タイ中部7都市を巡るロードトリップ in Thailand★2019-2020　08　6日目【シンブリー】

2019/12/26 - 2020/01/01

旅行6日目。
チェックアウトをした後は、ワット・サワーン・アーロム内にある“ナンヤイ影絵博物館（皮革影絵博物館)”に、シンブリーの伝統芸能である影絵を見学に行ったところ、影絵に関する展示品が見れたら良いなと思っていたのに、伝統芸能を学んでいる子供たちが集まっていたので、指導者が私たちのために演目を披露してくれ、素晴らしいひと時を過ごした。
その後は、タイの王室仏教寺院第3級に指定されている“Wat Phra Non ChakSi”へ。
涅槃像としてはタイで3番目の長さを誇る、47ｍ強のスコータイ様式の涅槃仏が安置されていて、大晦日のせいなのか、普段から参拝者で溢れかえるのかわからないけど、寺院内は尋常じゃなく混雑していた。
Wat Phra Non ChakSiでもう1つ驚いたのは、高僧たちを模した蝋人形たちの巨大さ…迫りくるように大きさの蝋人形が何体も並ぶ姿は、他の寺院で目にしたことが無かった。

エリア その他の都市(タイ)

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: レンタカー
• 旅行の手配内容: 個別手配

明け方、HOTEL駐車場を縄張りにしている犬たちの遠吠えで眠れなくなってしまい、レースカーテンの隙間から朝日が昇るのを見た。
今日は12月31日なので、あと1日ズレていたら初日の出だったけど、ここで新年を迎えなくて良かったとも思う。

ゴールデン ドラゴン リゾート ホテル

ぼんやりとした太陽が濃くなって、ゆっくりと空が明るくなりはじめた。

昨夜は真っ暗で全体図が見えなかった駐車場もほぼ満車で、結構宿泊客が多いみたい。

ゴールデン ドラゴン リゾート ホテル

ロビー奥の食堂が朝食会場になっている。

ゴールデン ドラゴン リゾート ホテル

ホールのように広い食堂には、タイ料理を中心としたビュッフェが並んでいてにぎわっていた。
このHOTELはタイ人御用達らしく、外国人の姿は私たち以外見当たらないせいか、妙に注目を集めていた。

ゴールデン ドラゴン リゾート ホテル

肉団子と細切り筍が入ったスープと、白菜・人参など野菜モリモリのナムサイスープで不足しがちな野菜を補給して、10：00にチェックアウトを済ませた。

ゴールデン ドラゴン リゾート ホテル

最初に向かったのは、HOTELから車で10分ほどの場所にある“ナンヤイ影絵博物館”。

ワット・サワーン・アーロムという寺院に併設されていて、100年以上前に寺院に影絵が伝えられ、その後シンブリーの地で発展を遂げたそう。

駐車場を探しながら敷地を徐行していると、屋根付きの観光バスが何台も停まれそうなほど大きな駐車場があった。

その向かいに2階建ての建物があり、外階段から上がった2階部分がワット・サワーンアーロム影絵博物館になっている。

入口には展示物の案内板が。
開館時間は平日9：00-16：00・土日8：30-17：00で入場は無料。

看板を見ていると2階から人が降りてきて、上がるよう促される。
彼が影絵博物館で、地元の子供たちに演技指導を行っているみたい。

最初は薄暗くてよく見えなかったけど、建物内に入ると次々に電気スイッチを灯してくれ、広い空間にとても大きな影絵が所狭しと飾られていることに気付いて、思わず感嘆の声が漏れた。

影絵はそれぞれ大きさが異なるけど1-2ｍ四方はあって、離れた場所から見ても存在感抜群だった。
素材は乾燥させた牛革で、影絵なので色は単色かと思っていたけど、バリ島のワヤン・クリ程カラフルでは無いものの、部分的に色が付いていた。

光と通すとディテールの細かさが浮かび上がる。

神々のシルエットを形取った影絵は、生き生きとした表情で美しい。

案内してくれた男性がタイ語で色々説明をしてくれるけど、お互い言葉が通じないのでジェスチャー中心になり、「影絵を触ってみなさい」と私の手を取って触らせてくれた。
触れてみるとカッチカチに硬くてザラッとしている。
連続したような丸穴は影絵細工職人が手作業で1個1個打ち込んで造り出すらしく、異なる大きさで影絵のシルエットを生み出していく。

