ポルトガル第二の都市ポルト　（１）　　　　橋と夜景とメトロ見学

2019/03/14 - 2019/03/20

２０１９年３月、ポルトガルを訪れました。
主な行程は、リスボンからロカ岬・オビドス・ナザレ・ポルト・アヴェイロ・コインブラ
と周って、リスボンに戻り１日自由行動というものです。
　５回目は、オビドスの城壁歩きを満喫し、ナザレで大西洋に臨むリゾート地を味わい、
ポルトガルでの２泊目の地、ポルトにやって来ました。
ポルトは、ポルトガル第２の都市で、首都リスボン同様、
川の河口にある商工業の盛んな町です。
イスラム教徒が支配していたイベリア半島に、
ポルトガルという国が出来た最初の場所でもあります。
ドウロ川の北側に歴史地区はあり、川に迫る丘の風景とドン・ルイス１世橋の景観は
昼夜を問わず、素晴らしいです。
その対岸には、ポルトに繁栄をもたらしたポートワインの醸造所がずらりと並びます。
世界にワインセラーは数あれど、こんな風に横並びになっている場所は
ここだけでしょう。
　ポルトの旅行記は分冊します。初回はポルトに到着して夕食を摂る際に見た夜景と、
ホテルが空港のそばだったので早朝散歩でメトロの見学に行った模様を掲載します。
次回は、ツアーでの簡単な観光、その次が自由行動の模様になる予定です。

エリア ポルト(ポルトガル)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

• 交通手段: 観光バス 徒歩
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）
• 利用旅行会社: 阪急交通社

ナザレの観光を終え、バスは北上を続けます。
今回の行程で一番北に当たるポルトの郊外にやって来ました。
ドウロ川に沿って続くグスターヴォ・エッフェル通り
（Av. Gustavo Eiffel）を走っています。
美しい鉄橋が見えて来ました。おお、これがポルトで有名な
ドン・ルイス１世橋かと思ったら、違うんですって。
こちらはドナ・マリア・ピア橋（Ponte de D. Maria Pia）といい、
ポルトガルの国王ルイス１世の王妃
マリア・ピア・ディ・サヴォイアの名を冠しています。
王妃マリア・ピアは、初代イタリア国王エマヌエーレ２世の娘で、１８６２年にポルトガルに嫁ぎました。
浪費家と言われつつも、慈善事業に積極的で国民に敬愛されました。
長男カルロス１世は、その王太子とともに暗殺され、
孫のマヌエル２世が即位しますが、
１９１０年に革命が起き、マヌエル２世はイギリスに亡命し、
マリア・ピアは故国イタリアに戻りました。
この橋は、１９９１年まで鉄道の通る鉄橋として機能していましたが、
今は閉鎖されています。
ドナ・マリア・ピア橋は、ドン・ルイス１世橋のモデルとなって
いるので、非常によく似ています。
本物のドン・ルイス１世橋は、写真の奥に小さく見えて来ています。

ドン・ルイス１世橋です。
確かにドナ・マリア・ピア橋とよく似ています。
ドナ・マリア・ピア橋は上部に鉄道の線路があるだけですが、
ドン・ルイス１世橋は、上は地下鉄と歩行者が通り、
下には車と歩行者が走る２階建て構造になっています。

確かに、２階部分を歩く人の姿が多く見られます。
そして地下鉄もそこを走るのです。
あんなに高い場所を地下鉄が走るなんて、ちょっと変な気分ですね。
それは、ポルトの地形に理由があります。
ドウロ川の北側にある中心部は、ドウロ川の水面より
はるかに高い場所にあり、川の両岸で一気に土地が下がっているのです。
そのため、中心のサン・ベント駅では地下を走っている地下鉄は、
顔を出したらすぐ目の前がドン・ルイス１世橋の２階なのです。
その場所には明日の観光で訪れます。

ドン・ルイス１世橋を渡ったところにあるのが、
セラ・ド・ピラール修道院です。
そこから見るポルトの町の景色が素晴らしいと、有名な場所です。
是非とも行きたかったのですが、ツアーでは立ち寄らず、
フリーでも時間がなくて行かれませんでした。

