2019/08/16 - 2019/08/16
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mimicatさん
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映画の「007スカイフォール」は暗かったけど、アデルの主題歌が好きだった。
スカイフォールのお屋敷があったのがグレンコーだそう。
グレンフィナンからグレンコーを通り抜けて「ダウントン・アビー」の撮影にも使われたInvarary Castleへ向かいます。
本日は「ハリーポッター」→「007スカイフォール」→「ダウントン・アビー」と続いていきます。
ちょっと「ゲーム・オブ・スローンズ」も入ります。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- レンタカー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
グレンフィナンを後にしてフォートウィリアムまで戻り、その後やや南下します。
大きな湖に出ました。
リゾートっぽい。 -
かと思ったら、山が迫ってきました。
この天気。
晴れたらきれいだけど、おどろおどろしさはグレンコーにお似合いかもね。 -
グレンコーに行くというと、義姉が「あそこは....」でした。
義姉はリタイヤするまでは教師だったので、歴史にはちょっと詳しい。
「...」は「グレンコーの虐殺」のせいですね。 -
「グレコーの虐殺」はイングランドの名誉革命の絡みなので、イギリスの市民革命あたりを簡単におさらい。
-
リチャード3世を倒してスタートしたチューダー朝の有名人はヘンリー8世。
なんで有名かというと、離婚したくてカトリックやめて英国国教会をスタートさせたからですね。 -
で、ヘンリー8世が亡くなると、病弱な息子がショート・リリーフした後、その最初に離婚した妻との間の娘である、メアリー1世がイングランド女王になり、カトリックへ戻そうとプロテスタントを殺しまくります(付いたあだ名がブラディ・マリー)。
-
メアリー1世が亡くなると、異母妹のエリザベス1世が即位。
大英帝国の繁栄に従って、ジェントリーと呼ばれる市民階級が形成されていきます。
彼女が亡くなると未婚だったので跡継ぎがなく、チューダー朝は終了。
スチュアート朝がスタートします。
そして市民階級による清教徒革命がおき、名誉革命へとつながっていきます。 -
12時をとっくに過ぎて小腹が空いたので、もう1つ残ったケーキでエネルギー補給。
ドライフルーツたっぷりで、こちらもおいしい。
あの店、当たりだったな。 -
水墨画の世界だなぁ。
-
さて、市民革命に戻ります。
1603年(江戸幕府が開かれた年)、スチュアート朝はスコットランド王ジェームズ6世(メアリー・スチュアートの息子)がイングランド王ジェームズ1世として迎えられスタートします。
ここからイングランドとスコットランドは1707年に合同化するまで、同じ君主を持つ、ゆる~い連合国になります。
宗教改革やらキーワードはいっぱいあるが飛ばします。
清教徒革命(1640-1660年)がおこります。
ざっくり言って国王VS議会の戦い。
ざーっと端折って、議会の決定でジェームス1世の後を継いだチャールズ1世が処刑され、イングランドは共和制となります。 -
ここで権力を固めたクロムウェルはアイルランドを征服したり、英蘭戦争を起こしたりします。
現在でも何かと出てくるアイルランド問題はこの頃に根っこがあります。
結構無茶します。
締め付け厳しいです。
不満溜まってます。
クロムウェルが病死すると(インフルエンザだって)、イングランド・スコットランド・アイルランドは王政復古しました。
亡命していたチャールズ2世(1世の息子)が即位します。 -
ここからが名誉革命の話。立憲君主制への移行です。
王政復古はしましたが、絶対王政にはもう戻れない。
でもチャールズ2世はやっと王様になったので、エラソーにしたい。
弟のジェームズ2世が王位を継ぐと間もなく、王様は議会に追い出されます。
そもそもこの兄弟はカトリック。ウチ国教会なんで、あなたはクビです。
議会が選んだ次の王様はプロテスタントのオランダ総督でジェームズ2世の娘婿。
父の後を継いだメアリー2世と夫のウイリアム3世の共同統治(実際はメアリー2世は形だけ)で、1689年立憲君主制がスタートします。 -
すごい滝の数。
山肌が白くなっているところは全部滝でした。
これは、なんか、すごく感動した。 -
名誉革命は死人が出なかったので、「名誉」と名付けられたそうですが、実は結構血は流れてます。
1番問題なのは宗教を限定してしまったこと。
ヘンリー8世からこっち、ずっとカソリックかプロテスタントかで振り回されてきたので、「王位継承者はカソリックはダメ」と「権利章典」に明記したのですが、「王様がダメなら庶民もそりゃ~ダメでしょ。」
「イングランドはダメなんだから、スコットランドもアイルランドも例外なしよ!」ってなっちゃったのが大問題でした。
イングランドはヘンリー8世がカトリックと決別したけど、スコットランドとアイルランドは関係ないもんね。
信仰心は人から押し付けられるものじゃないものねぇ。
これがもとで流れた血は多いよぉ~。 -
ゴーストのように山が2重3重に見えますが、カメラの故障じゃなくて、本当にこんな風景なんですよ。
