関東三十六不動霊場巡礼・第七回【後編】玉川大師、第17番等々力不動尊、等々力渓谷、九品仏浄眞寺、目黒大鳥神社

2018/11/18 - 2018/11/18

関東三十六不動霊場　第七回　東京の世田谷を廻る後半。
田園都市線で二子玉川駅に移動して、行ってみたかったお寺にお参りします。

世田谷地元住民の友人に、等々力渓谷、九品仏を案内してもらいました。
こういう機会がないと、絶対に行かない場所ばかり。

エリア 二子玉川(東京)

11：11　二子玉川駅に到着、何年ぶりかな。
友人の買い物に付き合ってから、玉川高島屋へ。
こっちこっちと、友人にくっついてシャトルバスに乗り場へ。

二子玉川駅 駅

高島屋の無料シャトルバスで別館のガーデンアイランドに到着。
246（国道）を瀬田の交差点方向に戻ると、右側にあります。

11：40　玉川高島屋　ガーデンアイランド
パティオがある素敵な造り。
ガーデニングやペット関連のお店が入ってる。

ブッフェ・ザ・ヴィラ
ちょっと早めですが、お手軽なブッフェレストランがあったので、ここでランチにしました。

2千円台のブッフェは、お高い食材は使いません。特に牛肉が無い。
すかいらーくグループの店舗なので、セントラルキッチンで作られたものが多いような気がする。
デザートの種類が多いので、女性受けしますが、内容は値段相応だね。
残しておきたいほどの料理は無かったようで、撮影してなかった。

ブッフェ ザ ヴィラ 玉川高島屋S・Cガーデンアイランド グルメ・レストラン

常に人が右往左往してて、テーブルもぎっちり詰め込んでいるので、落ち着かない。

食事に飽きた子供はフラフラ歩き回り、それを注意しない親。
地域柄、お母様のお召し物もバッグ類もそれなりの高級品で経済的に恵まれているのは一目瞭然ですが、子供の躾と収入は比例しないんだなと、お勉強になりました。
「お里が知れる」ってね。

ガーデンアイランドの目の前のトンネルで246をくぐって進むと右手にあるのが
13：06　玉川大師　寶泉山　玉眞密院　
創建は1925年（大正14年）　龍海大和尚により大師堂が造られました。

前にお参りに来た友人によると、床がふにゃふにゃしてるんだよと。
もう、いろいろ事前情報を見て、お参りしたかったんですよ。

玉川大師玉真密院 寺・神社・教会

堂内に入ると、やたらに張り紙が目につきます。あれしろ、これしろと。
まずは御本尊の大師様をお参りして、御朱印帳を預けて、地下霊場を参拝に行こうとすると、護摩修行が始まる雰囲気。
座布団が2列に並び、それぞれにお経を書いた紙が用意されているのに、参加者無し。

年配の女性が案内係のお兄さんに「お護摩は？お護摩はどうするの？？」って、しつこく言ってる。
あ～、どうも、私たちに護摩修行に参加してほしいんだろうなと思って、まあいいかと、参加することにいたしました。

その年配の女性は、お坊さんが詠むお経を全部覚えてらっしゃる。
もしや護摩修行してるお坊さんのお母様なのでは？なんて勘ぐってみる。

ご要望にお応えして、護摩修行に参加し、100円払って地下霊場へ。
大きな段ボールに履き替え用の使い古したスリッパが無造作に入ってて、適当にチョイスして装着。

昭和9年（1934年）に完成した地下霊場の遍照金剛殿へ。
胎蔵界曼荼羅をかたどり、最初は真っ暗闇ですが、後半は照明がついて四国八十八霊場と西国三十三霊場を廻ったご利益があります。

地下霊場は一見の価値ありです。
御朱印には秘仏の御影が張り付けられている。

ペロッとめくって　
御朱印は遍照尊

話題の年配女性とも対面して、護摩供養と、地下霊場拝観、なかなか面白い体験でした。

14：40　歩いて二子玉川駅に戻って、大井町線に乗って等々力駅へ

14：50　等々力駅から歩いてすぐ、友人が橋の上から渓谷が見下ろせるという。

1931年にこの橋の先に「等々力ゴルフコース」が開業したそうで、それでゴルフ橋というそうです。

ゴルフ橋 名所・史跡

お～！渓谷がよく見える。

渓谷って、奥多摩の丹沢あたりのV字谷のイメージ、まさか世田谷にそんな谷があるなんて想像できず、昔、知り合いに、ほんとに渓谷なのかと聞いた事がありました。
これは確かに渓谷だわ。

15：00　等々力不動尊　瀧轟山　明王院
満願寺別院　
関東産重力不動霊場　第17番

駅の反対側にある満願寺の別院で、山門は満願寺の山門を移築。
満願寺は平安時代末期に創建、1470年に世田谷城主だった吉良氏の祈願寺として兎々呂城にに再興されたお寺です。

