シニア主婦のユーレイルパス一人旅（14）　アントワープ

2018/10/01 - 2018/10/01

旅慣れない主婦のイキナリ６ヶ国縦断ひとり旅。
もともと物見高く＆年のわりに健脚で、さらに旅となると超サイヤ人化する私なんですが、スイス→フランス→ドイツ→オランダと旅してきて、もうこのへんになると疲労の色が濃く……。
いろいろアンラッキーだったアムステルダムからちょっとやけくそになっていましたが、５か国めのベルギーではどうなるのか……不安半分、惰性半分でタリスに乗り、アントワープを目指します。

エリア アントワープ(ベルギー)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

「アムステルダム・CENTRAAL」から「アントウェルペン・CENTRAAL」へ。
この、Ａがふたつあるのはフランス語なの？　なんでかやけにカッコいい。

しかしドイツびいきの私は、このタリスの写真を見るたび「チッ」と思っちゃうのですよ。えらく写真うつりいいやん！　実際はびっくりするくらいホコリだらけだったよ！　１年くらい洗ってないのかってくらい汚かった。まあこの色だから目立っちゃうのかな……しょうがないかな。

別にフランスがキライなわけじゃないですけど、電車遅れすぎだよ！　予定時間過ぎても動かないしアナウンスもないし、……間違った電車に乗ったかと思って焦っちゃった。
結局何の言い訳もなくしれっと７分遅れくらいで発車しました。

いや７分くらいならいいんですけど、その後も――どういうつもりなんですかね？　アントワープ到着はなんと35分遅れ。実際に着く５分前くらいまで、少なくとも英語のアナウンスはなかったと思う。気の小さい私は、到着「予定」の５分前に席を立ってドアの前まで行ってたので、そこで40分立ちっぱなしを強いられました。
ドイツ国内では、たとえ１分の遅れでも「ＤＢナビゲータ」が知らせてくれたので油断してました。オランダ～ベルギー間も、列車時刻表はＤＢナビゲータで確認できるけど、遅延情報は出ません。さすがにフランス国鉄の不始末までは知りませんよということか。SNCFのアプリを使えばわかるんだと思いますが……きっと遅延情報だらけだよ( ･`д･´)b

いずれにしても、こんなに遅れるなら何度も何度も車内アナウンスがあってしかるべきです。しばらくはいったい自分がどこにいるのか不安で仕方なかった。そうだ、と思いついてグーグルマップを見てみたら、到着予定時刻をすぎてもまだ国境を過ぎたばかりのところ。席にいるうちに確認すればよかった！
到着５分前に遅延アナウンスがなければ、普通に着くと思って席を立ちますよね。結局、座席指定券15ユーロで買ったのに、ムダに40分立ちつくしました(`Д´)。

そんなこんなでようやくついたアントワープ。SNCFのせいでムッときていますが、別にアントワープに恨みはないし、……と気をとりなおしてエレベータを上がっていきますと、例の（世界一美しい駅と言われてる）正面階段が見えてきて気分上がります。

でも上っていくと、ん？……なんか違う……？

実はＣＭなどで見る、例の壮麗な正面階段はこの後ろにありました。要するにこっちは裏側ということ。この入口を抜けていくと、

これこれ！　さすがにすばらしかった。ホントに世界一で間違いないと思う。

とはいえ、35分遅れで着いたこの駅で、私はさらに15分ほどウロウロおろおろしております。それというのも、せっかくコインロッカーを見つけたのに小銭がない！

アントワープとは関係なく愚痴っちゃうけれども、この旅でダントツに苦労したのが荷物の管理です。列車とバスの乗り継ぎは（ＤＢナビゲータのおかげなんだけど）思ったほど苦労がなかった。でもコインロッカーの場所がわからないとか、空きがないとか、小銭がないとか、鍵なくしちゃったらどうしようドキドキとか、……そのへんの気の使いようは半端じゃなかったです。
最悪、背負いっぱなしでいけるくらいの荷物にはしていましたが、預けたときの身軽さも捨てがたく……。

せっかくコインロッカーを見つけても両替機なんかあるわけがないので、いつもミネラルウォーターとか買って、それが飲み切れずに結局荷物になったりして。コインロッカーこそカードで払えるとよかったのになあ。まあそれはそれで心配かな。

なんとか荷物を預けて大聖堂への道を歩き出しましたが、当然のことながら時間逼迫。もともと観光に２時間ほどしかとってなかったのでつくづく余裕なし。駅のカフェでサッと食べようと思ってたのに、それも諦め、腹をすかしつつ大聖堂への道を歩きます。徒歩20分ということですが、駅からほぼまっすぐなので迷わなそう。