見飽きることが無いのでじっくり見学していたところ、夫に呼ばれ行ってみると、どうやら私たちのためだけに子供たちが演目を披露してくれるそう。
まさか実演してくれるとは夢にも思っていなかったので、本当に嬉しかった！
小学生中学年から高学年の子供たちが中心で、1番上手いリーダー格の男の子だけ中学生っぽかったけど、子供たちが持つ影絵の大きさを見ると如何に大きい（そして牛革なので重たいはず）かよくわかる。

電気が消してカーテンを閉めると室内が薄暗くなり、幕の後ろから照明が当てられて、8人の子供たちが幕袖にササッと並んで準備完了。
音楽が流れると子供たちが大振りのステップで動き始めた。

影絵＝幕越しに鑑賞すると思っていたら、列をなして子供たちが表に出てきた。

アユッタヤー時代初期のウートーン王在位（1350-69年頃）には、既に存在したと言われる“ナンヤイ”影絵。
600年以上経った現代でもラーチャブリー県のナンヤイ、ワット・カノーン・ラヨーン県のナンヤイ・ワット・バーンドーン、そしてこのシンブリー県のナンヤイ・ワット・サワーンアーロムが寺院の境内にそれぞれ影絵博物館をつくって、保存と伝承を続けているのだそう。

影絵は山や木々など背景を象る丸い形と、神様を象るディテールの細かな2種類に分かれていて、神様を操って演じるのは上級生のベテランな動きをする子供たちが中心だった。

両手に支え棒を掲げたまま、飛び跳ねたり走ったり…躍動感溢れる動きにストーリーの詳細を知らなくてもワクワクし、素晴らしいひと時を過ごした。

TVやスマホなどの娯楽が無い時代に、夜の娯楽として長年人々を楽しませてきた影絵文化に思いを馳せる。

どの影絵も繊細で美しい。

ぐるっと外側を回っていたら、実際に使用している影絵が置かれていて、重ねた状態だとより大きく見えた。
帰り際に、タイ語で書かれた写真付きの冊子をプレゼントしてくれたので、公演のお礼も兼ねてドネーションボックスに心ばかりの寄付をさせてもらった。

興奮冷めやらぬまま、1時間ほど走った先にある次の目的地へ移動する。
朝はHOTELの木々が風でしなる程強い風が吹いていたけど、いつの間にか落ち着いて、普段通りの暑さに戻っていた。

到着したのは、タイの王室仏教寺院第3級に指定されている“Wat Phra Non ChakSi”。
付きの巨大な駐車場を出ると、どこからやって来たのか…参拝客を乗せた連結車両がトラクターに引かれて走り抜けていった。
後で知ったけど寺院近くに遺跡があるようで、このトラクターで連れて行ってもらえるらしい。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

屋根が付いた参道の中央には巨大な高僧の蝋人形が置かれていて、代わる代わる手を合わせたり、一緒にセルフィーを撮る人でにぎわっていた。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

タイの寺院だけど、ミャンマーを思わせる小豆色の袈裟を着用している。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

建築寄付金を募るドネーションボックスも巨大で、優に私の身長を超える大きさだった。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

参道の途中に急に部屋が現れて、覗いてみたところ小さな観音堂があった。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

金色の紙で作られた供物が乗っている台座を掲げながら読経する。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

観音堂を出て参道を歩いていくと法要が行われていたけど、中央の黄色いTシャツを着た男性の【つづく】の文字が妙に気になった。
平仮名日本語TシャツはBKKや観光地ではよく見かけるけど、この片田舎でも目撃するとは。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

中庭は盆栽風の木々が並べられている。
中央は暑いので、日陰を歩いて奥の建物に入ると…

ワットプラノンチャクシー 観光名所

びっしり貼られた金箔で、鈍い光と放つ座像があった。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

この建物は供物エリアらしく、花・蝋燭・金箔・線香が置かれていたけど、よく見るマリーゴールドや蓮の花じゃなくて蘭だった。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

