2019/03/14 - 2019/03/20
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2019年3月、ポルトガルを訪れました。
主な行程は、リスボンからロカ岬・オビドス・ナザレ・ポルト・アヴェイロ・コインブラ
と周って、リスボンに戻り1日自由行動というものです。
13回目は、シントラの隠れた名所レガレイラ宮殿を訪れます。
シントラ・ヴィラからレガレイラ宮殿へは、バスに乗って行く筈でしたが、
予想以上に近くて、歩いて行きました。
17世紀の別荘を20世紀始めにブラジルの富豪が買い取って
摩訶不思議な庭園を作り上げました。
見てその美しさを愛でる庭園ではなく、彷徨い歩き、アスレチック気分を味わう、
体験型の庭です。
建物の方は、見掛けだけなのには、がっかりさせられました。
それでも内装はさすがに豪華でした。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
-
シントラ・ヴィラのレプブリカ広場です。
お昼時なので、たくさんの人がランチを楽しんでいます。
奥の角を進むと、観光案内所があり、そこでバス停の場所を尋ねると、
脇の道を進んだところにあると教えられました。 -
ところが、坂道をどんどん上って行ってもバス停はありません。
やっと見つけたバス停は、既にバスに乗る甲斐もないほど
レガレイラ宮殿に近かったので、そのまま歩くことにしました。
事前に調べた時に、王宮からレガレイラ宮殿へは、
歩いている人ばかりなのは、このためだったんですね。
王宮からは歩いて行く道と、バスが通る道が違うので、
歩く距離はバスよりかなり短いです。 -
道の先に、目指すレガレイラ宮殿が見えて来ました。
しかし、この建物に辿り着くまで、どれほど歩くことになることか。クインタ・ダ・レガレイラ 地元の料理
-
入り口はここではなく、その先の角を曲がって、
まだまだ坂道を登って行かなくてはならないのです。 -
この坂を奥に見える建物の更に先まで、ず~っと登り続けます。
これだったら、一つ先のバス停「チボリ パラシオ デ セテアイス
(Hotel Tivoli Palacio de Seteais)」まで乗って行って、
下って来た方が楽だと思います。 -
ようやくレガレイラ宮殿の入り口に辿り着きました。
最初に見えた建物からはだいぶ上に来ています。
ここから延々、様々な趣向を凝らした庭を歩き回りながら、
徐々に下って行きます。
この建物が受付なので、チケットを見せます
(私はペナ宮殿で購入済みです)。
隣にコインロッカーがあります。
うっかりここで預けてしまうと、宮殿まで下りた後、
またここまで戻って来なくてはならなくなります。 -
チケット売り場でもらった地図は、一見、見やすそうで、
なかなか方向感覚の掴めないものでした。
とにかく、人が歩いて行く方について行くしかありません。
中世の城塞のような建物が見えて来ました。 -
この城壁は、この辺だけに残っていました。
20世紀に入ってから、大規模に改修されたので、
複雑な庭になっています。 -
つる日々草のような紫色の花が密生しています。
-
坂道を登って行くと広場に出ました。
宮殿に行きたいだけなので、さっさと下りたいのですが、
他の観光客はみんな、この道を辿って行くので、
やって来てしまいました。 -
「Zigurate」とパンフレットには書かれていたのですが
翻訳出来ませんでした。 -
「Poco Iniciatico」Pocoは井戸です。
覗き込んで見ると、壁にたくさん穴が開いています。 -
井戸と名付けられていても、水を貯めることは出来ず、
壁の中は螺旋階段になっています。 -
井戸の底から見上げます。
これは自然に出来たものでは、もちろんなく、
わざわざこのように作ってあるのです。 -
井戸の底には横穴があり、通路が伸びています。
この通路には照明が無い場所があるので、所々真っ暗になります。
時折、大きな水たまりがあるので、
小さなライトを持って行く方がいいでしょう。 -
通路の先には、緑色の池と岩でできた橋がありました。
-
この先は水没しているので、別の道から進みます。
-
これを渡って来ました。なかなかスリリングです。
落ちたら濡れることより、緑色に染まることの方が恐ろしい。 -
いったいこの庭は、どうなっているんだ?