ルーベンスの家。当然見る時間なし。ちょっと惜しかったけど、よく考えれば特にルーベンスが好きというわけでもないし、まっいいか。ベートーヴェン超リスペクトな私が、時間なくてボンを素通りしたんだもんな。ベートーヴェンの生家を見ずしてルーベンスの生家を見る理由はどこにもない！などと自分の中で理由づけして納得。

そして聖母大聖堂についてみると、やっぱりこれだ！　修復中。間違いなくアムステルダムから星のめぐりが悪い。

それにしてもこの時の私は心を病んでいたとしか言いようがありません。なんと、ここまで行っていながら大聖堂に入場しなかったんです。当然ルーベンスも見ていない。ここを見にアントワープへ行ったはずなのに……
理由を言えばさらにハズカシイ限りなのですが……①着いたらもうあまり見る時間がなかった②ルーベンスは見えなかったんだけど、入口に立ったら中のだいたいが入口から見えてしまった③ユーロが底をついておりたった800円ほどの入場料が惜しかった(小学生か！！）

この３つにより、なんとなく大聖堂の入り口で回れ右をして帰途についてしまいました。今思えば、自分を殴るしかありません。ホントにアムステルダムからの私はふてくされてどうかしていた。タリス35分遅れで焦ったとはいえ、アントワープではなにもかも、本当にもったいない観光をしました。

市庁舎も修復中。

ところで大聖堂前のこの銅像。頭にトリをとまらせてのこのポーズ、なかなかラブリーでほほえましい。

誰じゃコレ？と思っていたけど、帰ってから調べたらルーベンスだった。うっひゃー(>∀<)すいません。だってあまり画家さんらしくなくて、お金持ちの商人風なんですもん。でもそういえばルーベンスは、画家だけじゃなくて学者だったり政治家？だったりとお金持ちで万能な人なんだった。

このギルドハウスは本当に美しくて印象に残ってます。ブリュッセルのグランプラスは圧迫感があったけど、ここの広場は素朴な感じで旅風情を漫喫しました。

いかにも日本風でない寿司レストラン。

残り時間30分近くなってたでしょうか……ろくに観光できないまま、駅への帰途につきました。まっすぐだったから迷わないとは思ったけど、心配性なので気もそぞろ。
アントワープ～ブリュッセル間は特に予約した電車じゃないんだけど、ブリュッセルのB&Bに「４時までに行く」とか言ってしまって、すでにちょっと遅刻ぎみだったので急いでいます。

これは広場の反対側か、もうちょっと手前くらいにあったかな？　「聖カロルス・ボロメウス教会」です。ここも中に入れたはず。本当に綺麗な建物でした。今思えば未練だらけ。

これはどこだかわからないのですが、駅への道のどこかです。ここも、しみじみ綺麗な場所でした！
旅はめぐりあわせですが、この町はゆっくり観光できたらとてもいい町だったと思います。タリスの遅刻と自分の落ち込みのせいでよい観光をしそこねてしまいました。

向こうに駅が見えてきて安心。

駅の正面ファサードです。本当に美しい。もと王宮かなんかなのかな？と調べてしまいました。さにあらず、最初から駅舎として建てられたものらしいです。1905年完成と、わりに新しい建物なんですね。

ホールもすばらしい……

べつに切符を買ったわけじゃないけど、「日本語」があるのに大感動。ちょっと押してみたりした。

そしてこの２日間ダメダメな私、ここでも最後までやらかしました。
ブリュッセルまでの列車、出発ホームが「２ｂ」と表示されていたので、きっと２番線のどこかだろうと、２番線をうろうろしていたのです。ところがどこを探してもｂの文字がない。もしかして別のホームか？！と向こうから来た女性に尋ねてみると、「急いで！これは地下２階のホームよ！」
長距離列車は地下２階とのこと。そういえば着いたときも地下２階だった！
うわあ～～あと５分もない！　女性にペコペコ頭をさげ、そこから全力疾走で地下２階のホームまで！

間に合った！　と思いきや、私が乗るつもりのＩＣのホームにはまたも汚いタリスがしれっと停車しています。私はまたもオロオロ。でも２ｂの表示はあるし、ここで待つしかしょうがないかな……。どうやら私の他にも不安に思っている人がいるらしく、何人かの乗客がキョロキョロしています。

結局タリスは５分遅れでしれっと出ていき(というか後発のＩＣの発車時刻から５分遅れ！)、その後１分もなく待ちかねたようにＩＣが入ってきました。ここまでくるとタリスの(というかSNCFの！)おとぼけたキャラに苦笑するしかない。

それにしてもほぼ順調だったスイスとドイツに比べ、オランダ・ベルギーでの私のダメさ加減。どこまで続くのでしょうか。運気回復を祈りつつＩＣに乗ってブリュッセルを目指します。