セーラ ド ピラール修道院 寺院・教会

ドン・ルイス１世橋の向こう側にロープウェイが見えます。
中心街のある北側と同じように、南側も高低差の激しい地形に
なっているので、低い場所にあるワイナリーを訪れてから、
ドン・ルイス１世橋の上を渡るなら、
ロープウェイで上がった方がいいです。

ドン・ルイス１世橋の１階部分です。自動車が数珠つなぎです。
人もたくさん歩いています。
背後の斜面に展開する建物には大きな看板が目立ちます。
「ＴＡＹＬＯＲＳ」「ＣＡＬＥＭ」「ＤＯＷ’Ｓ」「ＳＡＮＤＥＭＡＮ」
どれも老舗のワイナリーです。
ポルトで有名なポートワインは、
ドウロ川上流で栽培されたブドウが収穫・樽詰めされてから
このヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア地区に船で送られて来ます。
ここで熟成と瓶詰が行われて出荷されるのです。
ワイナリーでは見学ツアーや試飲が行われているので、
時間に余裕があったら是非どうぞ。

こうして見ると、土地の高さの違いがよくわかります。
北側から修道院を目指す場合は、橋の上から行った方が楽ですね。

ドン・ルイス１世橋は、
１８８６年にエッフェルの弟子によって建設されました。
ドン・ルイス１世は、マリア・ピア・ディ・サヴォイアの夫君です。
橋に君主や妃の名が付いているのは珍しくありませんが、
名前が剥奪されてしまった橋もあります。
ハンガリーの首都ブダペストには、
有名な鎖橋の隣にエリザベート橋があります。
これはオーストリア皇妃エリザベートのことです。
オーストリア・ハンガリー帝国の時代、エリザベートは
ハンガリーに大変好意的だったことから人気がありました。
その隣に、夫であるフランツ・ヨーゼフ１世の橋もあったのですが、
ハプスブルク家中心の政治に固執したため、
ハンガリーでは人気がなく、橋の名前も変えられてしまったそうです。

ポルトはリスボンと同様に、川の河口付近に作られた町です。
町は川の両側に広がっており、双方を往来する人がたくさんいます。
橋が少ないので、どうしても人も車も集中してしまうようです。
もう少し広めに作ってくれれば良かったのにね。

橋の先はすぐにトンネルです。トンネルの脇には、
巨大な屋外エレベーター（Lift Lada Ribeira）があります。
（写真の左端にちょこっと写っています）
リスボンのサンタ・ジュスタのエレベーターのような
街中ではありませんが、ここの眺めも素晴らしいでしょうね。

バスが信号待ちをしている時、
歩道を歩いている黒いローブを来た学生たちと目が合いました。
二人掛かりで大きな楽器を運んでいます。チェロかな？
その後ろの顎髭の彼は太鼓とバイオリンケースを両手に持っていました。
演奏会でもあったのかしら？
それにしても、ポルトガルに来てまだ２日目だけど、
リスボンでは陽気なマリオたちに囲まれたし、
オビドスでは素敵な笑顔のジンジャ売りのお姉さんに会えたし、
とてもフレンドリーな人々に会えて、とても嬉しいです。

ボルサ宮です。１８３４年に、サン・フランシスコ修道院が
火災で焼失した跡地に建てられた商業組合の建物。
ごく最近まで証券取引所として使われていたので、
ボルサ（証券取引）という名称になっています。
内装が大変豪華で美しいので、見学ツアーがあります。
ポルトで時間に余裕があったらしたいこと、
第一位はワイナリー巡りだけれど、第二位はここと
隣のサン・フランシスコ教会の見学だなあ。
手前の公園にはエンリケ航海王子の像があります。
近くには旧税関の建物で「エンリケ航海王子の家」と呼ばれる
建物もあります。