その他に薔薇の花型キャンドルも沢山並んでいた。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

座像の隣には涅槃仏があったけど、この涅槃物は金箔を貼る専用で、顔から…

ワットプラノンチャクシー 観光名所

つま先まで隙間なく埋め尽くされていた。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

金箔に混ざって見える銀色の丸いものは硬貨。
金箔に埋まるように押し込まれていて、恐らく相当な分厚さだと思う。
涅槃物の表面が凸凹しているのは厚い信仰を集めている証拠。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

通路を進んでいくと説明付きの写真が吊り下げ展示してあった。
どうやらこの寺院の僧侶らが、チベットもしくはヒマラヤあたりを巡礼したっぽい。
写真をよく見るとダライ・ラマ14世に謁見している様子もあったので、もしかしたらインドのダラムサラの様子かもしれないけど。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

写真展示の先には狭い入口があり、どんどん人が流れ込んでいったので、私たちもついて行く。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

中は長いお堂になっていて、入口付近にはお守りなどを販売するショップがあり、そのまま歩いていくと…

ワットプラノンチャクシー 観光名所

艶々に輝く金色の仏足が姿を現した。
手前に座っている女性と比較してもこのサイズ感！全体像はどんな感じだろう？と気になるけど、全然見えなかった。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

少し進むとスネ辺りでタンブンが行われていた。
アユタヤの涅槃仏が有名な寺院の庭で、涅槃物に衣を巻いて徳を積むのを見たことあったけど、屋内で見るのは初めて（それほど大きい証拠）。
サポートしているのは中学生くらいの女の子たちで、巻き上げた布が上手く掛けられるよう忙しそうに動き回っていた。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

膝辺りまで来ると、今度は象の置物を脇に置いて手を合わせる人たちがいた。
しばらく観察しても何をしているのかよくわからず…帰国してから調べてみたところ、この象を持ち上げて占う願掛け占いの1種で、少しルールは違うけど日本の重軽石的な占いなのだとか。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

そしてようやく尊顔を拝すると、姿勢のせいなのか物凄く顔が長かった。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

巨大すぎるせいか、先端が支柱で支えられている涅槃物も（たぶん）初めて見たと思う。
右向きに手で頭を支えて真っすぐ両足を揃えた涅槃仏は、頭側に移動してもデカすぎて足を見ることが叶わず。
実はこの涅槃仏はタイで3番目の長さを誇る47ｍ強あり、BKKのワット・ポーの涅槃仏（46ｍ）よりも大きい。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

涅槃仏の頭上側壁面には、顔が異なる仏像がズラッと並んでいて圧巻だった。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

涅槃物の裏側は寺院美術館のようになっていて…

ワットプラノンチャクシー 観光名所

タイの古銭や紙幣・陶磁器などがガラスボードに展示されていた。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

陶磁器に書かれたイラストを見ると、何だか愛嬌がある。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

足裏は意外にもツルツルで、曜日ごとの仏像が並べられていた。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

出口側の狭い入口を出ると、参道にあった高僧の蝋人形くらい大きな蝋人形が並んでいて吃驚した。
腕の浮き出る血管が妙に生々しい。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

各所で色々とサイズ感がおかしいWat Phra Non Chak 。
最後の最後で、恐ろしく巨大な高僧蝋人形集団が出迎えてくれたけど、ここまで大きいとキャラクターに見えなくもない。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

高僧の横切って角を曲がると、蓮の花を象ったフローティングキャンドルが販売されていた。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

巨大な蝋燭で火を灯して…

ワットプラノンチャクシー 観光名所

祈りを捧げてから…

ワットプラノンチャクシー 観光名所

ロングテイルボートの形した水槽に浮かべる。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

LEDが底に仕込まれているので、角度によってはキャンドルの光が浮かび上がるように見えて幻想的だった。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

ゆらゆら揺れる炎と、キャンドルが置かれるたびに少し波打つ水面を眺めていると、時間を忘れてしまいそうになる。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

外に出ると参道と繋がっていて、Wat Phra Non Chakに在籍している僧侶たちの顔写真が貼られた掲示板があった。
アットホームな雰囲気だけど、左下にある日本の城は何を意味するか気になるところ。

ワットプラノンチャクシー 観光名所

ランチタイム前に出発出来たからアントーンまで移動して、最近SNS映えで大人気Cafeでランチをする予定。
続きは09へ。