン広場Liebfrauenplatzから見た大聖堂。

マルクト広場の東側にあるマルクトの泉Marktbrunnen。マインツ大司教アルブレヒト・フォン・ブランデンブルク（在位1514-45）により農民戦争の鎮圧を記念して1526年に建てられました。
宗教改革の引き金となった、贖宥状の販売を大々的に行ったのがこの大司教で、1517年ルターが「95か条の論題」の書簡を送った相手も彼です。それ以後、大司教アルブレヒトはルターに最も敵対する相手となりました。

先ほど通ったライヒホーフ通りを南に戻ります。振り返ると向こうに大聖堂。

キルシュガルテンの横を素通りしてアウグスティナー通りAugustinerstr.を南に行くとアウグスティナー教会Augustinerkicheがあります（1768-71年建築）。

残念ながら、閉まっていたんでファサードだけ。広い通りではないので、正面から撮るとこんな角度になります。

通りをそのまま進むと、目についたレストランAugustinerkeller。時刻も18:30、ここらで夕食に。

店内はなかなかいい雰囲気。ここで旅の打ち上げです。
今回の旅行では、雨は全く無し。曇っていたのはリューデスハイムだけ。

再びRömisches Theater駅から隣のマインツ中央駅へ。20:10、駅構内をぶらっとして駅前のホテルへ戻りました。

翌朝のマインツ中央駅。帰りたくないけど、帰国日です。

9:00マインツ発のREで9:20フランクフルト空港駅に到着。早く着きすぎてフランクフルト空港をうろうろするも、特に新たな発見なし。
11:45フランクフルト発のKLMで13:00アムステルダム着。

アムステルダムのスキポール空港。行きはパリ経由ミュンヘン着でしたが、帰りはアムステルダム経由。

スキポール空港には球根やチーズがずらりと並んだ土産物屋があって楽しいです（見るだけですけど）。

この通路を進むとあとは帰国便に乗るだけ。乗りたくなかったけど、14:40発のKLMで翌日8:50関空に到着してしまいました。楽しかった旅はこれでおしまい。次の夏までが長いです。

今回の旅行記をまとめると、
1. オーバーアマガウ https://4travel.jp/travelogue/11712465
2. エッタール https://4travel.jp/travelogue/11714271
3. ミュンヘン https://4travel.jp/travelogue/11715503
4. ザルツブルク（前編）https://4travel.jp/travelogue/11738536
5. ザルツブルク（後編）https://4travel.jp/travelogue/11738592
6. アイゼナハ https://4travel.jp/travelogue/11739715
7. ゴータ https://4travel.jp/travelogue/11740832
8. ライプツィヒ https://4travel.jp/travelogue/11741815
9. ヴィッテンベルク https://4travel.jp/travelogue/11742822
10. エアフルト https://4travel.jp/travelogue/11745022
11. ナウムブルク https://4travel.jp/travelogue/11746786
12. ヴァイマール https://4travel.jp/travelogue/11748012
13. ボン https://4travel.jp/travelogue/11749612
14. ブリュール、ケルン https://4travel.jp/travelogue/11751079
15. ゾースト https://4travel.jp/travelogue/11753137
16. ミュンスター https://4travel.jp/travelogue/11759872
17. アスマンスハウゼン、リューデスハイム https://4travel.jp/travelogue/11772669
18. マインツ （本稿）

となります。今年はライン川を見たから、来年はドナウ川を旅してみようかな？

この旅行記へのコメント （2）

• maggieさん 2022/08/28 17:06:41

  終わっちゃいましたね…

  blumentalさん
  
  
  とうとう終わってしまいましたね、2016夏のドイツ旅。
  寂しくなりますが、新しい旅行記に期待していますね！
  
  さて最終地のマインツ、blumentalさんの奥さまと同じく青い教会が見たくて、
  30数年前のバックパッカー旅の際に訪れました。
  以前からシャガールの青い絵が大好きで、とにかく見たくて行ったのを覚えています。私たちはマインツ中央駅から歩いたのですが、長旅で疲れていたのもあってか、歩いても歩いても到着せずホントにしんどかったです。
  でもその「青」を見た瞬間、疲れなんか吹っ飛んで感動したのを覚えています。
  
  その後はマインツへは行ってないのですが、2017年と2018年にチューリッヒのフラウンミュンスターで見た、シャガールのステンドグラスもとっても素晴らしかったです。
  こちらはマインツの真っ青なイメージとは少し違って、赤やグリーン、黄色などのカラーが際立っていました。
  でもやっぱり、シャガールは青…ですね。
  フランス・ニースにあるシャガール美術館にも行きましたが、なにせ年数が経ちすぎて、あまり記憶にありません（；；）
  
  マインツの街中も、木組みの建物が建ち並んでいて、まるでおとぎの国の世界。
  当時は20代で、乙女のような心を持っていましたので(笑)、
  「こんな場所でプロポーズされたら断る理由がないよね…」
  と、真剣に話したのを覚えています（笑）
  
  
  それはさておき、すっかり挨拶のようなフレーズになりましたが、来年こそ、心おきなく旅に行けるようになって欲しいですね。
  
  ではまた…
  
  
  maggie
  
  

  blumentalさん からの返信 2022/08/29 10:26:01

  Re: 終わっちゃいましたね…

  maggieさん、
  
  　おはようございます。コメントありがとうございます。
  　とうとうというよりも、やっとで書き終わりました。翌年の2017年の旅行記が初めて書いた旅行記で、その後2012年以降の旅行記を何年もかけ、だらだらと書いていました（途中コロナ禍になったため次の旅行は当分ないなと、のんびり構えて）。書き残していた唯一の年を書き終えたので（私のひとり旅を除くと）夫婦の旅行記は現時点ではこれで全てです。早く新ネタが欲しいです。
  　私が初めてマインツを訪れた時（確か1995年）は、全く不勉強で青い教会ということさえも知らなかったものですから、教会に入った時のインパクトの大きさは極まりないものでした。それどころか（この時すでにチューリッヒのシャガールは見ていたので）ステンドグラスの絵を見て、この教会、チューリッヒの真似して、ここまでシャガールっぽくしなくてもいいのにと思って帰ったのを覚えています。当時は無知極まりないものだったんですね。
  　ニースにも行かれたんですね。南フランスにはまだ行ったことがありませんが、いい所でしょうね。候補地に考えたこともありますが、いつになったら実現できるのか。今度旅行に行けるようになったら、旅行記の同行者の欄はシニアカップルと記載することになりそうです（女房は怒るかも）。
  　少し気温の下がった日もありますが、まだまだ夏は長引きそうですね。maggieさんもくたびれを出されませんように。では、また。
  　　　　　blumental