またおくってね･･･と可愛い孫からの手紙に触発されたのかな。元職の同僚S君と吉野温泉行へ。中荘温泉という吉野の東部吉野川沿いの町営温泉へ。ここは昨年も拝湯していますが、施設の改修をするというアナウンスがありその結果も見たくて再湯したもの。<br />　温泉に加えて、表題の柿も買うといういささか無理な旅に付き合わされた元同僚にとってはいい迷惑だったかも。<br />

西吉野柿と南朝の史跡を行く

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2019/11/21 - 2019/11/21

72位(同エリア130件中)

河内温泉大学名誉教授さん

　またおくってね･･･と可愛い孫からの手紙に触発されたのかな。元職の同僚S君と吉野温泉行へ。中荘温泉という吉野の東部吉野川沿いの町営温泉へ。ここは昨年も拝湯していますが、施設の改修をするというアナウンスがありその結果も見たくて再湯したもの。
　温泉に加えて、表題の柿も買うといういささか無理な旅に付き合わされた元同僚にとってはいい迷惑だったかも。

エリア

五條(奈良)

旅行の満足度: 5.0

交通手段: 自家用車

　上市から吉野川沿いを遡り、吉野金峯山寺方向への橋を渡らずに川沿い数キロに中荘温泉があります。吉野川に沿って立地しているのですが、お風呂からは覗き込まねば川は見えません。施設は耐震化工事で鎹を施して内装を新装して程度の改修です。小洒落たレストランが併設されたのは良いことですね。鯛飯定食をいただきましたが、吉野川の特産”鯛”は美味でした。
　改修された浴室。
　テラスも良いが、この時期はもう寒い。
　吉野の離宮（とつみや）に幸（いでま）しし時の歌二首（の一首））
　「瀧上乃三船山従秋津邊来鳴度者誰喚兒鳥」万葉集巻九―1713　作者不詳
（たぎのうへの　みふねのやまゆ　あきづへにきなきわたるは　たれよぶこどり）

　犬養先生揮毫の万葉歌碑も移転していました。
　ここから、川を下り孫達ご希望の柿を買いに行きます。川の右岸が国道169号、左岸が旧道で共に「伊勢街道」という古道です。

　その古道脇の急流が見える場所で休息していたら、老夫婦が声を掛けてきます。「車に鍵を閉じ込めた、何とかならないか･･･」という救難（？）でしょうか。「じゃーJAFを呼んであげましょうか」「お願いします」「HPで見ると15000円程かかりますよ」「･･･」「貴方がたは何処へ行くの･･･」「西吉野へ柿を買いに」「柿なら橋本の方が美味いよ」「私の家の近くで柿を売っているから、家まで一緒に行って車の鍵を取りに行ってくれないか」「ウン･･･」「じゃー１万円出すから、どう？」「JAFにするか、しないかにしてくれない」「ならば、次に通る車と交渉する」「では、お好きに･･･」

　と、吉本新喜劇のようなやり取りを。河内のおばちゃんにはひっくり返ることがありますが、吉野川のご婦人も凄いと思いました。
　下市から五條への山中で。
　一面の柿畑。大規模化が生産量を高め、農家経営が安定したという、。
　西吉野の柿出荷場では、富有柿のシーズンとか。１キロ600円で沢山仕入れます。自分で選果しなければいけませんが、直ぐに食べる、少し間を置いて食べるに区別。少し間を置くは次回若草読書会に差し入れというか、「買収」用にと保管します。餌で釣るしか、愚僧の話などお聞きいただくようなものではないと、白旗ですね。いや「黄色」旗でしょうか。
　より分けました。1キロ600円ですが、安いのかどうか分かりませんが、孫は喜ぶことでしょう。
　後は選果場近くの賀名生の里へ、ここも何度目かの訪問です。これは五條市の施設で、同行のＳ君の職域での全国研修施設での同窓生が副市長＊君というので、関心がある様子なので訪れることとした。施設の説明もさることながら、＊君の様子もしっかり聴いていたようです。施設職員が気を利かして架電しようとするが、急な訪問なので遠慮するというやり取りを脇で聴きつつ愚僧は展示見学です。

　賀名生の名の由来とか。
　何やら説明が書かれています。
　瓦も菊の紋が。
　五條市は、紀ノ川沿いにひらけた町で南北朝時代の1348年に南朝の本拠地である吉野が陥落した際に、後村上天皇が賀名生（現在の五條市西吉野町）に入り、一時期南朝が置かれた。

　この偏額は天誅組が掲げました。
　館内展示。
　館内展示。
　南朝の忠臣「北畠親房」の墓も史料館裏山にあります。
　墓は今は五条高校分校（跡）になっています。
　時代は下がって1600年に松倉重政が関ヶ原の戦いの論功で領土を与えられ、大和五条藩が成立。その後天領となり代官所が置かれる。さらに維新直前の1863年天誅組が五條代官所を襲撃、代官鈴木正信（源内）を殺害し倒幕運動の烽火を上げたことでも知られる（天誅組の変）。天誅組の本陣は桜井寺（現在の五條市須恵、本陣交差点の近く）に置かれ、一時「五條仮政府」を名乗った。と、云うことで五條は二度日本の首都の様な立ち位置になった事がある。

　天誅組が立て籠もった桜井寺の碑。
　桜井寺。

　天誅組が襲った代官所跡。
　職員さんに、後醍醐天皇から99代後亀山天皇までの４代にわたる南朝の天皇を迎え入れ、皇居まで設けた西吉野という町の財力や気質をお聞きする。冨は「山の木」、木材という財力。気質については、権力に刃向かい困った者を助けるという義侠心とでも言う心意気だという。だとすると、後年の「天誅組」の拠点となった吉野も同時に理解出来たようにも思える。何か、「謎」の一つが晴れたような西吉野行でした。

　幻の「五新線」と同じ幻の政府もあった五條市。