2020/09/25 - 2020/09/25
99位(同エリア216件中)
万歩計さん
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大牟田は生まれ故郷から国鉄駅を南へ6つ、デパートのある「都会」だった。幼い頃の楽しみは、親に連れられ年に1~2回デパートに行き、食堂でお子様ランチを食べ、屋上遊具に乗り、最後にオモチャを買ってもらうことだった。しかし行くのは決まって3つ北の久留米のデパート。近いということもあったが、大牟田はゴミゴミした炭坑と工場の町として敬遠していたのかもしれない。以来大牟田に行く機会がないまま現在に至った。
5年前に大牟田の石炭産業遺産が世界遺産に指定されたので、これを機に大牟田を歩いてみた。
歩いた印象は、世界遺産に指定されたとはいえ、操業停止とともに放置された状態からやっと修復・保存が始まった、という事だった。草ぼうぼうの空き地に打ち捨てられて鉄材、作業建屋の中で放置された機械類は、見方によればガラクタの山である。
しかし、これを見ていると数十年前で時間が止まったままで、ここに人を配置して「パン!」と手を叩けば、当時そのままに作業が始まり、機械が動き出す状態だった。もしこれらが綺麗に整理され「展示物」になったら、この「リアルさ」が消え寂しいものになってしまうだろう。
ここの世界遺産は、華やかな観光性はない。しかし歴史ファン、特に万歩計のような廃墟ファンには「渋い魅力」が堪らない。
町を挙げて観光に力を入れている熱意も感じられた。ボランティアガイドの方は一人でも熱心に説明してくれ、途中で道を尋ねた地元の人はとても親切だった。
この世界遺産の見学には、以下の3点をお勧めする。
①石炭観光科学館でまず「お勉強」すること。これで実物見学の理解が深まるし、写真撮影のポイントをチェックできる。
②観光の順番としては石炭観光科学館をスタートして、石炭観光科学館→三池港→万田坑→宮原抗→宮浦石炭記念公園、の順で反時計回りに回り、途中で三池鉄道の廃線ウォークを加えるとよい。移動手段はレンタサイクルがベストで、大牟田駅前の観光案内所で格安でレンタルできる。
③万田坑ではガイドツアーに参加する。そうでないとどこを見ていいかわからず、見たとしてもガラクタや廃墟としか思えない場所が多い。
旅行記を2冊に分けた。
1冊目:石炭観光科学館→三池港→万田坑
2冊目:廃線沿線→宮原坑→宮浦石炭記念公園
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 私鉄 徒歩 バイク
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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前半は、石炭観光科学館→三池港→万田坑の順に見学しました。
前半の旅行記はここ→ https://4travel.jp/travelogue/11657152
14:54 万田坑から宮原抗へ向かいます。ここは宮原抗から万田坑を通って三池港に至る三池炭鉱専用鉄道が敷かれていた跡です。時間があればこの辺りから諏訪川の鉄橋まで、土手の上を廃線ウォークするのが良さそう。 -
鉄道はこのレンガ橋を渡って土手に沿って敷かれていました。
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向こうの土手の上に敷かれた線路を、石炭運搬列車が頻繁に行き来していました。
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宮原抗に至る道路。アップダウンがありますが変速機付き自転車なので苦になりません。
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イチオシ
専用鉄道の諏訪川橋梁の下を行きます。当時のレンガ造りの橋脚と鉄骨構造物が残っています。
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専用鉄道は明治24年から明治41年にかけて順次延長されました。当初は蒸気機関車だったのが明治41年から電気設備が導入され、昭和12年に電化が完了しました。
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イチオシ
15:25 宮原抗に到着。宮原抗は明治31年に七浦抗、宮浦抗に続く3番目の炭坑として操業を開始し、三池炭鉱出炭量の20%を超えた時期もありました。しかし効率の良い新炭坑が開抗したことで、昭和6年に閉抗しました。
隕石衝突後の荒野に立つ、傷ついた恐竜 by 万歩計さん宮原坑(世界遺産) 名所・史跡
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デビーポンプ室の壁
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三池炭鉱は地下水が多く、坑道に大量の地下水が湧きました。これを排出するため、当時世界最高と言われた英国製デビーポンプが導入されました。
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錆びた鉄管は排水用?
