ブルガリア・ルーマニア　やさぐれ一人旅　16日間　【その4】リラの僧院の宿坊に泊まる

2018/06/08 - 2018/06/23

若い頃は散々楽しんだ一人旅。
子どもが生まれてからすっかり縁遠くなってしまっていましたが、
＊＊歳になるのを記念し、ワガママを言って夫と小学生の娘を置き去りに、長年の夢だったブルガリア・ルーマニアへと旅立ちました。

目的は、
・リラの僧院の宿坊に泊まること
・マラムレシュの木造教会で日曜の礼拝（聖体礼儀？）を見ること
・ブコヴィナの修道院をめぐること

もうなかなか行けないだろうと16日間にぎっしり旅程を詰め込み「スタンプラリーか？？」というような旅でしたが、旅行前の計画段階ではこちらの旅行記にも散々お世話になりましたので、忙しい社会人には参考になることもあろうかと、なるべく最新の情報を多く盛り込んで書こうと思います。

【その4】は、いよいよリラの僧院の宿坊に泊まります！

（写真は、リラの僧院回廊のフレスコ画）

エリア リラの僧院周辺(ブルガリア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 25万円 - 30万円
• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

バスは信州あたりの高原を思わせる緑の森の中をどんどん上っていきます。途中には、名物というマス料理を出すレストランや、ホテル、民宿が点在していました。やはりレンタカーで来るのが一番いいのかもしれません。

4時半前に、リラの僧院へ到着。
門をくぐると、目に飛び込んでくる真ん中の聖母誕生教会と、それをぐるっと取り囲む僧院の建物に圧倒されます。

見学は後回しにして、とりあえず宿坊の受付（表側の門から見ると、ちょうど対角線上のところあたりにある歴史博物館の右側、1階）に向かいます。

実はここは予約ができないということで、万一いっぱいだったらどうしよう、とヒヤヒヤしていました。ただ、僧院の裏門を出たところの　Hotel Tzarev Vrah（実はこれは「地球の歩き方」に載っているリラ・レストランと同じ）に空室が3室あるのをBooking.comで事前に確認していたので、もしダメだったらこちらに泊まろうという心積もりでいました。

写真は宿坊の案内です。
この通り、宿坊の受付が2時～4時、6時～7時しか開いてないらしいというのを事前に調べていたので、4時過ぎに着くバスでは6時まで待たされるかも？？と思っていました。ところが行ってみると4時半ごろでしたが開いていて、まるでツキノワグマみたいなすごいヒゲの黒ずくめの修道士さんが、国内からの先客を受け付けているところでした。なんとラッキー！　部屋もちゃんとあるとのこと（後で知ったのですが結局この夜泊まってたのは5組くらいだったらしい）。

「ここに宿泊する目的は巡礼であり、僧院の静寂を尊重することを誓います」みたいな文書（回収されたのでうろ覚え）にサインさせられ、宿泊費30Lvを払って鍵をもらいました。

僧院の猫。
この写真の奥の小さい扉が受付です。

宿坊は、僧院の東翼（一番奥側の建物）、歴史博物館の上の二、三階にあります。
実はここの部分は1970年代の増築だそうで、ほかの部分と異なり廊下や階段がコンクリだったりしてちょっと風情に欠けます（ほかは木造）。

3人部屋でした。簡素ですが、タオルもちゃんとありました。
窓の外はリラ川の清流が。

シャワー、トイレ付き。お湯もちゃんと出ました。
バス無しを覚悟していたので、石鹸まであるのを見たときは奇跡かと思いました（笑）。

二階からでないと見られない景色を撮りまくります。

早速、僧院の中庭に建つ聖母誕生教会の見学へ。
回廊のフレスコ画が素晴らしく、見飽きません。

壁と天井をぎっしりと埋め尽くすフレスコ画に圧倒されます。

地獄図絵。

宿坊の受付が、なぜ4時～6時に閉まるのかわかりました。5時前に、さきほどの修道士が、板を叩きながら僧院内を回って、夕方の礼拝（奉神礼？）が始まることを知らせます。

そうだ、「巡礼」に来たという名目なんだよな～と思い、1時間の礼拝を見学しました。（堂内は撮影禁止なので写真なし）
堂内に響く独特の節回しの朗唱が素晴らしかったです。なんというか、素人耳には時折挟まれる「アレルヤアレルヤ」という言葉がなければ、コーランの朗詠か？と思ってしまうような響きです。
これを見学できただけでも、リラの僧院に泊まる価値がありました。

残念ながら、フレリョの塔は16時までなので、入ることができませんでした。塔1階の土産物屋も18時には閉まり、日帰りのお客もこのころにはどんどんいなくなっていきます。

19：30まで開館の歴史博物館はこの後見ることができましたが、イコンギャラリーはすでに18時には閉まっており（本来は19：30まで）、翌朝も見ることができませんでした。開閉館は超テキトーです。残念！

修道院内には郵便局もありました。絵葉書を書いて、ここで投函するのも良さそうです。ネットも通じないしね。

僧院の東（裏）門を出たところにある、Hotel Tzarev Vrahの気持ちのいいテラスで夕食をとりました。ここもかなり趣のある建物なので、こちらへ泊まるのもいいと思います。

名物のマス料理。
味は、う～ん、海外に行くとときどき「厨房かして！　私がやるから」と言いたくなってしまうようなことがありますが、これももう少し強く塩をして炭火で焼けば……と思ってしまう味。

ショプスカ・サラダとワイン、パンで全部で22Lvでした。

営業は、僧院の門限に合わせて（？？）21時までとのこと（朝は8時30分から）。

実はこのレストランの道向かいに、新しい建物が建築中でした。大きさからみてホテルではないでしょうか？
これができればまた宿泊の選択肢が増えますね。

このほかに、門寄りにもう一軒小さめのレストランがありました。

僧院のすぐ脇を流れるリラ川。マスはこの川からでしょうか？

9時過ぎ。やっと暗くなってきて、僧院に明かりが灯ります。
宿泊客だけが見ることのできる風景です。

暮れてゆく僧院。泊まってよかった、と思える風景でした。

僧院の猫。

全くの静寂……と言いたいところなのですが、ときどき「ヒュ～、パンパンパン」みたいな変な電子音が。何かと思ったら、どうも鳥を音で追い払う装置のようです。