「庭園」という概念から、ぶっ飛んでしまったようです。 -
見て楽しむとか、のんびり憩うとか、そういった「庭」ではなく、
ひたすらアクティブと驚きに満ちた「びっくり箱」のような庭なのです。 -
広大な緑に包まれた遺跡のような建築物はすべて、
アスレチックのための造形物。
こんなものを作って、本当に楽しく利用したんだろうか? -
時には、こんな洞窟も通ります。
-
立派な水飲み場があります。
「Fonte da Abundancia(豊かな泉)」です。 -
萩のような雰囲気の花が咲いています。
-
その花の向こうには、テーマパークのような塔。
「レガレイラ・タワー」です。 -
面食らっているばかりでは仕様がありません。
こうなったら、楽しまなくちゃ。ここは巨大なテーマパークなんだ。
何があるのか、とことん歩き回って体感してやるぞ! -
ようやくメインのレガレイラ宮殿が見えて来ました。
しかし、あそこに辿り着けるのは、もっとずっと先の話です。 -
「Capela(教会)」です。
-
修復工事中で、付近は通行止めになっていました。
教会の前の道を真っ直ぐ進めばレガレイラ宮殿なのですが、
そこが通れなくて、滅多矢鱈と遠回りする羽目になりました。 -
小振りの野ボタンのような花が咲いています。
-
あと一歩という所で、レガレイラ宮殿から遠ざかって行きます。
-
まあ、もっと庭を楽しめばいいのよね。
-
写りが良くないですが、白い縁のあるスミレです。
-
「Lago(湖)」に出ました。
もちろん人工的に作った池です。 -
回り込むと洞窟に入るようになっていて、
そこから「Lago」を見るとこうなります。
洞窟の中も水があるので、見える部分の下半分は水鏡です。 -
穴はいくつも並んでいるので、別の場所から見ると、
もう少し状況がわかるかと思います。 -
ここの洞窟は、ちょっと迷路になっていて、
どうやったら外に出られるのか迷ったりします。
おまけに、こんな風に水があるので、真っ暗な時には歩くのが怖いです。 -
洞窟内の迷路を抜けると、「Lago」の上にある
「Casa dos Ibis」に出ました。
やれやれ、また下まで降りて行かなくちゃ。
だんだん体力勝負になって来ました。 -
オキザリスかな?色々な花が咲いているので、結構楽しんで歩けます。
-
「Lago」に降りて来ました。
先程は、これらの穴の中から外を見ていました。 -
ライオンの像の前を通って、
-
「Patamar dos Deuses(神の国)」という名のプロムナードを歩いて
宮殿に向かいます。
このすぐ右下は、バス通りです。さっき歩いて来ました。 -
やった~、ようやくレガレイラ宮殿だ。
ん?あれ? -
石積みのように見せていますが、
全部壁に書かれたものであることが見て取れます。
宮殿は19世紀の終わりに、12世紀の王族の別邸を
ロマン主義を理想として改築されました。
謎めいた建造物と緑豊かな庭園の取り合わせは、
所有者であるアントニオ・アウグスト・カルヴァリョの哲学的思想を、
モンテイロ(1848~1920)とイタリアの舞台美術家・建築家である
ルイジ・マニーニ(1848~1936)が現出させました。 -
プロムナードの門をくぐって、いよいよ宮殿の下までやって来ました。
-
丸窓の向こうは宮殿の壁です。
それなのに、ここからは宮殿に入ることが出来ません。
入り口は、通行止めだった教会側にあるのです。 -
螺旋階段を上がってみると、今歩いて来たプロムナードと、
並走するバス通りがよく見渡せます。 -
なんてこった、またあそこの教会まで、
上がって行かなきゃならないのね。 -
ようやく宮殿の入り口に到着しました。
手前にある盛り土。ここの工事のために道がわからなくなっていました。 -
外観とは、ちょっと違った優美な内装です。
-
玄関を入ってすぐ右手の「狩りの間」。
窓の外にはずっとテラスが続いています。
先程、螺旋階段を上ったところがこのテラスだったのですが、
そちらからは入場できないので、
