2021/02/28 - 2021/02/28
27位(同エリア945件中)
旅猫さん
今年になっても、新型コロナウィルス感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言の再発出の影響で、遠出が思うように出来ない。
とは言え、旅好きとしては、さすがにここまでお預けを食らうと気が滅入る。
そこで、地元を通る高崎線の沿線を歩いてみることにした。
まずは、高崎線の起点である大宮駅界隈を歩くことにする。
とりあえず、歴史散歩と言うことで、西口から史跡を巡りながら氷川神社を目指すことにした。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
-
地元の駅から高崎線に乗り、大宮駅で下車。
大宮駅は、東北、上越、北陸、秋田、山形新幹線と、東北本線、高崎線、埼京線、川越線、東武野田線(アーバンパークライン)、ニューシャトルが乗り入れる埼玉県屈指の鉄道の要衝である。大宮駅 駅
-
高いビルに囲まれた駅前を離れると、数分で静かな街並みとなった。
その一角に、石造りの建物があった。
大谷石のようだが、瓦屋根でそこそこ古そうな建物である。
不動産屋の店となってるのが面白い。 -
そこからすぐのところには、古枯れの蔦が絡まる教会が建っていた。
大宮聖愛教会の建物で、昭和9年(1934)に、大宮で初めて鉄筋コンクリートで建てられたものだそうだ。
日曜日と言うことで、礼拝のために次々と信者の方が訪れていた。
今では想像もつかないが、この教会の目の前を川越電気鉄道、後の西武大宮線が走っていたそうだ。大宮聖愛教会 寺・神社・教会
-
大通りに突き当たり、道沿いに西へと歩いて行く。
すると、道の向こう側に木造の趣のある建物が見えた。
酒屋の建物で、隣接する白壁の蔵は、立ち飲みの居酒屋だそうだ。
その名も『酒屋の隣』と言うから面白い。
日本酒が豊富で安いそうなので、いつか立ち寄ってみたい。 -
その並びには、看板建築の商店が二棟残っていた。
京染めと茶を売る店だが、この日は閉まっていた。
ビルばかりの街並みの中で、そこは暖かな陽だまりの様だった。 -
しばらく歩くと、国道17号線に行き当った。
交差点を渡り、今度は国道17号線を北上する。
すると、交差点からすぐのところに、日進湯という銭湯があった。
大宮で、しかも幹線道路沿いに銭湯があるとは驚きだ。
瓦屋根で、そこそこ趣もあり、ここもいつか立ち寄ってみたい。 -
その先で、ご当地マンホールを見つけた。
さいたま市のもので、描かれているのは欅並木と桜、そして桜草。
合併前の大宮市、与野市、浦和市の草木を集めたものだった。 -
日進湯を過ぎると、大成町に入る。
そして、数分歩き住宅街の中へと入って行くと、目指す普門院が見えて来た。
門前には大成館跡の石碑が建ち、中へ入ると、大成山道の石碑と河津桜らしい花が出迎えてくれた。普門院 寺・神社・教会
-
花は盛りを過ぎていたが、枝によってはまだ見ごろだった。
思わぬところで花見が出来て嬉しい。 -
参道の左手は駐車場となっていて、そこにも石碑がいくつかある。
その中には、幕末の俊才小栗上野介の招魂碑もあった。
墓地に面したところには、岡田啓介元首相手植えの槙や、徳富蘇峰夫妻手植えの松なども見られた。 -
山号が書かれた大きな額が掛けられた門を潜ると本堂がある。
その前にも早咲きの桜が花を咲かせていた。 -
普門院は、応永33年(1426)、鎌倉時代初期に源氏に仕えた武蔵七党のひとつ村山党の金子家忠の末裔と云う金子大成が、月江正文に帰依し、自らの居館であった大成館を寺としたものだそうだ。
本堂には、桓武平氏の流れを汲む金子氏の対い揚羽の家紋が掲げられていた。 -
その本堂の前に、二基の古びた石灯篭が建っている。
丸みを帯びたその胴の形から、もしやと思い観てみると、やはり、東叡山の文字が刻まれていた。
寛永寺の徳川家霊廟に奉納されたもので、向かって左側が大猷院殿(家光)、右側の物が文恭院殿(家斉)の廟所にあったものだ。
寛永寺にあった多くの石灯篭は、寛永寺再建の際、寄付の返礼として、全国の寺院や個人に払い下げられたため、旅をしているとよく目にするのだ。 -
本堂に挨拶をした後、墓地へと向かう。
そこには、この地に館を構えていた金子大成の墓がある。
墓石には、金子駿河守家光大成墓と刻まれていた。 -
金子大成の墓の後ろには、徳川家康の家臣で、後に大成領主となり、普門院を復興した小栗忠政一族の墓所もあった。