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汲み出された地下水は、この排水路で近くの川に放流されました。
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イチオシ
第二竪坑櫓。見上げると、隕石衝突後の荒野に、傷ついた恐竜が仁王立ちしているようです。
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第二竪坑巻上機室
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第二竪坑巻上機室と第二竪坑櫓
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石炭運搬用のトロッコ
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第二竪坑巻上機室の内部。巻上機の一部に、木材が使われていました。
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ここでもボランティアガイドさんが説明してくれました。この方は若い頃に宮原抗で働いた正真正銘の炭鉱マンでした。
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向こうに見える住宅地には、かって第一竪坑施設やボイラー室があった場所です。
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イチオシ
15:45 宮原抗を後に、宮浦石炭記念公園に向かいます。後で当時の炭住社宅を見学できたことを知りました。残念。
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宮原抗の近くに専用鉄道敷跡が良く残った場所が。
味わい深い廃線風景 by 万歩計さん三池炭鉱専用鉄道敷跡 名所・史跡
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軌条も一部残っています。
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昭和39年から48年までは旅客用の地方鉄道としても営業されました。電車は旧三川抗に展示されているそうです。
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三池工業高校に残る三池集治監(刑務所)跡のレンガ壁
炭鉱の労働不足を補う目的で明治16年にこの場所に集治監が置かれ、一時は1000人を超える囚人が炭坑労働に使役されたそうです。囚人労働は昭和6年に廃止されました。三池工業高校に残る監獄の煉瓦塀跡 by 万歩計さん旧三池集治監外塀 名所・史跡
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16:26 最後の目的地、宮浦石炭記念公園に到着。
炭坑節に歌われた煙突 by 万歩計さん宮浦石炭記念公園 公園・植物園
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「♪あんま~り~、エントツぅ~がぁ~あ、高い~いので~♪」
有名な炭坑節に歌われた煙突がこれです。
炭坑節はここ →https://www.youtube.com/watch?v=JDzognQjjmw -
宮浦抗は明治20年に開抗し、昭和43年の閉抗まで三池炭鉱の主力抗として石炭を産出してきました。
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第一竪坑跡はレンガのベンチ。シンボルの煙突以外は何も残っていませんが、電車や機械類が展示されていました。
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斜坑を通り地底への往復に使われていた人車。座席間はかなり窮屈。
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人車が向かう先の抗口跡は、セメントで閉じられていました。
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石炭積込場の再現
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他にも炭坑機械が展示されていました。
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16:40 宮浦石炭記念公園を後にします。5時間で世界遺産の見どころを一周しました。ただ、廃墟感が超リアルな三川抗を見学しなかったことが心残りです。
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大牟田駅から福岡へ戻ります。
174番目の世界遺産は、万歩計好みの渋い「大人の世界遺産」でした。大牟田駅 駅
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18:00 福岡に着くと明かりが点り始めていました。
西鉄天神大牟田線 乗り物
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見学に夢中で、お昼を食べていません。「因幡宇どん」で大好きな博多うどんを食べました。
福岡でしか味わえない柔らかうどん by 万歩計さん因幡うどん ソラリアステージ店 グルメ・レストラン
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この旅行記へのコメント (2)
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- Decoさん 2021/12/18 16:31:30
- 三池炭鉱
- 万歩計さん、こんにちは。
ここしばらく三池炭鉱関連の史跡巡りをしていて、こちらの旅行記も先日拝見しました。
私自身、まだ全部廻り切っていないのですが、万歩計さんは素晴らしい見学をされたと感じます。移動手段(レンタサイクル)、観光プラザと石炭産業科学館から始まるコース取り、万田坑宮原坑もガイドさんに付いて見学されていて、最後時間が遅くなっても宮浦坑も廻られて、この旅への真摯さと熱意を感じました。これから三池炭鉱関連資産を見学される方にはとても参考になる旅行記だと思います(昼抜きはつらかったと思いますが)。
ガイドさんについても、万歩計さんのおっしゃる通り。ガイド付となしではまったく理解度が違ってきます。ガイドさんにも人生あり。それぞれのガイドさんを通して見る史跡はまた味わい深さを感じます。
またいつか機会があったら是非いらして下さいね。土日祝なら三川坑も開いてます。
Deco
- 万歩計さん からの返信 2021/12/20 09:54:32
- Re: 三池炭鉱
- Decoさん、おはようございます。コメントありがとうございます。
私もDecoさんの三池炭鉱巡りを読ませて頂いてます。旅行記の中でも触れていますが、洋の東西を問わず古い物を見るのが好きで、最近はそれが高じて廃墟ファンの域に近づいてます。三川坑の廃墟然とした建物や電車はぜひ見に行きたいと思います。
福岡市に高齢の母がいるので度々帰省しており、その間にこれまで訪れていなかった場所を見に行ってます。昨日は筑後川河口に近い旧佐賀線の昇開橋を見てきました。私が高校生の頃はまだディーゼル機関車が走ってました。
万歩計
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