エンリケ航海王子の像のある公園の北側には
真っ赤で目立つ建物があります。
元は古い市場だった建物をリニューアルして、
おしゃれなアート＆ショッピングゾーンになっています。
リスボンにもフードコートになっているリベイラ市場がありました。
ポルトガルの各都市では、
古くなった市場の再生が成功しているようです。
ポルトには、町の北に現役のボリャオン市場（Mercado do Bolhao）が
あります。
こちらは生鮮食品や日用品の庶民向けの市場で、
行ってみたかったのですが、２０１８年から２０２０年に掛けて
改修工事により閉鎖中でした。

サン・フランシスコ教会です。
ここは、その内装が大変豪華なことで有名な教会です。
１４世紀に修道院の付属教会として建設されました。
その後、修道院は焼失、跡地にはボルサ宮が建設されました。
残った教会は１７世紀にバロック様式に改装されました。
ターリャ・ドゥラーダ（金泥細工）と呼ばれる
バロック装飾がたいへん豪華です。美術館も併設されています。

ドウロ川沿いの駐車場にバスが止まりました。
これから夕食のレストランに向かいます。
対岸にはリバークルーズの船が停まっています。
所要５０分の遊覧船もあるので、隅田川のクルーズのように
橋巡りを楽しむのもいいですね。

見上げると古い建物が目につきます。
S. ジョアン・ノーヴォ教会（Igreja de S. Joao Novo）です。

道路に面したアパートは、とても古いタイル壁面の建物です。
右端の建物の屋根の上に、黒いマントと帽子の絵が見えます。
これがワイナリー「ＳＡＮＤＥＭＡＮ（サンデマン）」の
シンボルマークで、「ドン」と呼ばれています。

意外と平面的なむしろシンプルな壁面タイルです。
かつてはこれが最先端の華やかな町並みだったんだろうな。
ポルトガルに来て思ったのは、
意外と装飾があっさりしているなということです。

リスボンのテージョ川と比べて、川幅が狭いので、
対岸が近く川岸の眺めがとてもいいです。
朝夕の川岸の散歩なんて気持ちがいいでしょうね。

サン・フランシスコ教会に戻って来ました。
車道に沿って上がって行くと、ボルサ宮に至りますが、
私達は一つ下の舗道オウテイリーニョ通り（R. do Outeirinho）を
歩いて行きます。

私達が下って行く道の上に、ステンドグラスの嵌った
すてきな通路を持つ建物があります。
「1872 リバーハウス」という4 つ星ホテルです。
その通路の下をくぐって進んで行きます。

リバークルーズの船が行きます。岸壁にはカップルの姿が。
このホテルに泊まっていたら、こんな風に過ごせるのでしょうね。
私たちの今夜の宿は空港のそば。うう悲しい。

君たちはいつでも、このドウロ川の景観と共に生きているんだね。

川にせり出したテラスがずっと続く通りを、
現地ガイドの先導で歩いて行きます。
確かに個人的に来たら、通れるとは思わないから歩かなかったろうな。
店の一部なのか、舗道なのか見分けがつきません。

テラスの終点に来ました。
テラスの下の川岸には、人々が集まっています。
ポルトを訪れた観光客が必ず佇む一角です。
そのため、ストリートパフォーマーもいて、賑やかです。

川沿いのリベイラ地区は、飲食店街です。
美しい夕暮れの景観を愛でながら、
美味しいポルトガル料理を食べに来る人が、徐々に集まりつつあります。

ドン・ルイス１世橋の上を地下鉄（メトロ）が通っています。

セラ・ド・ピラール修道院に、観光客の姿が見えます。
あそこからこちら側を見たかったな。

ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア地区のロープウェイ乗り場です。
その隣に人が鈴なりになっているのが
モーロ庭園（Jardim do Morro）です。
きっと修道院と同じように、景観が素晴らしいのでしょう。
みんな夕暮れを待っているのね。

テラスの通りから川岸に降りて来ました。
振り返って見ると、テラスがずっと続いているのが見えます。
あそこは特等席だから、この時間から確保しないと
夕食時にはどこも満席ね。

