2019/07/10 - 2019/07/14
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binchanさん
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7月11日 木曜日 旅行2日目
池西村の虎目滬と岩瀑を見た後は、少し離れた観光聚落まで徒歩移動します。
池西と池東はかつて小池角という一つの町で、日本時代には馬公と並ぶ繁華街があったといいます。次の目的地へはその小池角の中心地あたりを通ることになるのですが、その時はそんな歴史を知らずただの通り道の予定でした。
現在の澎湖は船も飛行機もまず馬公に到着します。馬公から西嶼までは陸路移動可能なので、外から来た人は馬公→西嶼が通常の移動パターンです。しかし以前は違いました。澎湖は台湾本島と中国大陸の間にあり、大陸から台湾を目指す商人らはまず西嶼の港で水などを補給、そこから船で馬公なり台湾本島なりへ向かったのです。つまり澎湖の玄関口は西嶼西岸だったのです。
大陸側から来ればまず最初に見えるのが西嶼です。漁翁島燈塔を目印に台湾海峡を渡り、無事西嶼の港にたどり着いた時は一安心したことでしょう。船乗りらも上陸して遊んだりしたのかもしれません。
そういうわけで西嶼西岸の港である小池角は当時、馬公に匹敵する賑わいだったのです。それに終止符を打ったのが日中戦争の勃発。澎湖は当時日本領ですから敵国との貿易は衰退します。終戦後も台湾と大陸中国は戦争状態でしたから、西嶼に貿易船が戻ることなく現在に至るわけです。
今となっては大陸から来る観光客も馬公の空港に飛んでくるわけで、西嶼の小さな港が国際舞台に返り咲くことは今後もなさそうです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ここで虎目滬から二崁への経路をご案内。こんな風に歩きました。4.5キロほどの散策です。
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14:06
岩瀑の崖の上から池西の集落に向かって歩いていると、鬱蒼と茂る草木の中に古い家を発見。現在の住宅街からは離れているけど、畑の作業小屋とかじゃない立派な住宅ですよ。 -
少し歩くとほかにもいくつか家がある。現在は誰も住んでいない様子ですが、やはり往時はそれなりのお宅だった感じ。
旅行記のために調べたところ、小池角(現在の池西村・池東村)は今よりずっと大きな町だったらしい。かつてはここまで住宅街が広がっていたんですね。 -
現在の集落の端まで来ました。
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西嶼で見かけた猫はみんなとても小柄だった。島嶼化?
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14:10
西井脚の井戸。
清代康煕年間(18世紀初頭)の官人(科挙秀才)顔我揚が開いたという井戸。この集落の歴史の深さを感じますね。 -
周囲には古そうな家があります。
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これは立派な門ですねえ。さぞかし立派なお宅だったんでしょう。
小池角は日本時代に最も多くの三合院があった町だったそうです。 -
こちらにも立派な家が。
小池角に最も多い一族である顔家の邸宅の一つ。1930年代のものと思われます。 -
バロック風のこの建物には「助源家園」と書かれています。意味は不明。
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隣のこの建物には「陋巷衍派」とあります。
顔家の堂號の一つ。堂號とはある一族(この場合顔一族)が先祖の功績や発祥地を示すために、門などに掲げる文字のこと。この顔家の場合は孔子の高弟「願回」が陋巷(狭くむさくるしい町の意味)に住んでいたというのを由来に、陋巷から広く広まった(衍派)と記しているようです(自分で調べた結果なので正解とは限らないです)。 -
さらに進んでいきます。
このあたりは日本時代に竹仔街と呼ばれた繁華街だったと推測。
https://penghu.info/OB6426E3C5CB4F08129F
このサイトを頼りにした推測ですが確信はないです。 -
ちょっと注意して見るといたる所に古民家跡が。小さな漁村である現在の池東・池西村からは想像できないような町だったんだろうな。
清代や明治時代の建物だと、相当崩れていても文化財になっていることが多いのですが、このあたりの建物はどれ一つとして文化財にはなっていません。なのでそのほとんどが昭和初期のものと思われます。 -
バナナ!
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すごい枝ぶりの樹木。生垣というより防風林。
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石滬が描かれてます。
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14:20
西嶼郷公所(役場)。
ここが西嶼郷の中心であることがわかりますね。 -
郷公所前にあった建物。何の跡なんだろう。
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ATM。
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新しそうなお屋敷発見。
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「文獻流芳」と掲げられてます。堂號かな。
流芳は名声を残すという意味なので、文獻に名が記されるような功績があった一族なんだろうか。 -
隣り合って古い建物もありました。
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すぐ近くには井戸。井戸多いなあ。かつての人口規模だとこれくらい井戸がないと足りなかったのかな。
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ん?あれなんだろう。
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謎に思ったらとりあえず近づいてみるのが私の習性。展望台?
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登れる階段があったら登っちゃうのも習性。
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今は展望台なのかもしれませんが、元は軍事施設みたいですね。
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調べてみると日本海軍が1944~45年頃作った「小池角特設見張所」でした。第二次世界大戦末期には澎湖にも米軍の空襲があり、その来襲を見張り、対空砲などで応戦するのが見張り所の役割。当時は兵舎、発電所、探照灯(サーチライト)、トーチカ(短十二糎砲)などを備えており、当時の写真を検索してみたらかなり大きな設備でした。
戦後は國軍に接収されて同じく見張り所として使われていたようですが、1970年代にはその役割も終え、一部が展望台として残されているとのこと。 -
見張所から見た小池角の町と湾。こうやって敵機の襲来を見張っていたんだな。
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道に戻るとまた井戸を発見。今度は洗濯場もついてる。
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この井戸はポンプでくみ上げて現在も利用してるみたい。
小池角と言う地名はもともと「小池」という淡水の池があったことに由来してます。現在池西村に「小池水庫(ダム)」がありその隣に自來水公司(水道局)もあるのですが、やはりダムだけでは心もとないのでしょうか。 -
樹木に飲みこまれそうな家。
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目指している二崁というところは清代道光年間から発展してきた古い集落で、2001年に台湾初の伝統聚楽保存區となりました。現在は観光地として人気を集めています。池西・池東村のこれらの建物も古さは二崁と同じくらいなので、十分保存の価値があると思うのですが、こちらは全く手つかずで、住民がいない家は崩れ落ちるがままになっているんですよね。
ただそのおかげで、観光化されていない、あるがままの古い街並みを見ることができました。なんだかとっておきの掘り出し物を発見したような、ちょっと得した気分。 -
14:37
玄鎮宮。日本時代に創建された土地公を祀る宮です。
楽しすぎて小池角散策に思いがけない時間をかけてしまった。二崁がもっと楽しい場所だったらどうしよう。帰りのバスの時間を遅らせて、夕方まで西嶼に滞在する?
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