本家の他、次男信由、三男信友など分家筋の墓など、30基が並んでいる。 -
小栗家の墓所の一角に、幕末の俊英小栗忠順の首塚とされるものがある。
実際には、忠順の遺児である国子の婿となった小栗貞雄によって建てられた供養塔であるらしい。
実際の首は、遺骸が埋葬された高崎の東善寺に埋められているようだ。 -
墓地の西側には、細長い空地があった。
元は、大成館の堀があったところなのかもしれない。
寺の案内にも、そう書いてるが本当であるかはわからない。 -
普門院を後にして、駅の方へと戻る。
適当に歩いていると、住宅街の一角に、鮮やかな朱塗りの鳥居が見えた。
しかも二つ並んでいる。
小さな社が佇み、地図には稲荷神社とだけあったが、由緒などは分からなかった。 -
しばらく歩くと、県道2号線の桜木町西交差点に出た。
地図を見ると、近くに古い庚申塔があるらしいので訪れることにする。
切敷川を渡ると、その先に小さな社があった。
切敷稲荷神社と呼ばれる神社だが、こちらも由緒は分からず。
鎮座するのは上小町という地名だが、以前は上小村田村と言う地名だったそうで、切敷川に架かる橋の名にも残っていた。 -
神社から少し入った場所に、目指す庚申塔があった。
享保16年(1731)に、村人が共同で建立したものだそうだ。
塔は十字路に面して建っていて、側面には、『是より東 大宮町道 是より南 与野町道 是より西 川越ミち』と刻まれている。
江戸時代には、多くの人で賑わった場所らしい。 -
庚申塔の前の道を大宮駅の方へと戻る。
桜木町西交差点を渡ると、その北東の角に建つビルに、鬼門封じのようなものがあった。
鬼門と言えば北東だが、ここは南西の角なので裏鬼門と言うことになる。
マンションらしいが、しっかり角も取ってあった。 -
交通量が多い県道2号線を避けて、裏道へと入る。
その道が、江戸時代からある道のようだ。
入ってすぐのところに豆腐屋さしきものがあったが、すでに廃業していた。 -
旧道は、国道16号と交わる桜木町交差点までだった。
そこからは、県道2号線沿いに歩いて行くと。しばらくすると、新幹線の高架の下を潜り、陸橋で大宮駅の北側を越えて行く。
JR東日本の大宮総合車両センターと在来線、東武線の線路を跨ぎ、鉄道の要衝である大宮らしい光景が眺められる場所である。 -
線路を越えると、車道から下る階段があったので降りてみる。
すると、降りてすぐのところに、『食パン』と大きく染め抜かれた暖簾が掛かる店を見つけた。
気になったので入ってみると、商品は一本売りの食パンのみ。
しかも予約優先だったが、ちょうど予約無しでも買えるということだったので、思わず購入してしまった。
帰ってから食べてみたが、しっとりもちもちで美味しかった。 -
そのまま道沿いに歩いて行くと、右手に趣のある建物が見えて来た。
病院の建物だったが、なかなか美しい。 -
その病院のすぐ先に、地麦酒工房を見つけた。
氷川の杜と言う店で、氷川ブリュワリーの工房兼直営店だった。
外から観ると、薄暗く、店も狭そうだが入ってみることにした。 -
店内はカウンター席中心で、10人も入れない感じ。
麦酒はと言うと、この日は9種類が呑めるとのこと。
まずは、定番と言うゴールデンエールの『Hana』を注文。
昼食を兼ねているので、期間限定だというオードブルも一緒にお願いした。
麦酒も美味しかったが、自家製だというスモークチキンや生ハムも気に入った。
結局、IPAの『春萌芽』とネルソンソーヴィンホップを使った『Nelson Sauvin』も味わい、少しほろ酔い気分で店を出た。 -
そこから少し歩くと、氷川神社の参道にぶつかった。
参道を歩く人は多く、急に賑やかになった。 -
参道に入るとすぐ右手に、白い建物が見えた。
2019年4月に閉館したさいたま市立大宮図書館の建物で、1973年に開館した旧大宮市立図書館である。
今後、跡地がどう使われるのか興味がある。 -
その裏手には、さいたま市立博物館があるので寄ることにした。
なかなか立派な建物で、期待が持てる。さいたま市立博物館 美術館・博物館
-
氷川神社参道の喧騒が嘘のように館内はひっそりとしていた。
ほとんど貸切状態だったので、ゆっくりと見学。
鎌倉公方足利持氏の書状なども展示され、なかなか興味深い。 -
中山道大宮宿の模型も展示されていた。
街道沿いに家が建ち並ぶが、後は畑ばかりである。
今の大宮の街からは想像もできない長閑さだ。 -
博物館を後にして氷川神社へと向かう。
三の鳥居の手前右手には、武家屋敷のような門構えの建物があった。