どんな曲を奏でていたっけなあ。きっと明るくて楽しい曲だったよね。
ツアーだと、ゆっくり聞く暇もないなあ。
そういえば、さっきの大きな楽器を運んでいた学生たちは
どこで演奏しているんだろうか。

川から上がって行く道の先には、赤い旧リベイラ市場と
パロキアル・デ・ノッサ・セニョーラ・ダ・ヴィトーリア教会の塔が
見えます。
ポルトは、大航海時代に繁栄した都市なので、
大きな教会がたくさんあります。

地下鉄がすれ違います。ああ、あれに乗りたいなあ。
ドン・ルイス１世橋の上を通れるのは、この地下鉄と歩行者だけです。

この景色を見て、あそこに行きたくならない観光客はいないでしょう。
明日、行くのが楽しみです。

外観は古くても、中は現代的にリフォームされています。
そういうお宅も見てみたいなあ。

再びサン・フランシスコ教会の前に戻って来ました。
正面にあるのは公衆トイレです。道端にポツンとあります。
あれを利用する時は、余程切羽詰まった時だろうな。
でも、あれば安心なので、一応ご案内します。

ノヴァ・ダ・アルファンデガ通りを渡って、
一本裏手にあるレストランに入ります。

Restaurante Cozzza Rioでの夕食です。
サラダは嬉しいんだけど、
これだけで結構お腹がいっぱいになっちゃうよ。
添えられている赤ワインは、もちろんポートワインです。
普通のグラスワインだと４ユーロですが、ポートワインは６ユーロです。
生ビール・ジュースは３ユーロ。

Cozzza Rio 地元の料理

イカのグリルがメインです。
見た目は、お皿に食材がゴロっと載っているだけでつまらないですが、
日本人にはこれでも多いかも。
味はポートワインを味わうのに夢中で覚えてません。
ポートワインが欲しかったので、店の人に聞いてみました。
すると、この店で買うより、スーパーで買った方が
ずっと安いからやめておきなという返答でした。
なんて商売っ気のない方なんでしょう。
ポートワインの見分け方も教わりました。
ポートワインは、発酵途中でブランデーを入れて酵母の働きを止めます。
だから、アルコール度数が１８～２０という強いお酒になります。
ブランデーが入っているので、濃厚な香りがたまりません。
普通のワインとは違うので、お酒に弱い人は注意が必要です。
私もワインは好きだけど弱いので、
レストランを出てからも、しばらくは千鳥足でした。

またまたサン・フランシスコ教会です。
日が落ちて夜景タイムになりました。
１９時過ぎです。この日（3/16）の日没は１８：４４でした。
因みに日の出は６：４６です。

サン フランシスコ教会 (ポルト) 寺院・教会

夜景を見に、先程の河岸に戻って来ました。

セラ・ド・ピラール修道院が見事にライトアップされています。

ドン・ルイス１世橋の向こうに新しく架けられたインファンテ橋も
昼間は白いシンプルなデザインの橋ですが、夜景には一役買っています。
河岸にあるカフェは、びっしりと人々が憩っています。
ドウロ川のクルーズはここから乗ることが出来ます。

今回の表紙は、この素晴らしい夜景です。
それにしてもセラ・ド・ピラール修道院の味気ない土台部分を
あのようにライトアップしようと考えた人は天才ですね。
あのおかげで、修道院はバースデーケーキのように豪華になりました。

これらのレストランはこれからが一番賑わう時間なんでしょうね。
このスポットはたいへん美しい夜景が見られます。
しかし、メインが橋と修道院だけなので、
見て楽しい景色がそこだけに限られてしまいます。
写真を撮っていて気づいたのですが、あまりにも被写体が少なすぎる。
しかも、ちょっと前にも同じ風景を見ているので構図的につまらない。
出来れば、セラ・ド・ピラール修道院かモーロ庭園から、
こちら側を見たかったな。
あちら側からなら、中心街の夜景が左右に拡がる光景が
見られたんじゃないかしら。

ポートワインのワイナリーが集まるヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア地区は、
ワイナリーの看板だけがライトアップされていて、あとは暗いので、
夜景としては寂しいです。

