関東三十六不動霊場巡礼・第六回【前編】武蔵国一宮・小野神社　第22番高幡不動尊

2018/10/21 - 2018/10/21

関東三十六不動霊場巡りは毎月順調にお参りを重ねて６回目。

今回は多磨方面から練馬区に抜けるルートで廻ります。

まずはずっと行きたかった武蔵国一宮の小野神社からスタートです。

エリア 日野・昭島(東京)

8：45　聖蹟桜ヶ丘駅に、いつものメンバーで集合。
自宅最寄駅から怒涛の乗換5回、直線距離で18キロを5回ってね。

8：50　歩いて小野神社に向かいます。参道は神南せせらぎ通りと言うらしい。

参道入り口には一ノ宮渡しの碑と神奈川縣水量標識、大きな2本のケヤキは小野神社の御神木で、昔ここに一の鳥居があったそうです。

一ノ宮の渡しは鎌倉街道の多摩川の渡しで明治時代に始まります。昭和に入って（1937年）関戸橋が造られて廃止。

このあたりは明治に神奈川県南多摩郡だったことがあり、水量標識は多摩川の水位の計測基準点だったそうです。

小川（用水路）と並行した石畳の道。

この小野神社、なかなかお参りできなかったのは、神社周辺が狭い道で、以前は駐車場（2台分しかない）の場所がHPに載っていなかったからなんです。
土地勘無いし、ハードル高い場所だった。

8：54　小野神社　式内社（論社）　武蔵国一宮

伝わるところによれば、安寧天皇18年に鎮座
記録に残る最古は772年に小野社として。

武蔵一之宮
大宮にある氷川神社も一宮を名乗っています。
延喜式神名帳では一宮は小野神社、府中の大國魂神社でも一宮は小野神社です。

鎌倉時代は小野神社が一宮で、その後、室町時代に大宮氷川神社と勢力が逆転したようです。

随神門

大正15年に近くの火事で、すべての建物が類焼してしまい、昭和40年以降に再建されたもの。
周囲の彫刻がすごい！

鬼がいます。
永承六年（1051年）源頼義、頼家親子が太刀と詠歌一首を奉納したと伝わります。
鎌倉時代末期から戦国時代は戦乱や多摩川の氾濫で衰微してしまいますが、徳川
秀忠によって再建されました。

手水舎
中世以降、神仏習合で別当寺があり、文殊菩薩も祀られます。
幕末には新四国八十八ヶ所の四十八番札所になり、巡礼者がたくさん訪れたそうです。

初めて見る引き戸型の手水。綺麗な水です。
多摩川対岸にある小野神社も式内社の論社です。

多摩川の洪水で神社があちこち遷座したからだとか、分祀した神社だとか、いろいろ説があるそうですが、記録は無く分かりません。

拝殿
大正15年の火災で焼失し、昭和二年に本殿と共に再建されました。

朝日の木漏れ日がとてもい綺麗です。
撮影していたら、神主さんがいらした！
9時に伺いますとお伝えしてあったのです。

武蔵国一之宮と扁額にも堂々と。
神主さんが拝殿の扉を開けてくださる。

いいお天気なので、気が早い七五三参りもいいかも。

拝殿に巨木の根元部分に狛犬の彫刻が施されてたものが、飾られています。
この木、相当な樹齢ですね。

本殿、朱色も鮮やか。
主祭神は天ノ下春命（武蔵野国の開拓の神、知々夫国造の祖先）
瀬織津姫命

大正の火事のあと、境内奥の杜に本殿と拝殿を作ったのだそうです。

末社殿
末社はここに集めて祀られています。

社務所と授与所
事前に神社のホームページから御朱印を頂きたいと日時を伝えたところ、お越しくださいというお返事を頂きました。

神社には随身像が二体あり、この建物で保管されています。
古い一体は内側に墨書があり1319年の作、もう一体は1628年の作。
東京都指定の文化財で、室町時代より前の随身像は都内では貴重な文化財です。