天気が悪い事の恩恵かもね。
虐殺事件を語るには格好の風景。 -
で、やっと「グレンコーの虐殺」です。
前振り長かった~。
1692年、ハイランド地方は未だ不安定でした。
ジェームス2世はスコットランド王ジェームス7世で、そもそもスチュアート朝はスコットランド王からスタートしています。
それが追放ってねぇ。
イングランドって、ちょっとヤな感じよねぇ。
ジャコバイトと呼ばれる、ジェームス2世とその子孫を正当として支持する名誉革命反対派勢力が生まれていました。 -
さて、この年の元旦までに、各氏族は新国王ウィリアム3世に忠誠を誓う署名をしなければならないことになっていました。
ハイランドはグレン(谷)に分断された氏族(クラン)に分かれていました。
団結すればスコティッシュ・ブレーブなんだけど、分かれてるとねぇ。
この署名も強いハイランド人を兵士として取り込もうという意図からです。 -
署名を拒むとどんな災難が一族に降りかかるか簡単に想像できるので、各氏族の長は極寒の雪の中、役所に出向き署名を済ませていきます。
が、1名だけ署名をしていない族長がいました。
それがグレンコー村のマキーアン。 -
マキーアンは反逆するつもりで署名をしなかった訳ではなく、遅刻したんです。
場所を間違え(イングランドが意図的に場所を急に変えて、通行妨害もしたらしい)、6日遅れてやっと署名しました。
う~む。これは、罠にかかったね。 -
王への忠誠が遅れた、って口実を得て喜んだのは、スコットランドの国務大臣ブレダルベーン伯ジョン・キャンベル。
当時のハイランドではキャンベルとマクドナルドの有力2大氏族がしばしば衝突しておりました。
マキーアンはマクドナルド氏族なんです。
きな臭いですねぇ。 -
「マクドナルドの署名は無効」とウイリアム3世へ伝えられ、「粛清」の命令書が発行されます。
命令書に署名したのはステア伯(スコットランド担当国務大臣・司法長官)、キャンベル氏族長ブレダルベーン伯、そしてウィリアム3世。 -
1月末、ロバート・キャンベルは120名の部下と共にグレンコー村を訪れます。
税務調査という名目で2週間滞在。
ハイランドでは客人はおもてなしする習慣があったので、マクドナルドは宿と食事を与え、おもてなししました。 -
2月12日キャンベルは上司から命令書を受け取ります。
「70歳未満の村人は一人残らず抹殺すること。我が国の平和と正義の為に、国王陛下の特別命令である。」 -
その夜、キャンベルとその部下は、犠牲者になる予定の人々と食事を共にしトランプに興じます。
「明日もまたお食事しましょうね」って誘いを快諾して床に着きます。
(この神経がすごい。メンタル強い。)
翌朝早く、命令は部下に伝えられ、実行されました。
家に火をかけ、族長以下子供を含め38名が惨殺されました。
案外犠牲者が少ないのは、命令の惨さに部下が躊躇したとか、逃がしたとか。 -
村の人口は約400名でしたので、9割は逃げることができたわけですが、何せやり方が汚いので大スキャンダルとなります。
マクドナルド氏族は宿敵ではあっても慣習に則ってキャンベル一行を2週間に渡ってもてなします。
その恩を仇で返す。
安心させて、殺す。
スコットランドは勿論、知らされていなかったイングランド議員からも非難が巻き起こります。 -
王室、ステア伯、キャンベル氏の間で責任の押し付け合いが始まります。
当初、キャンベル氏が黒幕として幕引きを図りますが、命令書が見つかって議論は泥沼化、そして風化していきます。
結局、「グレンコーの虐殺」はイングランドとスコットランドの溝を深め、ジャコバイトにイングランド攻撃の材料を与え、一方でスコットランド氏族間の溝も深めました。 -
ヒースの花が咲いています。
この花は植木鉢に入っているよりも、こうして野原にある方がきれいですね。 -
もともとキャンベル氏はイングランド寄りで評判が良くなかったのに、虐殺に加担した卑怯者として氏族社会で孤立を深めます。
つい最近まで、グレンコーやマクドナルド氏族系のパブなどの多くで「No Hawkers or Campbells(行商とキャンベルお断り)」の札がかかっていたとか。
生憎パブに寄らなかったから確かめられなかったけど、次の機会にはチェックしてみたい。 -
これも滝か。
-
滝は沢山あっても川はあんまり見なかったので、ちょっと新鮮。
-
森と湖のスコットランド。
そうそう、「グレンコー」とは「嘆きの谷」という意味だそうです。 -
最近、「グレンコーの虐殺」がまた注目を浴びているとか。
それは「ゲーム・オブ・スローンズ」の大ヒットの影響。
「レッド・ウェディング(シーズン3第9話)」がこの事件から影響を受けていると原作者のG・R・R・マーティンが種明かししたのです。
共に食事を取って油断している相手を容赦なく殺す、安心しきっている相手を片っ端から殺す、ってところがキモらしい。
私は見てないんだけどね。 -
グレンコーを抜けたようです。
雨もすごく良かったけど、晴天の下の谷も見たかったなぁ。
昨日は移動日だったので、雨でも良かったのに。
雨だったら散策なんてしないでダルウィニー蒸留所へ行ってたのに。
ぶちぶち。 -
「007スカイフォール」のあの暗さは、グレンコーにピッタリ。
もう1回見直してみようかな。
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