レボレイラ通り（Rua da Reboleira）を歩いていると、
敷石にプレートが嵌め込まれています。
ＰＯＲＴＯの文字も見えるので名前ではないようです。
結局、わからず仕舞いでしたが、足元も見て歩くとおもしろいですよ。

駐車場の前の建物の壁面に、老婦人の顔が描かれています。
深いしわの刻まれた顔と遠くを見つめる眼差し。
こういう絵を壁画にできるのが、ポルトガルなのかな。
リスボンで見た壁画も、たいへん秀逸でした。
底の浅い漫画チックな絵の溢れる日本から見ると、
成熟した町の深みが感じられるような気がします。
ポートワインの酔いも手伝って、今夜は良く寝られそうです。

暗いですが、翌朝６時過ぎです。
空港の真ん前のホテルに宿泊したので、
今回の旅では利用しないポルトの空港を見に来ました。
空港の敷地が広いので、ホテルからは１０分ちょっと歩きます。
ここからはメトロの話題になります。

早朝なので空港内は人がいません。
Costa Coffeeは、深夜まで営業していますが朝の開店は７時です。

ポルト国際空港 (フランシスコ サ カルネイロ空港) (OPO) 空港

空港建物の地下通路を通って、地下鉄に向かいます。
波線のような「Ｍ」のマークがメトロ（地下鉄）のシンボルマークです。

券売機が壁際にポツンポツンと立っています。
地元の人はＩＣカードを利用しているので、
券売機を使う人が少ないからですね。
自動改札機などもないので、至ってシンプルな駅構内です。
これらがなければ、オフィスビルのような感じです。

ホームに上がりました。空港建物を見ると、
フランシスコ・サー・カルネイロ空港（Aeroporto Francisco Sa Carneiro）と表記されています。
空港の名前は、ペドラス・ルブラス空港という名称だったそうですが、
１９８０年にリスボンからポルトに向かって離陸した直後に
飛行機が墜落して亡くなった首相の名前に変わりました。

Aeroporto駅です。メトロの６路線のうち、
Ａ線・赤ラインから分岐するＥ線・紫ラインがここに来ます。
６：２３。早い時間ですが、一昨日ポルトガルに着いたばかりで、
日本との時差９時間が身体に残っています。
日本時間では１５:２３ですから、起きてしまうんです。
（２０２０年３月２９日から１０月２５日はサマータイムで
時差は８時間です）
せっかく目の前に空港があり、メトロの始発駅があるのだから、
ちょっと散歩して来ようと出掛けて来ました。
手前にある押しボタンのような物が、刻印機です。
改札がない代わりに、ここにＩＣカードをタッチします。

アエロポルト駅 (地下鉄) 駅

既に電車が停まっています。車体は新しいライトレールです。
窓が大きくてとても素敵。
このライトレールがドン・ルイス１世橋の上を往来しているのです
（Ｄ線・黄ラインのみ）。

車内を覗いてみます。椅子は随分硬そうです。

扉はガラス部分の右端に付いている丸い部分に手をやると開きます。

ライトレールは２編成の連結仕様です。

鉄ちゃんの大好きな連結部分。
双方のカバーが上に上がる構造なんですね。

かつて寝台特急北斗星やあけぼのに乗って、雪深い函館駅で、
青函トンネル専用の機関車ＥＤ７９から北海道のＤＤ５１に
付け替えられる行程を、寒さに震えながら見たものです。
青森での機関車交換では、「あけぼの」は先頭車両が
女性専用車両だったので、真夜中に数人の女性たちと共に、
狭い窓から覗いていたのが忘れられません。
たいへんだったけれども、鉄道ファンの大きな楽しみでありました。
あの頃があったから、今も「鉄ちゃん」なんでしょうね。
今は、なんとも味気ない時代になりました。

Estacao Estadio do Dragao行きです。
駅名の前に路線のＥが表示されています。
ドラガン競技場は、日本代表の中島翔哉が所属する
ＦＣポルトのスタジアムです。
この駅は、６つの路線のうち４路線の終着駅です。

