東方正教の世界へ＃21－2019年7月16日（火）ラスト・アルボーレ修道院

2019/07/11 - 2019/07/21

一番新しくて大きいスチェヴィッツア修道院から一番古くて小さいアルボーレ修道院という落差　どの本にもよく書かれていませんでしたが、良い方に裏切ってくれました　南と西側はフレスコ画が残っていますが、東側はそこに絵があったという痕跡のみでした

エリア スチャヴァ(ルーマニア)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 徒歩
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）

内部を堪能して外回りを見ることにする　後陣が三つ葉状に膨らんでいない南面　一貴族のアルボレ大将が建てたので小さく、形も長方形で質素

モルドヴィア地方の教会群 寺院・教会

1541年にヤシ出身のドラゴシュ・コマンによって描かれた　マリア伝と最後の審判が描かれているがだいぶ剥げ落ちている

入り口が南側に開いている　入り口や窓のアーチは焼きレンガだが壁は村周辺の石材を採掘して使っているという

南側半分弱に「最後の審判」が描かれているが不明の部分が多い　

血の川の広い部分の色はもうない　左側の人々は天国の門に並んで待ち、右側は地獄行きの人々か？

血の川の初めの部分と聖書、精霊の鳩、魂を握る神の手、天秤や審判される人はしっかり判別できる

東側に少し残るたぶん聖人たち　この中に若きイエスを背負う聖クリストファーがあるというがみつからない

窓の上にうっすらと玉座のキリスト、左右はマリアとヨハネと思われる　下は聖母子か　補修が待たれるが本来の色は再現不可能という

一番上の南側全体写真をよく見てほしい　中央右よりの壁沿いに、穴のあいた石ブロックが2個置いてある　　これは壁画を描く際に使用した顔料を調合したパレットのようなともので内部の成分から判明した

おっと足元で子猫ちゃんが疲れを癒してくれた

南と西側はフレスコ画が残っているが北側は真っ白

西側は「最後の審判」のフレスコ画が多かったがここは違っている　下から見上げると屋根がまるで菅笠を被っているようだ

「聖人の暦」

上から聖ゲオルギウス（3段）、聖ディミトリオス、聖ニキータ、聖女パラスケヴァの4人の聖人の生涯が描かれている　

窓の上にある横長の大きな絵は、聖ゲオルギウス伝の中から龍を退治して凱旋し、王に謁見している場面

聖ゲオルギウスと対で描かれることの多い聖ディミトリオス、聖ニキータ（4世紀の司教）の部分　全体には殉教シーンもあり、逆さ火あぶりや窯ゆでの刑が見える

最下部は聖女パラスケヴァで衣装でかろうじて女性と分かる　正教会における商業の守護聖者である

敷地内に点在する墓碑 名前は修道院だが現在は教会と墓地だけで修道院の建物はない

鐘楼に登れそう

内部のフレスコ画

これはそう古くないかもしれない

12使徒か

階段でなく梯子だった　天国への梯子ではないなあ

ここまで何もないとあきらめもつく

音を聞いてみたいものだ

真上を見上げれば木がふんだんに使用されている

道を挟んだ墓地は思いのほか広い

地上に下りて墓地に行ってみた、青空に白い墓標がくっきりと

コスモスが草の間から顔を出して咲いていた

現在は使われていなくミサもないというアルボーレ修道院はとてもひっそりとしていた　これで5つの修道院すべてを見終えた