お稲荷さんもお参り。

御朱印を頂きました。
達成感あり。

歩いて聖蹟桜ヶ丘駅に戻って、高幡不動に向かいます。

高幡不動駅　駅ビルのドトールでコーヒーブレイク。
席はほぼ埋まっていて、偶然4人分の席がまとめて空いた。ラッキー。

10：20　駅のロータリーにおりると、参道入り口にゲート、電飾広告付きだ。

高幡不動駅 駅

電柱のないすっきりした参道の先に、門が見えてきた。

10：23　高幡不動　高幡山　明王院　金剛寺　
関東三十六不動尊霊場　9番

お寺に伝わるところによれば、平安時代初期に円仁（慈覚大師）が清和天皇の勅願により高幡山の山中に東関鎮護の霊場を開いたのが始まり。

関東の三大不動の一つ（不動岡不動・大山不動もしくは高山不動）

高幡不動尊 金剛寺 寺・神社・教会

仁王門
1342年の不動堂に続いて建立。
昭和34年の解体修理時に当初の楼門として復元されました。

足利時代以降、武将からの信仰も厚く、江戸時代には関東屈指の大寺院で檀林（お坊さんの学問所）になります。

門を入ると、右手に宝輪閣
護摩修行などの受付はこちら。

1779年、火災により大日堂、大師堂、山門、客殿、僧坊などを焼失。
以降、復興を行い、現在の堂宇は昭和に入って工事を行ってからとのこと。

正面が不動堂
1335年に暴風雨（8月なので台風でしょう）で山中のお堂が崩壊し、1342年に山麓に移して立てたのが現在の不動堂。

手水舎　奥に土方歳三の銅像が見えます。
新選組はあまり興味がないのですが、つい一カ月前に京都の壬生寺にお参りしたばかり。
お寺は土方歳三の菩提寺です。

お線香をあげて、燈明をあげて

28日はお不動さんの縁日ですが、なんで２８日なのか調べたら、どうも、嵯峨天皇が国家平安を願い、弘法大師によって宮中で初めて護摩修行が行われたのが28日だったからだそうです。

ふと振り返ると、友人はお宮参りの家族の臨時カメラマンになってました。
いいお天気で、七五三のお参りの家族もたくさん。

不動堂　
平安時代の御本尊の不動明王と二童子像は奥殿に安置されています。
いまは平成9年に造られた身代わりの新丈六不動明王像が安置されています。

護摩木を納めました。

護摩修行が終わったばかり、退出する人を待って、堂内に入ってお参りできました。

平安時代様式を模して造られた五重塔　高さ45ｍ　昭和55年（1980年）建立
初層は扉から拝観できます。
内部は4月28日のみ一般公開、螺旋階段の壁には、お釈迦様の一生を描いたレリーフがあります。

塔の基礎部分は無料休憩所になっています。

この日はござれ市が開催されていて、参道は生活雑貨を売るお店が出てました。食器類が多いみたいです。

虚空蔵院
虚空蔵菩薩がまつられています。
十三参りの仏様
え？なに十三参りって？と友人に聞くと、13歳になった子が厄除けでお参りするんだそうで。

大師堂　2009年に230年ぶりに再建されました。
この日は21日　弘法大師の命日、お参りの方が多いですね。

聖天堂　こちらも2009年に再建。
大自在天観世音をまつります。

大日堂　
実はこのお堂が総本堂　江戸時代の仮本堂を1987年に改修工事して建立。
大日如来像　旧本尊は　これも奥殿に安置されています。

大玄関　ここから拝観。
本堂の内部はヒノキを漆で仕上げ、天井には鳴り龍が描かれています。

お参りする人も少なく、龍の下で手を叩いて、音の響きを聞くことができました。

お参りが逆になってしまいましたが、本堂参道になる山門です。

鎮守　五部権現　境内鎮守社
源頼義が奥州氾濫鎮圧の際に八幡社を勧請し、稲荷、丹生、高野、清瀧権現を合祀したので五部権現。
1671年再建　中の赤い祠で、外側の茶色の建物は覆屋です。

御朱印はここで。
調査不足で、御本尊の御朱印を頂くのを忘れました。

高幡山　明王院　金剛寺　高幡不動尊　
弘法大師御作　不動明王

奥殿　寺宝展示室　
不動堂の旧本尊、大日堂の旧本尊はここに安置されています。
月曜は休館です。

仁王門の前に高幡まんじゅう　松盛堂
お饅頭は持ち歩きに重たいので買わないが・・・友人は購入。

高幡不動駅に戻って、モノレールで田無駅に移動です。