等々力不動尊 寺・神社・教会

言い伝えによれば、この不動像は1300年前のもので、興教大師（覚鑁）の夢にお不動さんが現れて、関東に結縁の地があると告げます。
その不動像を背負い関東に入ると、夢と同じ渓谷があり、錫杖で岩を穿つと滝が流れだしました。そこにお不動様を安置したのが始まりなんだそうです。

立派な手水鉢。
境内はテラス風になっていて、渓谷を見下ろすことができます。

本堂は江戸末期の再建。
見事に咲いた菊の花が飾られていました。

興教大師は平安後期の真言宗の僧で、空海以来の才といわれます、高野山の腐敗衰退を目の当たりにし、立て直しを図りますが、反発した僧と対立し、命を狙われます。

興教大師の命を狙った僧徒がお堂に入ると、二体の不動明王像が並び、どちらかが興教大師が変化したものだろうと、両方の像に錐を刺しました。
不動明王の光背は実際に炎となり、両方の像から血が流れ出たのを見た僧徒は、恐れおののき、お堂をから出て行き、興教大師は一命をとりとめたと伝わります。

その興教大師が関東に来たのかというのは、明らかではないようですが・・・。

境内にはカフェがあります。
四季の花　等々力不動オリジナルの不動饅頭が味わえます。
コーヒーは100円、お饅頭も100円という良心的なお値段。

渓谷の下は雪月花という茶屋、お抹茶やあんみつ、くずもち、夏はかき氷、冬はおしること甘酒。
いい感じの甘味処ですね。

渓谷へは、こんな急な石段を下りて行きます。

稲荷堂　この横が不動の滝、水が落ちる音が轟くから等々力になったとか・・・。
今でも滝修行される方いるらしい。

等々力渓谷 自然・景勝地

渓谷はこのあたりの湧水が集まって流れとなり、その流れが浸食してできたものです。

以前はもっと水量があったそうで。
でもね、デートスポットとしては満点じゃないですか。

おしゃべりしながら、そぞろ歩き。水の轟がない方が、話も聞き取りやすいしね。

御朱印を頂きました
関東三十六不動霊場　第17番
瀧轟山　明王院　等々力不動尊
等々力不動尊

次は九品仏なんですが、半端な距離らしい・・・バスに乗るか電車にするかと迷っていたら、タクシーが来たので乗っちゃうことにしました。

15：32　九品仏　浄真寺　くほんぶつ　じょうしんじ
タクシーを降りた場所は参道の途中。

九品仏　くほんぶつ。都内の難読地名の一つと思う、読めません。

九品仏浄真寺 寺・神社・教会

九品山　唯在念佛院　浄真寺
ここは吉良氏の奥沢城があった場所で、小田原征伐後廃城となり、1675年に地元の名主さんがもらい受けて1678年に浄真寺を作りました。

総門　扁額は般舟場とあります。お寺が念仏の道場であることを示しているそうです。

門を入ると、閻魔堂があります。
閻魔様の像。
小さい頃、親から嘘をつくと、死んでから閻魔様に舌を抜かれるなんて、聞かされました。親も明治生まれの祖父母から、そう言われたのでしょう。
江戸時代の名残なんだろうなぁ。

葬頭河婆（そうずかば）　奪衣婆（だつえば）とも
人が死んで三途の川を渡り切ると、衣領樹という木の下に、この婆さんがいます。
婆さんは死者の衣をはぎ取り、懸衣爺が木に衣を掛けると、枝のたれ具合で生前の罪の重さが判ってしまうんだそうですよ。
フフフ、悪いことはできませんね。

開山堂
開山の珂碩上人をまつったお堂です。

お寺の創建は1667年、珂碩上人は江戸の大島で念仏堂に9体の阿弥陀如来座像を造ってまつりましたが、洪水の被害にあったため、徳川家綱からこの地を賜り、仏像も移して浄真寺と名乗ります。

さぎ草の手水。
お寺ができる前、奥沢城主に常盤姫という美しい娘がいました。
主君の世田谷城主の吉良頼康の側室になり寵愛を受けていました。

それを妬んだ他の側室は、頼康に常盤姫が不義をを犯したかのような告げ口をし、何度も告げ口を聞いた頼康はそれを信じるようになって、常盤姫を遠ざけるようになりました。

悲しみにくれた常盤姫は小さい頃から可愛がっていた白鷺の足に、潔白を書いた文を結び付け、父母のいる奥沢城へ放ちます。
そのとき、頼康は奥沢城の近くで狩りをしていて、その白鷺を射ち落してしまいます。