神社に関係のある施設のようだが詳しくは分からない。
その先には、勅使斎館と呉竹荘と言う施設もあった。 -
三の鳥居から境内へと入る。
最近は、鳥居の前で一礼する人も少なくなった。
参道の中央を歩くなど、今や観光地感覚で来る人が多いのだろう。武蔵一宮氷川神社 寺・神社・教会
-
境内に入ると、すぐに目に入って来たのが酒樽。
埼玉県には、まだ多くの酒蔵があるので、壮観な眺めである。 -
ふと見ると、何とワイン樽まで奉納されていた。
ワイナリーもかなり増えてきたが、日本人らしく、ワインも奉納してしまうのだろう。 -
拝殿前まで来ると、祭礼でもないのに長蛇の列が出来ている。
緊急事態宣言下とは思えないほどの混み様で、まさに密状態。
御朱印も諦めて退散することにする。 -
天気の良い日曜日とは言え、この混み様には驚いた。
さすがは、武蔵国一宮の一翼を担うだけのことはある。 -
参拝後、三の鳥居の近くまで戻ると、戦艦武蔵の碑なるものがあった。
案内板によると、戦艦武蔵の竣工式の際、氷川神社の神職が出席し、艦内神社には氷川神社が勧請され、武蔵神社と名付けられたそうだ。
その縁があって、平成27年に建立されたものらしい。 -
駅へと戻るため、参道を歩いていると、右手に渋い煎餅屋があった。
立ち寄ってみたかったが、ちょうどやんごとなき状況に追い込まれてたため、残念ながら先を急ぐことにした。 -
参道から離れ、駅へと続く道を急ぐ。
すると、途中に木造の建物があった。
大宮駅からすぐの場所に、木造の建物があるとは驚いた。
お好み焼き屋だったようだが、昨年末に閉店したと書かれていた。
この建物がどうなるか心配である。 -
旧中山道をを渡ると、一番街へと入って行く。
大宮駅東口には、飲食店などが軒を連ねる小路がいくつかある。
魅力的な誘いに引き込まれそうになるが、ここは我慢。
ちなみに、かの有名な『いづみや』もこの界隈にある。
予定では、旧中山道沿いに歩く予定にしていたが、結構歩いた上、パンが思いの外重く、今回はこれで切り上げることにした。
今回から始めた高崎線沿線散歩。
初回の大宮駅が中途半端に終わってしまったので、次回は大宮駅界隈の続きでもしようかと考えている。
と言うか、そろそろ、『東京そぞろ』も再開したいところでもある。
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この旅行記へのコメント (2)
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- マリオットさん 2021/03/11 09:43:06
- 大宮めぐり。
- はじめまして、足跡から来ましたマリオットです。
大宮は親戚がいるので、どんなコースを歩いたのか想像できます。東口の方が先に開発されたため、西口の方が古めな建物が残っている気がします。普門院をご存じで、そこからスタートとは寺社がお好きでしょうか。
https://4travel.jp/dm_shisetsu_tips/11199516
7年ほど前ですが、普門院を4トラに登録したのは私、、、なんて自慢にもなりませんが。(^^ゞ
氷川神社を参道から参拝とは、本格的です。ほとんどの方は大宮駅から最短コースで、三の鳥居あたりから行くのではないでしょうか。
「いづみや」は駅近な感じです。ディープな飲み屋で、合成酒から食事メニューまで。長い机で肉が小さく衣の厚い串カツを食べたのが懐かしい。
これからも大宮界隈の旅行記を続けてください。
- 旅猫さん からの返信 2021/03/11 10:01:42
- RE: 大宮めぐり。
- マリオットさん、初めましてこんにちは。
書き込みありがとうございます!
大宮をよくご存じのようですね。
私は、今回初めて駅周辺を歩いた感じです。
寺社と言うより、歴史が好きなので、史跡めぐりのような感じになっています。
あとは、街歩きですね。
普門院から始めたのは、歩く順番が良かったから(笑)
施設登録は、マリオットさんだったのですね。
今確認しました。
氷川神社は、やはり参道途中からでした(^^;
今回ご朱印をもらえなかったので、次回は一の鳥居から歩きたいと思っています。
先週も大宮を歩いたのですが、「いづみや」はまだ開店前でした。
一度は入ってみたいのですが。。。
その続編は、鋭意作成中ですので、また読んでやってください。
旅猫
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