また階段を降りなければなりませんでした。 -
大きな暖炉のような窪み。廻りを取り巻く彫刻や壁画は、
とても細かい造りで素敵です。
レガレイラ宮殿の外観の実状に気づいてがっかりしただけに、
この内装の雰囲気の良さには嬉しくなりました。 -
ところが、その手前に施されたタイルの絵柄は、巨大な猪の頭でした。
色は優しいパステルカラーで雰囲気はいいのですが、
猪の頭は如何な物か・・・「狩りの間」だから仕方ないですね。 -
次の部屋は、音楽室です。
みごとな造りの天井。音響に役立つのかな? -
壁には、所有者であるアントニオ・アウグスト・カルヴァリョの名前が
刻まれたエンブレムが一面に配されています。 -
音楽室の一角にはピアノが収まっています。
-
「王の間」の天井です。
漆喰彫刻で、こうした装飾はよくありましたが、木彫では珍しいです。 -
白を多用した壁画が、可愛らしい額縁のように飾られています。
描かれている絵も、宮廷の愛らしい風景。
ロマン主義の絵柄なんでしょうか。 -
「王の間」にしては、可愛い絵過ぎるような気がしますが。
-
「喫煙室」
-
「肖像画の間」というなら、しっくりくるけど・・
19世紀は喫煙も貴族のたしなみ? -
女性の肖像もあります。
特に名前は書かれていないようですが、どれが誰だかわかるのかな? -
陳列されている食器。「R」の文字に王冠が被せられた紋章入りです。
レガレイラのR? -
公開されているのは、この階だけで、出口は階段を降りて行きます。
出口の巨大なノッカー。 -
ああ、またこの場所に出て来ちゃった。
ここからだと山頂に「ムーアの城跡」が見えます。
宮殿は、さすがにいい場所に建っています。 -
宮殿の前は斜面に南国風の植物が植えられている散歩道になっています。
-
さしずめ植物園のように様々な植物が色とりどりに咲いていて、
楽しいです。
英国式やフランス式庭園のように、如何にも整えられたという感じ
ではないので、気持ちよく過ごせます
(もちろんレガレイラも全部人工庭園なんですが)。
レガレイラ宮殿は、宮殿そのものより、この広大で起伏に富み、
びっくり箱のような秘密だらけの庭を
オリエンテーリングのように楽しむ所でした。 -
観光客が手摺にもたれている階の上が見学コースです。
左端が「狩りの間」。右手におじさんがいる窓の部屋が「音楽室」です。
現在、修復工事中。このおじさんに螺旋階段から上がって来ても、
中には入れないと言われました。
螺旋階段は、建物の右端に小さな塔のようなものが付いていて、
その中にあります。 -
「音楽室」の外壁にだけ彫刻があります。
ペナ宮殿のように、こうした彫刻をたくさん作ることは
出来なかったんですね。
それにしても外壁に、黒い塗料で線を書いて、
石造りに見せ掛けなくてもいいのに。
これが宮殿の魅力を失わせていると思います。「幻滅」ってやつですね。
さて、これでレガレイラ宮殿を後にします。 -
レガレイラ宮殿でもらった園内地図の上半分です。
右下の半分になってしまっている塔のある建物が、受付です。
すぐ下の門から入って、ここでチケットを買ったり、
チケットのチェックを受けます。
敷地は上から下まで、ずっと山肌に沿って下っているので、
先ずは上って行って、「Poco Iniciatico」を目指すことになります。 -
こちらが下半分。
一番下が宮殿です。「Lago」は左端。
「ENTRADA(入口)」が右上に、「SAIDA(出口)」が
宮殿の前にあります。
この地図は、距離も方向も正確ではなく、
なんとなくこんな感じで在りますといった俯瞰図です。
実際には、木立の中を人の後について歩いて行かないと
辿り着けなかったです。
そもそもレガレイラ宮殿の情報が少なくて、
どんな所なのか見当が付かず、
実際に行ってみて、ようやく分かった次第です。
この旅行記が、皆様の参考になりますように。
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