頼康は文を開いて読み、常盤姫の無実を知り、世田谷城に取って返しますが、時すでに遅し、常盤姫は自害していたのです。

射ち落された白鷺を奥沢城の近くに埋めて供養したところ、白鷺に似た花が咲きました。
それがさぎ草。
以前、お寺にはサギソウ園があったそうですが、今は駐車場になっているとか。
世田谷区の花はさぎ草です。

仁王門
1793年建立
左右に金剛力士像、裏側は風神雷神像。

都の指定天然記念物の銀杏。左手に本堂

本堂は二つの龍に守られています。
伊豆下田の龍と越後村上の龍で、それぞれ村人に禍をもたらしていました。

鐘楼
珂碩上人はそれぞれの龍に施餓鬼会を務めて供養し、戒名を授けます。
それ以降、村人は平穏に暮らすことができました。
二龍は上人と仏縁をむすび、本堂の柱に祀られて、お寺の守護神となりました。

本堂　　
その二つの龍の守護があるので、龍護殿。
1698年再建
御本尊は釈迦牟尼佛　開山の珂碩上人の作だそうです。

本堂をお参りします。拝観料は志をおさめます。
とても大きな本堂で、御朱印もこちらで頂きます。

勧進御朱印は勧進写経、と言ってもお念仏をなぞり書きするだけの簡単なものです。

勧進写経をして、いただいた御朱印
御本尊、釈迦牟尼如来の梵字
龍の印がいいですね。

お寺オリジナル、九品　きゅっぽん　というゆるキャラ
お掃除してるのかな？

袈裟の姿もあり、九品仏大修繕事業のために西方極楽浄土から娑婆に降り立ったそうでございますよ。頑張れ　きゅっぽん。

九品仏の由来は、本堂に対面するように建つ三つのお堂の仏像です。
上品堂、中品堂、下品堂があり、それぞれ三体の印相（手のポーズで、意味があります）が異なる大きな阿弥如来像が安置されています。

これは中品堂。

上品堂
浄土教の極楽往生の段階をあらわしていて、上品上生・じょうぼんじょうしょう、上品中生、上品下生と全部で９通りあって、九品往生といい、信心の篤い人から極悪人まで、段階があるんです。

とても大きくて金箔で彩られた仏様。
現在一体ずつ、修繕修理が行われていて、勧進御朱印はその費用に充てられます。

下品堂
地獄に落とされるべき極悪人であっても、心から阿弥陀様の念仏を唱えると、極楽往生できるんだそうです。

この奥が珂碩上人の御廟
九つの仏像と本堂の御本尊は、珂碩上人と弟子が造ったもので、大島から運ばれてきました。

御朱印を頂きました
九品阿弥陀佛
九躰の阿弥陀仏の御朱印

あのアフロさんの御朱印
五却思惟
本堂の中にいらっしゃいます。

お寺では三年に一度、おめんかぶり　という行事が行われます。
臨終の際に阿弥陀如来が25の菩薩を従えて極楽浄土から來迎するのを具現化したもので、本堂と上品堂の間に橋をかけて、菩薩のお面をかぶった人が行道します。

16：27　ここがお寺の参道入り口です。

時間も押してますが、九品仏駅から都立大学駅に移動して、目黒通りでバスに乗り換えて目黒の大鳥神社に向かいます。

17：08　目黒総鎮守　大鳥神社
もう真っ暗ですね。
境内に入れるので、お参りします。

大鳥神社 寺・神社・教会

社伝によれば、ここには国常立尊を祀った社があり、日本武尊が東夷平定のさい、立ち寄って祈願をしました。
日本武尊が亡くなると、白鳥になった霊が舞い降りて鳥明神として祀られたそうです。806年に社殿造営し、目黒で最も古い神社。
祭神　日本武尊、国常立尊　弟橘媛命

境内は熊手を売る屋台は組みっぱなし。
三の酉が25日なので、それまでこのままなんでしょうね。

数日前の13日が二の酉でした。
御朱印は例大祭と酉の市の日にしか頂くことができません。（2019年より通常授与が開始）
友人が酉の市に来て、この日に参拝することが決まっていたので、人数分の御朱印を貰ってくれてたのです。

これが御朱印　二の酉市の印が入ってます。

なので、夜遅くなっても参拝しなくちゃならなかった。

山手通り橋の上から。
信号待ちの車が並びます。

ここは目黒通りと山手通りの交差点。
山手通りの本線は渋滞緩和のため地下を通ってます。

目黒通りを目黒駅に向かいます。商店街のPOPも鮮やか。
お腹が減ったし、疲れたので、目黒駅に近いガストで軽く夕食を取り、おしゃべりをして解散。
地元友人のおかげで、効率よく行きたいところを廻った今回、とても充実していました。
さあ、次回は高尾山、小学校の遠足以来・・すでに記憶から欠如してるので、新鮮だろうね。