こうしたライトレールが日本の都市でも、
もっとたくさん走るといいのになあ。

路線図です。左が北になります。
空港は中心部より北側にあるので、
紫ラインの左端から右に向かって行くことになります。
路線図の説明に色の三原色の図が添えられています。
色盲の人用でしょうか。Ａ～Ｆの路線の色を記号で説明してあります。

発車ベルもなく、朝ぼらけの空港駅を静かにライトレールが
出発して行きます。

あれ？地下に潜っちゃった。地下鉄だもんねぇ。
でも、あのライトレールは、数百ｍですぐに地上に出ます。
次の駅はまた地上駅です。
メトロが地下を走るのは中心部だけのようです。

次の電車が来ました。地下から芋虫のように、
顔を出して来るのがなんだか可愛くて「お気に入り」です。

空港駅に降り立った人達が三々五々、地下に降りて行くと、
ライトレールはホームの更に前方に進んで行きます。
そしてポイントを切り替えて隣の線路に入ります。
そうして再び左のホームに進入して、始発になるのです。
ポルトのメトロには乗れなかったけれど、結構楽しめました。
朝の散歩はいいものです。

ここからは券売機の説明です。
初期画面には「ａｎｄａｎｔｅ」と書かれています。
これがポルト地下鉄のＩＣカードの名称です。
地下鉄だけでなく、市バスや国鉄の近郊線にも使用できます。

メトロの料金はゾーン制です。発駅からの距離によって、
ゾーン１からゾーン９までに区切られます。
アルファベット順の駅名で探すことが出来ます。
ゾーン表示の路線図もある筈なんですが、撮り損ねました。

チケットの説明です。ゾーン毎に料金が示されています。
１回券はそれぞれ制限時間が決められており、
その間は乗り降り自由です。また、２４時間の一日券もあります。
２４時間チケットは、打刻した時から２４時間なので、
翌日の同じ時間まで使えて便利です。
例えば、ドラガン競技場は、ゾーン４なので、
１回券は２ユーロ、１時間１５分まで有効です。
２４時間券は６．９ユーロです。

画面の左下にあるボタンで言語を選びます。
英語・フランス語・スペイン語が選べます。
初めての場合は、右の「Ｂｕｙ」を、既にａｎｄａｎｔｅを
持っている場合は左の「Ｒｅｌｏａｄ」を押します。
一見タッチパネルかと思いますが、
画面の外にある大きなボタンを押します。

チケットの種類を選びます。
１回券なら右「ａｎｄａｎｔｅ」、
一日券なら左「ａｎｄａｎｔｅ２４」を選びます。

「ａｎｄａｎｔｅ２４」を選んだ場合、次に利用するゾーンを選びます。

次は人数です。１・２・５・１０人が選べます。
１０人という選択肢があるのがすごいですね。

「ａｎｄａｎｔｅ」を選んだ場合の画面です。
ゾーンは２～９まであります。

ゾーン４のチケットを２枚選びました。請求額は４．６ユーロです。
ゾーン４までは一人２ユーロです。
０．６ユーロはＩＣカードのデポジットです。
ということは、もしずっと二人で行動するなら、
１枚のカードでずっと使うことが出来、複数枚カードを発行しないので、
デポジットも１枚分で済むということです。
これはすごいですね（画面からの推測なので、確認はしていません）。

随分、楽しませてもらいました。
ポルト・メトロの券売機はとてもわかりやすくて感心しました。
タッチパネルではないので、ちょっと戸惑うかもしれませんが、
問題ありません。
そろそろ明るくなって来ました。ホテルに戻ります。

ポルト空港の管制塔です。来た時には暗くて見えなかったのですが、
夜が明けましたね。

防音壁そのもののような外観のパーク ホテル・ポルト・アエロポルト（Park Hotel Porto Aeroporto）です。
目の前が空港ですが、音は気になりませんでした。
次回は、ツアーでのミニ観光の模様を掲載します。
その次が、フリータイムです。